2026年01月06日

今宵はカノープス(南極老人星)を見よう


りゅうこつ座のα星(その星座でもっとも明るい恒星)カノープスは、日本では南の空低く出現してすぐに沈む。中国では昔から南極老人星と呼び、見られると縁起がよいとされている。

カノープスは見かけの明るさがマイナス0.7等星で、全天でもっとも明るい恒星であるシリウス(マイナス1.6等星)に次ぐ。シリウスは爛々と輝いているが、カノープスは2番目に明るいとはいえ地平線近くにあるため大気による減光で赤く暗く見える。南半球(ポリネシア)からみたカノープスは見違えるほど明るかった。

子どもの頃、天文少年だったぼくは、カノープスを見つけると家族に知らせ、幼い妹も含めて全員に見せた記憶がある。まちなかであっても高い場所からは南の地平線近くに見えた。

少々寒いが、カノープスを本日(1/6)見たい人のために手引きを。

1月6日のカノープスの南中時刻は、徳島市内で22時51分。

目印は、南の空を仰いで、おおいぬ座のシリウス(全天でもっとも明るい恒星。ただし惑星の金星と木星を除く)を見つける(明るいのですぐにわかる)。シリウスから地平線に向かって視線を落とすと地平線から少し上に赤っぽい星が見える。それがカノープスである。

カノープスはシリウスが南中(1月6日では22時30分頃)して約20分後に南中する(真下よりは少し左にある位置関係)。

まちなかから見たカノープス(電線の合間を縫って光っている)
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カノープスが地平線上にあるのは理論上は、徳島市の緯度では3時間程度だが、大気の減光などで現実は南中時刻の前後30分ぐらいだろう。従って1月6日の南天では、22時20分から23時10分ぐらいが見やすいだろう。マイナス0.7等の明るさであっても、大気の減光で2等星か3等星程度に見える点にご留意を。

なお、1月6日から日がずれるとどうなるか?
それは、カノープスの南中が1日につき約4分早まると考えて算出する。
1月10日だと、カノープスの南中が8分早くなって22時43分。

なぜこうなるのかについては、太陽が真南から翌日も真南に来るのに24時間かかるとして、恒星は同じく南中するのに23時56分4秒かかる。この差だけ恒星の南中がずれていくことになる。

さらにいえば、地球が(宇宙空間に対して)自転するのが23時間56分4秒。遠くにある恒星についてはこの尺度を使える。ところが地球は自転しながら太陽の周りをまわっており(公転)、1日につき約1度移動しているので、太陽が南中するためには時間にして約4分だけ余分に回らないとならない。この4分の差が移動する天球(天体)となって、「天の川」「銀河」「星月夜」「流星」などが季語となっている。

昇るオリオン座と冬の銀河(南阿波サンラインにて)
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南天ではないが、北天の空も賑やか。光跡は飛行機
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南極老人星を見て長生きしてみますか?
えっ、長生きしてもろくなことはない?
ごもっとも。これだけ政治が劣化したらそう思える。
まあ、そうおっしゃらずに、あったかくして今宵はカノープスでも。

2025年11月01日

透明度の高い夜、自宅から見えたオリオン座


雨が降ったその夜、日付が変わっていた。裏庭から眺めた南東の空にオリオンの勇者を見た。
(まちなかの自宅からはこれほど鮮明に見える日は少ない)
右下が青白い巨星リゲル(0.13等星)
左上が赤い赤色巨星ベテルギウス(0.0〜1.3等星)
画面では縦に並ぶ三つ星、左端には馬頭星雲
その右下に小三つ星と散光星雲M42のHαの赤い光が見える。
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三脚にカメラを固定してシャッターを押した。SDをPCに差してディスプレイで見たとき、多くの微光星が写っていた。

フジX-T5+XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR(焦点距離38.5of4.2)ISO5000、4秒露光
※24×36換算で58o相当の画角で、左端の一部をトリミング

追記
フジのXF16-50mmF2.8-4.8 R LM WRは何を撮ってもさりげなく、ありのままを映してくれる。レンズの性能を誇示する描写ではなく、画面が平坦で抜けがよく、微少コントラストが高い。星像を見る限り、XF23mmF1.4 R、XF35mmF1.4 R、XF60mmF2.4 R Macroの第一世代の味わいのあるレンズ群と比べて、微細でコントラストが高く、絞り開放でもコマ収差は目立たない。

ピント合わせは輝星を見ながらMFで合わせるが、その際にXF16-50mmF2.8-4.8 R LM WRはピントの山がすうっと立ってくるので合わせやすい。もっともこれにはMF時の回転角とレンズ移動のリニア性も関係しているのではないか。花を撮影していてもXF16-50mmF2.8-4.8 R LM WRはリングの回転角の変化がなめらかで合焦しやすい。特にXF60mmF2.4 R Macroはマクロ時のMF時にピントがピョコンと移動する感覚がある。フォーカス移動の追随性というか回転角と移動の解像度がいまひとつ。これはAFの操作には関係しないが、合焦の精度には関係するかもしれない。その点ではやはり新しい世代のフジノンレンズが優れているようだ。無色透明の新世代レンズよりもファンの人気は旧世代のレンズのよう(その理由も雰囲気感のある描写のためでこれは納得できる)。

zoomレンズで星夜を撮るなど考えられなかったが、実際に撮影してみると納得。40MPの高画素機もRAWのノイズ低減の恩恵で2秒露出とは思えない。フィルムカメラなら、6×7や6×9などの大判に標準から中望遠を付けてリバーサルフィルムで20〜30分露出で撮影した(あの星像が目に痛いような点像を結んだ)星夜写真のよう。

予想より暗かったレモン彗星 (C/2025 A6)  甘酸っぱい想い出をつくるふたりのために


子どもの頃は天文学者になりたかった。だから天文学、天体物理学などの本を授業中に読んでいた。書物を通して説かれる宇宙の神秘やアマチュア天文家たちの著述に夢中になった。

通っていた中学校の屋上には、五島光学の20センチ屈折赤道儀が備え付けられていた。肉眼の800倍以上の光を集めて接眼部に導かれ、ケルナー25oのアイピースで眺めたオリオン座のM42を見たときの感激は忘れない。徳島市内といってもこのあたりはまだ夜空は暗かった。もちろん月や惑星はいうまでもなく、シーイング(大気の揺らぎ)が良好な夜はクレーターの細部や土星のカッシーニ空隙も鮮明に見えた。

自宅では無理を言って買ってもらったタカハシ10センチ反射赤道儀1型を使っていた。いまも完動品でさび一つなく部屋で待機している。

彗星は太陽系内、ときに太陽系を離れて彷徨うこともある。ヒトは流れ星や帚星に何かを感じて夜空を見上げる。彗星はヒトと夜空の契約のようなものだね。

2025年1月に、千年を超える長周期の彗星がアメリカのレモン山天文台で発見された。2025年10月21日には地球に最接近し、11月8日に向けては太陽にもっとも近づく。その明るさは3等から4等級とされていたが、ここ数日観望した限りでは、それほどの光度には感じられない。少なくとも紫金山・アトラス彗星と比べても暗い感じがある。

10月21日の近日点通過後、何度か見ようとしたが、いつも西の地平線付近に厚い雲が垂れ込めて動かない、という日が続いた。西南の三日月の付近は晴れていても西から西北にかけて雲に覆われるパターン
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人工天体(飛行機と人工衛星)が飛び交っていることがわかる。この写野のなかに、少なくとも1つの飛行機と6つの人工衛星が写っている。露出時間は3秒なので短い線で描写されている
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沈む射手座付近の銀河 散光星雲M8は肉眼でも存在がわかる(画面中央やや下の赤い光は水素ガスの輝き)
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(ここまで勝浦町)

これだけ空が明るいと見えないだろう。都市近郊では双眼鏡を使っても見えない。
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それならまちの灯りを。日峰山から見た小松島港と周辺の市街地は函館や神戸の夜景のようだ
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徳島赤十字病院に沿って南北(日峰山とバイパス)と東西(小松島港とショッピングセンター群)にまちなみがある。小松島市中心市街地の構造が見える
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同じ場所で2024年10月に撮影した紫金山・アトラス彗星。まちの灯りに負けていない
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(ここまで小松島市)

ようやくレモン彗星が見えた日。西の低空が晴れている。空も暗くて見やすいが、肉眼では難しい。発見したのは口径5センチ7倍のニコンの双眼鏡(長く使い込んでいるが、視野は鮮明で明るい)
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彗星からそれほど離れていない天空に上弦の月
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人工天体と競演する
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太陽系をはるかに彷徨い、地球に近づいたレモン彗星、ようこそ
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撮影方法は、三脚に固定してシャッターを押すだけ。ISOは2000〜8000でテストして3200〜6400を多用。シャッター速度はレンズの焦点距離にもよるが、50oで4〜5秒、200oで2〜3秒。セルフタイマーで切らないと星像がぶれるので注意。レリーズで切ってもよい。レンズフードは必須。短時間なので霜対策は不要。まずは広角レンズで適当に撮影して彗星を見つける。後処理でノイズ低減を行うのでRAWで撮影。以下に2点の撮影情報を掲載

フジX-T5+XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR(50of4.8開放)、ISO6400、5秒露光、ノートリミング
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ニコンD7200+AF-S 70-200mm f/4G ED VR(200of4開放)、ISO6400、2秒露光、トリミング
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200oともなれば、固定撮影でも緑色の頭部がわかるようになる
(ここまで阿南市)

彗星には想いを寄せる人と行くのが既知(吉)。短周期彗星だったら「76年後も一緒に見ようね」と言ってみたら♪ 
幸運を祈ります。若い人に限らず、熟年夫婦でもパートナーにそう言ってみよう。
よいことがあればお知らせください(はあと)。

2025年08月22日

有明の月と薄明光線 空とのつながりを感じる一日のはじまりとおわり


2025年8月21日、明け方の空に月齢27の月が昇る(昇りながら空に溶暗していく)。三日月のかたちだけど、呼び名は「残月」もしくは「有明の月」―嗚呼日本人。
午前5時を過ぎたあたりは天文薄明を過ぎて市民薄明の刻(月は真ん中よりやや上)。数分前の地平近くは深紅に燃えていたのだが、カメラを取りに行く数分で消えてしまった。明るくなった分、色彩が背景の明るさに覆われていく時間帯。
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有明の月の右上に明けの明星を伴う構図。金星は、太陽と月を除けば全天でもっとも明るい。惑星を除くのならおおいぬ座のシリウスがマイナス1.6等星だけど
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それから12時間後、夕方には薄明光線が出た。太陽と月と背景の星夜が日夜繰り広げる舞台は饒舌なのだけど、まるで気づかないなんて。人の生き方は空とのつながりを意識していたい。
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これは南太平洋ボラボラ島の薄明光線
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世界で2番目に大きいランギロア環礁では360度紅く染まる夕暮れを体験して茫然自失に陥りシャッターすら押せなかった記憶

2025年08月14日

二十三夜 下弦の月はおぼろに


満月を過ぎると月の出が少しずつ遅くなり、月の入りが朝に近づいていく。
愛しい人を訪ねて見上げた宙に、十六夜(いざよい)、立待月(たちまちづき)、居待月(いまちづき)、寝待月(ねまちづき)、更待月(ふけまちづき)…などと名を付けて眺めた古びと。
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二十三夜の下弦の月に雲がかすめて流れる風情、眠いけれど、あと少し眺める夏の夜。

2024年12月21日

冬のブルーモーメント


空気が澄む冬の薄明は紺碧に沈み込む。寒さの証し(放射冷却)のような透明度
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2024年11月04日

見上げた東天の冬の星座 オリオン舞い立ちすばるはさざめく夜


透明度の高い冬の空の特徴が現れ始めたが、この夜の気温は高め。部屋着のまま自宅から三脚を据えて冬の星座を捉えてみた。

中学時代、川沿いの土手を星夜に照らされて冬の帰りみち。自転車の発電機が仕事をしていることが脚に感じられ、1メートル前方の空間が地上の視界。

見上げると初冬の星座、自転車を停めれば一寸先も見えない地上に星夜が降り注ぐ。大気の震えで星がいっそう瞬く。

寒さを忘れて見とれていたのもしばし。静寂を打ち破るようにペダルを漕ぎだす。ほのかに照らされだんだん明るくなっていく。暗闇の燭光のように星が自分を見つめている錯覚。オリオン舞い立ちすばるはさざめく…。そんな夜を思い出す今宵の星夜。

東から昇ったオリオン座の左上には木星。オリオン座の左上の赤い輝星は、α星(星座で明るい順にギリシャ語のアルファベットを割り振る)のベテルギウス。ただしここ数年の光度は2等星相当に暗くなっているとされる。右下にあるβ星のリゲルは青白い巨星でいまはこちらが明るい。

実は赤色巨星に分類されるベテルギウスは10万年以内に超新星爆発を起こすのではと予測されている。そうなるとオリオン座のかたちが変わるか、現在のベテルギウスの位置に三つ星の下にあるM42(オリオン大星雲)のようにガス星雲が現れるかもしれない。
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そしてすばる(プレアデス星団=M45)。子どもの頃から、空にある東京タワーと思っていた。明るい天体ではないのに群がるこの並びは目立つ。清少納言は「星はすばる ひこぼし ゆふづつ」と記したように、プレアデス星団、わし座のアルタイル、宵の明星(金星)が趣のある天体とする。清少納言に「いいね」を送りましょう。平安時代にSNSがあれば彼女はインフルエンサーになっていたでしょう。自動車のスバルのエンブレムがこの星団を象っている。スバルのクルマは好きだけど。
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散開星団プレアデス星団の下にあるのは、おうし座のα星アルデバランを含む広がった散開星団ヒアデス。左端の輝星はぎょしゃ座α星のカペラ。ぎょしゃ座の五角形のなかに散開星団M38、M36が写っている。

冬の星座を5センチ7倍ぐらいの双眼鏡で見るのも一興。寒さ対策とカップラーメンを準備して、ヘリノックスの椅子にもたれて見たら、散開星団や散光星雲に混ざって、ときどき視野のなかを人工衛星や暗い散在流星が横切るかもしれない。

追記
フィルム時代なら、6×7版、6×9版のカメラ(ペンタックスとかマミヤ)を赤道儀に同架して長時間露出したのかと思われる鋭い星像(Webに縮小する前の元データ)だが、三脚にAPS-Cの小型カメラで静止数秒間の静止撮影をしただけ。技術の進歩の恩恵といえるけど、40M画素のセンサーで画素ピッチが細かいフジX-T5では、解像度の高さゆえか準広角レンズといえでも10秒でも星像が流れる。

別のカットのオリオン座を追加。オリオンの左にはバラ星雲がかすかに写っている。オリオンの下の白いもやは地球の雲
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〔撮影データ〕
フジX-T5+XF23mmF1.4 R→f2.8 ISO3200 露出6.5秒 
(ともに一部をトリミング)
タグ:星夜

2024年10月17日

同じ場所で見えた雲のカタログのような空


彩雲となった巻積雲 
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左端は飛行機雲 左下の黒い雲は巻積雲の下層にあるちぎれ雲(高積雲)
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房状の巻積雲 中央には毛状巻雲
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コンコルドのような巻積雲
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巻雲と巻積雲が交錯するように重なった二重雲
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太陽活動、大気の流れ、地球規模での気候の変動などをもっとも端的に表す雲について観察を続けていく

2024年10月16日

速報 紫金山・アトラス彗星(2024年10月16日)


中国の紫金山について知らない天文ファンはいない。国は違えど輝かしい功績を残している天文台である。場所を改めて調べてみると上海の西に位置するようだ。これでは東天は全滅、光害の影響で暗い天体の観測は難しいのではないか。

2024年秋に地球に近づいた紫金山・アトラス彗星(Tsuchinshan-ATLAS彗星)を見たいと思っていたが、なかなか時宜を得なかった。

10月14日の西の空を写してみた。前日に近地点(地球にもっとも近づいた)を迎えたので、高度は低いながらも肉眼で見えなくても尾を引く淡い天体が写し出されているのではないかと思ったが、向けている写野が違うのか、淡いからか彗星の姿はなかった。それでも墨絵のように美しい夕空を鑑賞できた
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それから数日間、悪天候で参ったなと思っていた。16日も曇りとのことであったが、仕事で移動中に空の一部が晴れて太陽が薄日を射したのを見て、もしかしていけるのではと思った。

夕方を迎えて徳島県東部でもっとも条件が良いと思われる山中に陣取った。少しずつ日が暮れていく。集まった見知らぬ人たちが双眼鏡やカメラを構えつつ情報交換を行う。一昨日は特に明るく見えたそうだ。

17時59分 現場へ到着 南西の方角へ向ける(XF35mmF1.4 R)
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18時00分 東天の十三夜の月に彩雲がかかる(XF35mmF1.4 R)
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18時5分 金星が浮かぶ南南西の方角と市街地(XF35mmF1.4 R)
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18時20分 標準レンズで市街地を入れた構図の上部に彗星が現れる。思ったより高度が高い(XF35mmF1.4 R)
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18時25分 標準レンズの縦位置で捉えると、大きさや位置関係、高度感がわかる(XF35mmF1.4R→f4、1.1秒、ISO3200)
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18時28分 レンズを中望遠に換えてみた(XF60mmF2.4 R Macro→f3.2、0.91秒、ISO3200)
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薄雲が彗星を覆いだしたので東天の十三夜月にかかるおぼろ雲や市街地のまちなみを見つつ、山頂をあとにした。明日はスーパームーンだ
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2024年09月18日

月をめでる日本人になって宙を見上げる宵(中秋の名月)


地平線から昇ってくる姿は濃い月力(がちりき)を感じさせたが、夜半過ぎに天頂にさしかかると、そのまどかなる月輪をさらにさらに輝かせて涼やかにたたずまう。
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(ニコンD7200+AF-S 70-200mm f/4G ED VR、200oF6.3、1/500秒の手持ち撮影、ISO200 マニュアル撮影を一部トリミング)

2024年07月27日

天気の子 夏の空は雲を愛でる季節

梅雨明け後の太平洋高気圧の張り出しは例年のこととはいえ、太陽の大きな熱量がもたらす目玉焼きができそうな熱射とその後の上昇気流で夕立が訪れる。

雲の成長も早い。積雲が雄大雲となり、積乱雲、その上部が水平に折れ曲がる、かなとこ雲などに変わっていくが、地平線に湧き出して変形するのにほんの数分のこともある。けれど巨大な積乱雲は雷雨をもたらすとしても1時間程度で収まる。例外は超巨大積乱雲(スーパーセル)で局地的豪雨を数時間もたらすことがある。

「天気の子」は雲を愛する気象予報士の荒木健太郎さんが(おそらくは作画で)監修を行っているそうだから、描画される雲を見ると、かなとこ雲やスーパーセルが出てくるかもしれない。冒頭での船の場面ではスーパーセルがもたらすダウンバーストと思われる場面が描かれている。

※ぼくも持っている荒木さんの著作「雲を愛する技術」はマニアックかつ初心者向けの本で愉しい。

だから夏の雲は見飽きることがない。見飽きないのは良いとしても人の根気が続かないのは暑さのため。この暑さを鎮めるために誰か人柱になってくれないだろうか(その必要はない、というのがアニメのメッセージ)。

ところで、エアコンも使わず水分もあまり摂らないぼくがいうのは説得力がないが、熱射病対策にスポーツドリンクは効果がない(むしろ良くない)という専門家の見解がある。

毎日新聞デジタルで拝見したその記事によると、夏にテーマパークを訪れた男性が大量のスポーツドリンクやジュースを飲んで自宅へ戻ったところ体調が悪化した。救急車で運ばれた病院で検査した血糖値が正常値の15倍にもなっていた。このような状態では死ぬこともあるそう。血中の糖濃度が上がりすぎて血液がドロドロ状態となり、循環器の急病などに陥るおそれありという。高い血中の糖を薄めようと細胞から水分が奪われて脱水状態となる。「高血糖高浸透圧性昏睡」あるいは「ペットボトル症候群」などと呼ばれるそうだ。

そのため、飲むとしたらスポーツドリンクではなく、水や茶を勧める専門家は多いとのこと。塩分については普段から過剰摂取の可能性が高い日本人は意識して摂らなくても良いという見解であり、ぼくもそう思う。山へ行くときは凍らせたペットボトルの緑茶、麦茶が有効である。緑茶は腐敗しにくくタンニンが活力をもたらすだろうし、カフェインを含まない麦茶は体力が落ちた場面での水分補給にやさしい。

夏の空を見上げてみよう。梅雨明け前には見られなかった雲が出現して時の経つのを忘れそう。

JR牟岐線のローカル列車はまもなく立江駅に止まります 
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頭を下に尾羽を上に伸ばした巨大な不死鳥のように見える。ほとんどが高積雲で構成されている
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左の雲は塔状に発達している
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地上にまで伸びる尾流雲となって雨を降らせている雲
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飛行機雲由来の巻雲が肋骨状に拡散している(肋骨巻雲)
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積雲の断片
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那賀川河口から見た紀伊水道上にて。発達した積乱雲が弱まって上部が濃密巻雲となって拡散
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日中の上昇気流でできた積雲が子どもの夢を載せて運ぶ乗り物のよう。巻雲と飛行機雲も同じ視野にある
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夏休み、海に向かう田んぼの小径の向こうには必ず入道雲がいるという青春の構図(阿南市才見町)
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澄んだ水の用水路と田んぼの畔と早稲。自然地形にこの水路の供給源(山)が見当たらないが、おそらくは桑野川から引水して富岡町を経由してここを流れているのでは? この水路は打樋川へと注ぐ
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田んぼのツユクサ 初夏から咲いていた
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東(紀伊水道方面)が開けた場所として那賀川河口左岸(北岸のこと)にやってきた
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発達している雄大積雲とその上部が濃密巻雲となっている。紀伊水道の和歌山寄りを流れる黒潮が上昇気流をもたらしているのだろうな
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雲は多様性がある。しかも変化していく。未だにJGBTや夫婦別姓を認めたくない偏った意見もあるけど、雲を見てみなよ。みんな違うぞ
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横須松原へ続くこの道の向こうにも積乱雲(雄大積雲)
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夏こそ雲を見よう。暑さゆえの物語が地上数百メーチョルから1万メートル越えの空の高さで繰り広げられている。それを見ていたら暑さを忘れてしまいますよ。え? よけいに暑くなるって? その可能性も多少あるようです。

タグ:阿南市

2024年07月18日

雲三態


風味絶佳な雲じゃなく、日常の一コマで心に残った雲。このところの梅雨前線と太平洋高気圧の狹間にあらわれた。

もやっとした雲と夕方の太陽。といっても夕暮れではない
スーパーに買い出しに来て車から降りたときに気付いた
(このスーパーには美しい黒髪の店員さんがいる。だからどうした?)
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雲は地上の電線を意識して並ぶ
(ヒトは雲を擬人化したり精神の象徴化が好きですから)
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午前5時の東の空 朝焼けにならず、もう明るい。
(モネの日傘を持った女性の背後にある空のような色彩。タッチは違うけど)
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雲三態では物足りないので、梅雨初期に見られた夕焼けを3枚(南から北へと続く空)
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2024年03月31日

夜に光る雲 東から西へ移動していった


2024年3月29日の夜更けのこと。
黄砂が飛来しているそのピークの夜、深夜の東の空に青白く光る雲を見た。
写真に写すと実物より明るく写ると思われるだろうが、実際に見た目どおりの明るさである。空を見ようとしなくても気付く異常な明るさであった。

23時5分25秒
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23時6分22秒
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23時7分9秒
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(時計はカメラ内蔵時計の記録ゆえ正確とは限らないが、相対的な時間差は正しい。縮小のみで画像補正なし。フジX-T5+XF23mmF1.4 R)

下から照らされている部分が光っているのだろうか?
けれど光っている部分は移動している。それも比較的短時間で。

そもそもどのぐらいの高度なのか、昼間なら雲の種類がわかり、それによって高度が推定できるが(層積雲のような低い雲と推察)。この雲は東から西へ移動しており、黄砂を運ぶ偏西風とは向きが違う。夜光雲と異なり高度は低いように思える。

黄砂によってなんらかの帯電を誘発したのか? ―雷鳴や稲妻はない。わからない。

2023年09月29日

中秋の名月2023年 月の輪(月暈)と木星 


仕事が一段落して外に出た。中秋の名月といわれる今宵の満月が気になっていたから。

すじ雲(巻雲)がかかって月の光輪が出ている。雲に隠れた月が現れるときの感動にも似た心の動きもあれば、観音様の光背のような今宵の名月もまた良し。快楽の神、木星が月の東に惑星の王者の落ち着きで光を置いている。
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日々現れる天文現象、空とか雲とか、星とか。そしてそれが地上に投影された気象や森、水、土、川と海を見ているとすくっと目線の位置(魂の高さ)が上がるような気がする。

さてと、地上から仰ぐ我らゆえ、月と木星にかけて、黄金のきらめきを宿す獺祭を味わいたいところ。

(フジX-T5+XF14mmF2.8 R、f5.6/3.1ss/ISO 800)

2023年09月25日

9月24日朝のおもしろい雲 ベランダで1日過せそうな気分


春は足下ばかりを見て歩いている(すみれ)。夏は波を見たり渓流や河畔林で読書をしながらうとうと。秋は空を見上げる。夏の雲も好きだけど秋の空もいい。

この日の朝に現れた雲だけ見ていても飽きない。それもたった数分の間。

まずは、このU字型の雲(8時5分)。おそらくは馬蹄渦という。背後に見えているのは高度10kmぐらいにある巻雲(すじ雲)だけど、写野にはないが、巻雲の下層に積雲(わた雲)があって、その一部が渦巻きの気流でちぎれて漂っている雲ではないかと思う。速い速度で移動してあっという間に見えなくなった。珍しいそうだが、たまたま見上げたら飛んでいた(レンズはすべてトリミングもレタッチもなし。XF60mmF2.4 R)。
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次は、房状巻積雲に隙間ができて空が見える(8時19分)。大魔神が通った海のようだね。飛行機が巻雲を突っ切ったことがきっかけとなったのではないかと。絵としては右半分に2羽のトンビが飛んでいること、左にやや灰色を帯びた積雲(わた雲)が浮かんでいるところがおもしろい(XF60mmF2.4)。
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広い視野で見るとこうなる。写野の右に太陽があるので除けている(XF14mmF2.8 )。
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火の鳥が2羽飛んでいるように見える巻積雲(8時20分)(XF35mmF1.4 )
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巻積雲(うろこ雲)(8時36分)。巻雲に次いで高い場所にある。この雲は波状雲となっている(XF60mmF2.4)。短時間にさまざまな雲が現れて飽きないね。
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その一部の太陽に近いところが彩雲となっている(8時40分)。黒いのは自分の手。こうやって太陽を隠して(疑似日食)撮影しないとレンズ接合面やセンサーが焼けてしまうからね(XF60mmF2.4 )。
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巻積雲の手前(下層)を脱兎のごとく走り去る灰色の雲(8時42分)。数分で消えてしまった(XF60mmF2.4)
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その一部が徐々に蒸散しつつある様子(8時38分)。穴が空いて人の顔のようにも見える。「なんだ、これは!」と岡本太郎が喜びそうだ(XF14mmF2.8 )
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波状巻積雲雲(8時40分)がちぎれて右へ行くほど大きくなっているけど、これは見かけ上の理由でほんとうはほぼ等間隔、同じ大きさなんだろうね(XF14mmF2.8)
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巻積雲の一部が下に向かって垂れている。これは乳房雲という解釈で良いでしょうか?(XF60mmF2.4)
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房状の巻積雲(9時24分)。秋の雲というわけではないけれど秋を感じる(XF60mmF2.4)
朝だから夏の名残のような積乱雲(入道雲)やら雄大雲は出ていない。
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雲というより水蒸気のムラといいたいようなはかなげな雲も好き
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すみれ(山野草)を見ているだけで数時間過せそう。
波を見ているだけで半日過せそう。
雲を見ているだけで一日過せそう。
人生は決して長くないのに困ったものだ。

追記
気象予報士の方、素人の雲観察ですので正しい解釈があればご教示を。
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2022年11月08日

速報 皆既月食 天王星食


仕事で県南部へ出張の帰り、すでに皆既月食は始まっていた。
家へ戻って夕食をかけこんで外に出ると皆既中となっていた。

標準レンズの画角では左下にすばる(プレアデス星団)
(フジX-T30+XF35mmF1.4 Rの一部をトリミング)
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雲とプレアデスと皆既中の月と飛行機
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望遠レンズでは左下に青い天王星が見える
(ニコンD7200+AF-S 70-200mm f/4G ED VRの一部をトリミング)
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タグ:皆既月食

2022年08月16日

ペルセウス座流星群 満月下で見えたけれど条件悪し


13日は深夜に部屋から寝そべって大流星を見た。
14日はさらに条件が悪化したが、月が雲に隠れがちとなる間に天頂付近で写真撮影を行ってみた。
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ベランダに蚊取り線香と三脚を立てて野外イスから空を眺めた。
肉眼では流星を認めたが、写野には写っていない。しかし星と流れる雲の静止画約100枚を擬似的につないでみた(動画ではなく連続した静止画)。



(フジX-T2+XF23mmF1.4 R。満月が邪魔をするので、微光星を拾いつつ空のコントラストを落とさないためにこれ以上の広角は使えない)
タグ:流星

2022年08月13日

ペルセウス座流星群 うお座に大流星 目撃者はいますか?


8月12日の深夜から13日の未明にかけてが2022年のペルセウス座流星群の極大となっている。翌日が土曜日ということで流星群を見ようとしたが、薄曇りと金曜日の仕事疲れで部屋から網戸越しに灯りを消して見ることにした。

窓からは東南の空が見える。窓の中央に木星の輝きがある。木星は射手座の守護星。しばしその瞬きに浸ろうと寝っ転がってほんの数分のできごと。

2022年8月12日、25時25分(8月13日、1時25分)、うお座を横切り木星の近くを薄雲をものともせずつんざくように大流星が流れた。北(天頂)から南(地平)へと流れたので輻射点から散在流星ではなく群流星は明らか。木星の光度から遙かに明るく、マイナス6等以上ではないかと見積もった。音はせず流星痕も認められなかったが、天の裂け目から鋭いマグマのような閃光だった。残念ながら写真は撮っていない。

薄雲と満月の光芒のせいか周囲に2等級以上の輝星は認められなかったため、星座早見で星座を確認したところ、うお座と判断。

四国東南部でほかに目撃された方はいますか?

日本天文学会編による星座早見。大流星が流れた時刻の星夜を再現
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いま欲しいのは渡辺教具製作所によるこの星座早見。主な星雲星団や恒星のスペクトル型まで記載されている。この早見盤が平面ではなく湾曲したものだったらさらに良かった。



お椀型はこちら。南天の歪みが少なくなる。天空を平面に展開するとどうしても南天で星座が横に広がってしまう。お椀型でも歪みは残るが平面よりは少ない。学校で見ていた懐かしさを覚える人もいらっしゃるのでは?






天球儀では空間の歪みは解消されるが、地上(特定の緯度経度)から眺めた星空が想像しにくい。プラネタリウムは半球に投影するのでとても優れた再現方法だときどき眺めてみたくなる。
徳島ではあすたむらんどと阿南市科学センターにあるね。

あすたむらんど徳島のプラネタリウム
https://asutamuland.jp/instits/planetarium/

阿南市科学センターのプラネタリウム
https://www.ananscience.jp/science/planetarium/planetarium.html


追記(小咄)
若い頃、友人知人を誘って(知らない人もたくさん来てくれた)流星群を見る集いをやっていた。ブルーシートに寝っ転がって、夜食も食べたりしながら寡黙に、ときには星そっちのけでおしゃべりをしながらも空を眺めたもの。

流星群なので流れるときは1時間に数十個はみられる。せいぜい1秒未満の刹那に誰もがねがいごとをかける。

ある流れ星の瞬間、若い女性の声で「カネオトコケンコウ」とのつぶやきが聞こえた。誰かが「いまつぶやいたのは誰?」と叫んだ。たいがいは小さな声か口のかたちの願いなのだろうけど、ふいに流れた明るい流星に思わず声(本音)が漏れたのだろうと推察。

富と異性運は理解できる。けれど女性も30歳前後になると健康が願い事に入ってくる(少しずつ調子の悪いところが出てくるんだろうね、肩こりとか腰痛とか)3番目だけれど。庶民のささやかな、いや、実利を追求した現実的なねがいごとに「そうなのか」と頷いた。

でもそんなのどかな時代からすると、いまは自分のことよりももっと大きな枠組みやら社会のあり方を変えていく必要がある。その一方で一人ひとりの生活を尊重する公助の充実が前提。

国は要らないこと(布マスクの配布や補助金やら国葬やら)はするけれど、切羽詰まった人は救わない。貧しい家に生まれた子どもは一生かけてもスタート地点の遅れは挽回できない。少なくとも教育だけは同じ機会を提供するのが国家の役割。そのことが国の経済力を高めたり社会的費用を低減したりすることにつながるのに。つまらんものにカネを使って必要なものに使わない政府を選挙以外にも見つめて声を挙げていかないと。
タグ:流星

2022年08月01日

一目見し人の…


高気圧の頂点で気温が高かった日中の夕暮れは残照が消えゆくさまが糸を引くような夕暮れとなる。
ほのかにも空に置いた絵の具は決して消えぬ。
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今宵は三日月、一目見し人の眉引思ほゆるかも、と家持の心地する。
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糸を引いた飛行機。平穏というよりは倦怠と喧噪を織り交ぜた明日を予感させるよう。
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2022年07月25日

夏の大三角 ATLAS OF THE HEAVENSの思い出


はくちょう座のデネブ、こと座のベガ、わし座のアルタイルを結ぶ天空の三角形を夏の大三角という。中国と日本では天の川を挟んで、織女(織り姫)と牽牛(彦星)が逢瀬を待ちわびる七夕伝説になっている。

星座では見かけの明るさの順番にアルファ、ベータ、ガンマ…と呼ぶ。夏の大三角の星々はそれぞれの星座のアルファ星である。1等星のデネブ(α Cyg)は変光星で1.21から1.29等の明るさを繰り返す。ベガ(α Lyr)は0等星(0.03等)ともっとも明るい。アルタイル(α Aql)は1等星(0.76等)。
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この写真では、上から時計回りに、デネブ、ベガ、アルタイルである。大三角の間を流れるのが天の川。これは銀河系の円盤を横から眺めている感覚に近い。左下で銀河が濃く(明るく)なっている。星座本体は沈んでしまったが、射手座方向である。

デネブの近傍(左斜め上)にアメリカ大陸のような赤い星雲が見える。通称北アメリカ星雲(NGC7000)という。夏の大三角を余裕で収めるこのレンズの画角は90度で肉眼では眼球を動かして見ることになる。

ベガは地球の歳差運動(24,000年周期の自転のブレ)により12,000年後には北極星の役割を果たすという。人類がそのときまで生存していたら北極星は随分見つけやすくなる。それには温暖化対策をやり遂げなければならない。隕石が衝突しない幸運も祈るばかりである。

巷は猛暑だが、夏の大三角が天頂を過ぎていくともう秋だなと感じてしまう。
散在流星を見かけたが、写真には写っていなかった。あと半月でペルセウス座流星群である。
(フジX-T2+XF14mmF2.8 R、絞りf3.5、露出25秒、三脚固定、ISO4000、撮影地:徳島市南部)

追記
星夜を眺めたり天体観望を行うのに欠かせないのが星図。
ぼくも誠文堂新光社の全天恒星図、ノートン星図などを使っていたが、
どうしてもチェコの天文台が発刊したスカルナテ・プレソ星図(ベクバル星図ともいう)が見たくて
梅田の丸善まで買いに行ったことがある。当時の価格でも1万円程度したのではと思う。
この星図は銀河が色分けされ、主要な星雲星団と7.75等(だったかな?)までの約4万個の恒星が掲載されていて眺めるだけでも至福のときを過ごせそう・

そのタイトルも、ATLAS OF THE HEAVENS(天空の星々の地図)
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プリントされた文字の静かなたたずまい。
1950.0年分点。地球の歳差運動で天の赤道と黄道の交点は動いていく。星図では1950年分点と2000年分点がある。
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はくちょう座付近
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オリオン座と冬の銀河。オリオンを囲むバーナードループが記されている。Hα線(656.3nmの波長)に感光する103αEやフジクロームR100などでのリバーサルでも映すことができた。理想の画角は85ミリレンズ。このため、ペンタックスSPFではSMCタクマ85mmF1.8,ミノルタX700ではMD85mmF2を風景でもよく使っていた。恒星のスペクトル型や光の波長、ケフェイド型変光星、レーリーリミット、ダークマターとハッブル定数、球面収差、コマ収差などザイデルの5収差、アポクロマートなどの色消し理論などは中学時代の日常の言葉。高校の地学の教科書すらあまりに易しすぎて(勉強せずに100点を取っていた記憶)。
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いて座付近の南の銀河面。濃い銀河に無数の星雲星団が浮かぶ星の海。タカハシ10センチ反射赤道儀にオルソ40mmのアイピースで×25の視野で流すと時間の経つのを忘れた。7×50のニコン双眼鏡もよかった。
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カシオペア座周辺。右斜め上にペルセウス座の二重星団(NGC 869、NGC 884)がある。このような番号も主要な天体では覚えていた
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スカルナテプレソ星図が廃刊になったのはなぜだろう。1990年以降に東欧諸国がたどった苦難の道筋と関係あるのかもしれない。いまは星図もアプリベースで自動導入が内蔵された赤道儀などアマチュアの天体観望にまで自動化が進んでいるが、ファインダーと星図を頼りに淡い小宇宙を導入し、視野を動かしてかすかな光班を瞳孔が捉えた感激は忘れない。


タグ:流星