2016年07月03日

しんしんと山気が迫る夏 日和佐町北河内の里山はさらにさらに


ある日、ふと迷い込んだ田舎で
どこか懐かしいような、
心がざわつくような、それでいて嫌な感じはしない、
そんな場所で繰り広げられる物語―。

夏が来るとどこかでそんな場面が思い出される。
それらは、探偵モノであったり、昔の人の知恵に諭される若者であったり、
ときにはSFであったり、亡き友人の思い出をたどる成長記であったり。
(参考)あの花

決して観光地ではないし、地元の人ですらほとんど行かない。
地図には載っているけれど、まるで空気のような場所。
そんな場所に行ってみたい人のための記事です。

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場所は、日和佐町北河内(きたがわち)の大戸(おおど)と久望(くも)の集落である。

国道55号線に自動車道(無料)が併走されるようになり
大戸地区を経由するかつての道は通行車両が激減した。
この地区には円形の棚田や、かつての小学校跡に生える見事なイチョウなど
里山好きにはみどころがいっぱい。
伝説の後世山探検隊を送り出したのはやはり大戸地区だった。
さらに、久望(くも)の集落の奥には「赤滝」と呼ばれる滝がある。
ただし、観光地ではないのでクルマを置けるところは限られている。
道幅は想像以上に狭い。
車幅が1.8メートルを超えると気を使う箇所が数カ所ある。
夏になれば(ここに限らず)スズメバチ、
さらにはマムシ、ヤマカガシなどの毒蛇も少なくない。
(車道を歩く限りはほとんど心配はない。スズメバチを刺激する黒い服を着ていかないことぐらい)

まずは大戸から。
集落の道沿いに日和佐川最大の支流北河内谷川が流れ
そのままたどると星越峠に達する。
集落の入口には神社があり、広い境内にクルマを止める。
新田神社という集落の氏神様である。

フジクロームを詰めたライツミノルタCLに40oを付けて
よくここへ来てはシャッターを押していた。
(チャッ。短く歯切れの良いシャッター音で)
(その前に使っていたミノルタハイマチックFも近似の38oだったので、いまでも40oの画角が好きなのだが、この画角の良いレンズは現代に見当たらない)
光と影、水と河畔林、集落の田畑と氏神様の彩なす光景に引かれたのだ。
(そのときに撮影した写真はいまも自室に飾ってある)

だから、このブログで一度も大戸地区を紹介していないことが意外だった。


ここで、日本の里山や田舎が似合うと思うポップスをご紹介。

センティメンタル・シティ・ロマンス「夏の日の思い出」
…1曲目の「想い出のリフレイン」が鳴り出すと、せみしぐれとともに野山をかけた子ども時代が蘇る。夏の叙情とその切なさを歌い上げたシティポップス。しんしんと夏が迫る音楽はそう多くない。2013年にSHM-CDでリマスター復刻された1986年のアルバムだが、枚数が少なく入手が難しい。
(ぼくはアナログで持っている)
夏の日の想い出


松岡直也「夏の旅」
…日傘の貴婦人、 田園詩、 夏の旅と定番の流れ。ジャケットの写真は信州かどこかの田舎道(舗装していない)の停留所で、日傘を差した和服の女性が降りたばかりのバスを見送る後ろ姿が印象的なジャケット。時代背景からして車掌が乗っている路線バスなのだろう。路線バスは田舎の効果的な記号として使われることが多い。トトロもそうだった。母親に手をひかれて停留所から2キロ少々の土手を歩き、夏祭りのお宮の前を通り抜けて田舎のおじさんの家をめざしたことを昨日のように思い出す。2014年4月にお亡くなりになられたのでCDの入手はそろそろ注意したほうが。いまの日本のCD流通は手に入るときに無理して購入しておかないと後悔する。

夏の旅


ハニー&ビーボーイズ「バック・トゥ・フリスコ」
ドライブ感のある1曲目で「夢の先まで行っても…」の歌い出しでこのアルバムの世界観に入っていく。このバンドは、1987年に、西司、村田和人、山本圭右、平松愛理で結成されたもの。良質のポップスとはこんなものの見本のようなアルバムだった。2曲目は平松絵里が歌う。名曲「雨はてのひらにいっぱい」がラストを締めくくる。なぜこのアルバムが長い間、復刻されないのか不思議だ。
バック・トゥ・フリスコ

シングル曲なのだけど、小椋佳「夏ひとかけら」。しーんと迫る夏の気配と去って行く足音のような世界観を日本の情緒を大切にした詩と曲で綴る佳曲。収録アルバムのひとつ。
コンプリート・シングル・コレクション 1971~1976


ライツミノルタCLの代わりに、現代のデジカメ(フジX-E2+XF35mmF1.4)を持って
久しぶりに大戸集落の入口の新田神社に向かう。

鳥居の注連縄が新丁されているようだ。
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この建物、ていねいにつくられている。
山裾の緑が壁に反映されている。
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壁を引き出すと据わることができる一種のミセづくりなのだろうか。
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苔むした一本の樹木、それに建物の背後の森
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日和佐川支流の北河内谷川は澄んでいる。
2人組の地元の男性が手に持つ網でアユを採っていた。
日和佐川には内水面漁協は存在せず放流はされていない。
アユもアメゴも天然モノだけだ。
日和佐川にはダムがないので海と源流を自由に行き来できる。
だから、ウナギ、モクズガニ、テナガエビも多いはず。
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小さな石積みがあって、そこから上手には河畔林が覆い被さって
光と影と木々の葉を映す水の表情が美しい。
まさに1分ごとに変わっていく水の表情を捉えたのは
俊敏なライツミノルタだったのだ。
ただし露出は難しかった。
スポット測光だったし暗部がすとんと落ちるリバーサルでもあったので。

フジX-E2+XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
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ニコンD7000+AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR
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河畔にはヤブカンゾウの花が咲いている。
若芽は食べられるというが、
飽食の時代に、少なくなりつつある山野草を食べる必然性は見出せない。
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シオカラトンボと紫陽花。よく見ると複眼の中心がこちらを見ている。
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どこにでもいるカラスアゲハのようだ。
ニコンは迅速なAFを活かして望遠専用にしている。
(もっともD7000に100%満足しているわけではないけれど)
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北河内谷川から久望(くも)方面へと向かう道すがらにはねむの木が点在する。
支流を背景に一瞬風がおさまった瞬間にかけてみた。
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水路を見てメダカを探すが、流れが早く水も澄みすぎているので生息に適していないのだろう。

水路に落ちたミミズ(約1尺)が流されながらも足がかりを辿って這い上がろうとしている。
青いワンポイントの帯が印象的。
大きなものは50センチぐらいになるだろうからまだまだ小型だ。
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北河内の集落はかつてと比べて人が減少して空き家が増えているように感じる。
棚田も耕作放棄されて荒れ地となっている枚数が増えている。
野生の鹿や猪は増えているだろうし、
人口減少時代には生息地が少なくなった野生動物が
人のいなくなった里山を支配する時代がそこまで来ているように感じる。
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人口増加時代と人口減少時代は政策を大転換すべきだが、
現政権は真逆をめざしているようで
格差是正、内需拡大、中小零細の事業所を中心に生産性を高める戦略がとれないでいる。
崩れそうな崖、耕作放棄された荒れ地、朽ちた廃屋、濃厚な野生動物の気配を
たったひとりで歩いて感じてみれば、いまの中山間地域の現状が感じられるはず。

秘境赤滝まで1.8kmと出ている。
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20代の頃、仲間を集めて後世山探検隊を送り出した。
この大戸の集落から悲運の姫が眠る後世山をめざすというもので
(地元の人も年に2回の例祭以外は怖がって山に近づかないといわれていた)
後世山へはたどりつけなかったが、幻の赤滝を発見した。
実は、「こっちへ来い」とばかりに、
赤滝まで誘導してくれた3匹の犬がいる。
地元民家が飼っていたエス、ケープ、ゴマという名の犬たちは
もうとっくにいないだろうけれど、その子孫はいるだろうか?

川は小さくなってきたが、野生はますます濃厚になってくる
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開けた地形で民家があった。桃源郷のような暮らしをされているのではないか。
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あと1.5km
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同色が重なると鮮やかに見えるという色彩効果の風景
(だから温州みかんはオレンジのネットに入って売られている)
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右手に崖、左手に沢の昼でも暗く細い道。渓流沿いにガードレールはない。
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いよいよ里山の終点が見えてきた。
ここから遠くの地形からうかがえる谷筋を登っていく。
幻の赤滝はその先にあるのだ。
(幻の赤滝はどんな滝でしょうか? 興味のある人は続きを完結させてください)
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夏の山気が迫る里山は国道が離れ、集落の人口が減少したことで
さらにしんしんと静けさが深まっていた。
日本の将来に思いをはせて一抹の寂しさがさらさらとそよいだ一日だった。
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posted by 平井 吉信 at 22:26| Comment(0) | 徳島

2016年04月14日

ハモ、アシアカエビ。徳島の川が育む海の幸と文学


鹿子沢ヒコーキさんが徳島に取材旅行に来るということで
事前にご連絡をいただいた。
鹿子沢さんは、歴史ある出版社の編集長らしいのだが
それ以上は明かせない。

しばらく腰を据えて四国を取材されるという。
年度末で忙殺されている当方と
奇跡的に1時間だけ互いの時間と場所が接近することがわかった。
眉山に関連する取材をされるということで、
眉山がもっとも秀麗に撮影できる場所として、
吉野川橋北の情報をお伝えしておいた。
ある日の16時過ぎに和田乃屋さんでお待ちすることにした。
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何か旧知の間柄のようだが、
それまでは仕事関係での電話とメールのみ。
この日が初対面となった。
和田乃屋さんでの情報交換は社長ご夫妻も交えて楽しかった。

鹿子沢さんは、いくつかご紹介した飲食に入って
店の料理に感動したとおっしゃった。
その店では、ぼくはランチにすることが多いのだけれど、
鹿子沢さんが注文したのはハモ定食。
東京では絶対に食べられないとのこと。

それならばぜひ行ってみようと思っていたら、
午前中に川内で仕事の打ち合わせがあり、
午後から香川県東部での面談があったので、
自ずとその店に行けることになった。
(行きたいと思ったらそのような巡り合わせになるのが人生)

もちろん同じ料理を注文。それがこれ。
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徳島の吉野川、勝浦川、那賀川から供給される肥沃な粒子の細かい土が、
紀伊水道の海の豊かさを形成している。

瀬戸内海から太平洋までを備える徳島には多様な水産物がある。
スジアオノリ、鳴門わかめ、通年取れるタチウオなど。
なかでも忘れてはいけないのが、ハモとアシアカエビ。
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前者は京料理の食材に不可欠だし、
後者はクルマエビよりおいしくて手頃。
徳島の水産物は実は全国有数なのだ。

先日は、金目鯛が630円で売っていたので3枚に降ろして、
オリーブオイルとニンニクで炒めて白ワインでフランベ。
お頭は昆布だしで吸い物に。
ともに絶品であった。
(魚介料理は裁きから調理までわが家ではぼくの役割)

鹿子沢さんは翌日、ご紹介した室戸を代表する料亭で
キンメ丼を召し上がられたそうだ。
これも感動モノとおっしゃっていた。

さて、ここで問題です。
これは、どの店で売られているハモ定食(焼き霜つくり、天ぷら付)でしょうか?(1,280円)
(ヒント:徳島市と鳴門市の間で地元魚介料理を得意として野菜ソムリエがいる店です)

タグ:ランチ
posted by 平井 吉信 at 01:03| Comment(0) | 徳島

2016年04月13日

徳島市の活性化を考える


(この記事は4月9日の記事に加筆したので改めて投稿したもの)

四国の四県都を振り返ってみると、
徳島市の中心市街地の衰退が四国の県庁所在地で著しい。
高松では三越のある丸亀町の再開発が進行中。
華やかなハード整備に目が向きがちだけれど、原点には食や医療なども含めて、
まちなかでのくらしを見つめる目がある。
さらに、南部の瓦町駅では天満屋の撤退後、
琴電の主導で商業とコミュニティ施設として生まれ変わり、
大型のライブハウスが誕生するなど波及効果が出ており、
駅の乗降客、周辺の商店街の通行量が増加している。

松山では、2つの百貨店と商店街が連携しつつ、
大街道の入口の大型空き地に複合商業ビルが稼働を始め、
街区のなかほどでも再開発の動きが見えている。
道後温泉本館の更新を間近に控えながらも
道後は海外からの観光客も含めて賑わっている。
3月には、民間のまちづくりの関係者が石破地方創生相にプレゼンテーションを行っている。
その内容は、自立した組織によるまちづくりを行う必要性と
市民を巻き込むことの重要性を訴求したもの。
民間のまちづくりのあり方としては、日本でもっとも先進的な事例のひとつだろう。
資料は、以下に公開されている。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/meeting/chiiki_shigoto/h28-03-26-siryou2-3.pdf

高知は、平成27年夏に関係者の期待を背負って
複合商業施設「帯屋町チェントロ」が開業。
そこには地元資本の書店が出店するなど全国FCに負けていないところが長所。
ローカルと観光客がともに賑わうひろめ市場や日曜市に加えて、
よさこい、おきゃく、まちゼミ、エスコーターズといったソフト事業をからめ、
地元商店街の団結のもと意地を見せている。
さらには、隣接する小学校跡地に数年以内に図書館の開業を控えている。
高知の近年の著しい活性化の動きは地元住民が肌で感じている。
このように3県都の中心市街地は県の顔となっている。

高松の再開発は所有と使用の分離をめざした最先端の事例であり、
松山のまちづくりの組織は、目線の高さがひときわ高く内閣府も注目している。
徳島はというと、まちなかから経済センタービルの機能が郊外に移転し、
さらには郊外に大型SCの誘致をめざすなど中心部をますます衰退に誘導しているようだ。
また、県市の協調ができておらず、ちぐはぐで無策といえる。

高松の都市計画を見ると、どんなまちにしたいかの中長期の道筋が描かれている。
今回の徳島市長選では、
各候補は新町西地区の再開発の是非を争点にしたものの、
まちの中長期のビジョンは示していない。

かつての駅前と東新町の二眼レフ構想の失敗に学び、
それぞれの地区をどのように位置づけて百年後の大計として
今後数年で取り組むべき課題はこれこれ、と抽出する必要がある
だから、新町西地区の再開発に賛成か反対かの二者択一ではない。
街区の更新は不可欠なので、論点とは何かを考えることだろう。

音楽ホールについては文化センターの耐震補強という主張があったが、
ホールは楽器の一部であり、強度やデザインだけで語れない。
良いホール(音響)があるところに感動(文化への求心力)が生じる。
興業ベースで成り立つ適切な規模はどれぐらいか? 
県民の足の実情、県外からのアクセスを考えてどこに配置するのが望ましいか?
近隣や他県とのホールの連携や補完も含めて差別化要素は何か?
音楽に限らず、集客イベントの開催に際して会場の確保に苦労することが少なくない。
数十年先まで俯瞰して、ハコもの行政と一括りにすることなくあるべき姿を考えて欲しい。

子どもの頃、丸新百貨店へ連れていってもらうのは、ハレの日だった。
おもちゃ売場、食堂、屋上の遊具など子ども心に気もちが晴れやかになる場。
ダイエーへ行ったついでに商店街の専門店で買い物をしたり飲食をしたり。

先の計画では再開発で音楽ホールを整備する構想であった。
それは、ハレの場である。
しかし、いまの東新町は、日常の生活機能が求められるケのまちである。
音楽ホールを整備したところで、飲食関係以外に周辺に集客効果が波及せず、
まちの活性化にはつながらないと考えられる。
そのなかで、川の駅のような地勢を活かした構想は悪くない。
また、とくしまマルシェはぶれないコンセプトが奏功し
月に1回という絶妙の頻度は出品者に過度の負担とならず、
市民にとって、まちにハレの場を提供できる機会となっている。

徳島市に必要なのは市民や経済界が共感できるグランドビジョンを示し、
地区の特性に応じて、官民のプロジェクト、イベントなどが散りばめられる政策誘導を行うべき。
国土交通省の立地適正化計画はそのひとつであるが、基本はハード整備である。

それを補うのは、まちづくりをマネジメントとプロデュースをする機能である。
新しい公共という考えに基づいて人々に居場所と出番を提供すること
(これがあるのが高松、松山)。

徳島市に必要なのは、ハコをつくる前に、
まちを動かしていく動機をつくることだろう。
新町西地区に地区更新が不可欠であり、地権者も覚悟を持って取り組んでいるはず。
リスクを背負って事業を行う際に、行政としてどのように関われば良いのか、
市民としてできることはないのかを考えてみたい。

(以下は着眼点)
施設のコンセプトは、人々に居場所と出番をつくる実験的な場とする。
駐車場は基本になるので、有料であっても廉価な月極Pを提供できれば、
銀行、駅、官公庁が近い利便性とステイタスがある街区なので
郊外に出た事業所や事務所が戻ってくる。
利用者に向けては無料もしくは低廉(1時間50円〜100円程度)の駐車場を用意する。

実験的な事業所を集めたフロアは出会いの場である。
古い家屋のリノベーションが流行しているが、構造上の限界はある。
ひとつは通信ネットワークと省エネルギー、さらにはセキュリティの確保である。
新たに整備するのならこの点で有利。

商業、サービス業、小さな町工場やコーヒーの焙煎程度も可能なレイアウトとする。
また、会議や趣味に同好会のための恒常的な賃貸、時間的な賃貸なども交えて
居場所と出番を提供する。
このような場ができれば人が集まるので自ずと商業床も埋まる。
また、周辺に連鎖的に地区更新が波及する可能性がある。

かつて新町地区は徳島でも先進的な地区であった。
いまの時代の先進とは何かを定義する。
仮に、居場所と出番を創造する場とすると、
何をどのように提供すれば良いかを
事業のリスクを背負う再開発の地権者、組合が中心となって、
建設的な考えを持つ市民有志が膝突き合わせて、
短時間(数ヶ月以内)に方向性を出すことが求められる。

まちづくりに行政と市民が公式非公式の枠組みを超えて取り組める流れをつくること。
そのなかで身の丈の事業、リーン・スタートアップの手法による創業、
まちに必要なコミュニティ機能の担い手の発掘など
まちなかに埋もれている予備軍に居場所を提供できるはず。
活性化とはそういうことではないのだろうか?

追記

清貧の大統領として人気があり、
権力に屈することがなかったホセ ムヒカさんが来日された。

お顔を拝見すると、すでに悟られているように見える。
不屈の闘志とぶれない軸を支えていたのは、
おだやかな暮らしへの憧憬と祈りにも似た平和への使命感。
いつも民衆とともにあって
切れ味よりは包容力が優る人。
あるがままを受け容れることができるから
どんな境遇でも濁りに染まることもなければ、
地位に奢ることもない。
なぜなら、すうっと魂の高さを引き上げることができる。
その俯瞰があればこそ本質が見える。
論点を高く広く持つとはそういうこと。
いまの日本の政治家で近寄れる人はいるだろうか。

政治家は無償(実費補償)であるべき、と考えている。
利害得失から離れて大所高所から論点を整理し
かつ現場を知るためにはそうでなければならないのだ。

タグ:高知
posted by 平井 吉信 at 00:00| Comment(0) | 徳島

2016年04月11日

家から10分シリーズ 文化の森図書館の山上の公園


ときどき本を借りに行くことはある。
すでに絶版となっている図書や
書店ではほとんど見かけないいにしえの郷土図書など。

図書館はそうであっても、その上の公園ともなると…。
小学生の姪っ子を連れて来たのがいつ?

四国中を駆け巡っていても足元は意外に行っていない。

階段を昇りきると、山上の公園が現れた。
もはや夕暮れが近づいているけれど
まだ、残照が最後まで花開きそして散っていく桜を照らす。
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飛行機がたくさん飛んでいる。
飛行機雲を直角に横切って飛ぶ場面も。
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斜めの光は植物にあでやかな空気を与える。
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なあ、キリンてジラフでおうとう?(合っている?)
そんな声が耳元で木霊した。
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幼い女の子は、おとぎの国に住んでいて
ときどき現実世界と混ぜ合わせておとなを驚かせる。
そんな時間が愛おしい。

北西の園瀬川の俯瞰
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北東方面はビルが建て込んで、霞の向こうに淡路島と沼島が見える。
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ストーンサークル? UFOがここに舞い降りる目印。
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どんどん上に上がっていく。ここは初めての場所。
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さらに上がると森のなかの踏み跡。尾根を辿って南へ伸びているようだ。
小学校の頃、日峰山の道なき踏み跡や沢を求めて歩いた。
怖い物見たさ、でも好奇心が優る。
そうして胸ふくらむ冒険のとき。
その経験が「風の回廊」となった。
どこまで行くのだろう。この続き、見てみたい。

残照が宿る官能的な根っこ。
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でも、きょうはここまで。
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太陽が山に落ちたあとのふしぎな明るさがほんの一瞬公園を浮かび上がらせる。
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烏に誘われて子どもが家に帰る刻。
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空には三日月が羽を広げて見守る。
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また、逢う日まで。
そう言いながら、月日は同じ場所に戻ることなくめぐっていく。
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タグ: 日峰山
posted by 平井 吉信 at 23:49| Comment(0) | 徳島

近くなのに小学校以来だった 丈六寺の境内を散策


車で10分ぐらいの距離に丈六寺がある。
この寺は、細川氏、さらには阿波藩の蜂須賀氏と縁がある。
小学校のときに遠足で歩いて行った記憶がある。
妹を自転車に乗せて連れていったのもその頃。

眼下には勝浦川が流れる。
子どもの頃、初めてアユのドブ釣りをしたのも丈六寺下の淵。

こんなことを書いているのも
前回に丈六寺に来たのがいつか思い出せないから。
もしかして小学校から来ていないのかもしれない。

日曜の午後のひととき、行く当てもなく自宅を出て
佐那河内方面へ行こうとすると、
道路工事で通行止めという表示があったので
回れ右をして法花方面へ抜けようとして
丈六寺が目に止まった。

久しぶりなので、ときめきを感じつつ、車を停めて散策を始める。
門前の通りはこんなだったか?
石舞台から上流の明日香川にも似ている。
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勝浦川の水を取り込んだ水路に鯉が泳ぐ
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新緑が迎えてくれる。
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広い境内にぽつんと。
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右に、暗殺の際の血が飛び散ったとされる「血天井」がある。
小学校の遠足でも見た記憶があり、誰でも見ることができる。
(写真は割愛)
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境内の周辺は細川家、蜂須賀家ゆかりの墓地となっている
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ここから驚く場所へと。
墓地の裏山に散策路がある。
行き止まりかと思いつつ、登り切ると神社があった。

そしてそこに桜が。
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眼下の勝浦川。ここで初めてのドブ釣りをしてアユを釣った淵。
谷崎鱗海さんの名前とともに蘇る。
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里山を降りて周辺の民家を散策する。立派な石垣が目に付き、
墓守をしていた子孫のご家系ではないかと推察。

桜に触発された。
ここから5分のとくしま植物園へ。
(あとは写真を並べるだけで語る必要はないでしょう)
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タグ:神社
posted by 平井 吉信 at 22:48| Comment(0) | 徳島

2016年03月19日

春の絵の具を混ぜ込んで仕上げる 神山 阿川梅の里


一年でときめくのはやはりこの季節。
梅が咲いて桜へ向かう序章の時期、
人の別れと出会いの区切りの春。
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一日あれば、ものごとはどんどん進んでいく。
3日前に何をしたかが忘却の彼方になってしまうような。
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観光という非日常感をもたずに
日常の仮面を外しに行くとしたら神山がいい。
(といっても日常も非日常も変わらない生活を送っているけれど)

この時期は、中央から消費者庁長官とともに関係者が来ているようだ。

鮎喰川はきょうも澄んでいる。
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さらに、ひだまりがたたずんでこちらを見ている。
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そのとき風の神様が現れて
水面に一筆描きの紋様が走った。
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噂には聞いていたけれど
河畔林に沿って疾走するという神様を久しぶりに見た。
(この神様については「風の回廊」という物語がある。Kindle形式で作成して読んでいるのでいずれ公開をと)
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阿川梅の里に着いたのは昼下がり。
梅は盛りを過ぎているように見える。
阿川地区は里山の商店街というおもしろい風情がある。
(里山商店街は、神山の象徴かもしれないけれど)
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坂を上がってみると
この場所は水の神が宿っているよう。
(かつて蜂須賀家の姫が療養に訪れたという石風呂の隣の社)
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咲き残っている梅に午後の光が惜しげもなく降り注いで
梅も人も日だまりの精となる。
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タグ: 神山
posted by 平井 吉信 at 23:24| Comment(0) | 徳島

2016年03月12日

境内に滝があるというふしぎな寺 春はまだ遠い


年度末を迎えて仕事は…。
こんなときに気分転換なら近所の里山へ行こう。
先週行った中津峰ではなく
その南面にある星の岩屋へ。
(思い立って自宅を出たら半時間もかからない)

ここは勝浦町星谷の大宮八幡神社付近からではなく
木尾谷から農免農道から入って農免農道に車を置いていくのがいい。
https://goo.gl/maps/SCGLQZiQRVn
(標識のある道からのアプローチは、まち暮らしの人には酷な細くて曲がった道なので)

春の気配を探しにやってきたけれど寒い。
しかし、このところ花は見ていない。
ユキワリイチゲの季節にはまだ早い。

路傍の花を散策しながら星の岩屋へ上がっていく。
中津峰南面を流れる岩屋谷川の河原。
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これはなんだろう。
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ホトケノザ
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ゲンゲ
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ネコノメソウ
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星谷寺の境内周辺には滝が幾重にも。
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ふと思ったのは外国人観光客に受けそうな要素では。
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まだまだ寒く春は遠い。

追記
撮影した時刻は17時頃であり光量が少ないが、
フジX-E2での手持ち撮影。
レンズは、XF14mmF2.8 R、XF35mmF1.4 R、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISの3本。
ゲンゲとホトケノザの拡大にマクロレンズは使わず
35oにエクステンダーを使っている。
これらも手持ちであるが、ビニールシートに寝っ転がっているため
肱が疑似三脚となっている。
手持ちでまったくぶれていないのは電子シャッターによるところが大きい。
シャッターを押すのではなく、落ちるという感覚で切るのもコツ。
(一眼レフでは間違いなく手持ちで手ぶれしていたはず)

なお、ここから中津峰に上がる登山口があるとされるが
時間の関係で見つけることはできなかった。
中津峰のなかでは人が通らない登山道であるため
荒れているかもしれない。

posted by 平井 吉信 at 21:58| Comment(0) | 徳島

2016年03月06日

原田一美さんの児童文学「博士になった丁稚どん」「青い目の人形」と原田家の蜂須賀桜


幼い頃、父にドブ釣りに連れていってもらった。
ドブ釣りとは、アユの解禁後初期に淵で毛針を上下に動かす釣りである。
天候、太陽の位置、水の透明度、川底の珪藻などによって毛針を選ぶ。
当時小学生のぼくも毛針の固有名詞を覚えている。
(岡林1号、青ライオン、八つ橋など)。

毛針は近くで眺めるとなかなか美しい工芸品のようでもある。
ドブ釣りは錘を付けるので、ときたま底にかけてしまう。
鉛は惜しくないが、毛針は惜しいので
鉛が仕掛けからはずれやすくなっていたと記憶している。

谷崎鱗海さんという釣り名人がいた。
どこでその名前を知ったかというと
父が口癖のように「鮎釣りを谷崎名人におそわった」「谷崎鱗海さんが…」。
谷崎名人の自称弟子ということなのだろうが、真偽はわからない。

鱗海さんの本名は義男という。
那賀川中流の相生の生まれで
子どもの頃から那賀川の主といわれる鮎釣りの名人であった。
しかし勉強もせず、親に隠れて釣りばかりしていたので
とうとう勘当され、12歳で徳島市佐古の美馬商店で丁稚奉公を始めた。

熱心な勤務態度が主人に認められて、
(こっそりと勉強していた)勉学を認められて
丁稚をしながら学校に通わせてもらえることになった。
ひとりになって勉強ができるありがたさが身にしみたのだろう。
17歳で店の最年少の番頭となり、その後ご恩を返したあと、故郷で油屋を開業。
誠実な商売で事業を発展させた。

若い頃、肋膜炎にかかった奥様を至れり尽くせりの手当を行って数年で回復させた。
商売で貯えたお金をすべて吐き出してしまった谷崎さんであったが、
ご恩のある美馬商店がのれん分けとして徳島市南部の二軒屋に店をもたしてくれた。
小学校の恩師樫原先生、それに命を救った奥さんの後押しで勉強を再開、
次々と合格を果たしていく。
ついに、小学校中退でありながら高等文官(いまでいう国家公務員のキャリア)の試験に合格
(当時は2万人に1にといわれた)。

しかし…谷崎さんは、商売を続けることにした。
野に咲いてこそと、徳島で商売を続けながら生きていくことにした。
(感動的なくだりなので原書でどうぞ)

昭和11年のある日、谷崎さんは吉野川の河口に釣りにやってきた。
そこで自らの人生を振り返って感慨にふけっていたかもしれない。
その足元に一生を終えて身を横たえたアユの姿が…。
短い一生だったけれど、アユの鱗に刻まれたいのちの証し。
鱗海の誕生する瞬間である(これもぜひ原書で)。

順調な商いを番頭と丁稚に任せて、自身は鱗海と称して
一生をアユの研究に捧げることとしたのだった。
やがて14年をかけて吉野川に棲む魚種を39種類と結論。
同様に那賀川では41種類と特定。
これは川という生態系を知る土台となった。
鱗海さんは自由な研究の真実の愉しさに気付いてしまった。
アユの生態調査は30年にも及ぶ。
(まるでアユを隣の人を観察するかのように、血の通った生き物の生態を解き明かしていく)

アユは夜も遡上するという説に対し、
夜の川に入って何時間もじっとしながら
闇に目を慣らしてアユの寝顔を観察すると
昼間のどう猛な顔つきと違うことに気付いた。

県内のどの川のアユがおいしいかを釣り人に尋ねたところ
鮎喰川という答えが圧倒的に多かった。
その理由は、良質の苔を産すること、
その原因は、伏流水と山から入る沢の影響で水温が低く保たれることにあった。

谷崎さんの研究はダムができる前の時期であった。
吉野川、那賀川、勝浦川は昭和40年代にダムが整備され、
その後は下流に土砂が供給されなくなる問題や
川底の藻が泥をかぶる状況などの弊害が問題となるが
これはそれ以前のこと。

ひとつは川の大きさも関係しているのではと思う。
大きな川の魚は、水流の多さから(=水圧の大きさ)から
骨が太くなる傾向にあるのではないか。

四万十川本流よりもおそらくは黒尊川、
吉野川よりも穴吹川や鮎喰川など
支流が優位になる可能性はある。

流域の山々の微量ミネラルも影響しているように思う。
(ミネラルは骨の形成に影響があるだろう。骨そのものがミネラルの貯蔵庫なのだから)
これらの要素も鮎喰川に有利に働いたのではないかと考えるのだ。
そういえば、きき鮎で上位に選ばれる川、
例えば安田川などもそうだが
必ずしも水質(同じ地域の野根川は日本有数の水質だろう)で最上級とは言えないのに
鮎の風味は佳い。


ここで谷崎さんの話題に戻そう。
終戦を迎えるとGHQの民主化改革により
74人の店員を雇用した谷崎さんの財産は没収された。
さらに奥様が難病にかかり、それまでに貯えた富を吐き出してしまった。

最後は小さな釣り道具屋を経営しながら、
一家がささやかな暮らしをしながら
店を息子に譲り、自身は釣りの知識を活かして指導や講演を行うようになっていた。
京都大学の研究者に声をかけられたことがきっかけとなり
47,234文字の論文「海水温、淡水温によるアユの生態、習性について」が認められて
博士号を取得する。

理学博士の学位は、その不屈の意志と、限りない努力に咲いた花でした。
徳島の海と、川と、魚たちが、鱗海さんに捧げた賛歌でした。


(「博士になった丁稚どん」。この著書が絶版でもはや入手できないのは徳島県にとって文化の喪失ではないだろうか。また、谷崎鱗海さんの名前もWeb上ですらなかなか見つけられないのが残念)

しかし、この実話を著作にまとめられた原田一美さん、
書籍に編集された(株)教育出版センターの乾孝さんに心から感謝したい。
(郷土図書にかける乾社長の強い思いを存じ上げている)

原田一美さんは、冨田小学校の元校長で徳島の児童文学作家。
つい先日の2016年3月1日に89歳で亡くなられたとのこと。
ご冥福をお祈りいたします。

原田先生は、美郷でのホタルや神山町の神領小学校のアリス人形についても取材され
それぞれ「ホタルの歌」「青い目の人形―海を渡った親善人形と戦争の物語」にまとめられた。
 → ホタルの歌 (動物の記録 1)

 → 青い目の人形―海を渡った親善人形と戦争の物語

昭和2年に国際親善を担った人形のたどった過酷な運命とそれに抗い守ろうとした人たちの物語、
(阿部ミツエ先生もすでにこの世にいないけれど…)
http://e-school.e-tokushima.or.jp/kamiyama/es/jinryou/html/htdocs/?page_id=24
それから大南さんらのご活躍でアリスは里がえりも果たすことになった。
(アリスとともにあった人々がいまの時代を見たらなんと言うだろうか…)
http://www.in-kamiyama.jp/diary/8533/

美郷や神山が注目を集めているが、
その背景には自然や文化を大切にしてきた人たちの伝統があることを忘れてはならない。


写真は3月6日、一般公開された徳島市の原田家の蜂須賀桜。
曇り空に晴れやかな桜が別れの春をうたっている。
(重文の原田家と原田一美さんの関係は不明)

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タグ:昭和 神山 美郷
posted by 平井 吉信 at 23:02| Comment(0) | 徳島

2016年02月27日

阿川梅の里 神山 梅がほころび桃源郷のきざし

梅を主題に祭りが各地で開かれる。
でも、山里は道幅が狭く車を置く場所も広くないので
混雑を避けるために人出を避けてずらして出かけることにした。
梅の開花には少し早いと思ったけれど、そうでもなかったようだ。

実はここへ来るのは初めて。
里を散策するにもどこを歩いていいかわからない。
山なら地形を読めばいいが、里道はそうはいかない。
いつのまにか、人家の庭に入ってしまったり
犬に吠えられたり、崖に出たり行き止まりになったり。
1/25,000の地図を持っていても、
地形図に掲載されていない道、
人が歩ける里道、
軽トラなら通れるが普通車は通れない路、
廃道、荒れた林道、整備途中の林道、
さらには新たにつくられた農免農道が入り交じり、
山なら地形だけを読めばいいが、
地図から読み取れない人工要素が多いため、
地図を持参してもわからない。
まして、標高や地形、東西南北や縮尺が想像できないイラスト図では
歯が立たない。

地図に慣れた人間にはデフォルメが苦痛。
上が南の地図も苦手だし、カーナビも進行方向ではなく
北が上でないと運転しにくいのは、
脳のミューロンが地図を想定してつながっているためだろう。
カフェで1/25000の国土地理院の地図を見ながら
にやけているという子どもの頃からの地図オタクなので。
同様に電子地図もときめかなくて…。

漢和及第(いつもの誤変換なのでご容赦を)

結局、コンパスと地形から迷うことはなかったけれど
観光看板の地図をトレースできなかったのだ。
その顛末と道中、もちろん阿川梅の里に興味のある人は続きをどうぞ。

神山といえば、日本有数の梅の産地。
主な品種は、鴬宿梅を主力に、青うめ、小梅、信濃小梅、林州梅、南高梅。
かつては400トンを越える収量があったはずだが
いまでは激減しているはず。
長期的には外国産との価格差による市場価格の低迷と
生産者の高齢化で摘果作業ができなくなっている点が影響しているのだろう。

梅干しは子どもの頃から大好きな食べ物。
あの大きな果肉の塩で付けた梅干しを
ぐじゅぐじゅと果肉のほとばしる酸味をごくごくと食べていた。

その梅の里山を歩くのが初めてというのは
場所がわかりにくかったからである。

車は交通の邪魔にならない場所を見つけて置いた。
観光看板を見つけたので
手元の国土地理院とにらめっこしつつ散策を開始。

鮎喰川(中流)は楚々として流れる
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神山へ入るとかかしが河辺で休んでいる
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中流ながら水が澄んでいるのはダムがないため。
それと緑色片岩(青石)が多い川底の影響か。
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鮎喰川の支流 広石谷川を遡ると阿川地区に。
すると、看板を発見。
公民館や小学校跡地を出発点とするとわかりやすいかも。
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集落を流れる川沿いの民家
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集落の商店のたたずまいに目が止まる。
住宅展示場の住宅を見てもまったく心が動かないが
(フローリングの床や島台所の金太郎飴のようなたたずまいに絶句)
古民家や古い商店のたたずまいにひかれる。
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谷川の橋を渡ると急な登り道になっている。わくわくするような傾斜と梅の枝振り
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石風呂という標識が現れた。
江戸時代に使われた蒸し風呂とのこと。
思っていたところと違うところを通ったようだが、現在位置が判明。
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敷地内には社があって岩と苔が神宿る雰囲気を醸し出す。
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散策路は梅園へと続いていく。
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この後、神木地区へ降りようとしたが
径はやがてなくなり、送電塔に出た。
(観光看板が誘導しようとした径とは明らかに違う。どこで間違えたか?)

すると里の谷へ向かって降りる小径があり
橋をわたって車道に出た。
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川とともに暮らす集落のなりわいが見える。
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里山の春が視野いっぱいに匂うよう。
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神木地区へはこの道路から再度登り返すことに。
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田んぼのあぜ道に春が見え隠れする。そこに映った空の色に。
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崩れかけた石積みと梅の木、そして谷川。これが阿川梅の里の絵かも。
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タグ:カフェ 神山
posted by 平井 吉信 at 22:46| Comment(0) | 徳島

2016年02月09日

18年を迎えて ニホンカモシカと過ごすとき


事業を立ち上げて18年目と2日目のある日、
神山へ行くことにした。
(創業記念日とでも?)

いつもの店でランチをいただこうとしたが売り切れ。
ならば評判の良いカレーで。
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牛肉、マッシュルーム、まろやかなバター風味。
豊かなコクの幸福感をスパイスの香りを立ちこめて
セットのコーヒーが計算されている。

食後に足を伸ばして棚田の広がる隠れた里山、大久保地区へ。
道の駅からは標高255メートルの山が衝立となって
集落が広がっていることが想像できない。
峠を越えると、眼前に鮎喰川支流の上角谷川が蛇行し、棚田がパノラマ状に広がる。
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河畔には樹齢年といわれる大イチョウ。
好きな人にはたまらない光景。
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場所を移動して山中を散策していると、
ふと野生動物を目が合った。
イノシシ、シカ、タヌキなどとの遭遇は日常茶飯事だけれど
これは、ニホンカモシカの子ども。
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距離3メートル。
でも、逃げない。
こちらを怖がっていないし
こちらも不安を与えないよう
ときおりしゃがんだり視線をはずしたり。
この間、10分ほど。
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たまたま持っていたニコンD7000+Micro 60mm f/2.8Gと
この日、ファームウェアの改善で操作が一新されたフジX-E2+XF35mmF1.4 Rで。
(この日から電子シャッターが使えるようになり、無音で衝撃のない撮影が可能となった。そのため像の鮮鋭度が上がっているはず)

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目を空に向けた瞬間、空を反射した無垢の瞳が見えた。
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帰りに立ち寄ったら、まだそこにいた。
声をかけてみる。
崖から谷を見下ろせるこの場所は、お気に入り、憩い場なのだろう。
ぼくのように散策路をはずれて山中に入らなければ
人間と遭遇する場所でもなし。
自然保護に携わる公的な組織からの問い合わせには協力するけれど
場所については秘匿したい。


神山といえば…
消費者庁の徳島への移転の話題がある。
消費者行政に限らず行政は他省庁や関係団体との調整が必要である。
面談時の配付資料は紙媒体で行うことが少なくない。
再配布に一定の制限を課したいからである。
テレビ会議で代用できるのは
同じ組織内などの同じ目的を共有する人たちに限られるし
不特定の人の意見交換や調整にはなじまない。
(東京の行政機関とテレビ会議の実体験から書いている)
ITの本質は、人の意思疎通を支えることと信じているが
人の意思疎通をITで検証するのは本末転倒では?
ただし、テレビ電話の可否を論じているのではない。
例えば、地域のコミュニケーションツールとして
可能性を秘めているはずのデジタルサイネージさえ、
ITゼネコンの金儲けのネタとしてしゃぶられ
「デジタルサイネージは使えない」などといわれるのは不本意だろう。

むしろ、省庁機能の移転ではなく
省庁の職員のスキルアップを目的に
総務省の若手職員などが短期滞在で現場(地元の官民)と連携しつつ
仕事を行う際の教育訓練としての位置づけや
出向など人事交流の場として位置づけるのが適切ではないか。

あちらからこちらをみれば
(ものごとは自分中心に考えず相手の立場に置き換えてみる)
神山へ省庁機能の一部を移転することで東京は不便になる。
それは、地域活性化の足を引っ張ることになる。

本質は、地域と中央との関係性をどのように再構築するか。
そのためには、この国がどの方向へ行くかのビジョンを示す必要がある。
(いまのように首相の思惑=あえて独裁と書く=で国が動かされ、政局のたびに方向が迷走するのは国益に叶うとは言えないだろう)。
理念、方針などの国のあり方が納得のいく方法で決定され、
国と地域との関係性と課題が抽出され
具体的な行動計画を描かれたあとで
その実行策として省庁の移転が位置づけられたのなら話は別だが。

地域の発展が国の発展というのは地方創成の要であるが、
枝葉末節を議論しているときではないように思うのだ。
神山町の心ある人はそう考えているのではないかと。
posted by 平井 吉信 at 23:37| Comment(0) | 徳島

2015年12月30日

楽園は近所にあるのに気付かない 光と戯れる絶景が待っている それは  


それは、とくしま植物園。
とくしま動物園の上にある姉妹施設(位置関係でいえば山を上がっていくので)。

植物園といえば、垣根にパンジーやコスモスが植えられていて
高齢者が散歩しているという先入観があり、
それまでは入口付近をちらりと歩いた程度だった。
本日も仕事をして、時間を捻出できたので行ってみた。

クルマを停めて庭園風の区画を上がっていくと
アジサイの道や雑木の森、シバザクラの植生が現れる。
それらを愛でつつさらに丘陵地を上がっていくとは雑木林があり、
市民の森と呼ばれている。
周遊コースを歩けば1時間弱といったところ。
振り返ると、動物園の観覧車、方上盆地の田園と取り巻く丘陵、
段々畑などが里山の心地よい風景を作り出している。
南東に面した地形は北西の季節風を遮り
冬の日だまりは日の光が憩い、散策とひなたぼっこを兼ねて
半日を過ごすことができる。

この時期、スイセン以外に目立った花はないのだけれど
それでも散策の途中で
野の花が丘陵で光に明滅するさまは息を呑むほど。
(大多数の人はそんな存在には気付かないで通り過ぎていくのだけれど)

きょうも富士フイルムX-E2に標準レンズXF35mmF1.4 Rで散歩。

クルマを置いてこんな道を上っていく
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スイセンを揺らすのは風と光
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撮影はシャッター速度とレンズを通る光の量を口径を絞ることで行う(絞りという)。

絞りf4.5とf5.6でこれほど違う。
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背景にサザンカを従えて撮ると、色とりどりのゼリーの宇宙に浮かぶ白い花のおもむき。
肉眼では気付かないけれど、カメラは知っているという光景。
でも、撮る前からぼくの脳内にはこの絵が瞬間で見える。
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群れから離れて、斜面に1本だけ。花の種類も異なるようだ。
純白のその装いは花嫁の姿にも似て純真な輝きを放つ。
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人間の創造力は龍をつくる
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太陽を追いかける一輪だけのシバザクラ。季節は逝ってみんな枯れてしまったのに
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振り返ると、動物園や観覧車、徳島市南部の丘陵の多い里山が一望できる
人の心を捉えてやまない風景 徳島市を代表する心の心象風景だな
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白い門の向こうにはどんな景色が広がっているだろう。誰も知らない霧に包まれた湖か
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この縄文の雰囲気を漂わせた物体は何? 木の実か
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冬至を過ぎたばかりだけれど、光の園は太陽に祝福されたほんの小さな一角にあらわれる
そしてこの地上がどれほど美しい光が明滅していることを伝えようと。
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これは未来のあなたかも。あなたをかけがえのない存在と思う仲間に囲まれて。
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参考までに地図を
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丘を越えて下界を眺めれば感無量。
徳島市南部は県内でもっとも住みやすい場所かもしれない。
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秋に置いてきたはずの色彩がまだあった。季節の神様が取り上げるのを忘れたから
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絵本に描かれた世界のよう
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光と戯れるムラサキカタバミは雑草ですか?
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あなただけが見つけられる世界は
身近なところであなたの訪れを待っているかもしれません。
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それではまたお目にかかりましょう。
良い年をお迎えください。

タグ:自宅の庭
posted by 平井 吉信 at 00:40| Comment(0) | 徳島

2015年12月25日

クリスマスの日、神山で神社で過ごす 邪馬台国はどのようにあったか? 


クリスマスの日、昼のひととき、
神山へ出かけた。
消費者庁の一部機能を移設するかどうかで話題になっている。
そのことの是非を問うまでもなく
省庁の組織のあり方というよりは
政治のパフォーマンスという気がする。

本質は地域に予算と権限を持つこと、
その予算を有効に活かせるかどうか。
仮に、地方自治体に委譲されたとしても、
自治体側にその能力や経験がないため、
自説や再現性のない成功体験を売り込みたい
営業のうまい著名人や組織に担がれるだけ。
(地域活性化は建築家、デザイナー、コンサルタント、ワークショップの専門家などが跋扈する世界。自分たちで考えることを放棄してしまっていいの? 当事者が動かないと成果は得られないよ)
そこを見抜く眼力を持てるかどうか。
いや、もっといえば、
ことの本質を洞察して
地域が問題発見と解決能力を持つことだろう。
行政だけでなく、
所属や立場を越えて地域の頭脳で組み立てていくようになれば意味がある。

さて、いつもながらていねいな和食を提供していただける
気持ちの良いカフェ(茶房 松葉庵)。
素材からの自然の出汁を活かしているので
つい足が向いてしまう。
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おもてなしと料理の技が溶け合って心がほのぼのとしたので
周囲を歩いてみよう。

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郵便局の裏手から鳥居が始まり、
両脇に森を従えた山道を登ると
そこは上一宮大粟神社。
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森の山気が迫り清々しい気配が鎮まるようだ。
徳島市の天石門別八倉比売神社神社と同じく独特の空気感を持っている。
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そういえば、親父の蔵書に、邪馬台国が阿波にあったという趣旨の本があった。
どこの川でも日本一の鮎と称しているように
邪馬台国は地方の数だけあってもいい。
京都から江戸へ都が移ったように
邪馬台国が時代とともに移動したかもしれない。
(九州説も畿内説も説得力がある。香川や愛媛、高知にもあったのでは?)
ぼく個人は邪馬台国がどこにあったかよりも
どのように存在したかのほうが興味がある。
歴史はネアンデルタール人のように
ミトコンドリアDNAで鑑定できないので真実はわからない。
しかしそれを考えることは幸せなこと。
なぜなら、そこに自分の存在があるから。

さて、神社をめざして山道を登る両脇の豊かな植生に目を奪われる。
いまは初冬で万両以外は見られないが、
神社の森の植生はその地域の生態系の縮図となっていることが多い。
春先にでも来てみようかな。

隣接して神宮寺がある。
品格のある庭園で端正な佇まいを持っている。
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さて、地蔵尊が冬衣装をまとっている。
良い表情をされている。
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神山町から東へトンネルを抜けると佐那河内村(県内で唯一の村でありながら徳島市内から半時間)。
吉兆で修行をされた料理屋、日本一に選ばれた豆腐店、蒔ストーブの専門店などがある。
こんな風景があることを初めて知った。
蛇行して山裾を洗う川と潜水橋、そして紅葉をふちどる岩肌、天然色の山水画の世界だが、村のパンフレットにはこの場所はまったく触れられていない。
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近所にさえ行ったことがない場所があるのだから
世界は広い。
(徳島は何もない、という人は、どこに行っても不平不満ばかり言うと思うよ)
いつもの言葉だけど
楽園はそれを見ようとする心のなかにある。


(参考)
フジX-E2+XF35mmF1.4 R1本のみで撮影。
明るい標準レンズは自分の目でもあり、
心の目(感性)での切り取りでもあり。

 → 富士フイルム ミラーレス一眼 X-E2 ズームレンズキット ブラック F X-E2B/1855KIT

 → FUJIFILM XFレンズ FUJINON XF35mm F1.4 R 単焦点 標準 F XF35MMF1.4 R
手頃な価格だけれどミラーレスのレンズに一時代を築いた名レンズだと思う。
(2015.12月末現在ではアマゾンで3000円引きキャンペーン中)
posted by 平井 吉信 at 00:47| Comment(0) | 徳島

2015年08月29日

大歩危から雨がそぼふる藤川谷へ  朽ちた骨がガリガリと音を立てる夕刻


仕事で大歩危近辺に出かけた夕刻、
台風の影響で増水していた吉野川大歩危峡。

そこから支流の藤川谷へ入ってみた。

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「なにかようかい?」と
藤川谷に現れた妖怪たち。
薄暗くなる時刻に、子どもが見れば泣きながら駆け出しそう。
けれど、夜中に墓地に行くあの夏休みの冒険に似て
怖いから見たいとも見たくないとも。

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朽ちた骨がガリガリと音を立てて動きそうな妖怪、
ぼうと浮かび上がる妖艶な存在感、
厳しさをたたえて凛とたたずむ気品、
笑いを誘う苦みばしった諧謔、
生活の苦しみを背負う諦念の表情。
それらは土から、藪のなかから、水から抜け出して眼前にいる。
けれどもかつてここで息づいていた、
そしてこれからもここで生きていく魂を埋めた作品。

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伝説の妖怪を
空間が割れたような衝撃で蘇らせた
上名の集落の人々の想像力と創造性に目を見張る。
それを伝えたくて。

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児啼爺はこの地区に伝承されている妖怪である。


【追記】
祖谷地区の食材として祖谷そばはご存知だろうか?
祖谷山(旧西祖谷山村、旧東祖谷山村)でいただくことができるが、
古民家を移築したこの店では
東祖谷の蕎麦打ち名人の麺を提供している。
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posted by 平井 吉信 at 18:28| Comment(0) | 徳島

2015年08月22日

仏様と竜王の岩窟を従えた焼山寺 通り雨が過ぎて夕方の鐘が鳴る


遍路転がしとも呼ばれる急峻な立地にある焼山寺は
八十八ヶ所巡礼でも一目を置かれる存在。
車ではあるけれど、夏の午後の避暑に出かけた。
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車を停めて十三仏を順に眺めながらそれぞれの真言を唱えると
少しずつ山門が近づいてくる。
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みずみずしい山のしずくに浸る山野草
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十三仏の最後でもある虚空蔵菩薩がご本尊。
あまねく宇宙の真理を照らす。
ぼくの守り本尊でもある。

樹齢の長い杉木立と蝉時雨。
絵になる風景、音の風景。
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木立を背景に地蔵菩薩が浮かび上がる
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サルスベリが道中を楽しませるが、境内にも
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極楽浄土の象徴
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林道を下って岩窟に向かう。
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不動明王が祀られている。
徳島新聞の紹介記事でその存在を知ったもの。
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巨大な岩壁の下部をくり抜いたか、自然の仕業の空間か。
そこに石仏が鎮座する。
いまにも雨が落ちてきそうな午後、辺りは暗い。
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倒木と蜘蛛の巣の間隙を縫って再び寺へ辿り着く。
この小径は通らないで車道に降りた方が賢明。
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雨と天気雨がストロボのように木立の直下を明るくした
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小雨になると続々と巡礼者が集まる
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17時の鐘で寺が静けさを取り戻し灯明が灯る。
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下界を離れて仏の世界を垣間見るために
夕立が迎えてくれたように思う。
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空と海の巡礼。







(この写真はすべて富士フイルムのX-E2で撮影。レンズは小さな3本。XF14mmF2.8、XF35mmF1.4R、XF18-55mmF2.8-4。装備は軽い)
タグ: 巡礼
posted by 平井 吉信 at 18:44| Comment(0) | 徳島

2015年07月30日

浜辺のカニ 見守るハマボウ 田井ノ浜


わっつ!
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脅かしてみる。
(かにを脅かすのでははなく、このWebページを開いた方へ)
足の早いカニと競争して
小さなカメラ(X20)でカニとの距離3センチ。
クロベンケイガニでしょうか?
(レンズをハサミで直撃されたらどうしよう)

オイ、チカヨルナ!
アカテガニでしょうか?
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ここは由岐地区。
田井ノ浜海水浴場と臨時駅が開設され、
海から遠くない田井川沿いのハマボウの群生地。
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posted by 平井 吉信 at 22:02| Comment(0) | 徳島

2015年07月12日

雨の日に雨乞いの滝(神山町)


県庁所在地から
1時間程度で行けるところがたくさんあることをお伝えしている。
仕事が忙しいとお嘆きの方々、
心身の凝りをほぐせる場所がたくさんあるのだから
たまに出かけてみませんか?
都市部に住む人、お試しで短期滞在してみませんか?
(田舎へ行けば、能力とやる気があれば仕事は見つかるはず)

ということで、神山町。
佐那河内村と並んで
15時のおやつを食べる時間に出かけて
都市近郊の体験できる里山。

雨がぽつりぽつりと窓ガラスにこぼれる午後、
雨が降って欲しいと祈りを捧げる雨乞いの滝へ出かけた。

車を置いて約800メートルほど谷沿いを登っていく。
この日も沢音を聞きながら
珍しい鳴き声の野鳥を耳にする。
苔むした遊歩道は特に下りで滑りやすくハイヒール不可だけど、
この日もカップルが多い。
男性がエスコートしながら手をつなぎ、
滝で涼んで、カフェで和むという段取りか。
(滝駐車場から5分ぐらい降りた街道沿いの商店街にカフェがある)

日本庭園が連続する奥入瀬渓流とまでは行かないけれど
こちらは天然の渓谷であることが特徴。

雨乞いの滝に辿り着くまでに大小さまざまな滝があるが
それは見てのお楽しみに。
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歩くこと20分ぐらいで辿り着くのだけれど
寄り道やよそ見をしながら
40分ぐらいかけて歩くのがおすすめ。
翌日、仕事の疲れが取れているのに気付くはず。
なぜって?
森林浴効果もあるだろうけど
疲労回復にはこのゆったりとした歩みが効果的。
(科学的根拠あり)
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さあ、着いた。
足元が滑りやすいので気を付けて。

歩道から滝が見えている。
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初めて見る人は、感激する。
でも、滝にもっと近づいてみれば、
右奥にも滝があることがわかる。
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そう、ふたつの滝が流れ込んでいる。
これが雨乞いの滝。
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水の粒子が白い龍のごとく
岩にぶつかってさらに微粒子となり
周囲の植生が霧となった滝の成分を取り込む。
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ひとつの完成された生態系の姿が
足元の安全な河原状の場所から眺められる。
特に右側の滝の水の落ち始めるあたりに注目しよう。
自然の造形は水と岩と緑をケーキのように散りばめて
水の表情は刻一刻と遷移しているというのに
滝は滝のまま続いている不思議さ。
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時計がどんどん早くなって
どれだけここにいたのか忘れてしまう。

小雨が降っているけれど、傘を差すほどではない。
雨のなか、雨乞いをする雨乞いの滝。
ここから悲願寺へも上がっていくことができる。
けれど、あまり歩かれていないようで
足元の岩が滑るので帰りに難儀すると断念。
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ここは神山、ここは徳島。
人と自然が隣り合わせに住んでいるところ。

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posted by 平井 吉信 at 23:44| Comment(0) | 徳島

2015年07月11日

美郷物産館 お礼の買い物と美郷のマチュピチュ 高開の石積みへ


今年は大雪のため梅が不作とのこと。
入手が難しいとあきらめていたら
店長が5kgの青梅を確保して郵送いただいたお礼に
親戚まわりのついでに美郷物産館を訪れた。

今年もこれで梅干しと梅酒を仕込むことができた。
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美郷物産館にはレール商品は皆無。
野菜もお菓子も加工品もすべて地区内の手作りの品物ばかり。
それぞれが競い合うように磨き上げられて平均点は高い。
毎回新商品が並んでいるようでもある。
当時の美郷商工会の高木さんと地元の人の熱意の賜物だろう。
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標高が高いこと、規模が小さいこともあって
農薬を使わずに立派な農作物を仕上げる生産者も少なくない。
地の利を活かすことで
ここの平均的な野菜の品質は四国有数だと思う。
朝採れをその日のうちにいただく贅沢も味わえる。
コールラビまである。栽培期間中農薬は使っていない。しかも80円。
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シシトウとゴーヤを買った。
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あなたは野菜の目利きができるだろうか?
安全安心でおいしい野菜とはどんな野菜か?
答は、たったひとことで足りる。
健康に育った野菜である。

化学肥料による外観の水増し(肥大感)などなく
逆にいかにも家庭菜園のしょぼい外観ではなく
(虫食いの野菜を短絡的に安全と捉えないほうがいい)
あくまでも健康的でみずみずしい。

きょう買ったゴーヤも
生で食べるのがもっともおいしい。
やわらかくみずみずしいのに、あくやえぐみがない。

朝採れなのにしなやかなきゅうりや
しっかりしているのに適度にやわらかくシシトウも同様であった。

美郷の野菜には、うんちくや哲学は語られていない。
けれど、愛情を持った栽培者がていねいに育てた野菜であることはわかる。
まじめにこつこつのプロ農家の作品である。


お昼どきだったので手打ちそばの定食を注文。
ぷつぷつと弾力感のあるそばに香ばしい揚げ、
地元の野菜や豆腐が小鉢で付いてくる。
毎日20食限定ですぐに売り切れる。
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こちらも人気商品の田舎だんご。
色はよもぎ(緑)とトウモロコシ(桃色)によるもの。
材料は、餅粉、小麦粉、米粉、砂糖、よもぎ、とうもろこし、食塩、きな粉。
餡は、小豆、金時餡(えんどう、いんげん)。
(食品表示だけでわかる人はわかるだろう)
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新たに、ドーナツやブルーベリー大福が並んでいる。

梅干しはどの生産農家を選んでも
昔ながらの塩、しその素朴な味わい。
自分が漬けていても、ときどき味比べに買っている。
(特に小梅は漬けていないので)
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美郷地区では梅酒特区として製造に取り組んでいる。
タンクではなく家庭用の瓶でていねいに仕込むのが美郷方式。
500ccで2,500円前後と決して安価ではないが、
それだけ風味に自信を持っている。
http://www.toretabi.jp/gourmet/bishu201310/01.htm
l
今年は若い人が新規参入してますます盛んになっている。
徳長さん、応援していますよ。
トオカミ(ブランデー仕込み)、エミタメ(焼酎仕込み)、売れるといいですね。
(商品名は奥様の名前からと記事には載っていたけれど、祝詞からの出典ですね)

自分で梅酒を仕込む人はわかるけれど
材料費(青梅、米焼酎、蜂蜜)だけで1升4千円を超えるのだ。
(ぼくの梅酒も梅干しも美郷の一級品に負けていないのだ(^^))


ものだけではない。
体験型メニューがもっとも充実しているのが美郷の特長。
http://ameblo.jp/shokokai-misato/

ぼくもこけ玉づくりを明石さんに教わったことがある。
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観光がてら立ち寄れば、
満面の笑顔で親身になって観光情報をいただけるだろう。
そこにあふれているのは地域を思う心とおもてなし。

美郷物産館(みさと屋)
徳島県吉野川市美郷字峠463-3
営業時間 午前10時〜午後5時30分
(休館日:年末年始)

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店をあとにして、高開の石積みへ向かう。
シバザクラの季節は終わっていても
集落の方々が思い思いに花を育てているので
行ってみたくなった。

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シバザクラが咲き残っていた。
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美郷は、上勝と並んで県内の農家民宿の先進地である。
車から山登りの感覚でようやく登りきると
雄大な景色と手作りの野菜料理が並ぶ農家民宿、
マクロビオティックを売りにしている斬新なコンセプトの農家民宿、
吊り橋を渡って玄関へ入る民宿ではヤギが飼われていて藍染めができるなど、
どこも個性豊かで無条件でおすすめできる。
http://misato-totori.com/
http://www.cnet-oe.ne.jp/kinokonosato/
http://wwwd.pikara.ne.jp/docomoyama/

それぞれ単独でご紹介したいくらいだが、またの機会に。

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蛍で有名な美郷だけれどそれがごくごく一部。
体験型観光と特産品開発を
地区の人たちの熱意と互いに切磋琢磨により磨きあげている。
身の丈で一人ひとりががんばっている美郷地区は
ほのぼのとしていいな、と思うのである。


追記

地方創成といいながら、
中央集権で、プレミアム商品券という未来への投資とならない愚の骨頂政策や
誰も責任を取らないオリンピック関連施設、
ひたすら国民の求めていない方向にひた走る首相…。

参議院の選挙制度改革と称して選挙区の定数を変更しようとしている。
徳島県は高知県と合区して減となる案が示されている。
だが、これが是か非かというのは本質的な問題ではないだろう。

いまの政治の問題は、
まじめで能力のある人が政治家になれないこと。
(地盤、看板、鞄がなくても熱意と能力のある人が国や地域を動かすしくみをつくるべきであろう)
いまの体制なら、議員数を1/10に減らしても国民生活への影響はないだろう。

議員の報酬は費用弁償程度でいい(だから政治家は兼業であるべき)。
(選挙に多額の税金を使うのではなく、未来をつくる行為に税金を少しだけ使いたい)
多様な職業の人が専門知識を持ち寄って地域のあり方を議論する。
そうなると、議員数はいまより増えるだろう。
(しかし歳費は大幅に減少する)
当然、政党は廃止する。
能力と意欲ある人が未来をつくることに参画できる制度に改めなければ
責任を持ってお金と事業を動かそうとする人に任せなければ、
選挙権を18に下げようが、定数を削減しようが本質は変わらない。
(政党や政治家の顔、定数を代えたところで何が変わるというのか)

そもそも1票の格差が違憲という司法の判断もおかしい。
格差が違憲であるなら、1倍以外はすべて違憲だろう。
市町村長はみな1票の価値が違うが、これは合憲なのだろうか?
司法は、憲法や法律に照らして特定の事案を判断しているだけで
それ以前に、望ましい制度とは何かの議論があるべきだろう。

源流を辿れば、
国家(行政)のしくみがいまのままで良いかということだろう。

地域の特性と人材を活かし、
必要な立法や規制緩和、税制を地域で決められる脱・中央集権が不可欠だろう。
安全保障や外交は国家の仕事として
それ以外は地域で決めるという道州制のようなかたち(地域国家連合)。
(沖縄なら、かつての琉球王朝が担っていた平和外交を基軸に、台湾、中国、ベトナム、フィリピンなどとの交通、物流、交流、観光、教育などの拠点=東南アジアのハブ機能として)

プレミアム商品券も、地方創成枠の押しつけも中央集権のばらまき。
事業が例示されれば独創性は発揮できない。
特区を申請する(国にうかがいを立てる)という行為が
すでに地域行政の足かせになっている。

日本は世界に範を示せる可能性がある。
正しい方向性に向かってぶれない軸で
思い切った変革をスピード感を持ってやっていける
しくみに代えていければ。


posted by 平井 吉信 at 21:25| Comment(0) | 徳島

2015年07月04日

雨だから濡れてつやめく山野草 雨なのにからりとミーティング


良い土曜日だった。

予定より早く合宿の場に来てしまった。
ここは海部郡内のとある町。
しばらく付近を散策していると…。

道ばたの崖で思いがけない植物たちが
雨に濡れて咲いていた。

空から落ちる雫を映してたゆたうアジサイ。
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ホタルブクロ。
たったいま生まれた花のいのちが水滴を宿す。
(ホタルブクロには思い入れがある)
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これは園芸種かも。
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見たこともない山野草。熱帯の魔法にかかったよう。
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雨が好きではしゃいでいるコオニユリ。
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これもわからないけれど、もぎたての紫の新鮮さ。
シソの葉のような特徴を持っている。
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擬人化できそうな花弁
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愛嬌のあるタキユリが崖からうつむいて、しなやかな媚態を見せる。
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これらがわずか数十メートルの間に饗宴する。
(あえて場所を伏せているのは貴重な生態系と感じたため)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

山野草の集いのあとは、ヒトの集い。
この日は、ある企業の1泊2日の企業研修にお招きいただいた。
職場から離れた非日常の空間で
仕事中にはできないミーティングをやってみようというわけ。
やらされ感のない活発な発表やWSを見せていただいた。
雨のなか行われた懇親の場もなぜか晴れやか。

品質や顧客満足度は現場で魂を入れて作り込むものだけど
そのためには、非公式な意思疎通が仕事を円滑に進める前提となる。
人は変えられなくても自分は変えられることも真実。
誰かのせいにすることなく、誰かのために動くことで
組織は活き活きとした規律を持つことができる。
豊かな個性の発揮とチームワークの発揮
その第一歩を踏み出して現場で活かされるといいなと
少しあたたかい空気を胸に閉じ込めて帰路に就いた。

追記
持ってきたカメラは富士フイルムのX20。
撮ったままのjpegの美しさは息を呑むほど。
ぶれないし被写界深度も深い。
2/3サイズのセンサーの完成された世界がある。
(後継機のX30は、EVFとチルト液晶、MFに使えるピントリングを装備するなど、山野草を近くで撮る人が腕が良くなったと錯覚しそうなほど山野草や料理の撮影に向いている)
FUJIFILM デジタルカメラ X30 シルバー FX-X30S

FUJIFILM デジタルカメラ X30 シルバー FX-X30S







タグ: タキユリ
posted by 平井 吉信 at 23:10| Comment(0) | 徳島

2015年06月28日

5kgの梅を求めて走る 午後の薄日がアジサイを照らす大川原高原


今年は梅が不作らしい。
朝、美郷物産館へ電話をすると、そのような情報をいただいた。
今年は実になるのが早かったらしい。
でも、仕事の日程でどうしても行けなかったのだ。

そこで、全国的な梅の産地である神山へ向かった。

途中の佐那河内の直売所を覗いてみる。
野菜を物色していると
地元の豆腐に気付いた。
1丁350円。
よし(その意気込みを)買った。
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道の駅神山でも梅はなかった。
かつて全国9位の梅の産地であった神山町も
生産者の高齢化や出荷価格の低迷で摘果が進まず生産量が落ちている。
ここでも不作のようだ。
今年は5kgの梅を漬けようと思っていたのだが。

昼なので、道の駅で日替わり定食を。
野外でいただくのにうってつけの薄曇り。
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帰りに大川原高原に寄ってみようと佐那河内で右折。
普段よりすれ違う車が多いと思ったら…。
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あじさいが咲く季節だった。天文台の丘も覆われている。
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人が多いが、花も年に一度の名誉とばかりに
風に吹かれては咲き誇る。

アジサイの散策路を行く
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青が基調
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小さな生き物にも目を向けたい
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これはX20で。レンズと虫との距離約3センチ
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今回は、ニコンD7000+
AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VRだけで撮っている。
人の心の琴線に触れる絵だと思う。

APS-C16メガセンサーは、作品撮りにも大伸ばしにも業務用にも耐えうる。
これ以上の仕様はもはや不要と思うけれど、
ニコンのDXフォーマットはすべて24メガになってしまった。
画面を強拡大して解像度を測定するマニアにはそれで良いのだけれど
果たして写真はそればかりなのか?
ただし、D7000は画像処理エンジンが2世代前なので
jpegの出力には期待できない。
RAWで撮影して純正現像しないと真価は発揮しにくい。
(パッチ処理なので手間ではない)

D7200ならjpegで運用できると思うけれど、
前述の24メガであることや、
肩液晶の表示が少ないこと、
(小さくても人間の目は慣れで小さなアイコンを判別できるので省略してはいけない)
液晶をチルト可能にしなかったことなど、
(自分撮影カメラの類でないのでバリアングルにしてはいけない。そもそも縦位置でハイアングル、ローアングルは使うことは少ないはず。ただしチルト液晶は撮影場面が確実に増える)
必ずしも進化とは言えない。
(カメラの素性はD750よりは良いと思う。店頭でシャッターを切った瞬間にそれはわかる)
D7000でもNX-DでRAW現像を行う限り、
得られる画像はほとんど同じだろうから。
(ミラーショックなどシャッターの感触が良くなっている点は大きな改善)
ともかく堅実な路線のニコンには頑張って欲しいのだ。


富士フイルムのX-E2を持ち出した。
レンズはXF18-55mmF2.8-4。
こちらもAPS-C16メガと同スペック。
JPEGを縮小しただけなので手間が掛からない。
(フィルムシミュレーションはプロビア)

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やわらかい発色と陰翳感の画は見ていて心癒される。
APS-Cに最適化した専用マウントと良質のレンズ、
ミラーのない構造と軽量なボディなどはどこにでも持ち出したくなる。
富士フイルムに望むのは、マクロレンズの充実だ。
現行は90o相当で被写界深度が浅い。
近寄った場合に気取った抽象画のように見えてしまう。
被写界深度が欲しいので、換算60o相当の40oF2程度の仕様がいい。

2/3センサーのX20(X30も同様)は被写界深度が深く
寄れてマクロができるのはいいのだが、
それは広角端に近い焦点に限られる。
標準程度の画角になれば最短距離が長くなってマクロでなくなってしまうのだ。
次号機(X40)はレンズに手を入れるべきだろう。
(逆光時に鮮鋭度が低下する傾向も気になる)
デザイン面でもX30は後退している。
X20には、小さなセンサーのカメラの威圧感のない佇まいがあったが
X30には、機能のソリッド感を出すためか、威圧感を与えてしまう。
OVFは実用的ではないのでEVFにしたり、
マニュアル合焦時に使いやすいリングが加わったこと、
このクラスでは不可欠のチルト液晶が加わったことは大きい。
(三脚に固定などせず、どんな姿勢、どこでも構えられるのが持ち味だから)
写真を撮る道具としては明らかに進化していると思う。

次号機は、2/3センサー12メガのままで良いと思うが、
ボディーデザイン(ムダな造形を削れば小さくかつなめらかになるはず)、
それとレンズに手を入れて欲しい(現行のズームレンジ=28oスタートで構わない)。
(レストランなどで料理を撮影するのに一眼レフは場違いだろう。小さなカメラなのでテーブルフォトに使われることも少なくないはず。そうなると全域でマクロ撮影が可能となることが求められる)


追記1
さて、つくった人の心意気を買った豆腐をいただいた。
予想どおりの濃厚な豆乳タイプ。
(そのまま食べるか、鰹節だけにするか、良質の醤油をを少量使うか)
280グラムで350円は高いとは思わない。
肉なら、鶏肉の価格帯だが、豆腐ならこれで贅沢ができる。
(大豆食品は必ずしもプロテインスコアが高いとは言えないのだが)
豆腐が日々欠かせないぼくの味覚からすると、
濃厚なので毎日食べるにはやや不向きだが、
(おいしいものが毎日食べられるかというとそうでないのが人間の味覚の不思議さ)
心の豊かさを感じさせてくれるし、ご飯が進む豆腐だ。
生きることと稼ぐことが一体となれる田舎だからこそ
(田舎の豆腐を売りにしているのではなく、あくまでも本質で勝負している。ただし、田舎であることが好印象となる副産物が後押ししている)
このような戦略が可能なのだ、とぼくは思う。


追記2
梅はその日のうちにご連絡をいただいて
買いに行けないので生産者から取り寄せて
ヤマト便で送っていただけることになった。
5kgの梅をどうしようか準備をしつつ
到着と同時に下ごしらえにかかれるようにしておこう。
(1日16〜18時間仕事をしている人間にどうしてそんな時間が捻出できるのか自分でも不思議)
タグ: 直売所 美郷
posted by 平井 吉信 at 21:41| Comment(0) | 徳島

2015年06月13日

探検隊が行く 自宅から数歩のところにその生き物はいた!


愛媛県からの出張から戻ってきた土曜日、
庭に出てみると
今年初めてのキキョウが咲いていた。
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キキョウはいい。楚々として、凛として、涼しげでもあり。

そこから数歩歩くと、
いつものウシガエルがひなたぼっこをしている。
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つがいなのか、別の個体が顔を出している。
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いつもいるな、と確かめるのが日課となっている。
(ここは、まちなかなのだけど)

あせあせ(飛び散る汗)
あっ、ごめん。
人間の気配に気付いたのだろう。水に飛び込んだ。
(気配を消して撮影するのは得意なのだ)

ふと顔を上げると、あでやかな紅の花。
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それから数分後、
パソコンの画面に何かが写っていた。
(画面のまんなか、花の上に影が見えるだろうか)

なんだ、これは…
(続きを見る人は)
posted by 平井 吉信 at 18:49| Comment(0) | 徳島