2022年11月08日

速報 皆既月食 天王星食


仕事で県南部へ出張の帰り、すでに皆既月食は始まっていた。
家へ戻って夕食をかけこんで外に出ると皆既中となっていた。

標準レンズの画角では左下にすばる(プレアデス星団)
(フジX-T30+XF35mmF1.4 Rの一部をトリミング)
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雲とプレアデスと皆既中の月と飛行機
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望遠レンズでは左下に青い天王星が見える
(ニコンD7200+AF-S 70-200mm f/4G ED VRの一部をトリミング)
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タグ:皆既月食

2022年08月16日

ペルセウス座流星群 満月下で見えたけれど条件悪し


13日は深夜に部屋から寝そべって大流星を見た。
14日はさらに条件が悪化したが、月が雲に隠れがちとなる間に天頂付近で写真撮影を行ってみた。
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ベランダに蚊取り線香と三脚を立てて野外イスから空を眺めた。
肉眼では流星を認めたが、写野には写っていない。しかし星と流れる雲の静止画約100枚を擬似的につないでみた(動画ではなく連続した静止画)。



(フジX-T2+XF23mmF1.4 R。満月が邪魔をするので、微光星を拾いつつ空のコントラストを落とさないためにこれ以上の広角は使えない)
タグ:流星

2022年08月13日

ペルセウス座流星群 うお座に大流星 目撃者はいますか?


8月12日の深夜から13日の未明にかけてが2022年のペルセウス座流星群の極大となっている。翌日が土曜日ということで流星群を見ようとしたが、薄曇りと金曜日の仕事疲れで部屋から網戸越しに灯りを消して見ることにした。

窓からは東南の空が見える。窓の中央に木星の輝きがある。木星は射手座の守護星。しばしその瞬きに浸ろうと寝っ転がってほんの数分のできごと。

2022年8月12日、25時25分(8月13日、1時25分)、うお座を横切り木星の近くを薄雲をものともせずつんざくように大流星が流れた。北(天頂)から南(地平)へと流れたので輻射点から散在流星ではなく群流星は明らか。木星の光度から遙かに明るく、マイナス6等以上ではないかと見積もった。音はせず流星痕も認められなかったが、天の裂け目から鋭いマグマのような閃光だった。残念ながら写真は撮っていない。

薄雲と満月の光芒のせいか周囲に2等級以上の輝星は認められなかったため、星座早見で星座を確認したところ、うお座と判断。

四国東南部でほかに目撃された方はいますか?

日本天文学会編による星座早見。大流星が流れた時刻の星夜を再現
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いま欲しいのは渡辺教具製作所によるこの星座早見。主な星雲星団や恒星のスペクトル型まで記載されている。この早見盤が平面ではなく湾曲したものだったらさらに良かった。



お椀型はこちら。南天の歪みが少なくなる。天空を平面に展開するとどうしても南天で星座が横に広がってしまう。お椀型でも歪みは残るが平面よりは少ない。学校で見ていた懐かしさを覚える人もいらっしゃるのでは?






天球儀では空間の歪みは解消されるが、地上(特定の緯度経度)から眺めた星空が想像しにくい。プラネタリウムは半球に投影するのでとても優れた再現方法だときどき眺めてみたくなる。
徳島ではあすたむらんどと阿南市科学センターにあるね。

あすたむらんど徳島のプラネタリウム
https://asutamuland.jp/instits/planetarium/

阿南市科学センターのプラネタリウム
https://www.ananscience.jp/science/planetarium/planetarium.html


追記(小咄)
若い頃、友人知人を誘って(知らない人もたくさん来てくれた)流星群を見る集いをやっていた。ブルーシートに寝っ転がって、夜食も食べたりしながら寡黙に、ときには星そっちのけでおしゃべりをしながらも空を眺めたもの。

流星群なので流れるときは1時間に数十個はみられる。せいぜい1秒未満の刹那に誰もがねがいごとをかける。

ある流れ星の瞬間、若い女性の声で「カネオトコケンコウ」とのつぶやきが聞こえた。誰かが「いまつぶやいたのは誰?」と叫んだ。たいがいは小さな声か口のかたちの願いなのだろうけど、ふいに流れた明るい流星に思わず声(本音)が漏れたのだろうと推察。

富と異性運は理解できる。けれど女性も30歳前後になると健康が願い事に入ってくる(少しずつ調子の悪いところが出てくるんだろうね、肩こりとか腰痛とか)3番目だけれど。庶民のささやかな、いや、実利を追求した現実的なねがいごとに「そうなのか」と頷いた。

でもそんなのどかな時代からすると、いまは自分のことよりももっと大きな枠組みやら社会のあり方を変えていく必要がある。その一方で一人ひとりの生活を尊重する公助の充実が前提。

国は要らないこと(布マスクの配布や補助金やら国葬やら)はするけれど、切羽詰まった人は救わない。貧しい家に生まれた子どもは一生かけてもスタート地点の遅れは挽回できない。少なくとも教育だけは同じ機会を提供するのが国家の役割。そのことが国の経済力を高めたり社会的費用を低減したりすることにつながるのに。つまらんものにカネを使って必要なものに使わない政府を選挙以外にも見つめて声を挙げていかないと。
タグ:流星

2022年08月01日

一目見し人の…


高気圧の頂点で気温が高かった日中の夕暮れは残照が消えゆくさまが糸を引くような夕暮れとなる。
ほのかにも空に置いた絵の具は決して消えぬ。
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今宵は三日月、一目見し人の眉引思ほゆるかも、と家持の心地する。
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糸を引いた飛行機。平穏というよりは倦怠と喧噪を織り交ぜた明日を予感させるよう。
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2022年07月25日

夏の大三角 ATLAS OF THE HEAVENSの思い出


はくちょう座のデネブ、こと座のベガ、わし座のアルタイルを結ぶ天空の三角形を夏の大三角という。中国と日本では天の川を挟んで、織女(織り姫)と牽牛(彦星)が逢瀬を待ちわびる七夕伝説になっている。

星座では見かけの明るさの順番にアルファ、ベータ、ガンマ…と呼ぶ。夏の大三角の星々はそれぞれの星座のアルファ星である。1等星のデネブ(α Cyg)は変光星で1.21から1.29等の明るさを繰り返す。ベガ(α Lyr)は0等星(0.03等)ともっとも明るい。アルタイル(α Aql)は1等星(0.76等)。
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この写真では、上から時計回りに、デネブ、ベガ、アルタイルである。大三角の間を流れるのが天の川。これは銀河系の円盤を横から眺めている感覚に近い。左下で銀河が濃く(明るく)なっている。星座本体は沈んでしまったが、射手座方向である。

デネブの近傍(左斜め上)にアメリカ大陸のような赤い星雲が見える。通称北アメリカ星雲(NGC7000)という。夏の大三角を余裕で収めるこのレンズの画角は90度で肉眼では眼球を動かして見ることになる。

ベガは地球の歳差運動(24,000年周期の自転のブレ)により12,000年後には北極星の役割を果たすという。人類がそのときまで生存していたら北極星は随分見つけやすくなる。それには温暖化対策をやり遂げなければならない。隕石が衝突しない幸運も祈るばかりである。

巷は猛暑だが、夏の大三角が天頂を過ぎていくともう秋だなと感じてしまう。
散在流星を見かけたが、写真には写っていなかった。あと半月でペルセウス座流星群である。
(フジX-T2+XF14mmF2.8 R、絞りf3.5、露出25秒、三脚固定、ISO4000、撮影地:徳島市南部)

追記
星夜を眺めたり天体観望を行うのに欠かせないのが星図。
ぼくも誠文堂新光社の全天恒星図、ノートン星図などを使っていたが、
どうしてもチェコの天文台が発刊したスカルナテ・プレソ星図(ベクバル星図ともいう)が見たくて
梅田の丸善まで買いに行ったことがある。当時の価格でも1万円程度したのではと思う。
この星図は銀河が色分けされ、主要な星雲星団と7.75等(だったかな?)までの約4万個の恒星が掲載されていて眺めるだけでも至福のときを過ごせそう・

そのタイトルも、ATLAS OF THE HEAVENS(天空の星々の地図)
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プリントされた文字の静かなたたずまい。
1950.0年分点。地球の歳差運動で天の赤道と黄道の交点は動いていく。星図では1950年分点と2000年分点がある。
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はくちょう座付近
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オリオン座と冬の銀河。オリオンを囲むバーナードループが記されている。Hα線(656.3nmの波長)に感光する103αEやフジクロームR100などでのリバーサルでも映すことができた。理想の画角は85ミリレンズ。このため、ペンタックスSPFではSMCタクマ85mmF1.8,ミノルタX700ではMD85mmF2を風景でもよく使っていた。恒星のスペクトル型や光の波長、ケフェイド型変光星、レーリーリミット、ダークマターとハッブル定数、球面収差、コマ収差などザイデルの5収差、アポクロマートなどの色消し理論などは中学時代の日常の言葉。高校の地学の教科書すらあまりに易しすぎて(勉強せずに100点を取っていた記憶)。
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いて座付近の南の銀河面。濃い銀河に無数の星雲星団が浮かぶ星の海。タカハシ10センチ反射赤道儀にオルソ40mmのアイピースで×25の視野で流すと時間の経つのを忘れた。7×50のニコン双眼鏡もよかった。
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カシオペア座周辺。右斜め上にペルセウス座の二重星団(NGC 869、NGC 884)がある。このような番号も主要な天体では覚えていた
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スカルナテプレソ星図が廃刊になったのはなぜだろう。1990年以降に東欧諸国がたどった苦難の道筋と関係あるのかもしれない。いまは星図もアプリベースで自動導入が内蔵された赤道儀などアマチュアの天体観望にまで自動化が進んでいるが、ファインダーと星図を頼りに淡い小宇宙を導入し、視野を動かしてかすかな光班を瞳孔が捉えた感激は忘れない。


タグ:流星

2021年11月20日

木枯らし途絶えてさゆる空に部分月食の星夜


冬の星座、覚えていますか?
おうし座、オリオン座、おおいぬ座…、
冬の銀河と冬の大三角、
南極老人星カノープス(りゅうこつ座α星)。

カノープスは全天で2番目に明るい恒星だが
真冬の20時頃に南中するも高度が低くすぐに沈んでしまう。
ゆえにこの星が見えたら長生きできるという。
(カノープスを見つけた子どものぼくは家族全員を外へ連れだして見せた)

四国東南部では老人星を見つけるのはむずかしくない。
(緯度が小さくなるほど、つまり北半球では南へ下るほどカノープスの高度が上がるのだ)
南中する時刻と高度を知っていて、雲が懸からなければ毎晩のように見ることができる。

高知県からは南十字星のもっとも北に位置する星さえ見えるというが、星座のかたちなくして同定するのは困難である。

冬の星座、文部省唱歌。
ものみないこえるしじまのなかに きらめき揺れつつ星座はめぐる。


へイスの楽曲に堀内敬三の名訳詞がついたもの。
日本語としての美しさが冬の星々のように結晶化して
文部省唱歌のなかでももっとも詩的な楽曲のひとつ。

そんな情景を撮れないかと、とくしま植物園に来たらこんな風景。
今宵の天文現象の舞台となる星夜が想像されてしびれてしまったのだ。
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11月19日の部分日食で皆既に近づいた時間帯に撮影した樹間の星夜
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私立中学に通っていた頃のこと。
大松川沿いの真っ暗の道をたどる帰路に「冬の星座」を口ずさみながら木枯らしを温めるように自転車を漕いでいた。
学校には五藤光学の口径20センチ2枚玉アクロマートレンズのドイツ式赤道儀を備えた天文台があった。
遅いときの帰宅は20時を過ぎていたと記憶している。
疾走する風を受けて鼻水が止まらなかったが、身体の奥は温もりを感じていた。
家に戻れば夕ご飯と風呂に入れると思うことがペダルを漕ぐ力。
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ほとんど皆既(ほぼほぼ皆既とはいわないで)となったこの日の月を撮影してみた。
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(地平線付近の光跡はしし座流星群ではなく飛行機)

宵が進むうちにすばるを従えて少しずつ高度を上げてきた。
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オリオン舞い立ちすばるはさざめく


清少納言も「星はすばる ひこぼし ゆふづつ…」と讃えた(すばる、彦星=わし座のアルタイル、宵の明星が趣がある)。
だからぼくはすばりすと(スバリスト)である。
(主義を意味する-istは使いたくない言葉だが、唯一の例外として自分に用いている)

部分食が極大に達すると背後の星々が光輝を強め、
すばることM45、プレアデス星団が月の左に並んだ。
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追記
昨日から五輪真弓が心のなかで奏でる。
アルバム「恋人よ」。
でもぼくはあのヒットシングルではなく、それ以外のアルバム収録曲が好きだ。
日本を代表する歌い手だよね。




2021年10月02日

もうオリオンが東の空に

仕事を終えて外で出てみたら東の空にオリオンと下弦の月。
空高く―。
そんな季節になったな。
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2021年09月04日

昨夕の空(全天)を見ましたか?


道路がやけに朱い。
見上げるとセピアがかった朱色(桃色)と地平近くの透明度の高い青。
(ほとんど見たままに写っている)

こちらは東の空
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北の空
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西の空
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2021年09月03日

去りゆく夏の銀河


銀河系の中心は射手座の方向にある。
銀河(天の川)の濃いのは無数の星雲星団と恒星が見かけ上(銀河系の円盤の端から中心を見るため)も物理上も集まっているからである。
南の銀河面には、無数の散開星団、散光星雲、暗黒星雲、球状星団が点在して濃い銀河に浸る。
ここでもM8やM20が見えている。
これらは7倍50oの双眼鏡で眺めるとときの経つのを忘れるほど。
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春の深夜に銀河を先導するように昇るアンタレスを見るときめき、
夏祭りの宵に南中する天の川は熱気を帯びてときに甘酸っぱい青春の投影。
でも、鈴虫の声を聴くと夏の銀河は秋の大気に溶暗していく。

まちの灯火に近く空の透明度も靄がかりだが、器材の進歩なのかこれだけ写った。
三脚に固定しただけのお手軽撮影。
(X-T2+XF23mmF1.4 R、f2.8、14秒 ISO6400)
タグ:星夜

2021年06月19日

梅雨空の明日は晴れると好転する気圧配置がもたらす夕暮れ法


直訳すれば、梅雨空で朝から雨が降っていたけれどだんだん雨が止んで気圧が高くなって天候が回復傾向にある途上で一日の最後に現れた夕焼け空は明日の晴天を約束するとともに人々の心に晴れやかな記憶を刻むことができるという証しの色でもあるという意味のようです。
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2020年10月03日

仲秋の名月1日後の星夜と勝浦川


銀河鉄道の夜のような月夜を見られたらと思って
近所の河原に来てみた。
仲秋の名月の日は仕事で疲れて寝てしまったが
この日は"模擬"東京出張(オンライン会議)であった。

昼のこの場所はこんなところ
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夜になっても暑くはないが寒くもない。虫もいない。
おだやかな夜がしんしんと深まっていくが
月の光はさらに煌々と野山を照らす。
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いいではないか、いいではないか。
月のある夜は眠りが遠く。

2019年10月06日

10月6日 16時20分 半円の虹(徳島市内)


ふと立ち寄ったスーパーの駐車所で見た
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2019年07月28日

梅雨明けの夕空に二重の虹


「東の空に虹が出ている」「二重に見えている」などと
複数の人から電話やメールでお知らせをいただいた。

通りかかった場所で撮影。
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西の雲は高く照り返す
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鈍い光を放つレールの残照
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ようやく梅干しが干せる夏が来た。
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2019年06月23日

文化の森の彩雲


文化の森へ行こうと西の空低くに彩雲が出ている
急いで文化の森まで行って車を停めて
園瀬川を見下ろす橋まで駈けていく
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彩雲はほんの数分、場合によっては数秒のこともある
そこにはいつもの西の空
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2019年01月20日

地球の気象が数値で見える

宇宙船地球号は生活空間のすべてだから
地球の気象については身体で感じるとともに
数値で知りたいと思っていた。
以前から目を付けていたのは
アナログ方式を手頃な価格で実現しているエンペックスブランド。
そこで温度湿度計と気圧計を購入。
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仕事部屋の机の柱に気圧計を掛け、
机に温度湿度計をおいて眺めている。
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シチズンのデジタル計測での室温は12.4度、エンペックスでは12.5度ぐらい、
カシオのプロトレック(腕時計)での気圧は1014hpa、エンペックスも1014hpa、
21時の徳島気象台の計測値は1013.7hpa。
(海面からの標高補正を行ったとしても▲0.5hPa程度で無視できる)
http://www.jma.go.jp/jp/amedas_h/today-71106.html?areaCode=000&groupCode=53

気圧が急激に下がると体調が悪くなる人は少なくない、
湿度が低下すると火事やインフルエンザのリスクは高まる。
肌がかさつく人もいるだろう。
あるいは台風の接近や嵐の前兆を知ることができる。
それは気象庁のWebサイトをこまめにみれば済むこと。
でも、目の前でいまの地球の変化を知ることは
ぼくには大切なことと思える。

地球は動いている
その鼓動を感じることで一日を生きる気持ちも動いていく。




タグ:台風

2019年01月05日

南阿波サンライン 黄昏から星夜へ


国道55号線は薬王寺への初詣の参拝客があるため
一年を通してもっとも混雑する時期を迎える。
混雑するときは3〜4km手前の県道19号(那賀・赤松方面から)から動かなくなってしまう。
高規格道路(日和佐道路)ができてからも同様だろうと想像。
そこで旧の国道55号線を走り、海賊舟から下って左折する。
JR牟岐線の反対側を通り、JR日和佐駅の裏を通過すると県南方面へ抜けられる。
今回はこのルートで予想どおり渋滞はなく南阿波サンラインへと。

JR日和佐駅は初詣の乗客が乗降する。
線路を挟んで向かい合う道の駅日和佐へは陸橋を渡る。
左の特急むろとは3月以降、大幅な減便となる。
https://news.mynavi.jp/article/jrdiagram2019-21/
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正月早々家人がケガをしてそのために外出ができなかったので
自宅を出たのが15時過ぎと遅い出発。
そのため、第3展望台へ着くと黄昏が始まった。
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空に近いところは早々と紺碧へと色を落とし
水平線に近い海の残照がしばらくあるがそれも消えていく。
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セピア色で撮影(X-T2+XF35mmF1.4 R)
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室戸岬へと続く四国東南部の海岸線が暮れていく。
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やがて薄明から星空へ(まだ18時半にもならない)。
もう満天の星世界に変わった。
見上げる東の空には冬の銀河、
オリオン舞い立ち、すばるはさざめく。
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追記

オリオンの右下に3つ、画面真上に1つ、
それぞれ人工の光跡(航空機、人工衛星)が映っている。

オリオンから斜めに上がってヒアデス星団、プレアデス星団、
ペルセウス座の二重星団へとたどることができる。
右隅に人工光跡。
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ところで1月3日未明に西日本で観測された火球は
剣山周辺に落下したとアマチュア天文家からの観測結果。
直径は500円玉大ではないかという。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190106-03146163-tokushimav-l36
それが夜空に壮大な光跡を描くのだから
大気の厚みとその摩擦力の大きさを物語る。
山中に500円玉を落としてもまず見つからないが
小さな落下物(隕石)の場合は痕跡を残すかもしれない。
剣山神話との関係で謎めく人もいるかもしれない。
(X-T2+XF14mmF2.8 R、絞り開放、ISO6400、露出10秒)

2018年09月15日

「星で望遠鏡を楽しむ」天体望遠鏡博物館(香川県さぬき市多和)もっと知って欲しい  星空から子どもを科学へと誘う夢の場所


引田のうどん店に立ち寄ったあと、長尾街道を経由して脇町へと抜ける道中のこと。
東讃の内陸部(長尾街道より南)はあまり通る機会がなかった。
香川県はどこを通っても道路が充実している。
大窪寺への分岐点を過ぎれば塩江からの国道193号を合流するようだ。
四国巡礼の結願の寺、大窪寺へはまだ行ったことがない。
いったん分岐を過ぎたが引き返して左折すると、
天体望遠鏡博物館」の標識。

中学の頃、天文学者になりたかった。
家には現役の高橋製作所の名機10センチ反射赤道儀がある。

「星夜と夢世界のかけはし 高橋製作所の10センチ反射赤道儀1型」
http://soratoumi.sblo.jp/article/103820382.html

旧長尾町(現さぬき市)の多和地区の小学校校舎に
全国の公設私設の天文台や個人が使っていた望遠鏡を収蔵している全国で唯一の施設のようだ。
自治体の方針で観測施設が閉鎖されたり
故人となられた家族が愛用していた望遠鏡などが廃棄されることがある。
そのような望遠鏡を救出して展示、場合によっては再活用しているのがこの施設。
週末のみの開館でそれもボランティアスタッフで運営されているという。
(入場料300円)
天体望遠鏡博物館 http://www.telescope-museum.com/
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公設天文台などの望遠鏡が並ぶ1階メイン展示場
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法月技研の60センチフォーク式反射赤道儀。口径だけでいえば収蔵品のなかで最大。
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ニュートン・カセグレン焦点切り替えの40センチ反射
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昭和初期に京都の花山天文台で使われたカルヴァ望遠鏡
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日本に3台しかないとされるユニトロン(日本精光研究所製=口径155mm F16)
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ミカゲ光機の35センチ反射
アマチュア天文家で校長をされていた方からの寄贈だという
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五藤光学の15センチアクロマート屈折赤道儀。
通っていた中学には五藤光学の20センチ屈折があり
M42を見たときのあまりのまぶしさ(20センチの集光力!)に驚いた。
土星のカシニの空隙も忘れられない(土星の輪の隙間)。
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口径とはレンズ、反射鏡の有効径。Fは焦点距離に対する口径比のこと。
反射望遠鏡は鏡で反射した光を一点に集めるので反射して集まった光を観るために別の方向へと導く副鏡が必要となる。アマチュア天文家でも安くて口径の大きな望遠鏡として反射望遠鏡を自作、購入が多かった。天文台級は反射望遠鏡が主流。
屈折望遠鏡はレンズによって光を集めるが、光がレンズを通すと分光作用などを生じて像のふちが滲んだりする。そのためガラス素材を工夫して低分散、異常分散、蛍石などを用いてレンズ枚数も2枚、3枚、4枚と組み合わせて収差を補正する。さらに補正レンズと組み合わせて広視界化したり視野を平坦化したりするなどの合わせ技が可能で近年のアマチュア望遠鏡は屈折式が主流。屈折式は鏡筒が閉じているため気流の影響を受けにくく反射鏡と違って数年ごとのメッキが不要のメンテナンスが容易。それでも口径15センチ以上はレンズの開発が難しくあっても高価である。


アマチュアの憧れであったニコンの屈折赤道儀。
小口径でも高価であった。
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五藤光学のコーナー
五藤光学と西村製作所は当時の日本の天文台やハイアマチュアの機械であった。
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反射望遠鏡といえば西村製作所。曲線を多用した優美なデザイン。
木辺鏡が装着されることが多かった。
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別室ではアマチュア望遠鏡のコーナー。
全盛期には望遠鏡メーカーが日本に数十社あったように思う。
これはそのなかでも高い人気の高橋製作所。ベストセラーのEM-200赤道儀。
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高橋の機材が少ないのは手元に置いておく人が多いせいかも。
(うちの10センチ反射赤道儀も高橋)

これもなつかしいミザールの反射屈折式15センチCX-150型。
http://www.mizar.co.jp/product/view/295
補正レンズを用いて収差を補正しつつ口径比を伸ばしたもの。
鏡筒が軽量なので赤道儀が小さくて済み手頃な価格に設定された。
当時の日本の望遠鏡でも意欲的な設計。
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驚くなかれ現在も販売されている。ただし価格は1/3程度。
http://www.mizar.co.jp/product/view/30
(おそらく部品は日本製ではないだろう)。
でも、会社が健在なのはうれしいことだ。

スライディングルーフの観測室には観測用の機器が並ぶ。
ほら、あのサンダーバードと同じで屋根が電動で動く(少しだけ開けていただいた)
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簡易な構造ながら安価で大口径を得られるドブソニアン。
30センチを分解して持ち運べる。ただし微動装置がないため高倍率は難しい。
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ずらりと並ぶミザールの屈折望遠鏡
廊下に立たされた生徒のようだ。
かつてこの小学校で授業が行われていた日のように。
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アストロ光学の15センチF8.7の反射。
赤道儀がやや華奢(振動に弱い)に見えたが
口径が大きく手頃な価格で人気の望遠鏡だった。
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ほら、これを見て。
ビクセン、アストロ光学、カートン光学、エイコー、ケンコーなど。
当時の天文雑誌には部品を組み立てて望遠鏡を販売していたパノップ光学、
ダウエル、スリービーチがあったな。
天文ガイドや天文と気象の広告がよみがえるよう。
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ペンタックスはもちろんカメラメーカー。
色消しのアポクロマートなど凝ったレンズを使って星夜写真がねらえる。
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西村誠作所のフォーク式経緯台。工業デザインとしての美しさにしびれる。
口径比6ぐらいの鏡を付けて銀河面を広視界アイピースで流してみたくなる。
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ちなみに皇太子さまは、
旭精工の13センチ反射経緯台(アスコスカイホーク130型)をいまもご使用されているようだ。
(絶妙の選択! 機動性と観測回数、取り回しやすさと見え味、しかも高価なものではないが品質感が高い)
星空を流すのにも惑星を見るために
庭やベランダに持ち出すにも堅実かつ実用性の高い機種で
高額な機種ではないが皇太子様のご見識の高さと
ものを大切にされるご様子が伝わってくる。
https://ameblo.jp/ic2177/entry-12355212318.html

倉敷在住の本田實さんは彗星捜索家として知られていた。
その本田さんが彗星捜索に使った屈折望遠鏡。
生涯に12個の彗星を発見された。
不思議なのは奥様のお名前が慧さんという。
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木辺成麿さん。滋賀県の寺の住職だが、反射鏡制作の名人として知られた方。
(成麿とは鏡を磨くために生まれたようなお名前である。先の本田夫人といい不思議だ)
木辺さんの鏡は木辺鏡といわれ、最高の見え味といわれた。
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木辺氏亡き後の名人は苗村敬夫さん。苗村鏡の名で知られた。

九州のアマチュア天文家 星野次郎さん研磨の鏡。
29センチF6.7の反射赤道儀による見事な球状星団の写真は憧れ。
眼視用の口径比のようだが、
当時の星野さんいわく感光剤の感度が上がるという記事を信じて設定されたと記憶している。
星野さんの著作はアマチュアが望遠鏡を自作する際のバイブルとなった。

赤道儀はすでに自動化されていた。
赤経の駆動に用いるウォームホイルを
星の追尾を見ながら摺り合わせて精度を上げていく、という手作業だった。
ピリオディックモーションを消していく気の遠くなる地道な作業だっただろう)

星野次郎さんの20センチ反射赤道儀。
光学系も赤道儀もアマチュアの作とは思えない。
DSCF5766.jpg

このような施設が脇町からすぐのさぬき市の山あいにあるとは。
物心両面で有志の志で運営されている。
コンセプトをひとことでいうと、「星で望遠鏡を楽しむ」。
天文台が「望遠鏡で星を楽しむ」施設とすれば、
当博物館は「星で望遠鏡を楽しむ」施設。
DSCF5778.jpg

夜が暗かった頃、人々は星空を見て何かを感じた。
季節の移り変わりであったり、
昼間のいざこざが小さなことに思えてきたり。
星空は科学の世界への誘いでもある。
望遠鏡博物館は文化遺産(資産)である望遠鏡を救済するだけではなく
子どもたちに望遠鏡の手作りイベントや観望会イベントを開催している。
望遠鏡の復活整備も行うので収集及び維持保管、修理費用を考えれば
スタッフがボランティアであっても
300円程度の入場料ではとても立ちゆかないだろう。
この日もご説明をいただいたのは
鳴門市から参加されたボランティアの方で
博識かつていねいな説明、収集時のエピソードなどをいただいた。
(ありがとうございます)

クラウドファンディングがつまらない内容の企画に活用されている実態がある反面、
このような意義のある施設が有志によって細々と運営されている。
http://www.telescope-museum.com/sanjyo/

ときの政権のばらまきの目玉施策やら
都道府県知事のパフォーマンス的な予算で
文化施設の管理運営予算は大幅に削減されているという。
文化の果てる国が栄えることはない。
一握りの篤志家が科学振興や文化を伝える活動を行っているのが日本の現状。

追記
全国には中古望遠鏡の専門店があるようだ。
http://reflexions.jp/tenref/orig/2018/04/05/4144/

2018年01月31日

速報 皆既月食


現在進行中の皆既月食。
明日は出張なので皆既になったところで早めに切り上げた。

7×50の双眼鏡の視野で
月食が進むと星が浮かび上がってくるのが印象的だった。
皆既月食は双眼鏡が最適だ。

これは薄もやだが、月面のコントラストが弱められてクレーターのディティールがわかる
D7N_8584-1.jpg

もやが晴れた
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月食は進行していく
D7N_8611-1.jpg

肉眼でも赤道色の雰囲気が漂うがカメラはいち早く捉える
D7N_8629-1.jpg

あと少しで皆既
D7N_8632-1.jpg

皆既に突入。地球の影を月に投影する機会は心のごちそう。
月とともに星が写っているのがわかる?
D7N_8645-1.jpg



…危ないところだった。
わざわざ電話で報せてくれる人がいなかったら
仕事をしていてうっかり忘れるところだった。
(会議欠席で皆既月食で回避血色=意味不明)

(ニコンD7200+AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR)
タグ:皆既月食

2017年01月04日

1月3日 月と火星の接近


1月2日は女神の接近事件が起こったが、
D7N_3017-3.jpg
今度は月と火星の接近だ。

太陽と月を除けば全天でもっとも明るい金星は
昼間でも見つけることができるぐらいだが、
月のかたわらにたたずむ火星は
さそり座の隣で爛々と光る野獣の目のような鋭さは感じられない。
アルテミスの妖艶さに魂を抜かれてしまったかのようだ。

標準レンズの写野
DSCF2563-2-Edit_HDR.jpg

APS-C200o望遠(300o相当)
D7N_3030-1a.jpg

ペレアスとメリザンドが見つめる空、
シャガールならこんなふうに表現したかも。
D7N_3030-1a2_HDR.jpg

天文は、ぼうとした光を見るのだけれど
慧眼を持てと諭してくれる。

2017年01月03日

1月2日 金星が月に接近 地球照も 撮影は「ほぼほぼ」「なので」


来客を見届けて家に入ろうとしたとき
西の空に金星と三日月が見えた。
これは!

さっそく三脚(ジッツオ3型)とD7200+70-200mm f/4を取り出した。
ところがすぐに雲が出た。
合間を縫ってシャッターを切った。

月はアルテミス、金星は美の女神ヴィーナス。
天にあれば月は蒼く照りかえし、
金星はまばゆい山吹色に光を宿して地平に向かう。
だから、両者が近づくのは満月の頃にはありえない。
三日月の夜、ひそかに女神の接近に気付いたことで
(そして地球の影がうっすらと月面の満月の輪郭を浮かび上がらせている=地球照)
女神の光を添えてお届けできればと。
D7N_3023a-Edit.jpg

良い年をお過ごしください。


言葉遊び 見たくない人のために別添えに