2013年03月20日

淡路島 たまねぎ 淡路牛 カレーにハンバーガー

あいにくの天気だけれど
淡路島に渡ってみよう。

神話では
淡路島は日本列島で最初に生まれた島とされている。
また、古来より若狭、志磨とともに
御食国(みけつくに)として知られた食材の宝庫である。

特にタマネギは有名である。
また、丘陵(里山)の多い地形から
良質の淡路牛を産する。

されど、鳴門海峡を渡ることがおっくうで
近いのにもかかわらず、それほど頻繁に出かけていない。
きょうの行き先もまだ決めていない。
まずは、淡路カントリーガーデンへ。

淡路牛を使ったカレー。野菜が添えられていて美しい
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ハンバーガーも注文
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女性でにぎわう店内
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食後に、すぐ近くにある「あわじ花さじき」に行った。
あいにくの雨であり、花の少ない時期であったが、
菜の花を目当てに多くの人が訪れていた。
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手頃な滞在型の観光地が多い淡路は
家族連れには最適の身近なリゾートだろう。

帰りは国道を経由して島で最南端の道の駅「うずしお」をめざす。
展望台に着く頃には雨がやみ、
一瞬、雲間から陽射しがこぼれた。
この橋は阿波の国への路。
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→ 淡路島をもっと知る
タグ:道の駅 鳴門
posted by 平井 吉信 at 00:00| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2012年11月29日

ゆこう すっぱさは微笑み


徳島で手に入る香酸柑橘といえば、
ゆず、すだち、ゆこう―。

どれも素敵な素材。
ゆずは、個性が際だち、
いつだってゆずの風味で素材を奮い立たせる。
すだちは、香りを活かせる食材には抜群の相性を示す。
(徳島県人はほとんど何にでもすだちをかける)

でも、三姉妹の末っ子、
ゆこうはあまり知られておらず、地味な存在。

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ゆこうは、ゆずとだいだいの合いの子、
和製レモンとも言われるように
香りがよく、風味がまろやかで、どんな素材も活かす。

料理に使えば、
サラダ、酢の物、おひたし、さしみ、焼き魚、揚げ物、しゃぶしゃぶ、すし…

菓子の材料として、
チーズケーキ、クッキー、マカロン、それに和菓子にも。

調味料に使えば、
ぽん酢、ちり酢などの万能調味料になる。
徳島県南では鍋には欠かせないのだ。
(汎用性では、塩糀に似ている)

ゆこうの果実が出回る秋から初冬にかけては
ゆこうを半分に切って、ぎゅっと絞り、
蜂蜜(ニュージーランド産を使う)を入れてかきまぜ、湯で割る。
仕事で疲れて戻ったとき、
はーっと息をついて咽に吸い込まれていく。
(心も身体も満ち足りて♪)
似たような香酸柑橘を使った飲料はあまたあれど
たっぷりの濃さの絞りたては格別だ。
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ゆこうのすっぱさは、
レモンに似ているが、
それよりもふくよか。
この酸味は晴れた秋の空に似て
まろやかに、そして透明に香り立つ。
(やさしい、透明、さわやか、奥ゆかしいという言葉を足して4で割ったような)

ゆこうのすばらしさって、付き合うほどにわかってくる。
味覚の鋭い人はそのことに気付いている。

この洋菓子、「ゆこうチーズ」は、
上勝本舗で販売しているもの。
スティックサイズで、酸味がさわやかで。
(パッケージデザインも良い)
1本食べるとまた欲しくなる。
ゆこうの酸味の余韻が脳のすみずみまで行き渡り、
はかなく消えていく。
また食べたいな(でも、食べない。余韻を楽しみたいから)。

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徳島の料理屋 濱喜久(はまぎく)では
ゆこうのドレッシング、ちり酢、チーズケーキをつくっている。
ゆこうを使ったドレッシングとしては最高の風味だ。
ちり酢は、聞き慣れない調味料だが、これまた万能。
鯛のさしみを食べるなら、醤油よりも鯛の甘みが生きてくる。
口のなかで鯛が踊る感じがする。
チーズケーキは、「ああ、ゆこう」というまろやかな酸味がうれしい。

でも、文章では伝わらないな。
ぜひ、味わってみて。

「ゆこうチーズ」→ 月ケ谷温泉などで購入できる。
濱喜久の商品は、徳島市内の同店で購入できる。
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残念なのは、ゆこうの価格。
この日、地元のスーパーで手に入れたのは100円。
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ふんだんに使えるのはうれしいのだけれど、
このままでは生産農家がなくなってしまう。
ゆこうファンが増えて、
多くの人に好きになってもらえたら。


ゆこうは、柚香とも書く。
ゆこうは徳島の上勝町を中心に、
県南部で栽培されている。
全国でほとんど徳島にしかない香酸柑橘。
ゆずとゆこうはおしりで見分ける。
ゆずは盛り上がっているけれど、
写真のゆこうはご覧のとおり。

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posted by 平井 吉信 at 23:11| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2012年11月11日

月ケ谷温泉の薬草料理 えっ、これが薬草? まるで山のキャビア

◆月ケ谷温泉の薬草料理が気になる

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ぼくはグルメではない。
心を込めてていねいにつくられた食べ物は愛おしい。
それだけで十分と思うから。
もうひとつは、巷でおいしいといわれる飲食店に行っても
たいていは大味すぎて好みに合わない。

例えば、カレーは
野菜やトマトをとろけるまで煮込んだ
自作が一番おいしい。
一口すするごとに、身体に吸い込まれていき
心と細胞がほんのりとあったかくなる。
これは当然の話で、自分が描いた味に仕上げるし、
ていねいにつくるから。
(このカレーは市販のルーを使わない。作り方についてはいずれ…)
プロは時間とコストとの闘いなので、
家庭料理が業務調理よりおいしいのは、
ある意味では当然なのだけど。

そんなぼくが味わってみたい料理がある。
それは、上勝町の月ケ谷温泉の薬草料理。

◆なぜ、月ケ谷温泉で薬草料理を手がけるようになったのか

月ケ谷温泉では地元の伝統的な料理に力を入れようと
料理長の関口安隆さんを中心にここ数年研究を重ねてきた。
さらに薬草研究の専門家、村上光太郎さんの助言で
薬草にも着目した。

薬草は苦い。内臓に良い成分は苦みを持つからだ。
飽食グルメの時代になぜ薬草なのか―。

こうなると、直接お会いして
薬草にかける思いに触れたくなる。
月ケ谷温泉を訪問し、関口料理長にお会いしてお話をうかがった。
(ご多忙のところ、お時間をいただきましてありがとうございます)

まずは、上勝町内の地層についての話から始まった。
(ご実家は月ケ谷温泉の近くの山中におありになるのだとか)

上勝には「チャート」と呼ばれる堆積岩の地質があります。
 そこは、海底が隆起して盛り上がった地形で
 海の生物の化石が堆積した地層です。
 百間嶽から柴小屋山の山域がそうです。
 チャートの岩肌は赤っぽく、岩石は火打ち石にもなります。
 火の出るところ(かまど)に火打ちをして
 お祓いをすることもあります


◆生物の体内に残る海の記憶
 
チャートは、二酸化ケイ素を多く含み農業に適さない土壌である。
上勝でもチャートの地質では畑が拡がっていない。
けれど、チャートは微量ミネラルのマンガンと鉄を多く含む。
そんな山のミネラルを取り込んだ薬草を使うのだ。
(微量ミネラルがカギかもしれない)

進化の歴史をひもといてみよう。
生物は海から陸に上がった(進化した)。
だから、その名残を体内にとどめる。
血液は海の成分そのものである。
海はミネラルが豊富で生物が生きていくうえで好都合。
それに比べると、川はミネラルが少ない。
生物が海から(競争相手の少ない)川へ進出し、
やがて新天地(陸)をめざすためには、ミネラルの欠乏が問題となった。
そこでミネラルの貯蔵庫を備えた。
ミネラルが多いときには貯え、
少ないときには貯えたミネラルを使う貯蔵庫。
それが骨である。
ミネラルは微量であっても
身体の機能を整える大切な働きをしているのだ。

◆逆転の発想、そのまま食べてもおいしい薬草料理を開発

エビスグサという薬草がある。
その種子はケツメイシとも呼ぶ漢方の生薬で
古くから煎じて茶として飲用されてきた。

その効用は、胃を健やかにする、
炎症をやわらげるというもの。
強壮や利尿作用があり、
胃、腎臓、肝臓の不調はもとより、
視力の回復、動脈硬化や高血圧などにも効果があるとされる。

ケツメイシを薬と思うから
わざわざ煎じて飲もうとするけれど、
やはり苦みやえぐみがある。
さりとて種のまま食べようとすれば、堅くて歯が立たない。
効き目が顕れるためにはある程度の量が必要となる。

【収穫したケツメイシ(エビスグサの種子)】
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ところが関口料理長は、
種子を炒って皮を取り除き、
さらに煮詰めて薬用成分を濃縮させ
その種子をもろみで味を整えた。

これが絶品。
ほのかな香ばしさが素材を引き立てる。
コーヒーやコカコーラを初めて接したときに
覚えたあの感覚にも似ている。
陸のキャビアか?と表現する人もいて
新聞等でも取り上げられ話題になった。

【おいしいとしか言いようがないケツメイシを使った料理。茶色の粒はくせになる】
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生薬は煎じて飲むのと、
粉末などにして体内に取り込むのでは
効果に5倍程度の差があるという。

関口料理長が開発したこの調理法では、
おいしく食べられる5グラムで
20グラムを煎じて飲む苦い茶と同じ。
少量で薬効が期待できる。

◆意識せずに薬草を食べる

厨房で仕込み中の「イノコヅチ豆腐」について
こう説明された。

イノコヅチといってもぴんと来ないかもしれませんが、
 あの嫌われものの「ひっつき虫」です。
 薬効としては鎮痛作用があり、
 関節の痛みなどにも効く成分が入っています。
 ただし薬草の常としておいしくありません。
 また、棘があるので咽にひっかかると取れません。
 ところが、フライパンで煎ると棘が落ちます。
 それを胡麻豆腐ふうに寄せました。
 甘みがほのかに感じられます


先入観を持たず口に入れてみる。
なめらかな食感とコクのある風味が舌の上でとろける。

関口料理長のご自宅では
イノコヅチを市販のふりかけに混ぜて使っているとのこと。
こうすれば、知らず知らず薬草を食べることができる。

薬草といえば、徳川家康を思い出す。
この天下人は、
他の戦国大名にはない長期的な戦略を持ち、
実践していた。

それは、粗食で運動を怠らず
薬草を取り入れたこと。
家康は独自に生薬の調合まで行った。
その結果、75歳という当時としては破格の長寿となったことが
徳川長期政権の礎となった。

◆薬草を自家栽培するのはなぜ?

さらに料理長は続ける。

 月ケ谷温泉では、安定した供給のために
 自社で栽培を始めました。
 現在栽培しているのは約90種です。
(名前を聞いたが、上勝の野山で見かける一般的なもので特殊な山野草ではない)

たまたま手入れに行くということで
栽培地を見学させてもらった。 
葉っぱビジネス「いろどり」の発祥地、傍示の集落へと向かう。

山の中腹の盆地のような場所に畑があった。
そこでは多種多様な薬草が栽培されている。
それぞれの薬草に適した生育環境で栽培するため
(湿ったところが好きなのもあれば、痩せた土地が好きなのもあるなど)
栽培地はここだけでなく3箇所にあるとのこと。
その手入れを社員が毎日欠かさず行っているという。
ここまで薬草に力を入れる宿泊施設がほかにあるだろうか?

ここで、ひとつ疑問が浮かぶ。
もし、月ケ谷温泉の一部のメニューである
薬草料理でしか使わないのなら
(いろどりの発祥地上勝であるけれど…)
この規模の薬草畑は必要ないのではないかと。
(いろどりのように、よそに出荷できるような商品でもないし)

もしかして…。

これは想像だが、
料理長は月ケ谷温泉の普段のすべての料理に
薬草をさりげなく使ってみたいのではないかと。
(おいしいので、言われなければ気付かない)
滋味溢れる料理は、
食べたあと体調が良くなることが多い。
(これはよく経験することで、体調がよくなる料理店には自然に足(心)が向いてしまう)。

◆「身体に良い」ものは「おいしい」

上勝へ来て新鮮な空気、ブナの森「高丸山」、棚田、
そして眼下を流れる勝浦川を見て
旅人にはリフレッシュしてもらえる。

→ 続きを見る(月ケ谷温泉温泉で提供されている薬草料理の写真集)
タグ:上勝町
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2012年11月04日

ナカガワノギク 満開の11月 みごとなリンドウが花を添える 腹にしみる麺


もういいだろう。
前回にたった一輪だけ見つけたナカガワノギク。
11月になったから見に行ってみよう。

前回までの場所から少し上流へ降りてみた。
目をこらして探そうとしなくても
岩の上で至るところに咲いているではないか。
しばらくは、ナカガワノギク劇場を。

鷲敷ラインを背にノギクたちが背を伸ばす。

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映画によくありがちな設定の「三姉妹」
それぞれ性格が違うのだけれど、
後から見守る長女、天真爛漫な次女、
型破りで甘えん坊の三女といったところ。

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岩棚でところ狭しと咲く。
それでいて思い思いの姿態を表す。

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「2012年ミスナカガワノギクに出てみるの」と言っていた娘。
容姿端麗。

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こちらは、やや紫がかった娘。コケティッシュな魅力で対抗する。

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人知れず凛と輝く。

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リンドウがこんなところに。しかも今年見たもっともみごとな姿で。
背後でウメバチソウがはしゃぐ。

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ウメバチソウ。湿った川筋が大好き。これからというつぼみも多かった。

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ノギクが白を纏い、リンドウは青をうたう。

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ナカガワノギクの2012年の劇場は役者揃い。
でも、ひっそりと生きていくのが好き。
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おいしいラーメンを食べたくなったら
那賀川沿いを上っていくといい。
ナカガワノギクもついでに見ればなお楽しい。

醤油ラーメンはこんな具合。

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塩ラーメンはこんな具合。

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つけ麺。
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ほんのり甘みを感じ、旨味が濃厚。
それなのにさらりと潮が引くように後味が消えていく。
縮れ麺とからんだスープをすするときの幸福感はこのうえなし。

麺だって噛めば噛むほど小麦の甘みがにじみ出す。

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食べ終わると椀の底に現れるメッセージ。
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腹にしみるのは作り手の思いがこもっているから。
徳島のラーメンでもっとも好きな店。
麺屋藤という店は丹生谷にある。
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2012年11月03日

カミかつ丼 その正体は?


月ケ谷温泉でB級グルメ風のメニューがあるということで
高丸山の帰りに寄ってみた。
要するに、山を歩いたので腹が減っていたのだ。
そしてそれを後押しする誰かの口コミを思い出した。
「カミかつ丼がボリュームたっぷり。知らずに食べたら肉だと思うよ」。

ということは、肉ではない「かつ丼」なのか。
もしかしたら、タヌキかもしれないと思いつつ。

正体を見極めるためにおそるおそる注文した。
「お待たせいたしました。カミ・かつ丼です」
(「カミ」がカタカナで「かつ」がひらがななので変換が面倒である。注文を入れるときは、「カミ」と「かつ」の間に短い間を入れるとうまく伝わるらしい。自宅で発音の練習をしてから出かけたほうが恥をかかなくていい。間違って「カメかつ丼」(カメ)とか「ナメかつ丼」(なめくじ)、「サメかつ丼」(サメ)、「ハメかつ丼」(マムシか?)などと言うと、厨房は困惑しながらも対応してくれるかもしれないから)

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先入観を防ぐため目を閉じて口に入れる。
揚げたての衣がサクサクサクサクっと軽やかに。
次の瞬間、歯を押し返す弾力感が。
そして、噛みしめると旨味がしみだしてきた。
ソースには香味が感じられ、
この料理をぴりっと引き締めている。
かつの下には、千切りのキャベツ、海苔など野菜が敷きつめられている。
ごはんに醤油がこぼれて米の甘みが倍増される。

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なるほど、これはわかりやすい。
津山ホルモンうどんや
ひるぜん焼きそばのように「ぐぐっ」と伝わってくる。
育ち盛りや体育会系の人にも受ける味である。

さて、カツの正体は?

(また来週 つづく)






と言いたいところだけれど、サービス、サービス!

耳を貸してください。
(こっそり)
し・い・た・けっっ。
(わかった?)

タメになる勉強をもう少し。
徳島県は全国一の菌床シイタケの産地である。
町内には、第三セクターのシイタケを生産する工場がある。
だから、採れたてのシイタケをふんだんに使えるというわけか。

さて、シイタケはすごいキノコである。
まず、旨味成分が濃い(グアニル酸、グルタミン酸)。

私の知人の会社でシイタケの抽出エキスを試供品としていただいたことがある。
それを飲むと、花粉症にききめがあるという人が続出した。
原料はシイタケのエキスで文字通り何も加えていない。
8時間程度はアレルギー性鼻炎がぴたりと収まるという。
これを朝飲んで学校や仕事に行くと、なかなかいい感じということになる。

シイタケは食品なので薬効についてはうたえないが、
個人的な仮説として
シイタケには免疫系に働きかける成分が
含まれているのではないかと考えるのだが、
専門家の方いかがでしょう。

というわけで、
徳島に住んでいる特権でもあるので、
なるべくシイタケを食べるようにしている。

ところが…。
スーパーで販売しているシイタケと
ここ上勝で手に入るものとでは味がまったく違うことに気付いた。
香り、味、歯ごたえ、まったく別物である。

考えられるのは流通経路である。
その日や前日の夕方に採れたものを
町内で提供できる上勝と、
棚に並ぶ前に冷蔵庫などで数日貯蔵された流通品が
同じ風味のわけがない。

シイタケなんてどこでも手に入る、
と思われる方もいらっしゃるだろうけど
騙されたと思って、
月ケ谷温泉でシイタケ料理を食べてみたらいかが?
(それで味の違いがわからなければ何を食べても同じ。ある意味では幸せな人生(^^;))

メニューは、カミかつ丼(800円)のほか
「森定食」では天ぷらが味わえる(1000円)。
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追記

町内でシイタケを買い求めたので
家でも食べることにした。

[見よ、この見事な産毛。生まれたてのシイタケはこんなにもウブなのだ]
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遠赤外線のトースターであぶる。
このときあぶりすぎないこと。
シイタケが汗をかいてくるともう食べられる。
(鮮度が高いので)
上勝のぽん酢をかけてじゅっといただく。
至福の時である。
食べてみなければこの感動はわからない。

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このシイタケはこんな土地でつくられている。
棚田が広がる旭川沿いで
写真の左下が上勝バイオの会社。
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追追記

上勝のぽん酢とは、JA東とくしまが販売しているぽん酢である。
商品名やデザインは2種類あるが、中味は同じである。
「上勝町の味付けポン酢」、「いろどりポン酢」の2種類のパッケージがあって、
デザインが良いのは、(株)いろどりの女性社員がデザインした前者である。
町内ではほとんどの家庭がこれを使っている。
焼き魚、冷や奴など
醤油の代わりになんでも使う万能調味料となっている。
その秘密は、香酸柑橘を3種類ブレンドしているから。
「すだち」「ゆず」「ゆこう」の三姉妹。
(三姉妹の末っ子はまだほとんど知られていないので、「近いうちに」ご紹介を)
月ケ谷温泉へ行ったときは、これも忘れずに。



タグ:上勝町
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2012年10月28日

金長まんじゅう 徳島の忘れらないおやつ


近所にハレルヤの本店があった。
そこには、当時人気だったアニメの主人公と同じ名前の女の子がいて
髪型まで似ていた。

店頭に並ぶお菓子でとても楽しみにしていたのはアップルパイ。
サクっとしたパイ生地にしっとりしたコーティング。
これは年に数回買ってもらえる「儀式」だった。

ハレルヤといえば、金長まんじゅう。
徳島人なら、ハレルヤのCMは歌えなくては。
(ハレルヤのスタッフの方、かつての金長まんじゅうのCMをWebサイトに掲載したらアクセス増えるよ)

1億円札で有名な日乃出本店 のぶどう饅頭 。
「海越えて誉められに行け ぶどう饅頭」も言えなくては。
(嫁いできた人は除く)

ぼくはいまでもこの2つが好きだ。
手頃な値段のおやつであって
「スイーツ」などと気取っていない。
それぞれ派生製品が出ているけれど、
定番がもっともおいしい。

ただし、お茶はいいものに限る。
「りぐり山茶」がぼくにとっては
心をゆるめて頬もゆるめて
それでいて活力をもらえるお茶だけど、
「寒茶」「上勝晩茶」だって構わない。

不思議なことに
凝った洋菓子よりも、心に響くのは郷土の和菓子。
どちらも工場で量産されているけれど、
それとて愛おしい。
企業(経営者、スタッフ)がほんとうに自社の製品が好きで
好きでたまらないのなら
お客様との間にお菓子を通じて共感が生まれる。
日々のたゆまぬ気配りが伝統の菓子を支えるのだ。

たぬきのケーキの愛嬌ある表情はぼくの子どもの頃から変わっていない
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あの頃のアップルパイとはイメージは違うのだけれど。
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金長まんじゅうの定番の包装はこれ。
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見よ、品格さえ感じさせる庶民のおやつ。
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もったいぶらずに食べる。
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ハレルヤがこんな店舗を開設していたとは知らなかった。
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スイーツキッチンなんて銘打っても気取らない。そこがいい。
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やっぱり狸だ。
日本一有名な金長タヌキはジブリアニメの題材にもなった。
ぼくは三田華子著「阿波狸列伝」(全3巻)が大好きだ。
どこかで復刻してくれないかな。



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タグ:菓子 寒茶 金長
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2012年10月23日

アナゴでとろける!

うちはアナゴに力を入れています。
にこりともせず、大将が言う。

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◆「超やわらか特上穴子」か。
それは、秘伝のタレでやわらかく味付けしてあるらしい。
大将がぽつりぽつりと言うには…。

まずは穴子のサイズを選びます。
細くても太くてもいけません。
さしみに使えるような新鮮な穴子をさばいて
すぐに煮付けます。
煮汁は同じものをずっと使っています。
加えるのは水と酒だけ。
それでコトコトと1時間。
できあがった料理は、ふわっとやわらかく
穴子のうまみがとことん凝縮された逸品です。

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うんちくを最後まで聞かずとも
アナゴは口のなかでとろけてしまった。

次は何を?
えっ、くじらのさしみ?
小さい頃食べたことがあるけど、
もう数十年食べていないような。
どうしてくじらなんだろう。
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◆「くじらのさしみ(おいしい醤油漬け)」
おいしいくじらはどこにある?
探し求めてたどりついたのは大阪の市場。
当店まで直送してもらっています。
そのまま食べてもおいしいですが、
特製のたれをかけて待つこと10分、
くじらの甘みと醤油が溶け合う、
絶品のしょうゆ漬けのできあがり!

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いや、これもうまい。

さて、次はあっさりと。

それなら、これはどうですか?
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◆「すりおろし天然わさびのなみだ巻
自然のわさびを食べたことがありますか?
天然わさびを
雪のように高く盛り上げたのが、当店のなみだ巻。
鼻腔をくすぐるわさびの香りを愛でつつ
どきどきしながら口に入れ
(どこまで来るかと身構えつつ)、
ひと呼吸の沈黙のあと、すうっと引いていく
(その後味の良さ)。
そしてお客様に笑顔が浮かぶのです。

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わさびの量を少し減らした通常のわさび巻もあります。

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大将と奥さんの気取らない店。
決してうんちくを語る店ではない。
でも、料理が語り掛ける居心地の良さ。

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店の名は「魚々菜々 げん太」。
藍住にある。
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2012年10月18日

高知で思ったこと

高知(土佐+幡多)はいい。
10代の頃は室戸に自転車で通い、
20代は、クルマで四万十川へ通った。
三嶺から天狗塚にかけての南斜面は四国でもっとも好きな山域。
(徳島県では「みうね」と呼ぶが、「さんれい」と呼ぶ高知県の呼称がしっくり来る)
室戸がジオパークに登録された翌日にはお祝いに室戸を訪れた。

かつて高校野球には南四国大会があった。
高知県と徳島県の優勝校が甲子園出場をかけて試合を行うもの。
高知高校が出ようと徳島商業が出ようと、
(どちらの県の人も)南四国代表として応援した。

きょうは宿毛で仕事をし、夜は高知へと入った。
さて、どこへ食事に出ようか。
高知といえば、カツオだけれど、
高知市から120km離れた中村(四万十市)にも良く行くが
地元の方々とご一緒に飲食店を訪れている。
千里(地元の人気店)、なかひら(夕方水揚げしたカツオをさしみで出すビリビリ)、わかまつ(塩たたき発祥の店)、谷口、常連、喜川といった店を何度も訪問している。
特に、カツオや清水サバのさしみは絶品。テナガエビやアオサの天ぷらも欠かせない。
曼荼羅屋(中国料理)、喫茶ウォッチ、スナックまあくんなども良く行くところ。
だから、今回はカツオは見送りという感覚。

昼間だったら、
竹村さんの仕掛けた帯屋町の「土佐茶カフェ」にでも行くのだけれど。
(ひろめ市は好みではないので)

ひとりでの居酒屋は料理が頼みにくい。
今夜はパスタが食べたくなった。
ホテルから歩いて2分で良い店がある。
外を歩く人々を眺めるオープンカフェスタイル。

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店内はジャズが流れ、
選りすぐりのワインが置いてある。
料理は、緑色のパスタ(ジェノバ風リングエッティーネ)をいただこう。

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食通の芸能人も惚れた店という。
でも、気取らないのが高知の良さ。
初めて食べたけれど、味わい深い。
白ワインをグラスで注文する。
食の深さを改めて堪能する。

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次に、ご飯が食べたくなったので、
すぐ近くの店で梅茶漬けを流し込んでホテルに戻った。

朝は近所のカフェへ。
見つけたのは、これまた歩いて数分のところにあるあたたかい雰囲気の店。
モーニングは、玄米のおにぎり、自家製ドレッシングとマヨネーズ。

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飲み物には紅茶(ダージリン)を選んだ。
デザートは、マカロンまたは「ブリオッシュ」を選べる。
(フランスの発酵させた菓子パン。自家製のクリームをつけて食べる)。

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店内ではボサノバが流れていた。
いい曲だったので、女性スタッフにタイトルをお尋ねすると
(笑顔の素敵な女性で何度でも来たくなる♪)
ナラ・レオンの「Dez Anos Depois」というアルバム。
(70年代に彼女が10代で録音したらしい)

これが絶品。
二階の窓から朝の石畳の小径(おびさんロード)を眺めながら
ボサノバが淡々と流れ時間がひととき立ち止まる。
(自宅に戻ってからCDを注文した。さらに小野リサも)

↓ 以下のリンク先で視聴ができるので聴いてみては?





どちらのお店も
大切に時を紡いでくれる場所。
Web掲載についてお店の許可をいただいておらず
ご迷惑をおかけしないよう店名を掲載しないが、
検索するとすぐにわかるはず。


ところで、高知県では今年度から「龍馬パスポート」を発行している。
指定された施設を利用し、専用の台紙にスタンプを3個もらうと
パスポートが送られてくるもので、
高知県内の観光に関連する店舗や施設で特典が受けられるというしくみ。
一見すぐに3個集まりそうだが…。

ところが…。
これまで数え切れなくぐらい、
高知県内で宿泊と観光を行っているが、
どういうわけか、たった3個のスタンプが集まらない。

その理由のひとつは、しくみがわかりにくいことではないだろうか。
例えば、同じ施設では2個目は押してもらえないという縛りがある。
高知県の特産品を扱うまちなかの交流拠点&アンテナショップの
「てんこす」さんを応援したいが、
リピート購入はスタンプの対象にはならない。
(てんこすさん、「りぐり山茶」がずっと品切れですよ)
ところが宿泊施設ではリピートは対象となるなど複雑。
また、それぞれの店、施設では押印の条件が異なる。

そもそも、どの施設や店でスタンプをもらえるのか。
Webで賛助会員に記載されている高知市内のホテルに泊まった。
特典は受けられなくてもスタンプは押してもらえるだろうと思ったら
押印していないとのことであった。
(ホテルの責任ではなく、システムの告知のわかりにくさだろう)

定宿にしている県西南部のあるホテルはスタンプと特典の対象となっているが、
ホテルにスタンプの台紙がなく(見つけられないだけだったらすみません)、
これまで数十泊しているにも関わらず、押印は未だにない。
(龍馬パスポートが始まったのは最近なので、ここでのすべての宿泊が対象ではないけれど)

高知駅前の「土佐てらす」でもらったパンフレットを
隅から隅まで熟読して、龍馬パスポート(RYOMAの休日)を少しずつ理解できた。
ターゲットは、私のようなリピーターではなさそうだ。
(パスポートがなくても来県する)
では、初めて高知へ来る人か?
(初めての来県でパスポートが得られる人は多くないだろう。しくみがわからなければ)
では、いったい誰?


JR四国の特急(ローカル線を除く)には、
今年の始めから龍馬パスポート(RYOMAの休日)の告知シールが
シート背面の目に止まる場所に貼られている。
JR四国としても、大々的に本プロジェクトを押しているわけだ。
(岡山〜高知、岡山〜松山はドル箱なのだ)
私は四国内の長距離の移動にも公共交通機関を使うため
JR四国には月5万円程度は払っている人間である。

いつも苦心するのは、牟岐線と徳島線を乗り継いでも
瀬戸大橋からの流れ(高知方面、松山方面)に接続していないことだ。
例えば、徳島から高知へ直通の特急は存在しない。
そこで、阿波池田で乗り換えとなるが、
横の流れ(ローカル)と縦の流れ(ドル箱)がうまく接続しない。
言い換えれば、観光客も四国を周遊しづらいということ。

話がそれたが、JRで高知県へ向かう乗車も
スタンプの対象になるのではないかと思ったが、それはないようだ。
(割引の対象にならないことはシステム上の理由でわかるのだが)

関係者の方を批判しているわけではないのだが、
龍馬パスポートは、
高知県の観光要素を総花的に集めて
それらを一括りするタイトルを机上で後付した感がある。
でも、ひとつのキーワードには、ひとつの要素という
シンプルなプロモーションがわかりやすいのでは?

香川県のキャッチフレーズ「さぬきうどん県 それだけじゃない 香川県」も違和感がある。
さぬきうどんという最大の来県要素を掲げながら
するりとかわされた闘牛のような気分。
うどんめぐりをする人は、道を探しながら讃岐ローカルを楽しみつつ
適度に腹ごなしをしてうどん店をめぐる。
わざわざ、飛行機に乗ってやってきたからには名店をすべて廻りたいと思う。
うどん店めぐりの人たちの気持ちになって、
どんなおもてなし、ソフトがうれしいかを考え、
そこを徹底的に満足していただいてから
次の要素でのリピートにつながるのではないかと思うのだが。

ワン・フレーズ・ワン・ミーニング。
それが理念と行動を一致させること(軸)。

高知県内には自分のモノサシを持った個性的な人が少なくないが、
その人たちは複雑な観光促進のしくみをどう思っているのだろう。
高知県を愛するがゆえに聞いてみたい気がする。

路面電車は何を謝っているのだろう。実は「地名」。
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高知駅前で迎えてくれる龍馬をはじめ幕末志士たち。
「いつまでもわしらに頼っちゅう。いまのニッポンは21世紀のおまんらが立ち上がらなあかんぜよ」
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2012年07月28日

イタリアンジェラートの店 植物もいい


剣山の帰りに立ち寄ったのは、阿波市のドルチェ。
役場勤めを中途退職した女性が
「自然との共生」、「地域との共存」をコンセプトとし、
自然派志向のイタリアンジェラートの店舗を運営している。

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冷たいなかにもコクがある、あのジェラートを食べたくなるから
ときどき立ち寄っている。
以前、うちの父に紹介したら、
あまりのおいしさに、シングルを2個注文したことがあった
(もう彼岸に渡ってしまったが)

代表者の井原まゆみさんは地域への思いが深い人である。
ときどき立ち寄っては世間話(もちろんありきたりの話題ではない)をしていた。

ドルチェにやってきたら、ジェラートの写真を撮るべきであるが、
きょうは店内の観葉植物に惹かれたので。
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生きているもの、一つひとつが小宇宙だな。
共鳴のかたちが写真となった。

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タグ:剣山
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2007年11月12日

室戸の港町で、素朴だけれども思いがこみ上げるラーメン店に出会いました


室戸岬の室津漁港から狭い路地を入ったところに小さな食堂があります。
そこで、家族とともにおばあさんが近所の人向けに手料理を出しています。
秋晴れの一日、海沿いをはるばる百キロ以上を走ってきた
ぼくが注文したのは450円のラーメンです。

鶏ガラから生まれた透明なスープは、
わずかに醤油の香りを加えた塩味のあっさりとしたもの。
化学調味料は使っていないようです。
メンマではなくコキコキとした食感のタケノコに
本格的なチャーシューが浮かんでいます。
麺は業務用ではなく手打ちのような感じ。
あっさりとしながらホンモノのコクのある風味。

ラーメンというより、誠実につくられた食べ物をいただいているという感覚。
数十年変わることなく守られてきた山下のおばあちゃんが完成した素朴なラーメン。
ぼくがこれまで食べた、もっともおいしいラーメン、食べ物のひとつでした。
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店の名前は、両栄美人。
室津漁港の港町から狭い路地を歩いて探しました。
岬の漁港の路地裏でホンモノのラーメンに出会えた喜びを感じながら
クルマを南国方面へ走らせました。
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