2025年03月28日

防災用のラジオ おすすめの3機種(2025年版)。ラジオは普段から使ってください 


少し前にBCLについて書いたけど、ラジオの話題は続く。
手元には、SONYのICF-2001Dを筆頭に、据え置き、ポータブル、名刺サイズまで10台近くある。それらのラジオは置き場所が決まっているが、この記事を書くにあたって同じ場所で受信や音質の比較なども行なった。遠方の放送局はともかく、強電界の地元放送局を聴くにはどれも大差ないことがわかった(中距離以上や弱電界、コミュニティFMになると性能差が出てくる)。
DSCF1136-1.jpg

テレビのヴァラエティ番組は20世紀末ぐらいから見た記憶がない(時間のムダ、というか見るのが苦痛。芸能人の名前は両手に余るぐらいしか出てこない芸能界音痴)。テレビは数年見ていないが、ラジオは毎日点ける。特に食事の準備や食事中、清掃などで聴くことが多い。また、早朝や深夜の番組も聴く。ネットラジオは聞き逃し配信を利用することがある。

いずれにしても目を酷使しがちな日常で、音だけというのは好ましく感じる。特に聞きたいと思っていなくても、ついつい放送を聴き入ってしまうことが多々ある(続きを聴きたいが移動しなければならないなど)。テレビの情報に比べて話し手の個性や主張が明確に伝わるのも長所。

前回は海外の短波放送というマニアックな話題であったので、身近な放送局を快適に聴くためのラジオ、そして防災ラジオという観点で書く。

ゲリラ豪雨による氾濫、土砂災害、内水被害などは日常的に高い頻度で起こるようになってきた。J-SHIS 地震ハザードステーションを見ると近年は南海トラフ地震の発生確率も上がっている。企業はどのように自然災害、感染症、サイバー攻撃に向かい合うのかについての勉強会を開催しており、対策を考えたいという企業には無料で助言を行なっているところ。

そのなかでラジオの位置づけ、通信確保の手段や能登半島での教訓などを交えてお伝えしている。災害時は音声通話が不通となり、グループLINEなどのSNS援用の安否確認もサーバーが落ちると予測する。SNSは日常的に活用できるので災害時も親和性が高いのだが、通信が集中すると機能しないことは確実なので代替手段を確保して日常的に使うことを勧める。

災害伝言ダイヤル171は、日常的に利用しないといざというときに役に立たないし(サービスは普段は閉じているが、月に2回はNTTは試用ができるようにサービスを開放する。契約キャリアも問わない)。しかし広範に停電すればこれも使えない。メール(メーリングリスト)は見落とされる可能性が高く、Gmailなどはセキュリティ強化で不達の怖れがある。音声通話と比べてデータ通信(メールやWebブラウジング)はまだ活用できる可能性が高いものの、激甚災害時に輻輳は避けられない(メールが数日後に届く、URLをクリックしても開かないなど)。

ラジオも万能ではなくAM電波の到達距離(地形にもよる。山間部や谷間は入感しにくい)、FMやコミュニティFMは出力にもよるが受信エリアがAMよりは狭いという不利な点はあるものの、災害時のためにラジオは少なくとも1台は確保しておくべき。ただし自宅が放送局から遠い山間部や谷間でラジオが入感しない地区は、スマートフォン(ラジオ専用に廉価機種を確保する)+ラジオアプリ+モバイルバッテリーの環境構築で。

災害時に使えるラジオの条件とは以下のとおり。
・汎用性の高い乾電池が使えること。特殊な充電池を用いる(中華製に多い)ラジオは避ける。被災時は充電できない可能性があるうえ、ラジオの上に物が落ちてきた時に充電池が破損すると発火のリスクがあるからである。 これに対し、乾電池式は乾電池が手に入れば使える上に、破損しても発火のリスクは低い。
・多機能は避ける(中華製に多い)。非常時には信頼性がもっとも大切である。よくありがちな手回し発電機付の災害ラジオは基本性能が低い(多目的は無目的になりがち)。Bluetooth接続など不要な機能は消費電力の増加、複雑な機構は故障の原因となるなど。
・乾電池で最低でも100時間は使えること。
・持ち運びできること。大きすぎると持ち運びが不自由になるが、小さすぎると受信感度の低下、電池寿命の短さ、音量の小ささ、操作のしにくさがある。軽量で適切な大きさのサイズ(以下「ポータブル型」という)を選ぶ。
・子どもから高齢者まで(知らない人でも)使えること。テンキーやメモリ選局は操作がわからない人も出てくる。つまみやスイッチが少なすぎると、操作性が犠牲になり使い勝手が悪化する。
・スピーカーからある程度の音量が出ること、深夜でも聴くためにイヤフォン端子が付いていること。

これまでも災害対応ラジオのおすすめ機を紹介してきたが、モデルチェンジや廃番などで2025年時点で入手できる機種に絞って、実際に受信や音質比較を行なったうえでお示ししようと考えた。
(よくあるアクセス稼ぎのような「災害時に使えるラジオ○選」などの胡散臭い情報提供ではない)。


東芝 TY-HR4DSCF1138.jpg
・単一3本で450時間と電池寿命が長い(おそらくは入手できるラジオのなかで最高)。付けっぱなしで20日弱は驚異的。普段は電灯線で使い、非常時は電池という使い方もできる。
・必要最小限のつまみが揃っているので操作性が良い。この点では現在市販されているラジオで本機がベスト。電源スイッチ(ボリュームの最小から切る機種もある)、バンド切り替え(電源オンと兼ねている場合は操作性が悪い)、音量調整、選局ダイヤルが独立している。LEDライトが専用の点灯スイッチも色を変えて設定。
・アナログダイヤルの選局で直感的に誰でも使える。
・独立した音量調整ツマミは、急激に音量が上がらず使いやすい(回転ダイヤルの操作性+適切なボリュームカーブで微調整しやすい)。
・内部的にはダイヤルを回しながらDSP(デジタル信号処理)により選局を行なう。ほとんどがICチップ化されて内部が小型化簡素化、経年変化も少なくなる。AFC機構で放送局をダイアルを回して同調(最適点を探す)する際に、ある程度近寄れば内部で周波数を合わせてくれる(今回のおすすめ3機種はすべてこの方式)。
・スピーカーの口径が9センチと大きいため、音割れしにくく、音楽も愉しめる。長時間聴ける好ましい音質。

以上のように、音質、操作性、乾電池寿命など総合力で抜けている。これらは実際に操作、受信すればわかるが、本機はなぜか人気がないため入手しやすいのも利点。数年ごとにモデル変更(内部仕様の改良)が行なわれており、東芝はラジオを捨てていないと感じさせる。
DSCF1145-1.jpg
アナログチューニングが面倒でプリセット選局したい人は、TY-SHR4(短波受信もできる)でも性能はほぼ同じ。



パナソニック RF-2450 
・単三乾電池4本駆動で64時間と電池寿命は東芝と比べてかなり短いが、単3という汎用性が高い。
・10センチスピーカーで音質がよい。豊かな実在感のある音質は今回のなかでもトップクラス。
・感度、選択度は上記の東芝と同等。
・バンド切り替えと電源スイッチが兼用となっており、中間に位置するFMに設定する場合、ずれやすく力加減が微妙。
・ボリュームは埋め込み式の円盤のギザを回す方式。東芝は側面に円筒つまみのボリュームが使いやすいが、埋め込みダイヤルも慣れれば使いやすい。ただし音量が急激に上がるタイプで微調整しにくい(特に枕元で鳴らすなど小音量にしたいとき)。
・選局ダイヤルの感触がやや悪く、バックラッシュ(手を離すとわずかに戻る傾向)が東芝やELPAより大きい。
・音質の良さで選ぶ機種で、普段使いは電灯線で愉しめる。
→ 基本設計は良いのにブラッシュアップされていない。


ELPA ER-H100 
・FMワイドが76〜95MHzと現実に即して受信帯域が設定されたことで前二者(76〜108MHz)より使いやすい。現時点では日本では意味のない95MHz〜108MHz(※)があるのは海外向けとの共用のためだろう。しかし今後のFM補完放送のNHK参入などを想定した場合、国内では周波数が拡充される可能性がある点に留意(※)。
・スピーカーの明瞭度は3機種でもっとも高いが、長時間の聴取では高域が耳に付くこともある。音が籠もりがちなAMでも聞き取りやすさがあり、高齢者がニュースを明確に聞き取りたい場合に向いている。
・同調を示すインジケーターが付いていない点が惜しまれる。DSPでは帯域幅が広いため、音が聞こえる時点でチューニングを停めずに最適点を探すときにわかりにくいのがこのラジオの欠点だが、価格の割には大手にひけをとらないまじめにつくられた製品。
・電源はACのほか、単1乾電池3本で200時間と電池寿命は東芝の半分程度。

※現在では使われてないV-Low 帯域(95MHz〜108MHz)について、NHKのFM補完放送開始の可能性、狭い周波数帯域で大出力局と小出力局(コミュニティFM)が混在する弊害、防災等を考えると中継局の増加等への対応が不可欠となるため、FM放送に割り当てることが望ましいと考える。総務省でもそのような検討が進められているようだ。よって、FMの周波数帯は、本機のような76MHz〜95MHzではなく、76MHz〜108MHz(現在でも大半のラジオが受信可能)仕様を選んでおくことが賢明かもしれない。


ところで、ソニーが推薦リストに入っていないではないかと言われる人もいるだろう。同クラスだと、ICF-506があるが、価格は2倍弱、デザインはよいが、音質はこの3機種のなかで潤いに乏しく耳になじみにくい。強いて購入する理由はないように思う。

ソニーはトランジスタラジオを実用化した企業でラジオでは世界のリーディングカンパニーである。ぼくの手持ち機種にもソニーが多い。オールバンド受信機ICF-2001Dを筆頭に、アナログラジオの名機ICF-801、テレビの受信ができるXDR-56TV、FMやAMのステレオ放送にスピーカーで対応したSRF-A300、レトロな外観で父が愛用していたICF-9250、ポケットラジオの傑作ICF-R351など、どれも性能に満足している。

ソニーのラジオは通信機としての優れた性能を小型化して機能的なデザインにまとめ上げるという点では世界一のメーカーだが、ここ数年はラジオから撤退しているように見える(少なくとも経営資源は投入しての開発は行なわれていない)。高性能なポケットラジオなどは今後も需要が見込まれるのに、廃番後に後継製品は発売されず、インターネットでは信じられない価格で中古や新品が売られていたりする。

売れる分野や将来性のある分野に経営資源を集中する(経営資源の選択と集中)ことで、短期的な収益性が改善するので株価は一時的に上昇する。 しかし、これは前時代的な経営手法で、良い事業だけを残す発想が長期的には収益性も悪化させる。なぜなら、企業は多様なスキルや製品群の中からそれらを組み合わせたり、それらの技術を変革に用いることができる(企業生態系の多様性)。VUCAの時代こそアイデアのゆりかごが必要で、強みだけに絞り込むと予定調和の未来しか出てこなくなる(冗長性の排除は事業ポートフォリオに限らず不確実性が高く複雑で予測困難な社会ではリスク要因だ)。

秋田の十和田オーディオでつくられたメイド・イン・ジャパンのソニーICF-801。いまでも名機との呼び声が高い。FM放送で聴かせる深々としてチェロの余韻はラジオの域を抜けていた。アナログラジオの傑作
DSC_0847-1.jpg

売れる売れないにかかわらずファンが存在するが、売れないからこの分野は切るというのではファンは離れてしまう。短期的な利益の追求のみでは顧客の信頼を失い、長期的な利益を失わせる(顧客価値の喪失)。今回のおすすめにソニーが含まれないのは観念的なことだけでなく、実際に店頭で操作して音を聴いて判断しているが、現時点でおすすめできるSONYのラジオはない。

パナソニックも優れたラジオを数多く販売している。いまになってみれば、あの機種を買っておけば良かったと思うものが数機種ある。古くは、BCLラジオのクーガ115、上級機のクーガ118である。知人が所有して仕事の合間にいつも聴いていた横長の携帯ラジオRF-U06(PLLシンセサイザー方式)など受信性能に優れて音質も良い機種があったし、ポータブルにおいては高感度なRF-U99など枚挙に暇がない。松下のラジオは通信機に振っておらず、家庭で楽しむラジオに徹している点がソニーにはない美点である。

パナの現存機種では、ポータブルラジオでもっとも音が良いと思われるRF-2450(今回のおすすめ機種のひとつ)がある。スピーカーの口径が10cmと大きいこともあるが、音のまとめ方が松下ならでは。ただし防災仕様と見た場合に、単1を使う東芝に対して、単3乾電池の4本仕様というのは不利である(東芝は社外品のアダプターを介して単3を使うことも可能)。

手持ちの機種(シャンペンゴールドの小型ラジオ)ではRF-U170がすばらしい。単2乾電池で170時間と長時間駆動ができるうえ、音質の明瞭度と豊かさ、やわらかさが両立している。このラジオから流れる人の声は自然で長時間浸れる。現行機種では、RF-U156が後継で防災ラジオとしてリュックサックにも入れられる大きさでおすすめできる。手元のU170はバリコン方式のアナログラジオで電池寿命が長いのだが、近年のこのシリーズはDSP化されて電池寿命が短くなっている。それでも単2アルカリ乾電池で110時間程度は稼働する。ただし最新のモデルチェンジ後はACアダプターは使用不可となっており普段使いには電池専用というのがもったいないところ。まあ、災害時にACは使えない前提だし、そもそもこのラジオをACで使う人は少ないと思うので致命的ではない。

DSCF1140-1.jpg
中波放送が2028年で停波の予定なので、今後のラジオはFMでの音質や選択度、選局性を確保しておく必要があるが、DSP方式はFMに有利と言われている。推薦の3機種は、いずれもDSP方式でかつAC(普段使いの電灯線)と乾電池駆動(災害時)で使えて、居間や食卓で普段から使えるところが良い。アナログチューニングながら選局はAFC(ある程度ダイヤルが放送局の周波数に近づくと自動で同調する)。ただしそのお節介な機能が災いして3機種とも遠方の放送局や弱い電波の局、混信の中から目当ての局を聴くというマニアックな用途には向かない。けれどそれは防災ラジオには必要ない要素である。

手持ちのXDR-56TV(白いラジオ)は、DSPではなくPLLシンセサイザー方式の良さが出ていると思われ、アンテナを使わなくてもFMを受信でき、微弱な電波のFM局や混信にも明らかに強く上記3機種より優れている。なによりテレビの1〜3chの音声が受信できる。映像のない音だけを聴いて意味があるのかと思われるだろうが、テレビ放送ではラジオと異なる切り口で放送されることがあり、環境音とともに流れると背景が音声だけでも伝わってくる。高感度と選択度と音質を両立させているのは4〜5千円の上記3機種にはない長所で、価格差は感じられる(ソニーがまだラジオを開発していた時代の製品)。製造中止後年数が経過しているがAmazonでも入手できる。しかし、中古が当時の新品より高く販売されている。それだけの価値はあるとは思うが、強いて購入するかどうかは…。


災害対応では、ポケットラジオも持っておくと良い。 仕事用のカバンにICF-R351を百円均一のハードケースに入れて持ち歩いている(これまでも出張時に被災している。3.11も県外出張中だったが、このラジオからの情報が役に立って無事帰宅できたことがある)。
D7K_8325-1.jpg

このポケットラジオが信じられないぐらい高性能である。感度や選択度はここに上げた4千円クラスの筐体の大きなポータブルより良好で、移動中の列車内でも電波を確実にノイズレスで鮮明に捉えてくれる。 選局は簡単でPLLシンセサイザーで周波数も安定している。この機種の最新型SRF-R356は数年前に製造中止となってしまい、求める人が後を立たず中古市場でも高騰しているようだ。そうはいってもパナソニック(RF-ND380R)や東芝(TY-SCR70)で代替品はあるので高値の中古を求める必要はない。でも、ソニーにはラジオ市場に復帰して欲しい。

どの製品でも購買者のレビューでは感度が良い、悪いの両極端が見受けられる場合があるが、これはラジオの使いこなしの差と思われる。AM放送は窓際が有利でラジオ本体の向きを変えてもっともよく入感する方向に置く。このときパソコンなどのデジタル機器から離すことも重要。FMではアンテナの向きや角度を変えることはもちろん、ラジオ本体の場所(高さも含めて)を変えること。FM受信は場所に敏感で数十センチ動かすだけでまったく入らなかったものが朗々と受信できることがある。

災害はいつ起こるかわからない。そのために災害対応のラジオについて書いてみた。自宅にあるのにわざわざ買うことはないが、ラジオは複数必要と思う(少なく各部屋といわずとも各階には必要だろう。おすすめ機種はいずれも5千円でお釣りが来る)ので追加購入を検討してみては?

災害用というよりは普段からラジオの放送に親しんでみてはというのは本音。ラジオ100年を迎えてますますラジオは愉しめるのではと考えている。
タグ:ラジオ
posted by 平井 吉信 at 12:34| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2025年01月19日

コロナ以後も使えるCO2センサーの使い方、おすすめ機種など


2020年1月、コロナがちらほらと出始めた中国のレストランでのこと、コロナ感染した人々はエアコンの風の流れに沿っていたことがわかった。そこからリスク要因として手洗い(接触感染)、距離を取る(飛沫感染?)が挙げられたが、換気(空気感染)が重要ではないかと一部の専門家が指摘しはじめた。

素人が考えてもわかることを、WHO、CDCといった専門機関がコロナが空気感染のおそれありと公表するのは数年後の話。WHOでは「空気を介して感染する病原体の用語の定義」について、報告書を公表し、「Airborne transmission/inhalation(空気感染・吸入)」を定義したのは2024年4月のことである(遅い!)。

コロナ初期から厚生労働省の「三密」(わかりやすさがあって合理的とは思うが)だけでは感染が防げないと考えて独自に情報を収集し、数え切れない内外の信頼できると考えられる論文等を読破して自分なりに定義したのが換気の重要性であった。

それからはCO2センサーを片手に、求められれば企業や飲食店などをまわって、構造面や時間帯、集客人数、内部運営でできうることなどを聞き取って換気のしくみを提案したもの。

一般的な事務所や工場ならロスナイなどの全熱交換器の導入(どこに設置すればよいかを外部の環境やダクト長も勘案しつつ設置場所を指定)を行った。コロナが収まって以後も、手間いらずでエネルギーロスのない換気が365日24時間低コストでできるので職場環境が劇的に改善する。具体的には、ビル管理法で定められているCO2濃度1000ppmを越えないようにすることで、仕事中に眠気が来にくくなり、作業性や生産性が向上するというもの。

飲食店なら、業種にもよるが、ウイルスを濾過できるとされる空気清浄機のHEPAフィルターが油煙により数か月で交換しなければならない。そこで機械排気(通常の換気扇)と自然導入(もしくは機械吸気)を併用しつつ、空気の停滞する客席億などに空気清浄機を設置、さらにレンジダクトから遠い客席には全熱交換器(熱交換型機械吸排気)を設置することを提案。
※全熱交換器は迷うことなくロスナイ(三菱)をおすすめ
https://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/air/products/ventilationfan/about/detail_03.html

これらを風量計算をしながら室内の空気圧を調える。例えば、排気ばかりで吸気がない状態だと室内が陰圧となり、ドアを開けてもバタンと閉る。なにより換気扇が音を立ててまわっても少しも排気できていない状態である。コロナ対策ができたので見に来てほしいというスナックを見て、もともと窓のない構造に壁に3連の換気扇を付けていたが、排気と同量の吸気がないと換気はできないことを説明したとき、コロナ感染しないよう集客したかった女性経営者が絶句されたことがある。

導入はさぞや高額になるのかと思いきや、実は大してかからない。むしろ職場環境や客席環境の向上は、病気による離職や顧客の快適性(なんだが空気が良いなという体感できるリピート要因)につながる利点がある。もちろん換気はコロナだけではなく、インフルエンザや風邪にも有効である。

その際のCO2濃度をどの程度に設定するかについて、このブログでも何度も書いてきた。どの専門機関も換気をせよとは啓発していても、どの程度(数値)にすればよいかは書かれていない。日本には一定規模の建物にはビル管理法での1000ppmという基準があるが、この基準を持ってコロナ感染を防ぐということは合理性がない。さまざまな場所で「実際に計測してできうること」と「防ぎうる確率が合理的なこと」を勘案したところ、700〜800ppmが妥当と設定(もちろん低ければ低いほど良い。いまこの原稿を書いているぼくの事務所は520ppmである)。700ppmを実現するためには、1人あたり1時間に50立米の換気を行うことが目安となることもお伝えしておこう。


徳島では待望のとある外食チェーンが数か月前に上陸。連日満員で待ち時間なく入れる曜日や時間帯はないほどの盛況である。このチェーンの実力はその客層が知らないところで高い水準にあるので、徳島になかったときは、わざわざ県外の同チェーンまで出かけていた(もちろん周辺で他の目的とあわせて)。だから真っ先に行きたいのだが、ある日下見に出かけて気付いたのは、CO2濃度が高そうに見えたこと(実際に計測していないがこれまで数百箇所を見て計測した経験から)。狭い空間に密集した客席で、しかもある程度滞在型であり、おしゃべりをしているお客様ばかりであったため。


同じ徳島で別のチェーン店で食事したときのこと。これまでも体感して数値は低いだろうと見ていたので計器は持ち込んでいなかった。看板メニュー(定番)の牛めしを注文しながら料理が来る前から食べ終わるまで1分ごとに計測した数値はご覧のとおり。
DSCF5805-1.jpg

DSCF5806-1.jpg

この数値は予想外の低さ(安全性)であった。一般の家庭の食卓より低いかもしれない。客席の天井には4機の全熱交換器が見えており、500m3/hの能力と仮定すると4機で2000m3/hの換気を確保する。これを1人当たりに(ぼくが設定する)50m3/hで換算すると、40人定員を賄えることとなる。入店当時はこれにほど遠い客の入りだったため、計測の結果になったのだと思う。安心できるチェーンである。

原材料と人件費というF/L費の上昇で飲食店はいまや存亡の危機に立たされている。地元の老舗も台所(財政)は火の車かもしれない。安心して飲食のできる環境を調えても大した費用は掛らない。店舗環境を調えることはあらゆる面で利点があるので着手してほしいし、客である私たちも応援したいと思う。

なお、CO2センサーは複数使っていて、同じ環境で測定して誤差というか計測の傾向を把握している。手元にあるのでもっとも信頼できるのがINKBIRD製。

内部のNDIRセンサーには旭化成のグループ企業で、スエーデンの空気やガスのセンシングで定評あるセンスエア社製が使われている。
https://senseair.jp/about/

このセンサーは、高精度かつ低消費電力。これまでのCO2センサーは、AC駆動もしくは乾電池でもすぐに寿命が尽きてしまう欠点があった。AC駆動だと持ち運びできないし、乾電池仕様はバッテリーに依存しない合理性がある反面、計測の精度/測定間隔(1分ごととか、1日ごととか)を上げると途端に短寿命になってしまう。その点、このCO2センサーは、10分毎計測の設定で乾電池で4年持つ(ぼくは現場で測定することが多いので1分間隔としている)。NDIR(非接触赤外線)方式のセンサーならどれも同じではない。センサーの精度、感度、反応度の性能差はある。なお、製品本体は中国製で優れた部品をアッセンブルしているのだろう。温度、湿度は本体で常時表示のほか、アプリを使えば、ログの保存や気圧も把握できるなどスマート化も可能である。

さらに表示がKindle(電子書籍の表示端末)と同じように電子インクというのも画期的。電子インクと液晶との最大の違いは目が疲れないこと、炎天下でも見やすいこと、文字が光っていないので省電力であることである。次の写真は、野外で他の液晶表示のものと比べているが、圧倒的に本機が見やすい。意外なことに室内や暗い場所、斜めから見ても本機の表示がもっとも見やすい。電子インクのうえ、表示されるフォント(特にCO2濃度)の見やすさも特筆である。現時点でのCO2センサーの決定版といえる(Amazonでの評価数が少ないのは本質を見るヒトが少ないことを表している)。
DSCF5507-1.jpg

DSCF5521-1.jpg

コロナ下でCO2センサーを導入したもののいまは使っていない事業所があるとしたらもったいない。よどんだ空気に気付いて改善することは快適な職場環境の確保による離職の防止、生産性の向上にも貢献する。再活用をおすすめする。感染症はコロナだけではない(突然変異で強毒化のおそれあり)。新型インフルエンザ、風邪、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1 型)のヒト型変異の恐怖、未知の感染症のおそれ(地球温暖化が加速する)はむしろ増大する。

コロナは5類移行後の1年で3万人以上が死亡した(5類移行前よりも増えている点に注意。警戒を行ってはいけない。ぼくも昨年だけで知人を2人亡くしている)。コロナ下での教訓は、政府や行政の情報を鵜呑みにせず独自に情報を収集して判断すること。どんな組織にも政治力学があって事実が隠蔽されたり表に出てこないことがあること。根拠のない陰謀説には与せず、あくまで科学的な根拠や経済/環境/安全の合理性から論理的に判断することと自戒を込めて書いている。

posted by 平井 吉信 at 12:41| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2024年10月27日

コロナは5類移行後のほうが1日あたりの死亡者数が多い


この夏に開催した企業向けの危機管理セミナーで、コロナは5類移行前の非常事態宣言を含むパンデミックの頃と、2023年5月8日からの感染症分類5類移行後と比較して、1日あたりの死者は後者が多いことをお伝えした。意外に思うかもしれないけれど、亡くなる方はあの頃よりも増えている。ぼくもここ数か月で数人の知人が亡くなるのを見てきたが、ほとんどはコロナ関連死と思われる。

スーパーやドラッグストアでマスクをしていない人が多くなったし、仕事の打ち合わせや会議などでもしない人のほうが一般的となっている。ぼくは人混みに出かけるときはマスクを外さない。

悩ましいのは相手がマスクをしていないと、こちらがマスクをしていても効果が薄れることである(科学的な追跡研究あり)。それによると、換気の度合いとマスク着用が感染防止の大きな要素となっている(あきれることに、WHOが2024年春になってようやくコロナは空気感染との見解を出したが遅すぎるだろう。医療関係者でなくても感染の事象を丹念に洞察すればそこに帰結できたはず)。

換気の度合いについてはCO2センサーでの「見える化」が前提だ。CO2濃度は低いほど換気ができていることを表す。安全確保に向けての運用基準をどうするかについて相談されたら、700ppm未満で運用するよう勧めている(これも研究論文と実際にさまざまな場面で測定した経験に基づいている。ちなみにJR四国の特急うずしおで何度か計測したところ、始発の空席では800ppm台であるが、乗客が増え始めると1000ppmを上回る。外気導入を増やすとコンプレッサーの稼働時間が増えるのでディーゼル車の燃費が落ちるのは理解できるが、もう少し外気を取り入れての空調を行いたい)。

仕事で数日前に県庁のとある課に立ち寄った。CO2センサーが置かれていたが、その数値は1200ppmを越えていた。これは何を意味するかというと、仕事をしていると眠気で生産性が落ちる可能性がある濃度である。ぼくの考えるコロナ対策の基準からすると高い数値である。しかもほとんどの職員はマスクをしていない。1人が感染すると誰かが感染し、高齢者や持病を持つ人が世帯内に暮らしていれば当然感染し、死亡するリスクもあるということである。機器を設置しただけでは単なる飾りで、ルールを規程して運用していかないといけないことがわかる。

感染しても軽症で終わる場合が多いのだが、なかには深刻な後遺症(倦怠感や息切れなど)に悩まされる人も少なくない。とにかく緩めないこと。あなたの家族や友人知人で(特に高齢者)大切な人が亡くなるのを防ごうとするならマスク着用と換気は必須である。

これからコロナだけでない、感染症が流行しはじめる季節である。コロナはもういいじゃないかと投げやりにならず、できることを着実にやっていくことが求められる。科学的な根拠に基づく組織のルール化、自分も他人も守るためという個人の意識が大切である。

※CO2センサーは1万円以上のものを選ぶのが目安。できれば数台を導入して数値を比較するか、野外の濃度を測定してリセットすることが望ましい。
posted by 平井 吉信 at 21:40| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2024年09月14日

危機管理の重大な瑕疵 徳島県による緊急情報の誤報


9月13日の午後のこと。緊急情報を告げる警戒音が鳴動して、画面が立ち上がると、「避難指示 全域に警戒レベル4」とある。予め訓練放送があるとの告知はない。ホンモノのようである。

外は晴天の昼下がり。台風の来襲もない。考えられるのは2つ。離れた場所での大地震があって津波が押し寄せるというもの。もうひとつは何らかの原因で住んでいる流域のダムが水害以外の理由で決壊したということ。

こんなときもっともわかりやすいのは、特務機関NERV防災アプリ。知人にもインストールを勧めている。開いてみると現在地(エリアメール受信地)では異常なし。続いて複数の情報源で地震や津波を調べたがこれも関係ない。外は晴天で竜巻も局地的な豪雨もない。

誤報と判断して、生命の危機が差し迫っていないので、電話での問い合わせは控えるべきだと考えて基礎自治体の公式Webサイトと徳島県危機管理部へアクセスするが、10数分経過して再読み込みしながら掲載を待つが、それもなし。

結局、数時間後にアクセスして誤報との掲載を見つけた(何分後に掲載されたかはわからない)。皮肉にも、その時刻に県庁では知事も参加しての防災訓練を行っていたようで、その関連かと思ったがそうでもないらしい。

今回は、(当然ながら災害ではないので)通信規制もなくインターネット接続も可能であったので、可能性を潰して誤報と判断するまで1〜2分であった。

問題は携帯やスマートフォンのみが情報源の高齢者がこの情報を受け取ったらどうなるか。慌てて階段を下りようとしてケガをしたり、炎天下のなかリュックを背負って避難場所まで逃げようとして熱中症になるなどの事態は起こりえた。

通常行政組織では、メールの一斉送信を行うとき、複眼でBCCの確認と、上長へのCC入力を行っているはず。緊急通報は通常のメールシステムは使っていないが、緊急通報の設定確認はことの重要性に鑑み、操作の際に複眼チェックが行われるべき。

さらには、緊急情報が誤りとの第二報が届くこともなかった。おそらくマニュアルに誤報時の措置が記載されていないか、許可を得る上長と連絡が取れなかった(防災訓練に参加していた可能性がある)などが考えられるが、その場合でも担当者の判断でそれが可能にならなければならないだろう。

誤送信を行ったことに気付いたら、訂正メールを数分以内に送るべき。南海トラフの臨時情報が出て半月というのに、今回の事態は重大な危機管理の瑕疵である。

追記1
地元新聞の翌日の朝刊でトップに出ていると思ったが、記事は最後のページに小さく掲載されていた。ひとつのミスは起こりうる多くのニアミスの顕れに過ぎない。今回のミスだけの再発防止ではなく、事象と行動の関連性、手順の流れの再点検を行うべきで、このままだと南海トラフ発動時などに確実に機能するとは思われない。危機管理上の重大な瑕疵であるとの意識は県にも新聞社にもないようである。

追記2
手持ちの携帯電話とスマートフォンにエリアメールの通知が届いたが、この記事を書く前に緊急情報の内容を確認しようとしたらどこにも見当たらない。通常のメールやメッセージアプリには置かれておらず、どこか階層の深いところに置かれているのかもしれないが、これも困ったことである。この問題についてはWebで解決法を探しているが、見つからない。


posted by 平井 吉信 at 14:24| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2024年08月01日

コロナ大流行 夏でもマスク 夏だから換気 感染症対策を知らない裸の王様にならないよう


新たなコロナウイルスの変異株KP.3はオミクロン型―BA.2からの派生でこの夏の主流となっている。感染力が強いのが特徴で、感染歴やワクチン接種などで得た抗体がききにくいとされる。身の回りでも大流行となっているのに、ドラッグストアなどに行くとマスクをしていない客がかなり多い。

コロナが5類移行の感染症となってからは、疑似感染者がドラッグストアに来店しているとの意見が周囲からよく聴かれる。マスクは感染予防にもっとも効果のある自助努力なので、外出時にマスクは手放さないことをおすすめする(この感染力だと野外ですれ違ったときにさえ感染者の吐息にさらされたら危ないと思われる)。5類移行後の2023年5月から11月の7か月で16000人がコロナ関連死とされるのが実態で、ぼくも数人の知人の突然死に遭遇しているが、コロナがきっかけとなった可能性が高いと想像する(数日前にお会いした人が戒名となっている事態を想像してみてください)。例え軽症であってもコロナ後の後遺症で苦しんでいる人は数え切れないという。

熱中症が気になるだろうが、マスクをしたところで熱中症のリスクは高まらないというのが医療関係者の見解。以前からお伝えしているようにコロナは(根本の要因がなくならないので)撲滅することはなく2020年以降の人類はマスクは服装の一部となったと理解している(医療関係者ではないが職場での感染症対策については四国のあちこちでセミナーを開催している)。

そのうえ、ヒトには感染しないが鳥では致死率の高い強毒型の鳥インフルエンザ(H5N1亜型)が他の動物の感染を介して突然変異でヒトに感染するような事態も起こらないとは限らない。そうなれば致死率はコロナの比ではない事態も想定される。

地球温暖化は熱波とともに、熱帯の伝染病、例えば致死率の高いマラリア(熱帯熱マラリア)が海外渡航者からもたらされ、日本国内で発症したデング熱など熱帯の風土病も存在する。このほかにも手足口病や、溶連菌、感染性胃腸炎などの感染症。さらには、温暖化と鳥獣被害がもたらすダニ感染症(SFTS、日本紅斑熱、つつが虫病。これらはマスクでは防げない)による死亡事故も県内で発生している。

〔4つのおねがい〕
・自分や大切な人を守るためにマスクをしてください。
・この夏は人混みを避けてください。
・ヒトが集まる場所では必ずCO2センサーでモニタリングを行い、700ppm未満となるよう換気を行ってください(※)。
・外出時にはディート配合の虫除けスプレーを。もしくは長袖で日焼けと虫刺されを防ぎましょう。

(※)二酸化炭素濃度700ppm未満の根拠について
CO2濃度はウイルスの汚染度を示しているのではなくあくまで換気の度合いを示している。しかし換気の悪い環境では感染リスクは高まることから、CO2センサーで常時計測しつつ、一定の濃度を越えないことが重要となる。

新型コロナウイルス対策として換気が奨励されているが、具体的な基準はない。ビル管理法や建築基準法に該当する建物では1人1時間30立米の換気に該当する1000ppmを越えないよう換気システムの設計が求められる(公共交通で測定すると思った以上に換気ができていない。乗客からのクレームを怖れているのかもしれないが、科学的な根拠に基づいて基準を設定し、必要性を乗客に説明したうえで換気を行って欲しい)。一定規模の公共建築物では三菱のロスナイがほぼ完備されていることから24時間稼働させている限り、想定人数における法令上の基準は満たしていると考えられる。ただしそれは感染リスクがないというわけではない。

信頼できる海外の技術文献から、サージカルマスクの装着を前提にCO2濃度による感染リスクを定量化した論文がある。それによると、感染者と被暴露者がともにサージカルマスクを装着している状況でCO2濃度800ppmでコロナの感染リスクは20%程度となっている。

ぼくはさまざまなヒトが集まる場所で数年間にわたってCO2濃度を計測してきたが、全国チェーンの店では対策が施されている傾向があったが、個人経営の飲食店などでは1000ppmを優に上回る場面が散見された(対策がされない限り来店は避けるべきである)。また、企業の会議室などでは開始数分で2000ppmを越える場面も散見された。

感覚的には1,000ppm程度であっても、倦怠感や眠気を覚えるので作業効率が落ちる(実際にこの濃度でも意志決定や問題解決能力が低下するとの文献がある)。感染症のための換気を行うことは、社員やその場に集まる人の健康を守ることだけでなく、生産性向上にもつながる。

上記の海外の文献以外にも700ppmを目安としてみてはという専門家の見解はコロナ初期から見ている。いまはマスクを付けない人もいるし、サージカルマスクを付けて仕事をしているヒトも希であることから、700ppmに設定することは合理性を有すると判断して啓発している。1,000ppmが安全であると思う専門家は一人もいないと思われるが(個人の感覚だが1,000ppmの空気環境ならよどんだ感覚を覚えるので即刻退場したいと思う濃度)。自然界(外気)のCO2濃度は410〜440ppm程度だが、だからといって700ppmより厳しくすべきとの意見は会議や室内の使われ方から現実的ではないように思う。

どうしても機械換気(吸気と排気が同等水準)で空気環境を改善できないときは、CO2センサーの測定に基づいて窓の開閉を行うこと(これまでの測定結果では5分程度で劇的に下がるが窓を閉めると数分でもとに戻る。開け閉めよりも開けっ放しが効果的)。そこでHEPAフィルターを装備した空気清浄器(部屋の容量と機械の風量を加味して能力を決定する)を併用する。これらの空気環境を改善するコストは、社員の安全確保や生産性向上をもたらし、社員が罹患(場合によっては後遺症や死)するリスクを下げることができる。利点とリスクを比べると、換気にお金をかけることは最善の方策である。

なお、武漢で最初のコロナの犠牲者が出てから4年以上も経って、WHOは空気を介して感染する病原体の経路を定義した。コロナは空気感染と認めたものといえよう。

(報告書から一部を抜粋)
(前略)seeking consensus regarding the terminology used to describe the transmission of pathogens through the air that can potentially cause infection in humans.

WHOのみならず、CDCなども空気感染をなかなか認めようとしなかったことが感染を拡大したと考える。専門機関がこれだから自分の身は自分で情報を集め、適切に判断して守らないといけないと思わせる。

(出典)Global technical consultation report on proposed terminology for pathogens that transmit through the air/WHO

https://www.who.int/publications/m/item/global-technical-consultation-report-on-proposed-terminology-for-pathogens-that-transmit-through-the-air



posted by 平井 吉信 at 10:13| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2023年05月07日

連休が終わってコロナがどうなったか?


COVID-19が日常に戻った。言い換えれば、毎日全国で1万人程度が感染して死者が数十人出るのが常態化した(日常になった)ということ。コロナ禍が収斂して(終息ではない)これ以上は感染者が減らないところまで来たということ。

過去のブログで何度も書いているけれど、人類がマスクをはずす生活はおそらくやってこない。もはやマスクは服を着るのと同様、人混みでは日常の風景(必需品)になったことを意味する。(人の少ない野外を除いて)個人の判断で外すことは、自分もしくは家族(高齢者)、もしくは他人の誰かを危険な目に合わせる怖れがあること。

コロナに感染したので免疫ができたという人がいるが、何度も感染する人も少なくない。ウイルスも変異しているし、マムシ毒やデング熱のように2回目以降で重症化する怖れもあり得る。免疫系がウイルスに過剰反応を起こす可能性があるということ。

しかもコロナに関しては、全体のマクロ統計と個人の反応が一致するとは限らない。ワクチンが安全かどうかはその人次第、感染しやすいかしにくいかもその人次第。コロナのmRNAワクチンが100%安全と主張する専門家は一人もいないはず。急性の症状を引き起こすアナフィラキシーショック(アドレナリン注射で改善)と時間を経て体調不良(数ヶ月に及ぶワクチン後遺症)を引き起こす2つのリスクがある。

ワクチン接種は個人の判断ということは仕方ないとして、感染の経路がわかっているのだから個人でできる対策は万全に行っておくべき。それらは感染の苦しみと比べれば苦痛も不便も伴わないのだから。正しいマスクの装着と要所要所での鼻うがい、手指消毒もしくは手を洗うまでは顔に触れないことを心がけるだけでリスクを減らすことはできる。

温暖化と熱帯雨林の開発、それに人々の移動を止めることができない現在、日本など温帯モンスーンの国での熱帯の風土病の発生、鳥インフルエンザが強毒化とともにヒトに感染する変異株への恐怖など、私たちの生活はコロナ以外にも幾重にも感染症のリスクのなかで生きているという自覚が必要である。
posted by 平井 吉信 at 17:35| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2023年05月03日

コロナにご用心ください


徳島でも連日数十名の新規感染が発生しています。人類はこの感染症を絶つことは困難ですが、政府は多少の死者は気にしないという方針です。自己責任で身を守れということなのですが、以下の対策をやっておけば感染する危険度は下がるはずです。

・マスクは時と場合に応じて使い分ける。ほとんど人と接しない野外ではマスクなしで。ただし花粉やPM2.5を考えればマスクははずさないのも手。
・鉄道、バスなどの公共交通機関ではサージカルマスク1枚もしくは通常の不織布マスク二重で対応。隙間をなくして装着してください。
・人混み(SC)、イベント、外食はなるべく避ける。もしどうしても行くのならサージカルマスクもしくは通常マスクの2枚重ね(イベント等)。外食の場合はCO2センサーの設置している店で表示濃度が700ppm未満の店を選んで会話なしの極力短時間の利用で。

(参考1 第1種換気もしくは全熱交換器)
飲食店で第1種換気(機械吸気と機械排気)もしくはロスナイなどの全熱交換型の換気システムを設置すれば空気感染のリスクを低減することができます。
その際は空調の専門業者に依頼してください。目安となる1人50立米/時間あたりの換気を確保する風量計算、部屋の構造から吸気と排気の位置決めの最適化(線香を用いて検討)、吸気及び排気ダクトの風圧を揃えるなど専門的なノウハウが必要となります。
前述の条件が整えば最大想定人数が入店してもCO2濃度は700ppm未満に収まるはずです。吸気がなくて換気扇だけ付けている店は室内が陰圧となっており実際はほとんど換気はできていません(換気扇が騒音となっているだけ)。 換気ができている店内では、コロナが収束しても快適な店内環境を提供できることは強みとなります。

(参考2 空気清浄器で換気を補完)
さらに空気の淀む場所(ボックス席や部屋の隅など)にHEPAフィルターを備えた空気清浄器を設置して補完します。飲食店などではフィルターの手入れが行き届かないことが多いため、機種の選定がカギとなります。
ここでも風量は重要な要素です。かつて良質のモーターを備えて大風量で静かな運転が可能だった三菱製の空気清浄器は市場から姿を消しています。我が家では20年程度(24時間×365日)通電している三菱製が数台ありますが、異常なく動いています。
シャープのプラズマクラスター、ダイキンのストリーマー付の空気清浄器には人体に有害なオゾンの発生が懸念されます(メーカーも少量は発生すると告知している。しかし少量であっても密閉した室内では一部にオゾンが溜まっていくことが懸念される)。飲食店など客が入れ替わり立ち替わりなら問題ないでしょうが、寝室や居間で使うにはイオン(オゾン)発生装置を切って使うか、最初から付いていない機種を選びましょう。
また、加湿器との併合型は手間の掛る清掃が増えるので避けたほうが賢明。さらに煙の出る店内ではフィルター寿命は著しく短くなることに注意が必要です(10年→数ヶ月など)。もともとのフィルター寿命の長さをうたうのであれば集塵能力が低いことの裏返しともいえます。
前述の三菱は大型のHEPAフィルターで濾過する機能に特化して基本性能の高さと人体への安全性の高さで良いのですが、現行機種はなくなっています。ただし三菱は空気の汚れ(アルコールには敏感ですが、ホコリには反応しにくい)を感知するセンサー機能は他社と比べて弱いようです。
三菱が入手できないのでコロナ下で追加したのはダイキン。こちらはセンサーが敏感すぎて絶えず空気の汚れや匂いを検知(誤検知?)してうなりを挙げている。それと比べると三菱は「イツモシズカにマワッテイル」です。
そんななかでこれまでこの分野にあまり進出していなかった象印の空気清浄器に注目しています。オゾン発生装置や加湿機能なし、集塵と拡散に優れたファンを備えた静かなモーターと基本性能の高さとその割に価格は3万円台の前半と抑えられています。フィルターはHEPAではないがそれに準じる性能を持っているようです。→ PU-AA50。本機には日本電産と共同開発した静音モーター、東レの「高性能静電メルトブロー不織布トレミクロン」を採用した「大面積マルチフィルター」搭載、広い展開面積と4面集塵による多くの空気を集めて新開発ファンで効果的に拡散させるなど本質的なところに力を入れた廉価な製品ということで注目されます。
21世紀の日本の家電が衰退したのは本質的な価値に目を向けず、どうでもいいスペック競争やらスマートフォンとの連携など実際には使えない付加機能に力を入れてしまったことです。かつてサンヨーの鳥取工場には寝ても覚めても炊飯器を研究した米博士と呼ばれる社員がいました。同社の炊飯器やパン焼き機などの開発に活かされていてうちにも何台もあります。しかし21世紀になって社員がサラリーマン化したのがもっとも大きな要因で、それは会社が保守的になって冒険しなくなったことが根源にあります。
だから横並びの製品しか出てこず、それもモデルチェンジをするたびに機能退化とコストダウンを繰り返すので家電については状態の良い中古を探すしかないと考える人も少なくありません。アイリスオーヤマ(メカの耐久性に問題あり)、バルミューダ(デザイン先行でスターバックスでiPhoneをいじっているような顧客には受けるが、過去に発火や漏電の怖れありでリコールが多発。こんなメーカーは怖くて通電できないし、そうでなくても家電の本質を知る使い手から見れば疑問多し)などの新興メーカーもいまひとつ。

(参考3 鼻うがいは万能すばらしい)
外出から帰った際は鼻うがいを。どこのドラッグストアにも置いてある小林製薬の鼻うがいがおすすめ。ただし買うなら「ハナノアb シャワータイプ」に限ります。
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/hna_s/
専用液がなくなっても購入の必要はなく、ぬるま湯に塩を少量入れてかき混ぜたものを使います。付属液よりさらにやさしい感じです。使用後は鼻と喉の間の空間が洗い流される(コロナウイルスはここで増殖)のでダイレクトな安心感があります。洗い流された液は片方の鼻から(一部は喉へ下りてきますが飲み込む心配はありません)出てきます。鼻が止まらない花粉症の家人はこれでぴたりと止まるのでコロナ対策というよりは花粉症対策として使っています。鼻が通る気持ちよさはかけがえのないもの。いまでは家族全員が自分専用のボトルを持って使っています。

コロナが収まることはないと考えているのは根源の原因がなくならないから。人が熱帯雨林に進出しそこで人や家畜が感染して移動する限り、第二第三のコロナや風土病の拡散は止まらないでしょう。ある意味では人間が人間として暮らしている限り、コロナとは縁が切れないということです。このまま行くと夏頃には大流行で外出禁止の措置も考えられるのでマスクは1人200枚は最低として備蓄を行っておこう。

従業員にマスクを外させる企業や店には行かない。人のいのちをどう考えるか、ひるがえっては人の幸福をどう実現したいのかが透けてみるから。
一休さん(一休禅師)は正月にどくろを掲げて人々に用心を説いて廻ったという。国には国民を守る意志がないので自分の身(店)は自分で守らなければ。

posted by 平井 吉信 at 15:03| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2023年01月01日

謹賀新年 引き続いてコロナ対策を

神棚、仏壇、荒神棚の清掃の後、産土神社への参拝。
新たな御札をいただいて神々への祝詞、先祖への読経。
この流れは一生変わることはない。

産土神社はここ数年で(コロナ前と比較しても)もっとも混雑していたので写真は撮影していない。
御札を3種類求めて近くの伊勢神宮を御分霊されている皇大神宮へも参る。
いかなる私的な願い事はしないで、ただ神々の弥栄を祈る。
そこから平安の世を希めるのではないかと考える。

きょうは久しぶりに親族がやってくる、というので朝は立ったまま茶漬けを流し込んで準備にかかる。まずは部屋の換気対策から行った。
・エアコン、サーキュレーター、空気清浄機の清掃箇所を清掃、そして空調の流れを設計する
・飲食机(清拭。コロナ対策というよりは普段使っていないので)

普段は家族といえでも黙食が基本。時間帯をずらせるのであればずらす。家庭内でも会話は極力控えている。

2020年頃のブログにも書いているが、コロナは収束しないと考えて人生設計を行うべき。2002年のSARS、2012年のMaaS、2019年のSARS-CoV-2(新型コロナ)とコロナ流行の間隔が狭まっており、COVID-19についてはCOVID-23と呼称してもおかしくないほど2019型から変異している。

厚生労働省は意図的に数字を操作していると思われるが、mRNA型ワクチンの効果が出ていないとぼくは見ている。ぼくの周りでもワクチン4回接種で2度感染した人が複数いる。ワクチンでは感染症を防げないというのが大方の見方だろう。それでも重症化は防げるとされているが、場合によってはワクチン接種が仇となって重症化する危険(サイトカインストーム)もありえる。ぼくも3回目からは接種を見送っている。

懸念される疾病を持たなかった知人数人がコロナで亡くなった。元気な姿を直近で見ているだけに信じられない思いである。

「マスクをはずそう」などと言わないこと。後悔しても知らない。福島第一原発は想定外ではなくわかっていたのに対応しなかった怠慢(犯罪)であった。想定しうることに対しては対策を行っておくべき。数少ない想定外は隕石の落下による事象だが、隕石の規模によっては生命は助からない。毎日を生ききることで後悔のない生き方をするのが唯一の対策。

うちで行っているコロナ対策は以下のとおり。
・マスクは良さそうなものを何種類も買って良いと思ったものはまとめ買い。次のロットでは製造工場や仕様が変わる可能性があるので。4人家族では最低720枚(半年分)、余裕があれば1500枚(約1年分)のマスクを備蓄しておこう。密な場面に遭遇するときは2枚重ねにするのも方策。
・アルコールは容器で買ってふんだんに使えるようにしておく。高濃度アルコール(食品添加物仕様)で3千円台で買える5リットル缶がおすすめで小出しにして使う。容器はPETボトルなどは溶けてしまうのでアルコール耐性のあるものに限る。食品添加物仕様とは食品に使えるもので、弁当の食中毒防止やまな板、包丁の減菌に使える。ただし高濃度アルコールはプラスチックや家具には使わないように → 変色変質の怖れがある。https://shop.dover.co.jp/collections/%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC-%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BC77/products/133691085
・車のハンドルは毎日水拭きする。革巻き仕様にアルコールは使えない。ハンドルは有力な感染源ではないかと疑っている。
・携帯電話やスマートフォンも毎日水拭き。素材によっては高濃度アルコールが使えるものがあり、近年のものはほぼアルコール耐性仕様となっている。
・スーパーなどで購入した食品はすべて水洗い。紙パッケージであれば高濃度アルコールで清拭(容器にシミは残るが人にあげるものではないので構わない)。
・食事は黙食。もしくは時間帯をずらして食べる。コロナはほとんどが空気感染(エアロゾル感染)であり、飲食の場面と家庭内が主要な感染源と考える。
・CO2センサーで室内の二酸化炭素濃度を測定して700ppmを超えないように運用する。サーキュレーター(DCモーター仕様で1万円程度がおすすめ。うちで使っているのはケーズデンキで購入した山善製YAR-AD234。1万円前後で1年中稼働させている。羽根が大きいほうが静かで風量も大きい。この機種は23センチ径と大きいため、静かで風力が大きい。売れているアイリスオーヤマ製は羽根径が15センチと小さく、可動部が多く小型であるなど設計に無理がある(同社の製品は便利を訴求するが耐久性に劣る製品が多い)。ぼくの事務所は約20坪と広いが、書類が多いためカビが生えやすいので空気の流れをつくりだすため24時間365日稼働させている)。
 → 後継機はYAR-AD236のようだ。
 https://book.yamazen.co.jp/product/fan/entry-9860.html
・空気清浄器は気流の溜まりやすい場所で換気を補完する。高性能機よりも普通にHEPAフィルターがついて時間当たりの処理能力が高いものがおすすめ。ただしイオン機能(プラズマクラスターなど)は健康を害する怖れがあるため使わない。
・人間は外から帰ったら鼻うがい。これにはどこでも入手できる使いやすい製品がある。リンクを張っておくので同じメーカーでも異なる仕様の製品と区別すること。なお、専用液がなくなったらぬるま湯に塩を少々入れて使うと良い。専用液は香料や添加物が含まれるので使いたくない。自作の場合、塩分濃度は適当で良いが、こだわる人は0.9%で。体液と浸透圧が同じなので沁みない。
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/hna_s/
・極力外食を避ける。ぼくは2020年4月以降の外食は一桁の回数である(弁当持参で車内か野外で食べる)。飲食店の行うべき対策も何度か書いてある。国のガイドラインは実態にそぐわず参考にならないので。

これぐらいのことをどこの家庭でもやってもらえたら数ヶ月で感染症は収束できるはず。忍耐のない方が「マスクをはずせ」と主張するがそれではコロナが長引くだけ。自分も感染してひどい目に遭う(運が悪けりゃ死ぬ)。それでも良ければはずしてください、ではない。他人も巻き込むから。好き勝手ではなく、誰かを守る人の道。

コロナの流行で良いことはひとつもないが、ひとつだけ果実があるとすれば、コロナへの備えが将来やってくる新たな感染症への備えとなり得ること。地球温暖化と熱帯雨林への破壊(進出)が止まらない限り、コロナのみならず、マラリヤやデング熱などの熱帯の風土病や未知のウイルスが次々と温帯地帯にまで上がっていく。そうでなくても風邪やインフルエンザの予防にも貢献している。

いまの工夫が未来へつながると考えたらコロナは決して悲観するだけではない。
タグ:神社仏閣
posted by 平井 吉信 at 15:03| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2022年10月15日

コロナ対策に有効な鼻うがい だまされたと思ってやってみては


温暖化の影響が加速化している。これは人間が二酸化炭素を排出し続ける行為の因果として降りかかっている。災害とはいえないまでも水産物や農作物に重大な影響を及ぼし、ひいては人間の暮らしを脅かす。

コロナは相変わらず猛威を振るいつつ、変異し続けることでワクチンを無効化する。3回接種して有効な期間内に感染した人が続出している(軽症ではあったようだが)。ぼくのように接種してもそのことを忘れるぐらい無症状の場合もあればそうでない場合もある。ワクチンの安全性や有効性の検証が十分ではないためか、ワクチンによる死亡事故すら起こっている。

コロナは風邪などでは決してない。死の淵を「気軽に」見せてくれる恐ろしさ。ぼくの周囲で数日前に会ったときは元気だった人がコロナで亡くなった事例もある。ともに仕事をしていた仲間だったのだ。

それなのにマスクを付けないなどありえない。海外で付けない選択をした国々のコロナでの死亡率の高さは日本と比べて著しく高いことから、集団免疫とは幻想。本来は防げた人の死を日常茶飯事として受け入れを迫る施策ともいえる。

ぼくは医学的根拠に基づいてマスクをはずすつもりはないし、その生活が今後続いていくと想定してマスク生活を受け容れた。温暖化が不可避と悟った21世紀初頭にエアコンを使わなくても済むよう身体を十数年かけて順応させてついにはエアコンを撤去している。忍耐というより順応、受容。でも受け容れていくことが楽に生きるこつのようにも思える。

ただし温暖化を防止するために個人でできること(エアコンの撤去もそうだが)。コロナ感染を防ぐためにCO2センサーを持参しながら現場での換気の要点を説明するなど求められればやっている。本来は社会からひとりの感染者も出したくないからだ。

コロナ感染で費用がかからずとても有効と思われることをひとつ紹介しよう。
それは鼻うがい。鼻から生理食塩水などを入れて反対側の鼻もしくは喉から吐き出す(飲み込むことはない)。鼻がすっと通って吸う息の透明感が違うことが実感できる。おそらく風邪やインフルエンザにも有効だろう。外から帰ったときに必ず行っている。準備して終わるまで1分かからないし面倒さもない。鼻から液体を入れるということで痛みがあるのではと思う人もいるだろうが、それはない。

鼻うがいが有効であると教えていただいたのは大阪の太融寺町谷口医院の谷口院長。毎日新聞でコロナ関連の情報を発信されている。コロナウイルスは喉と比べて鼻で増殖するらしく数が喉の1万倍(インフルエンザでも1000倍なので鼻うがいは有効)。ということは喉のうがいよりも鼻のうがいが効果的ということ。

おすすめは、小林製薬のハナノア。近所のドラッグストアで手に入るはず。
https://www.kobayashi.co.jp/brand/hananoa/


家族一人ひとりが自分専用の容器を持っておけばいい。
選ぶなら必ず(念を入れて)シャワータイプを。効果がまったく違うからだ。

なお、付属の洗浄液がなくなっても液のみ買い足せる(ときおりは容器の刷新の意味でそうしたらいい)が、ぬるま湯(水でも可)に塩を適当に入れてかき混ぜるだけで十分(生理食塩水の代用)。それどころか作りたての食塩水なので、製品のように添加物を含まずかえって良いような気がする。ぼくの場合はこれで不都合が起きたことはないが、自己責任でどうぞ(鼻づまりも解消するので花粉症対策にも良いかも)。
posted by 平井 吉信 at 16:01| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2022年08月23日

コロナ下では省エネに反してもエアコンは内気循環で使ってはいけない&マスクを取ったらアウトの場面


阿波おどりと盆が終わってから徳島の感染症は連日過去最悪を更新し続けるなど著しく悪化している。盆前までの徳島は感染者数は全国でも低いほうから3〜4番であったが、盆後は人口10万人当たりの発生数が全国3〜5位となっているので阿波おどりが要因であると推察される。

報道写真や映像で見る限り踊り手の対策は不十分で感染は起きて当然の状況であった(現に多数の方がクラスター感染してしまった。踊り手は開催の犠牲者ともいえるが、このことは予測できたことで自らの意思で参加しなかった人も多かっただろう)。

多数のマス集団が熱気を帯びて移動すれば野外といえでも感染者のエアロゾルをマスクごしに吸引することになる。従って観客も多数感染されたことだろう。開催によって盆明け後の経済活動にも影響が出た。言葉は慎重でなければならないが、開催が誤ったメッセージを発して社会を分断してしまったともいえる。

とにかくいまは身近に感染者が多数いるのが現状。気になって電話をしてみると感染者には共通点がある。悲壮感がなく明るい声で応答される(自らを鼓舞したり心配させまいという思いもあるのだろう)。
とはいえ体調が急変するのがCOVID-19。もはや当初のSARS-CoV-2から変異が重ねられている。

専門家などの知見を合わせると感染対策(特にマスクの効能)はこんなところではないか。
・マスクは不可欠の感染予防策である。感染者とそうでない人が混ざっていても双方が不織布のマスク(できればサージカルマスク)をしていれば感染のリスクは少ない。
・ただし感染者がマスクをはずしたなら、マスクを付けた感染していない者も感染することがある。マスクは感染予防としてはもっとも有効であるけれど、感染者がつけていればウイルスの放出を防ぐ機能があること、感染者が近傍にいてエアロゾルが存在するときはマスクはリスク低減にはなるが、外からの侵入を100%防ぐことはできないということ(それでも付けておくべき)。
・マスクをはずす場面とは飲食のとき。従って感染予防の見地からは飲食は野外で行うことが望ましい。もしくは相当の換気が行われている店舗を必要短時間で利用するが、その場合でも感染者がマスクをはずして飲食する場合があるので感染のリスクは残る。
・訪問や面談では相手に飲み物を出さないのがエチケット。出されたほうも手を付けない。
・公共交通機関はなるべく避ける。感染者がマスクをはずして飲食を行う可能性がある飛行機や新幹線、特急列車など。普通列車はそれらに比べると飲食はしないうえにローカル線では特にドアが空いている時間が相対的に長くなるのでリスクは低減される。

夏場なので公共交通や自動車のエアコンの運用についてひとこと。
参考までにJR四国の特急うずしお(高松〜徳島)でのCO2センサーの測定値を掲載する。
測定器はNDIR(非分散型赤外線)型のCO2センサーでキャリブレーションを行っているもの。
測定日は2022年7月7日、車両は最新の2700系。その測定値は1000ppmを優に超えている。
RXM06033.jpg
(撮影時は手持ちとしているが、身体から50センチ以上離して計測している値である。この測定器は色によってモニタリングができる。青は700ppm未満、黄色は1000ppm未満。赤は1000ppm以上に設定している。コロナ下ではビル管理法の基準は安全ではないと考えている)

コロナ感染とは直接関係がないが、換気の基準とされるビル管理法での1000ppmを超えていることに留意。コロナでは世界的にどのぐらいの換気(CO2濃度)を行うべきかは定量化されていないが、さまざまな文献を当たった結果の基準値を自分なりに設定してみた。その値は最低でも1人1時間30立米の換気、できれば50立米以上を確保することが望ましいと考えている(JR特急での計測値からは1人1時間30立米未満なのは明らか。JRでは6〜8分で空気が入れ替わるとしている)。

CO2濃度は乗客数(乗車率)に比例するとして、暑い日は冷房が内気循環モード主体に運用されている可能性があると推測している。おそらくはマニュアルなどでのエアコン運用の細則はなく、現場(車掌)の判断に委ねられていると推察される。乗務員は乗客のみならず自らの感染を防ぐことにもつながるので乗車時の現場の判断として外気導入モードを基本とすることを組織内で検討してみてはどうだろう(夏場は多少暑くてもコロナ下では外気導入モードで運用すべきと思っている)。

これは自家用車のエアコンにもいえる。フルオートに設定すれば外気が暑い時期は内気循環で作動する可能性が高い。そこでフルオートは解除して(温度設定はできる)外気導入でエアコンを動かす。これによってコンプレッサーが動く時間が増加するので燃費はやや落ちるが、感染リスクを減らせるので試みる価値はあると思う。

なお、内気循環の副作用はほかにもあって内気循環で長く動かすと二酸化炭素濃度が上昇して判断が鈍りがち、ひいては居眠り運転につながる怖れがあることも指摘しておきたい。ぼくはトンネル内と極端に排気ガスを浴びる状況(整備不良のトラックの発進時など)で一時的に内気循環にするが、基本は外気導入のみとしている。

追記
CO2センサーの値は低いほど感染リスクが低くなるのは当然だが、この数値を下回ったら安全という基準は存在しない。だからといってビル管理法の基準に準拠するというのはウイルス感染に対して合理的とはいえない。従って1000ppm越が安全か危険かという議論は意味がないが、自己判断でそれぞれが自分のいのちを守るために考えて行動すればよい。
ぼくの事務所(仕事場)ではビル管理法の半分の基準500ppm未満で運用している。これは野外(410〜450)とあまり変わらない値となっている。
タグ:JR四国
posted by 平井 吉信 at 21:58| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2022年06月06日

感染症への備えは恒常化したのでは


コロナの3回目のワクチン接種も終わったが、発熱も倦怠感も腕のかゆみなどもなく、翌日には山へ行った。副反応が出ないのは基礎体温が高めであることも原因では?と考えている(36度台後半)。

そろそろマスクを取る時期に来ているのだろうか? 
ぼくはそうは思わない。今世紀中にマスクなしの生活に戻ることはないと予測してそのための対策を行っている。その根拠はパンデミックの根源的な原因が変わっていないから。それはヒトやその家畜が熱帯雨林へ進出して未知のウイルスや風土病によって感染し、移動によって免疫のない感染症として全世界に拡散するという構図に変化がないこと。

つまり熱帯雨林の開発により生態系が破壊され続けるかぎり、ヒトは未知の病原体との接触はなくならず、人の移動がなくならない限り、免疫のない感染症は数十億の個体が密集するヒト族を直撃する。さらにヒトの社会活動が引き起こす温暖化が気温の上昇を招いて悪循環を加速させていること。

日本でも2014年に代々木公園で蚊の媒介によるデング熱が確認された。日本でもこのまま気候は亜熱帯モンスーンに突き進んでいくため、ブナ林は西から消えていくだろうし、農作物も高温に強い品種改良が求められ続けることだろう。陸だけでなく海も海藻が枯渇して磯焼けが進むなど深刻な状態である。さらにそこに巨大台風やらゲリラ豪雨が頻発するようになっている。

かといって家にこもっているわけにはいかない。もし国民の一人ひとりが模範的な感染対策が実行できたら社会生活は注意深くだがコロナ前に近づけることができる。その前提のひとつがマスク着用である。マスクを付けることで皮膚の状態や体調が悪化する場合を除いてマスクは付けておきたい。野外でマスクをはずせる場面もあるという専門家会議の提言は間違っていないが間違ったメッセージとして受け取られないかが懸念される(ぼくも海山川ではマスクはしていない)。

COVID-19によるSARS-CoV-2が数年後に収束したとしても、第二第三の感染症や風土病が流行する土台ができてしまっているという認識で社会生活を組みたてていく必要がある。その際に科学的な根拠が見えない感染防止策やかえって有害な可能性がある対策についても認識しておく必要がある。

優先度の高い対策は以下のとおりと考えている。
(1)換気(全熱交換器などによる常時換気を推薦。換気扇では換気が不十分で快適性も損なわれる。ただし煙や油煙の発生する場所=飲食業など=では空気清浄機は無意味で全熱交換器はフィルター交換の頻度が高くなるので第1種換気=機械吸気&機械排気=を主力に)
(2)マスク(野外で密集していない場面では外せる可能性あり)
(↓ここからは優先度が下がる)
(3)空気清浄機(換気の補完としての役割。HEPAフィルターの付いた4〜5万円クラスを空気が淀みがちな場所や人の密集する場所の近くに設置。ただし人体に悪影響があり得るイオン機能は使わないこと)
(さらに優先度が下がる)
(4)アルコールによる手指消毒(顔に触れない人や手を洗って食べる人にはさほど重要性は高くない)
(5)間仕切り(アクリル板など。ただし飛沫核感染には効果がない)

コロナをきっかけに感染症への備えは恒常化したと考えている。そのことを受け止めて生きていく。


posted by 平井 吉信 at 20:07| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2022年01月24日

オミクロンへの対策はあるが完全に防ぐことはできない

オミクロン株は多くの人が考えるより深刻と思う。
当初、人には言わなかったが、オミクロン株の特性からコロナが人類と共存に向かう兆候と考えていた。
けれどSARS-CoV-2がもたらすCOVID-19はどのような変移であっても
重症化することもあれば、軽症のまま慢性化して体調不良で仕事を辞める事態さえ起こりえる。
これは変異の種類を問わずSARS-CoV-2の共通項である。

デルタ株もオミクロン株も感染対策は変わっていない。
それは空気感染への備えを行うことである。
CO2センサーによる濃度700ppm未満をひとつの目安に、不織布のマスクを隙間なく装着することでほぼ防げると考えていた。デルタ株までは。

アルコールによる手指消毒は個人的には優先度が低い(必要ないとさえ思っている)。
いくら手指にウイルスが付着しようと自分の顔に触れなければ感染はないからだ。
むしろアルコールによる手荒れや常在菌の死滅などマイナスが大きいため
室内や施設内、店舗内に入るときは行わなくなった。

ところがほとんどの人は無意識に顔に触れたりメガネに触れたりマスクに触れたりする。
だから一般的にはアルコールによる手指減菌は必要悪なのかもしれない。
(ウイルスが付着した自分の手が何かに触れると誰かの指に触れ、その指が顔に触れて感染することになることもあるので)

空気清浄機から噴出されるストリーマ、プラズマクラスター、ナノイーなどの呼称の低濃度オゾンも感染対策には無意味だ(ただしオゾン噴出ではなくHEPAフィルターの部分は効果がある)。海外製の高価な空気清浄機にはHEPAフィルターを備えていないものもあるので購入を見合わせるべき。

ところが険しい口調で手指消毒を催促されることが度々あって
近頃では入室前に自分で行っているとスプレーを見せるか、
行うまねをするなどで心理的さざなみを立てないようにしている。
(そんな人に限って換気には無頓着で指摘すると機嫌を損ねる。空調の快適性が損なわれるからだが、人間関係を損ねたいためにモバイル用のCO2センサーをいつも持ち歩いて相手先で計測して数値と意義の説明を行って換気を啓発している)。
何が大切で何が根拠となっているかを知っていないと本質はわからなくなる。

飛沫感染については不織布のマスクをして大声を出さない、咳をしないようにして
頭の高さまでの遮蔽板があれば防ぎうる。もっとも可視化できてわかりやすい対策だ。

コロナは初期から空気感染があったと考えるべき。中国でのレストランでの感染例がわかりやすい空気感染の顕著な事例であったようにマスクを取る場面では大きなリスクとなる。
もし厚生労働省が主張するように空気感染がないのであれば、マスクを付けて相手に接触しなければ密室に何時間いても感染はしないだろう。ところが三密を避けるべきと主張する厚生労働省。その見解には矛盾がある。ほぼすべての専門家や医療関係者は空気感染を前提に日々の対策を行っているというのに。

オミクロンでは空気感染への感度がさらに上がっていると考えている。
防ごうと思えば、コロナ病棟内での医師が装着している防御服と顔面に跡が残るほど強力な圧のN95マスクでなければならないのかもしれない。

組織内で陽性者が出ると相当の期間にわたって企業活動が損なわれ生産と流通が停滞する。それがサプライチェーンの途絶につながる。
ある店ではコロナ感染が発覚して休業後、十分な対策を施して再開。しかし数ヶ月経過しても客足は戻ってこないという。それまでは行列ができる店であったのだが。しかもその店舗はコロナ対策は感染者が出る前も万全であった。保健所も店名を公開しなかったのは対策ができていたからである。原因は外からの持ち込みで、人が来る以上こればかりは防ぎようがない。しかし再開後の対策はそこまでも踏みこんで行っている。

ワクチン接種についてぼくの周囲でも「打たない主義」の人は決して少なくない。
接種するよう説得しているが、その人たちはこれから先もおそらく接種はしない。
身を持って2回の接種を体験してみたが発熱も倦怠感も腕の痛みやかゆみすらなく、接種後はむしろ身体が軽くなったような気さえした(一種の栄養点滴のような)。
(もちろん個人差があるのでそれが説得力を持つとは思っていない)
さすがに陰謀説など影を潜めているが、人体実験にされたくない、体質が変わってしまう、副反応が怖いなどという。しかしmRNA型のワクチンにそのような魔術はない。
人によって副反応が異なるのは当然で、先天的な遺伝子配列の違いと後天的な健康状況で無害化されたタンパク質であっても過剰に反応が出ることはあり得る。しかし副反応が出るようなウイルス耐性のない人が接種しないままコロナに感染すれば重篤な事態となることは避けられない。

余談だが人によって反応が異なるわかりやすい例はアレルギーである。蕎麦を食べて意識を失うことだってあり得る。ぼくは特にアレルギー体質ではないけれど、ヨーグルト、納豆、牛乳、チーズは体調を崩す食べ物である。空腹時にカフェインを接種しても体調は悪化するが、就寝前に飲んでも平気な人もいる。人によって健康に貢献する食べ物は異なるのだ。原因は腸内細菌の勢力にある。ぼくの腸内では乳酸菌や納豆菌を増やすと腸内バランスが崩れるからではないかと仮説。

身近な親族友人知人でワクチンの接種率を数値化したところ、本日時点でも接種率は40.0%であった。身近な人たちの6割が未接種であることに愕然。ぼくはこの人たちに絶えず情報を提供し続けている。SNSなどの情報ではなく発言者や組織が明らかで科学的な根拠を伴う情報を原文のまま掲載してサマリーを添えている。それでも打とうとしない。
内心ではワクチン接種を義務化しないと救える命が救えなくなると叫びたいところである。
いまからでも遅くないので医師にお金を積んでも接種してもらうよう説得を続けている。

大勢の人と面談したり話をする機会の多い人間がやっておくべき感染対策は鼻うがいである。SARS-CoV-2が咽頭よりも鼻腔粘膜で増殖しやすいという知見があるから。ぼくはぬるま湯に食塩を適量いれて(塩分濃度を気にしないで適当でいい。習慣化するのに面倒は禁物)鼻に流し込むプラスチック製の容器で押し出して咽から出すことを外から帰ったら毎回行っている。仕事帰りだけでなく近所にマスクをして買い物に行ったあとでも行っている。これは風邪やインフルエンザのウイルスも洗浄できて好都合。おかげで毎年数回引いていた風邪がコロナが流行してからは皆無となっている。風邪もウイルスの付いた指が顔に触れること、そこから鼻の粘膜へのウイルスの増殖が原因であったのだ。

オミクロンはそのうち潮が引くごとく消えていくだろうが、ここからの教訓というか数年後の未来が見える気がする。

追記 
どんな教訓、どんな未来かを教えて欲しいとのご要望をいただいたので追記を行った。
その1 感染症蔓延時代の到来
・温暖化と熱帯雨林への進出(生態系破壊)により熱帯の風土病(マラリヤやデング熱など)が高緯度帯へ進出
・コロナウイルスの変異で次々と新型が出現
・鳥インフルエンザなどが変異でヒト型の感染力を保持して猛威を振るう
→ マスクや換気の必要性が常態化

その2 グローバル経済の終焉
・富の偏在と大多数の貧困化が同時進行していく社会では感染症の蔓延は社会の崩壊につながる。そうなれば富裕層とて土台のない社会で崩壊する。
・不要な開発を避けて地域で資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を回していかないと経済や社会は持続的にできない。
・このまま推移すれば、水と食糧の危機が遠くない将来に訪れる
・財政の破たんでエネルギーの偏在が問題となる。また老朽化した橋や道など社会インフラの再整備や修繕が困難となれば、身の丈の技術と地域内で共助をまわしていかなければならない。
・農業が儲からないので食糧生産が落ちていく。規模の拡大(儲かる農業)が必ずしも解決策ではない。

要するに感染症多発時代は社会構造に起因する。そして感染が社会構造を破壊するという負の循環に陥る。オミクロンそのものよりもオミクロンがあぶり出す未来予想図に怖さを予感している。





posted by 平井 吉信 at 23:42| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2021年08月19日

空気感染の対策には換気の可視化が必要〜CO2センサーセンサーの活用(CO2-mini)〜


感染者数の増加が止まらず、COVID-19は危機的な状況となっている。
ワクチン接種は少しずつ進んでいるが、先行している国でも感染者の増大は止まらない。
感染者のなかではデルタ株の割合が増加している。感染力が強く、とりわけ空気感染に注意が必要とされる。

ぼくの場合は会議への参加やセミナーを主催する機会があるため、携帯用のCO2センサーを持参している。

選んだのはCO2-miniという機種。
2015年にアメリカで設計された製品で製造は中国である。
数値については正確な測定が可能とされるNDIR(非分散型赤外線)方式で、しかも2波長式を採用。

小さく軽く(掌に載せると小鳥のようだ)持ち運びが簡単。
さらに充電池を内蔵しないことで回路の温度変化(ドリフト)の影響の回避や経年変化による安定性に有利。
内部は集積化された合理的な設計で耐衝撃なども含めて信頼性が高いと見た。

給電は3つの経路から可能。
@PCなどのUSB端子(USB Type-A)から本機(micro USB Type-B)への給電

A携帯電話等に付属するACアダプターから本機へ(micro USB Type-B)への給電
DSCF9617-1.jpg

Bモバイルバッテリー(5V、300mA)から本機(micro USB Type-B)への給電
DSCF9639-1.jpg

換気についてはビル管理法で求められる二酸化炭素濃度の基準値(1,000ppm未満)をめざすのが一般的だが、感染防止の安全性を上げるのであればさらに低い700ppm未満をめざしたい。
野外での測定値は400〜450ppm程度。これが大気のCO2濃度として比べてみれば室内のCO2濃度の上昇がわかる。

この機種には色によるアラーム(音は出ず光の点灯のみ)を常時表示する。
緑黄赤のセンサー表示は任意に変更できるのでぼくは以下の数値で設定を行っている。

緑 700ppm未満
黄 700ppm〜1000ppm未満
赤 1000ppm以上 

写真では459ppmとして緑が点灯している
DSCF9633-1.jpg

ただしCO2センサーは空気中のウイルスの量を測定しているわけではない。
人が多いと人の呼気に含まれる二酸化炭素から部屋のCO2濃度が上昇する。その数値から換気の状態を判断して安全性を判断するもの。

仕事場(室内)で計測中。数値は420〜480ppm前後で推移。
百平米ぐらいの空間を一人で使い、換気扇とサーキュレーター、空気清浄機を常時稼働中(コロナ以前から)、場合によっては除湿機が回っている環境。
(離席して戻ると下がっていた値が着席して数分でたちまち上昇。計測の正確性も表している)

このCO2センサーは小型軽量のためカバンに入れて外へも持ち出せる。
会議やセミナーなどでは参加者に値を示して安心していただくとともに
数値が悪化してくれば換気を促す根拠となる。
(暑いので開けたくない人もいるが、数値は事実として人間関係を気まずくさせずに換気ができる。ぼくのセミナーや会議では600ppm未満で運用するので安心して来てください)


その他の情報

@手持ちのモバイルバッテリーでは表示は正確だが数分で電源供給が停止する。センサー側ではなくバッテリー側の仕様で微弱電流のため自動でパワーオフしているようだ。再度オンすれば計測は再開される。説明書では電源投入後2分を経過した値が信頼できるとされている。電源が入っていれば15秒ごとに計測が実施される。

ACO2濃度と気温が入れ替わって表示されるが、気温が表示されるのは2秒程度でCO2濃度を表示する時間が長いので不都合はない

B本機は小型でモノクロ液晶でバックライトは付いていない。店舗や施設などではCO2濃度をはっきりと見せる必要があることから本機ではなくカラー表示で見やすい機種か、外付けの大きなディスプレイにWi-Fiで接続する機種を選択する。おすすめの機種についてはこちらをご参照。
CO2センサーの導入による換気の「見える化」、換気の留意点、機種の選択について
https://www.odayaka-keiei.com/co2-sensor

C購入は対応の良い測定器の専門商社からの購入が安心できる。
東京精器工業株式会社のオンライン「ハカル.com」など。
どうしてもAmazonで購入したい方はマーケットプレイスでは上記より廉価に調達可能だが、購入先を吟味して購入すること。ヨドバシでは現時点で販売休止となっている。

追記
徳島県は19日午後6時、新型コロナウイルス感染拡大への警戒を県民に促す「とくしまアラート」の警戒レベルを5段階で最も上の「特定警戒」に初めて引き上げた。政府分科会が示す「ステージ4(爆発的感染拡大)」に相当する(徳島新聞速報から)。


posted by 平井 吉信 at 17:23| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2021年08月02日

SARS-CoV-2は恐ろしいが もっと怖いのは対策があるのに実行しない政府  自分で守るしかない


2019年秋に出現したSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)をもたらした。当初楽観していた人たちも春先の緊急事態宣言(ぼくも仕事がなくなった)、さらに気温の上昇とともに感染(季節性の風邪とは異なる)が拡大した。

当初は軽症で済むといわれていた若者も重症化したり、後遺症が数ヶ月もしくはそれ以上にわたって続くなど生命が助かっても日常生活を以前のように送れないつらさがある。

そしてSARS-CoV-2 Delta varient(デルタ株)が出現するに至ってさらに段階が悪化した。感染者はワクチン接種を終えている人が多いという結果も見えてきた。
https://www.cdc.gov/media/releases/2021/s0730-mmwr-covid-19.html
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/08/09f116d314ea1a13.html

ワクチン接種で行動範囲を拡げたりマスクを付けなかったりなどの行動変容があったことが推察される。身の回りでも副反応に苦しむ人たちの生の声が身近に出回り始めた。抗体依存性感染増強の怖れについても否定できない。もしそうであればワクチン接種が仇となって感染や重症化のリスクを高めることとなる。

ワクチンの評価は現時点で行うとしたら有効性は高いが、安全性は確保されていないということだろう。現時点でワクチン接種は利点よりもリスクが高いとぼくは判断した。

このブログで度々感染対策に言及しているように、簡潔に要点を記すと次のようである。
・外出から帰ったら、もしくはおかしいと思った相手と瞬時でも接したら、ただちに生理食塩水もしくは食塩水による鼻うがいを行う。
・外食は行わない。安全対策はステッカーでは決して可視化できない。ぼく自身が考える基準は気配りのある店舗に限り、Co2センサーで700ppm未満、もしくは1人1時間当たり50立米の換気能力程度を満たしていることが可視化された場合であって、必要に迫られてごく短時間だけにとどめる。
・それでも外食は避けたほうが賢明。そのため弁当をつくって持参するが、そのための業務用の水準の食中毒防止対策(弁当づくりと保管時の時間及び温度管理)が必要。
・マスクは不織布マスクで隙間がないか頻繁にチェックを行う。ただしマスクに手を触れないなどの作業はコロナ病棟での措置であって一般にはその水準の安全確保は不要。それでもマスクに手を触れたら高濃度アルコールでその場でただちに手指を減菌しておくことは鉄則。
・スーパー等で食品を買ったらすべて水洗いもしくはアルコールによる清拭を行う。水洗いとはビニール包装等で洗えるもの。野菜の袋入りなどは隙間があるのでアルコール清拭、紙の箱も水濡れは避けたいので同様。
・睡眠時間の確保
・マスクをつけていても大声で話さない。2メートル程度の物理的な距離を取る。リモートが可能であればなるべくそれで意思疎通を行う。
・車のハンドル(ウレタンはアルコールで、革巻きはアルコールは避けて水拭きもしくは次亜塩素酸水)、携帯電話やスマートフォン、財布、決済用カードは使用の度にアルコール清拭。現金決済はなるべく避ける(それが原因と思われる感染例を先月に身近で観測している)。携帯用のアルコールスプレーはいつも肌身離さず持っておく。

ここに挙げているのは最小限の不可欠な行動に限定している。ワクチン接種をしていてもこの水準は確保しておくべきことである。

以前にも書いたが、ワクチン接種をするかしないかは自己判断(自己責任)。科学的な根拠のある論文や根拠、起こっている数字(客観的な証拠)のみから判断を行っている。ワクチンを打てばそれで終わると考えているダメ内閣のいうとおりにしていたら自分の生命が危ない。専門家は口を貝のように閉ざしているが、遠くない将来に振り返ったとき、どの行動が正しかったかはっきりすることと思う。

これはぼくの信念なので書くけれども、コロナが収束することはないと考えている。なぜなら新型コロナウイルス感染症が出現する根源の理由が明確であること、及びその対策が行われることはないと考えられること。
それは熱帯雨林への人の活動による侵食とそこで未知のウイルスに接して移動というヒトの社会のあり方そのものが問われているから。温暖化も感染症の蔓延を後押ししている。結局は人間の社会活動そのものがパンデミックを引き起こしているのだ。

ほんとうに政治が収束させようと思うのなら経済活動を一時全止めしてベーシックインカムで全国民に同じ給付を行って生活を支えること。仮に半年続けたときに劇的な成果が得られるとしたらこれがもっとも確実なコロナ対策(経済政策)ということになる。

いま必要なのはワクチン接種に依存することではなく、科学的な根拠で着実に感染対策を積み重ねていく人々の強い決意(意識)と行動があること。
晴れた日に雨傘を持つ慎重かつ根気強い行動こそ必要。悲観的なシナリオを描いて生きていける人こそ、もっとも楽観的な人かもしれない。

まとめると、
・ワクチン接種は全体的には感染拡大の防止に有効だが、まだ未確定要素がある。
・ワクチン接種後の副反応が軽微なこともあれば重篤な場合もある(一人ひとり反応が異なり予測困難)。
・ワクチン接種者の感染例が増えている以上、接種の有無にかかわらず感染対策は従来以上に強化すべき。
(接種後こそさらに引き締めて感染対策を行うべき)
・現時点ではかつてないほどSARS-CoV-2亜型による感染症の脅威が高まっている。

タグ:政治経済
posted by 平井 吉信 at 00:41| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2021年07月06日

ワクチン接種の考え方と空気感染対策について


OVID-19とワクチン接種、空気感染対策などと題して『おだやかな経営』に投稿しました。
うちでのワクチン接種の考え方と飲食店、美容室などでの空気感染対策について書いています。
https://www.odayaka-keiei.com/vaccine
posted by 平井 吉信 at 12:21| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2021年04月24日

飲食店のための感染症対策(宿泊施設の飲食部門にも)をPDFにまとめました


時短営業の要請、まん延防止等重点措置、そして緊急事態宣言と
飲食店経営には困難な局面が続いている。

飲食店は限られた席数で一定の客単価であるので
営業時間を絞られると売上は減少するしかない。
弁当やテイクアウト方式を採り入れる場合には厨房の改装や新たな設備が必要となる場面がある。国もそのために事業再構築補助金(予算規模1.1兆円)というこれまでにない規模の支援を用意している。

しかしこの補助金の申請は敷居が高い。
そこで申請書作成業者が跋扈するが良い評判は聞かない。

一方で国や業界のガイドラインを見ても現場での具体的な対策はうたっていない。
(「密を避ける」などとといわれても具体的にどうすれば良いのか…)

そこで科学的な根拠に基づいて現場に落とし込める対策を検討してみた。
座席数15程度、1人厨房オペレーションでもできうることを書いてみた。
もちろん規模の大きな飲食店にも当てはまる。
(大手FCの場合は本部主導ですでに実施済みが多いだろう)。
根拠となる資料も末尾に添えてある。

2020年度ではCOVID-19に対する知見が目まぐるしく変わった。
2021年では変異株が出現したが、対策そのものは抽出された感がある。
ワクチンと変異株の関係、感染力が増した状態では野外での飲食も感染のリスクがあるなど
今後も新たな知見が出てくる可能性がある。
(ワクチン接種率が上昇しても感染は収束しないというのが多くの専門家の見解)
その度に改訂をしていこうと考えている。
関係のみなさまに活用いただければ幸いです。

こちらのページからPDFはダウンロードできます。
https://www.odayaka-keiei.com/covid19-for-inshokuten

飲食店の経営はその業界のみならず一次産業やサービスの提供者にも関わってくる裾野が広いもの。
科学的な対策を施し、そのことを訴求してください。
国が推奨する時短営業などではなく本質的に安全な状況で業績の回復につながればと願っています。

posted by 平井 吉信 at 10:10| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2020年12月24日

飲食店や理美容室で感染症を広げないために店ができる対策があります


飲食店と理美容室はコロナ禍で直接的な影響が出ている業種である。
徳島は全国でも感染者数は少ない方だが、
ぼくの場合でも明らかに訪問頻度が減っている。

店に入ろうとするけれど
対策ができていないな、と判断したら入店を止める。
(自作弁当を持ち歩いているのはそのためなのだけれど)

なぜなら飲食店と理美容室は数少ないマスクを取る場面だから。
もしコロナ感染症が接触感染と飛沫感染に限定されるなら
自助努力だけでほぼ100%防げると思う。
しかしWHOやCDCといった専門機関は相次いで飛沫核感染(空気感染)を否定しない見解を打ち出している。

空気感染対策は換気しかない。一に換気、二に換気、三に換気で四がHEPAフィルター付きの空気清浄器である。プラズマクラスターなどのイオンをいくら吹き出しても効果はないと考えられている(メーカーの喧伝するのは特殊な実験室で一般的な環境下ではない)。
どうしても都合などで食事をすることがあったときの食事として写真を撮ったもの。

ホテルグランドパレスの1階レストランのロータスではサラダランチをいただいた。
サラダなのに、ではなくサラダだからのこの充実感。
野菜がたっぷり食べたいときってあるよね。
RXM04575.jpg

ハモ料理で有名な和食家てんすいのすしランチ
RXM04617.jpg

直心庵の月代わりのそば
銀杏と小エビのかき揚げが付いている。
RXM04650.jpg

店舗改装をされていたという街の食堂大地のランチ
家庭料理の良さで毎日食べたくなるのだけれど。
RXM04623.jpg

飲食店や美容室の空気感染対策についてはこちらに書いた。
ビル管理法に基づく換気が基準となると考える。
空気清浄機の位置づけや仕切り板の運用法なども書いてある。
どうか、ご一読されて対策として実行してください。
客足はきっと戻る。
(コロナ以前より増える可能性すらありますから)。

飲食店での感染リスクを減らすための換気の重要性〜全熱交換器のおすすめ〜。空気清浄機は換気の補完、遮蔽板(アクリル板)による対策
https://www.odayaka-keiei.com/eat-drink-at-covid19
posted by 平井 吉信 at 00:56| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2020年11月14日

感染症拡大の不安を払拭する現実的かつ効果的な対策をお伝えします


おだやかな晩秋の一日も終わろうとする頃、
家電(サーキュレーター)を買いに出かけた。
山善の23センチ経のファンを持つDCモーター仕様が1万円未満で購入できた。
売れているアイリスオーヤマと比べてもこちらが優ると判断。ボルネードまでは不要だろう。
サーキュレーターも効果的な感染症対策となるが
うちでは閉鎖空間で空気を動かす用途(防かび対策)に使うつもりで購入。

感染症が拡大傾向になっている。
対策を行っていても感染する人や店舗が続出して
何を行えば良いかわからない人も少なくないだろう。

ぼくは連日のように長時間のセミナー講師などをしているが
感染症対策を万全に行っているので自身も参加者も感染させない。
3つの感染源はわかっているのでそれを淡々と行うだけだ。

(1)飛沫感染対策
不織布のマスクであって性能が確保されているものを選ぶ。
特にきつめのフィットが大切。
性能の良いマスクは決して廉価ではないがそれでも1枚100円未満である。
ぼくは炊飯器(マスク乾燥専用に充てている)に入れて70度1時間の加熱で5回程度使っている。
布マスクはやめたほうがいい、ほんとうにやめたほうがいい。(もう一度だけ)やめたほうがいい。
初期から飛沫核の遮断性能が不明であるうえ、
何度か洗っているうちに布や紐が伸びて顔に密着していない人が大半だからである。
この状況で感染者がいる空間に滞在すると確実に感染する。

(2)接触感染対策
携帯用のアルコールを持つこと(次亜塩素酸水は不確実性が高い)。
何かに触れるたびに手指を減菌する。たったこれだけでいい。
アルコールは食品添加物仕様だと食品にも手指にも使える。
(パストリーゼやライオンハイアルコールなど)

スーパーから購入した商品はすべて減菌する。
水洗いできるものは水洗い、
紙パッケージなどはアルコールで清拭。
次亜塩素酸水で拭くのも有効だろう。

(3)空気感染対策(飛沫核感染対策)
ビル管理法で求められる1人1時間30立法メートルの換気を全熱交換型で行う。
(24時間換気を止めない。電気代もしれている)
全熱交換型とは冬の冷たい外気を温めて採り入れられる(夏は高温多湿の外気を温度湿度を下げて採り入れる)。このことで快適に寒気を行うことができる。

網戸(自然換気)や換気扇(第三種換気)では快適性が損なわれるし
空気の流れも風向きや室内構造で不安定になりがち。
(全熱交換型は老舗の三菱ロスナイ、堅実なパナソニック、外付けもできるダイキンのベンティエールなど。空気清浄機や換気扇と比べても費用対効果は圧倒的に有利)

商業施設などでは空気清浄機は正しく運用すれば換気の補完として機能する。
ただし空気清浄機のみではどんなに高価な機器を置いても換気には置き換えられない。
少なくともHEPAフィルターが付いている機種でフィルターを頻繁に交換する。
金額は業務用途でも3〜5万円程度で十分(ただしフィルターは公称値の1/3程度で交換する)。
ボックス席や客席が集中する場所などを選んで複数台設置しておく。
しかし重要なのはあくまで全熱交換型による換気である。
(24時間365日稼働させておく)

店舗や施設の感染症対策とコロナ禍で売上を維持する方策について四国各地でセミナーを行っています。
直近では11/30の17時からは小松島市主催でのZoomによる無料セミナーがあります。
お申し込みは小松島市商工観光課まで。

電話: 0885-32-3809
Fax: 0885-33-0938
E-Mail: syoukou@city.komatsushima.i-tokushima.jp
https://www.city.komatsushima.lg.jp/docs/2013433.html

飲食店の取るべき対策については
https://www.odayaka-keiei.com/eat-for-safe
posted by 平井 吉信 at 20:29| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2020年09月27日

4連休のGo to troubleにならないよう採るべきはシナリオ3への対策


4連休はどこにも行かなかった。
助成金をもらって感染のリスクにさらされながら行かなくても
近所で水の音を聴きながら風に吹かれていた。

あちこちでお伝えしていることで詳細は省くけれど
感染症のたどる未来のシナリオはひとことでいうと4つある。

シナリオ1 まもなく収束(→ ワクチン開発は困難なのでありえない)
シナリオ2 現状維持(→ 感染拡大と一時休止の繰り返しという楽観的な考え)
シナリオ3 感染拡大(→ マスクを付けないなどを強引にアピールする無神経な勢力が一定程度いるなどウイルスにつけ込まれる機会を提供しているため。SARS-CoV-2の変移やH5N1型のヒト型変移、その他新興感染症の怖れ大というのが冷静な観察)
シナリオ4 社会生活・経済活動崩壊(人類の存亡をかけた局面)

シナリオプランニングという考え方では
未来に起こりうる事象を考えて対応策を練る。
その際に「想定外」という言葉は使わない。
(想定できないことに対応するのが危機管理。ゆえに福島第一原発ではメルトダウンが起こりうると考えて全電源喪失が引き金を引く→ 電源が水没する事象が起こる → 他の手段も機能しない事象が起こる、というように「事象」から考えれば、電源の冗長化、電源盤の水没を想定した対策(高台への設置と防水化)は採用できたはず。だからあの事例は採りうる対策を故意に放置した人災とみなしている)

以前のブログでも書いたように
感染症は、未知のウイルスが存在する熱帯雨林に資源を求めて浸食(=接触)して感染。
そして高速で移動して拡散することで起こったもの。

今年の5月には北極圏で38度、7月にはカリフォルニアで54度という気温を記録している。
数年前に東京でデング熱が観測されたようにウエストナイル熱やマラリアなど
熱帯の風土病が温帯地域へも進出しようとしている。
いずれも地球の温暖化と生態系の破壊(未知のウイルスとの遭遇)が感染症の根源にある。
さらに2002年のSARS、2012年のMARSのどちらのコロナウイルスでもワクチンはつくられなかった。

想定外をつくらないことからすれば現状維持のシナリオ2は除外しよう。
(シナリオ1は論外)
根源の要因を洞察しつつ想定外を排除するなら
採るべき方策はシナリオ3以上ということになる。
感染症がさらに悪化することを前提にできる対策を行うべき。
(ただしシナリオ4は採用しない。人口が半減するなど都市崩壊どころか種の存続の危機にまで至っていると想定して対策を行うことの経済合理性を越えてしまうから)

脅しでも悲観でもなく感染症の悪化を視野に入れて
現実的に対策を行いつつ楽観的に生きていくこと。
ぼくはコロナ禍が10年続いても気にならない。
ただしそれはCOVID-19に感染しないためではなく
地球で生きていく覚悟を決めたらその責務があると考えるから。
(と同時にそのような地球やそこで生きているヒトも含む生き物への愛おしさを感じるから)
そう考える人が増えれば感染症は必ず終息する。

人が集まる場所では(特に持病はないが変人と思われても)夏でもマスクを着用する生活は長く続けてきたし
マスクやアルコールの備蓄はコロナ禍以前からあるものを未だに使っている。
新型コロナウイルス感染症への対策も99%わかってきているし
WHOや厚生労働省も主たる感染源ではないが否定できないとしている空気感染についても
それを前提とした対策を提案している。
(対策とは空気の動きを定量的に評価して換気の流れをつくること。空気清浄器は感染症には効果がない、もしくは費用対効果で劣っていることに留意)

9月27日、勝浦川はきょうも釣り人でいっぱい。
ぼくは風を感じながら揺れるコスモスと水面を見ている。
DSCF9568-1.jpg

DSFT8386-1.jpg

DSFT8357-1.jpg

DSCF9598-1.jpg

川は流れて時計の針は進んでいくけれど
ぼくの時間はしばらく止まる。

愉しいことはあるよ。
どこにでも誰にでも。
見える、逢える。気付いて!


posted by 平井 吉信 at 23:42| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2020年07月23日

洪水と感染症が常態化した時代に生きていく


海水温が1℃上昇すると大量の水蒸気がもたらされる。
その途方もない水分量が降雨となる。
このことだけでも脅威だが、限られた地域で集中的に降ることがある(線状降水帯)。

洪水が常態化する災害多発時代に突入した。
感染症も常態化していることと根っこは同じように思える。

それは人間の活動(生態系や地球環境への過度な負荷)によるもの。
熱帯雨林が1年間に日本の国土の25倍が失われているというが
そのなかに貴重な遺伝子資源、新薬開発のきっかけが潜んでいる。
これらはアマゾン(熱帯雨林)の蔵書(資源)に例えられる。

熱帯雨林が破壊されるということは人類がそれだけ雨林に浸食していることになる。
自分が欲しいものだけ搾取するつもりの人類だが
そのとき人類が出会うのは必要なものだけではない。
未知の細菌やウイルスと人間や家畜が遭遇することで
それまでになかった感染症が出現する。

地球温暖化も人間の活動が直接的な原因となっている。
このことから災害の頻度、特に激甚災害の頻度が高くなっている。

感染症もSARS、MaaS、エボラウイルス、ノロウイルス、デング熱、ジカ熱、鳥インフルエンザ(H5N1型)が今世紀になって頻発している。特に強毒型といわれるH5N1型は致死率が5割を超える。
それでもウイルスがヒト型でないため感染力が弱いことで人類にとっての致命的な脅威には至っていない。
しかしウイルスは自らを複製する際にミスコピーを起こす。
その際にヒトに感染しやすいタイプに突然変異を起こす怖れがある。
新型コロナウイルス感染症(SARS-CoV-2が引き起こすCOVID-19)だけが感染症ではないのである。

新しい生活様式は2年程度は続くだろうと思っている人は多いかもしれないが
そうではなく第二第三の新興感染症が蔓延しやすい背景があるを直視したい。
つまりCOVID-19は人類にとって警鐘でもあり気付きの機会ともなっている。

今後はビジネスも生活も感染症対策が常態化する。
マスクやアルコールが不可欠となる暮らしが当たり前となる。
だからそれを受け容れる態勢と心構えで生きていこう。

こと新型コロナウイルス感染症については
接触感染と飛沫感染が原因とされているので
その対策は容易だが人が実行するかどうかだけの問題。
(空気感染については疑わしくても主たる感染源でないことは明らか)

案外忘れがちな対策をいくつか挙げてみると
・クルマのハンドルは毎日アルコールで拭く(革巻き仕様はアルコールに耐えられないので自動車メーカーはウレタン仕様をデフォルトにすべき時代が来ている)。
・携帯電話・スマートフォン、キーボード、マウスは毎日アルコールで拭く。
・外出のあとの持ち物(財布や時計、カバンなど)、買い物のあとの商品とバッグの無害化は施す。
・布マスクには感染症を予防する効果はないので不織布マスクを使う。布マスクを使用する場合はフィルター機能を果たす不織布を1枚追加する。
・不織布マスクは再利用する(マスクの節約という社会的な意義)。熱湯処理、洗剤による洗浄、アルコール噴霧、紫外線などはフィルター層を損なうことがわかっている(ぼくは温度設定ができる炊飯器で71℃1時間加熱)。
・携帯用のアルコールを肌身離さず持参して何かに触れるたびに使用。

この程度のことができていれば感染する怖れは低くなる。
習慣になれば何でもないこと。
自分が感染しないことは家族を含む自分以外の誰かに感染させないことになるのだから。


洪水とは大きな川の堤防が決壊するだけでなく
支流が本川に排水できなくてあふれる内水面被害が大きくなっている。
日本の平野はほとんどが洪積平野(洪水がつくった平野)。
そこで住む限り、洪水からは逃れられない、という前提で生きていく。

源流域、上流から順に水が出ていく速度を遅らせる手段を地道に確実にやっていくこと。
山の保水力の確保(林相)、棚田の効能、
遊水地の設定と洪水が起こりやすい地区に人が住まないこと、
どうしても移転が難しい場合では保険での対応(抜本策ではない)、
技術的には堤防の強化(大河川ではスーパー堤防など)、内水を排水させる能力の強化など。

対策がわかっている以上(ヒトが蒔いた種が因果応報となって降りかかっている)
個人、組織、地域の行動に着実に落とし込んでいけば
未来は悲観することはないと思っている(その信念は揺らがない)。
(SDGsも根源の対策は同じ)

追記
日本国憲法に生態系や生物多様性を尊重する思想がないのは問題だと思っている。
posted by 平井 吉信 at 20:10| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策