2021年05月13日

食べるとむせるカップ麺 港屋を再現


剛柔織り交ぜて食べ物の話題をひとつ。
虎ノ門・霞ヶ関方面へ出張するときの定宿にしていた新橋愛宕山東急ホテルズの斜め前にいつも行列があった。
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そこはそば屋でそば屋らしからぬ内外装とメニューらしいのだ。
(その情報は検索すれば容易に出てくるので端折る)

いつもそこで昼を食べようとするけれど行列を見て諦める。
虎ノ門は食べる場所が背景人口の割に少ないように思う。
(新橋はかなりある印象だけど)
そこで虎ノ門ヒルズで糖朝の香港料理を食べることが多かった。
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2 種(エビ・野菜)ワンタン麺
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酸辣湯麺
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デザートのマンゴープリンも楽しみ
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そうでなければ魚定食専門店の美村であこうだいの焼き魚定食を食べるか。

ここ2年ほど東京出張がなくなって知らないうちに港屋は閉店してしまった。
一度も食べることができなかった。
美村も、糖朝虎ノ門店も閉店してしまった。
いずれも繁盛店だった。

コンビニでふと見つけた「港屋」の名前にときめいて当然だろう。
そしてわざわざ弁当に添えてみた。
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湯?
ご心配なく。掌に乗るようなイワタニプリムスのバーナーを持って行ったからね。

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やや甘めの濃厚なスープだけど香味油を入れた途端、最初に啜った一撃でむせてしまった。
どれだけ店の味を再現しているかわからないが、革命的な世界観は体感できた。
日常生活のちょっとした変化球ということで。

商品特長(日清製粉)
1. 麺
歯応えのよい、つゆとよく絡む太そば。
2. スープ
胡椒と和山椒に加え、花椒をきかせた甘い鰹だしの濃厚なつゆ。
3. 具材
大豆由来のカットチャーシュー*、ネギ、炒りごま。
4. 別添
特製「港屋 辛香るラー油」。辛さと香りで食欲を刺激します。

* 大豆たん白を主原料に使用し、豚肉のうまみや食感を再現した新開発の具材です。


参考記事
https://dancyu.jp/read/2021_00004149.html
posted by 平井 吉信 at 00:02| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2021年05月02日

素材を楽しむ菓子、素材を楽しむパン 手づくりの少量生産ゆえに


素材とはもともとの材料が持つ良いところ。
人間が心地よく感じるのは特に甘みだけど
脂分が幸福感を感じたり酸味が心地よさを演出したり。

年に1回ぐらいは採り上げているhowattoさんだけど
シフォンケーキ、ビスコッティについては以前にも書いている。
タグからたどれます)
今回はマフィンについてひとこと。

こちらでつくられている焼き菓子のなかでその集大成がマフィンではないかと。
誰がつくってもそれなりに食べられるお菓子だが
完成度を求めると難易度が上がる分野でもある。
howattoのWebサイトを見ると4月はイチゴ特集だったことがわかる。

howattoでは2つの素材を取り合わせて菓子にすることが多い。
その妙は店主の伊豆田裕美さんが菓子製造メーカーに勤務していた科学的な製造法への知見に支えられて天性の感覚が花開いたものだろう。

写真はイチゴのマフィンだが、マフィン素材の完成度の高さ、
人が菓子に求める幸福感とはこんなものだろうと思わせる。
(甘酒とクリームチーズとイチゴの組み合わせ!)
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イチゴはイチゴで近郊農家から直送してもらった鮮度の高いものを
菓子の材料として成り立つぎりぎりまで素材感を残している。
ここにさらに別の素材が組み合わされることがある。
口のなかでそれらが別々においしさを語りかけ
やがて混じり合って別においしさを合奏し
はかなくも消えていく余韻を楽しむ。
だからhowattoの菓子には上品は八女茶などの緑茶が合うように思う。

有機農園小七郎さんの甘夏を使ったコンフィチュール(これは初春まで)
いまなら完熟莓のコンフィチュールがもしかしたら次回も出されるかも。
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パンに置いて食べるのも悪くないが、そのままで食べて酸味を噛みしめるのも
人類の進化が見えるようで興味深い。
酸味とはそもそも腐敗を意味する記号であったはずが
いつどのような過程で心地よさに変わっていったかという。
炭酸水に入れて味わうこともいい。

howatto
徳島市中徳島町2丁目38
営業日:金曜
営業時間: 12:00-18:00
https://howatto.jp/
→ タグから過去ログを見られます


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徳島市内の中心部、新町川に近い場所で2020年5月にパン店を始められた方がいる。
北島大進さんと靖子さんの親子で天然培養酵母を使った素材を楽しむパンを提供されている。

大進さんが「あこ天然培養酵母」のパンに出合い美味しさに感動したことがきっかけで、東京で酵母の特性を勉強され、それまでの料理人の技術も活かしながらつくられている。
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生地そのもののおいしさを味わっていただくため、全粒粉・ベーグルの日、フランス生地の日、ライ麦とベーグルの日、ブラックフランスの日と日替わりで設定。
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ぼくの感想は、人類が初めて小麦に出遭ってつくったような感動を覚えるパン。
なかでも食パンが特に人気で昼過ぎには売り切れる。
パンは個装されて陳列ケースのなかにあるので接触感染とは無縁。

その生地の上に絶妙の取り合わせでおいしさが掛け算となっていく。
毎日食べても飽きが来ない素材系のパンは食べる歓びを感じるとともに
日々変化していくパンのかたち(素材の妙)。
西宮市の「生瀬ヒュッテ」にも優るとも劣らないと思う。

季節限定の桜餅パン
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ミックスシードイングリッシュマフィン
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ライ麦カンパーニュ
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ブーランジェリー・コパン
https://peraichi.com/landing_pages/view/copan
住所:徳島市西船場町5丁目5−1 越後屋ビル1F                
電話:080-6395-1444
定休日:木曜日、金曜日

このふたつのお店に共通しているのは細やかな心配りがあること。
素材の良さのうえに取り合わせの妙、というのもそう。
その延長線上に当然のこととして感染症対策がある。
Webでていねいに情報発信されているのも共通項。
店の世界観は伝わるよね。

ただし手作りで量産できない点も共通点。
店もお客も一期一会だから感動があるともいえるけど。
この二店に限らずコロナ下で商品を提供されている小さなお店は買って応援しよう。
posted by 平井 吉信 at 10:42| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2021年01月03日

鳴門わかめの生産・加工業者 うずしお食品さん 応援しています


本日の徳島新聞にうずしお食品の取り組みが掲載された。
それによると、同社の後藤専務は鳴門わかめの品種改良のため
2010年に三陸のわかめ産地を視察して株を分けてもらっていた。
翌年に震災で三陸のわかめ生産者は壊滅的な被害を被った折
後藤さんは鳴門で培養していた種を届けるため三陸へと向かった。
以来、毎年のように三陸の生産者を訪ねては復興を見守っている。

鳴門と三陸はワカメでは競合する産地であるが
互いに技術交流をするなど切磋琢磨と励まし合いつつ年月を積み重ねている。
三陸の生産者は「南海トラフで大きな被害が出るようなことがあれば鳴門に支援に駆けつけたい」という。
どちらの産地も栄えて欲しいと願わざるにはいられない。

ワカメ生産者が直面する課題はいうまでもなく地球温暖化による高水温化である。
しかし徳島の沿岸の藻場を見る限り、そればかりではないと思われる。
海の栄養価が下がった結果、藻場が少なくなったこと、
そして温暖化で磯に定着する魚、
例えば、チヌ、グレ、タイ、ボラ、スズキ、アイゴなどが
冬に近い時期まで藻を食するようになった。
つまり貧栄養化が主要因でそれに輪を掛けているのが高水温化という構図ではないのだろうか。

貧栄養化の原因としては河川の浄化があるだろう。
それ以上に山の荒廃とダムの整備で大水がでなくなったことが大きいのではないか。
吉野川河口の長原漁協の漁師から伺った話だが
かつては吉野川の洪水で黒っぽい水が海まで流れてきた。
それを「土佐水」と呼んで海苔が成長すると歓迎したとのこと。
いまや土佐水は流れてこないのかもしれない。

話をうずしお食品さんに戻そう。
後藤専務はワカメの産地の将来を見据えて研究と実践を重ねておられる。
うずしお食品は鳴門市の里浦地区に漁業権を持っておられるが
そこで採れるワカメはきわめて良質のもの。
そしてそれを冷凍して届けている。
一度でも同社のワカメを食べたなら、これが同じワカメかと呆然とするだろう。
調味料は要らない。そのまま食べておいしい。例えるとワカメのさしみ。
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鳴門わかめには産地偽装が相次いだ黒い歴史があることはご承知のとおり。
(中国産を混ぜる、ひどい場合は中国産そのものであったりする)
県の指導で「鳴門わかめブランド回復緊急対策部会」を設置して
産地偽装が発覚すれば自主廃業というルールを敷いたが
それ以降も加工業者による偽装が相次いだ。
(他の産地の業者ならともかく本場の事業者が産地偽装するなんて)
開いた口がふさがらない。
徳島にいながらも
鳴門わかめの包装を見てそれがほんとうかどうか信じられないなんて。
(加工業者の脱税の噂も後を立たない荒っぽい業界である)

後藤専務はそんな事態に憤慨し、
産地の将来を考えて心を痛めておられたのではないかと推察する。
誠実に、そして科学的な洞察を交えながら
信念を持って経営しておられる同社のような会社を応援せずにはいられない。
(品質向上のためライバルの三陸の生産者の門戸を叩いたり窮地に陥った三陸へ支援の手を差し伸べる姿勢からも伺える)
ほんとうにおいしいですよ、うずしお食品のわかめは。


(参考)
徳島県は「徳島県鳴門わかめ認証制度」を打ち出した。
http://www.naruto-wakame-ninsyou.jp/approval/company/

有限会社うずしお食品は認定第一号となっている。
(以下、県のWebサイトから抜粋)
昭和52年創業の、鳴門わかめを取り扱う徳島県鳴門わかめ認定制度第一号認定企業です。 生産者から直接仕入れ、自社工場でボイルから行い、トレース管理、衛生管理を徹底した湯通し塩蔵生わかめ・茎わかめの製造・加工販売を行っております。

http://uzushioshokuhin.co.jp/
タグ:鳴門
posted by 平井 吉信 at 21:03| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2020年11月29日

ゆこう真っ盛り 勝浦川流域の宝物 今年は豊年


(ゆこうについてはタグで過去記事をご覧ください)

さてと2020年、ゆこうの青果(果実)が出回るようになった。
上勝町のいっきゅう茶屋、勝浦町のよってね市で入手できる。
今年は生産者から直接分けていただくこともできた。

木成りの果実からはふんだんに果汁が搾り出されて
朝食のあと、絞り器を使い、蜂蜜を落として湯で割る。
(ああ! これ以上なにが人生に必要か?)
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含みのある香り、鮮烈だけれどまろやかとも形容できる。
まったりとしているが、濁りのない透明感。
口内の唾液の泉の詮が抜けて心地よく潤う。
徳島大学の研究で口腔環境を調える効果、他の香酸柑橘にはない腸内バランスを整える作用があることもわかってきた。2020年はゆこう飛躍の年になる。
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上勝町産、勝浦町産、徳島市産…。いずれも甲乙付けがたい。
意外にも徳島市産がよかったが、どれをとっても満足。
今年は質量ともゆこうの当たり年かもしれない。
タグ:ゆこう
posted by 平井 吉信 at 00:05| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2020年11月21日

「毎回」異なるメニューなのに…。素材系焼き菓子店howattoの秋は深まる


地元の素材を使った焼き菓子というのはどこにもあるのだけれど
この店は毎回高い水準で商品を揃えてくる。
「毎回」というのは、金曜のみの営業でありながら
同じ商品ラインナップはほとんどないという企画のとんがりである。

11/20(金)のhowattoのメニュー
カットシフォンケーキ
・新鮮卵と牛乳
・キンモクセイ
・レモンヨーグルト
・エスプレッソと栗
・いちじくと紅茶
ホールシフォンケーキ(新鮮卵と牛乳)
栗のガトーショコラ
ビスコッティ(プレーン、バジルチーズ)
カフェオレとカシューナッツのサブレ
ココナッツと佐那河内みかんのサブレ
シフォンラスク
スコーン(プレーン、ビーツ)
マスカルポーネとみかんのマフィン
実生ゆずのコンフィチュール


地元の素材を自らの目と舌と相手の人柄も見ながら選んでいる。
売るための素材(マーケティングの差別化)ではなく
納得したものを使っているという姿勢。
そしてそれを菓子として完成の高い領域に持って行くプロ意識。

例えば、ゆずを使った菓子はちまたにあふれている。
そのどれもがおいしいが、どれも似たような感想だ。
(ぼくがつくってもそれ以上のものはつくれそうな感じがする。自作の梅干しや梅酒は高価な市販品に負けている気がしないので)

ところがhowattoでは素材の特徴をどのように強調しどのように引っ込めるかを試行しながら菓子としての高い完成度に持って行く。

例えば机の上に置かれていた焼き菓子を子どもが戻ってきてほおばるとする。
その途端、既存の菓子との違いに気付く(もちろんうんちくは知らない)。
店主であり企画製造を行っている伊豆田裕美さんに話を伺うと
毎回、「こんな菓子は食べたことがない」と驚きの感想が寄せられるという。
howattoの菓子はInstagram映えはしないが、それがホンモノたるゆえん。
(おいしさと見た目は比例しない。むしろ反比例する)

数ヶ月ぶりに店に立ち寄って購入したのは4品(約1800円)
・実生ゆずのコンフィチュール(木頭産のゆず、砂糖)
・金木犀のシフォン(卵、砂糖、小麦粉、牛乳、植物油、自家製の金木犀、塩)
・ココナッツと佐那河内みかんのサブレ(国産小麦粉、バター、砂糖、卵、ココナツ、佐那河内のみかん、塩)
・みかんとマスカルポーネチーズのマフィン(国産小麦粉、卵、バター、きび砂糖、クリームチーズ、徳島県産みかん、マスカルポーネチーズ)
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毎回のテーマはブログで事前に告知されているが
今回は実生ゆずのコンフィチュールのようだ。
https://howatto.jp/%e5%ae%9f%e7%94%9f%e3%82%86%e3%81%9a%e3%82%92%e3%81%94%e5%ad%98%e3%81%98%e3%81%a7%e3%81%99%e3%81%8b%ef%bc%9f/

徳島県木頭地区(旧木頭村)と高知県馬路村は全国屈指のゆずの産地である。
なかでも実生ゆずのすばらしさについては木頭村の人たちから聞かされていた。
当時の村長、助役のご依頼で(株)きとうむらの役員となっていた頃の話である。
(株)きとうむらはダムに頼らない持続的な村の発展を担うべく特産品のゆずなどを活用した特産品開発と販売を手がける会社である。そのゆず製品が通販生活の冒頭に掲載されたこともあるなど良質の製品をいまも供給している。

助役はこの第三セクターの責任者であったが、当時の木頭村はダム建設反対を掲げて国と対峙する厳しい状況にあった。経営の先行きを考えて思い悩まれてのことと思われるのだが助役は自ら生命を絶たれた。痛恨の極み。そのご子息が思いを持って立ち上げた企業が上場して故郷にキャンプ場、ゆず製品の製造販売を行う会社を相次いで設立して父の思いを叶えようとされているのはご存知のとおり。
その物語が2020年11月書籍化された。
奇跡の村 木頭と柚子と命の物語

さて、このコンフィチュール、パンにつけてもヨーグルトにかけてもいいが
そのまま食べるのが良いように思う。
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ゆずの強い個性が消えて純度の高い酸味と対照的なやわらかな甘み、それに蒸留されて純度が高まったような香り。
時間とともに口のなかで千変万化の移ろい。
だからそのままスプーンですくって味わうに限る。
(伊豆田さんによれば調理ではなくもともとの実生ゆずの個性のようだ。ぼくはゆずとゆこうの良いところを両取りしたような気がするのだが)

次にみかんとマスカルポーネチーズのマフィン。
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柑橘の酸味と香りはトッピングだけでなく生地にも感じられる。
もともとの生地にはコクがあり、上品な口溶け感で消えていく。
そこにチーズがつなぎを果たして豊穣な味わいを余韻として付加する。
毎週毎週異なる菓子を企画(試行錯誤)していたら体力がもたないのではないかと思える。
お菓子の価格は決して高くないが、そこに込められた作り手の思いは深い。
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howattoの定番といわれるシフォンとサブレはまた後日に。
三連休に紅茶、コーヒー、緑茶と合いの手を変えながら少しずついただこう。
(でも次週には同じものはないのだ)

金曜午後のみ営業の焼き菓子店howatto
https://howatto.jp/
(予約もできるので売り切れは回避できる。次回は栗の特集のようだ。)

追記
翌日、金木犀のシフォンとココナッツと佐那河内みかんのサブレをコーヒーと紅茶でいただいた。
シフォンはムースのような口当たり。
そして素材の風味が口内をしばし漂いはかなく消えていく余韻を味わえる。
サブレはもっと積極的に舌になじみながらコクを伝える。
けれど次の瞬間にはもうそこにない。
時間の刹那を感じる焼き菓子である。

タグ:howatto
posted by 平井 吉信 at 12:49| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2020年10月10日

川辺で弁当を食べる番組のロケをやっているんですか?


そう聴かれても不思議でないぐらい川辺で弁当を食べていますが
仕事ですよ。

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那賀川のほとりで手作り弁当。
五分づきの米、自作梅干し、ちぎり海苔と前日のあまりものでお手軽につくれる。
香酸柑橘をイメージさせるトレイ(盆)はセリアで買ったもの(100円+税)。

一仕事を終えて次の仕事へ向かう間のしばしのくつろぎ。
一期一会の仕事だから。
タグ:弁当
posted by 平井 吉信 at 17:52| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2020年08月16日

暑い夏も梅干しも歓迎


二番煎じはいけない、と思いつつ、
なじみがある流れは読者も楽。

梅は美郷産。標高が高い農園などでは農薬は最小限にとどめている。
いつも美郷物産館に出品されている生産者から買っている。

なぜ梅干しをつくるのか。
それはおいしい梅干しが食べたいから。
産地を求めてあちこち出かけたが
市販の梅干しでは満足できなかった。

ぼくの求める梅干しは干からびた塩の干物ではなく
もっと果実感のあるもの。
蜂蜜や旨味成分は使わず
塩だけで旨味を抽出しながら
心地よい酸味と果実のみずみずしさを残したもの。
塩分濃度20%は高いが、下げすぎると旨味が抽出されにくい。
(保存性については減塩しても問題ない製法としている)
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そこで辿り着いたのは
鮮度の高い梅を使うこと、
塩分濃度を下げつつも旨味の抽出に焼酎を併用すること。
紫蘇は不可欠だが使いすぎると紫蘇風味が優ってしまう。
これらの要素を加味してつけ込んだもの。

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コロナ禍で外食の機会が極端に減少している。
利用したいのだが感染症対策を万全にされているお店が少ない。
(助言を求められたら喜んで方策をお伝えできるけどお節介はできない)
そこで弁当をつくって持って行く。

基本は米。
地元の自家用米で定温庫で保管されているものを玄米で分けてもらっている。
これを毎日精米して5分づきで食べる。
(精米機は山本電気を使っている)。
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手早く研いだら冷蔵庫で一晩浸水させる。
白米と違って浸水時間が長くても悪影響はないように思う。
冷たい水で炊飯器に入れたら白米モードで炊く。
ときどき梅干しを入れたり蜂蜜を入れたり茶葉を入れたりして炊飯の香りを愉しむ。

弁当箱にはパストリーゼ77を噴射してこの米を敷きつめ、
自作の梅干しを置く。ここに前日の余りものとか当日朝につくった何品かを添えるが
基本は米。

サーモスの保冷バッグに保冷剤を入れてその上に弁当箱を置く。
これなら食中毒の怖れは少ない。
(市販の弁当も夏場は怖い。食材からつくって持参まで自分の管理下におけると安心)

そして極めつけは梅酒。
泡盛(久米島の久米仙35度)か米焼酎(球磨焼酎35度)でつけ込む。
こちらは梅干し以上に素材は成果と直結するので梅の鮮度は重要だ。
だから生産者が採ってきて籠に入れた出荷前の梅を分けていただいて
その日のうちにつけ込む。

市販の梅酒は甘すぎるうえ雑味があっていかに冷やしてもおいしくない。
自作の梅酒は理想に近づけるので常温でも十分にうまい。
一口飲めばすっきりと細身に思えるが
実はそのなかにふくよかな梅の果実感が漂い
いくらでも飲めてしまうというできばえ。

エアコンがなくても夏バテしない、
むしろ気温が上がるほど絶好調という体調管理の背後には
自作の梅酒と梅干しがある。

暑い夏も梅干し(梅酒)も歓迎だ。
タグ:弁当
posted by 平井 吉信 at 22:30| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2020年06月27日

悠久の時間に浸る杉香庵 中国茶(白茶)を神山で味わう


神山町の梅の里、阿川地区。
集落の中心には二宮八幡神社がある。
小径を隔てて隣接する古民家に中国茶の喫茶(試飲)ができる場所がある。
地元で山茶(自生茶)を管理しながら白茶を生産されている方がいらっしゃるというので
お話を伺いに訪れた。

石田祐史さんは徳島市のご出身であるが事業の機会を求めて中国大陸に渡り
香港と深センで日本の茶道具を販売しながら中国茶の魅力にも触れてこられたという。
現地の政情不安もあって日本に戻るときに神山町を紹介され、阿川地区の古民家を見て移住された。
神山町内には生産者の高齢化で放置された山茶の自生地も少なくない。
石田さんは自ら茶葉を生産しつつ中国茶の製造に取り組まれようとしている。

中国では同じ茶葉から製法によって6種類がつくられ、色に例えて呼称される。
緑茶(無発酵)→白茶・黄茶→青茶(ウーロン茶など)→黒茶(プ−アル茶など)→紅茶(完全発酵)となる。
これらは非発酵、微発酵、前発酵、後発酵と発酵によっても分けることができる。
阿波晩茶は乳酸菌の作用による後発酵で中国では黒茶に分類されるもの。腸の健康に良い成分が豊富とされる。
医食同源の思想を持つ中国では茶は飲料であり薬でもある。
特に消化器系を利するといわれているため、冷たい茶は飲まない。

三国志の時代の燭の国(いまの四川省成都)では喫茶の文化があったと伝えられる。
(卑弥呼よりやや前の時代である。赤壁の戦いや諸葛亮孔明が卑弥呼より古いなんて)
中国は世界の茶のルーツとなっているが、
なかでも西南地方の原住民ではないかといわれている。
茶には鉄分やタンニン、カフェイン、ポリフェノールなどが含まれ
飲むことで神経を高ぶらせたり静めたりする作用が知られていたのではないか。
唐代の茶の研究家陸羽が著した「茶経」はその原点とされる。

石田さんが取り組む中国茶のなかで力を入れているのは白茶(微発酵)である。
白茶は揉まないことが特徴で茶葉はそのかたちを残している。
茶葉を自然に発酵させたあと天日乾燥されている。
今年できたばかりの白茶茶葉を分けていただいたので
さっそく飲んでみた。
抽出はガラス製の紅茶ポットで緑茶と比べてやや高めの湯温で抽出している。
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茶とは風土の凝縮であり、それをつくる人の思いであり
湯によってそれらがじわじわと溶け出して風味をつくりだしている。
石田さんの白茶はダージリン紅茶で鼻に抜けるあの茶葉の生っぽい香りと
口に含めばやさしい味わいが感じられる。
(ほのかな甘み、というよりはさらに包み込む余韻のような甘み。これが白茶なのかと…)

阿川地区は神山町でも梅の里として知られ
由緒ある古民家や蜂須賀家の別荘などがあった場所でもある。
集落の中心には小学校の跡地と二宮八幡神社がある。

石田さんの杉香庵(さんこうあん)は二宮八幡神社に隣接する場所で
道から少し入った閑静な場所にある。
杉香庵は古民家を改修して喫茶(試飲)のできる店舗と製茶場がある。
その場所は山懐に溶け込むように山茶の自生地に囲まれてある。
軽自動車がやっと通れる路を上がっていくと見えてくる。
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近づいていくと石田さんの世界観が現れる
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門をくぐる頃にはすでにこの地の雰囲気に浸っている感じ
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試飲と販売の場となっている場所。
石田さんが現地で目利きをしてきた中国茶を、
ご説明を受けながら試飲ができるかもしれない。
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年代ものの黒茶をいただく。
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場合によっては百年に達するものもあるという。
カビを取り除き最初の数煎は湯を捨てる。
十煎を越えてもなお風味が濃厚で
枯れていくにつれて強い風味の陰に隠れていたやさしい甘みが顔を出す。
机が濡れているのは専用の茶卓でここにこぼすため。
(年月の経過で茶渋で色が変わっていくのが味わい)
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蜜柑の皮を干したものを漢方薬では陳皮という。
陳皮で茶を立てる人はいるが、蜜柑の中をくり抜いて茶葉を入れておくことで柑橘の香りが愉しめる。
これを小青柑(シャオピンカン)という。神山の柑橘を使ってつくられる。
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山紫水明の印象をかたちにするのが逆流香。
通常の香は煙が上に上がっていくのに対し、下方に沈んでいく。
そのさまを滝や雲海に見立てることがある。
そのときに使う道具を香炉という。
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これを見ながら茶をすすってみたらどんな気分だろう。
神山は杉の産地でもあるが
地元産の杉を粉砕して固めた逆流香(写真でどんぐりのようなかたちのもの)は石田さんの手作りによるもの。
杉の粉末を固めただけで薬品は使っておらず、香りを愛でながら地域資源の有効活用にもなっている。

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ここにいると四季折々の野鳥が声を立てる。
庭から風が入り込んで草の匂いを漂わせる。
目を閉じて茶をすする。
幸福の定義が身体に吸い込まれていく。

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石田さんは日本の茶道具の骨董を集めておられる。
また、畳2枚ほどもある見事な山水画も拝見。
中国茶に関心のある方はご訪問されてみては?

杉香庵
神山町阿野地ノ平143-1(二宮八幡神社隣)
月曜定休
090-6487-3478
(石田さんは製茶などの作業をされていることがあるので行かれる際はお電話で石田さんのご都合をお確かめください)

神山町阿川の里については以前に訪問したブログをご覧ください。
→ 阿川梅の里 神山 梅がほころび桃源郷のきざし

posted by 平井 吉信 at 11:33| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2020年02月09日

異国の料理を徳島で味わう


出張先で朝のニュースを点けたところ
ジョージア(グルジア)料理が話題になっているとのこと。
それなら帰りに寄ってみようと決めた。

松屋の徳島店に入店してまわりを見回してみると
誰も食べていない。
やはり定番の牛丼や牛肉料理がメインのようだ。
でも、きょうはあれを食べると決めている。

シュクメルリという料理。
鍋のほかにご飯、みそ汁、サラダがついて790円(シュクメルリ鍋定食)
https://www.matsuyafoods.co.jp/matsuya/news_lp/200112.html

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素材は、ホワイトソース、チーズ、ニンニク、鶏肉、サツマイモとなじみやすい。
(ぼくは乳製品はほとんど食べないのだが、料理で出てくるのは嫌ではない)
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運ばれた時点で火が通っているのだが
チーズをぐつぐつさせるねらいで携帯燃料が添えられている。
いつまで経っても熱いので猫舌の人は少々食べがたいと思う。

ここで数日前の会話を思い出した。
ぼくは熱いモノを舌の上に載せるのは平気なほうである。
(ただし咽頭や食道の損傷を考えると望ましくないのである程度は冷ましている)
ところが同席した人は熱くて食べられないという。
この理由は何かを話し合ってみた。

この人は魚の小骨はうまく識別するというが
ぼくはまったく苦手でどんなに注意深く食べても
咽や歯茎に突き立ててしまうか
違和感を覚えて食欲をなくしてしまう。
だから小骨の多い魚は苦手なのだ。

その人は舌の先で食物に触れるといいという。
舌先は敏感なので骨を識別しやすいとか。
それは生涯の習慣なので何を食べるときもそうしている。
すると熱いモノは苦手(猫舌)となるという仮説。
つまり猫舌とは舌の熱さに対する感度の違いではなくて
使う部位の感度ではないかという仮説。

そういわれるとぼくは舌の真ん中当たりが最初に接しているように思う。
だから熱いモノは平気だが魚の小骨が見分けられず、あいたた、となるのかも。

さてお味はというと、この料理は日本人に向いている。
何か身構える必要はない。
鶏肉も火が通っているので
ぼくが年末にどこかの店で食中毒に当たったようなことにはならない。
日本的なみそ汁をつけてサラダを添えれば万能の食事となった。
ジョージアの家庭的な味を全国FCでしかも本邦初の試みで紹介した心意気。
posted by 平井 吉信 at 11:55| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2020年01月23日

外で食べる 内でつくる


おにぎりカフェはいまの時代に求められる事業と考えている。
四国での先鞭はゆういんぐ四万十。
売れる日は一日800個も販売することがあるという。
ぼくも店前を通る際に地元の仁井田米を使ったおにぎりを買い求めている。
良い景色のところでゆっくりと噛みしめるのが楽しみ。

今回四万十町(窪川)での仕事の前に立ち寄ったら
セリにぎりというのが販売されていた。
売り切れていたが、セットであったのでそちらを求めた。
5分ほど場所を移して四万十川の畔のひだまりでいただいた。
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悪くないけど、出汁に含まれる化学調味料が惜しい。
(米の旨味を覆い隠しているように思えるのだ)
仁井田米は塩だけで食べるとおいしいと思うが
塩にぎりは販売されていない。
芹の香りを活かすためにも余分な味の足し算はしないほうがいいと思う。
(いつも買っている人間の意見として書いています)


ところ変わって徳島県南部の大砂海岸。
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行きつけのお店が臨時休業だったので
牟岐のコンビニで買った弁当をここで広げてみる。
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(セブンイレブン 三元豚のねぎ塩豚カルビ弁当 麦飯)

おだやかな波間に浮かぶ筏はなんと有料の釣り場のようだ。
ひねもすのたりのたりかな…のいい天気。
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追記
年末から年始にかけて体調を崩していたが
かかりつけ医で検査してもらった結果を先日いただいた。
鶏肉に由来する食中毒であった。

その二日前に阿波尾鶏を自分で調理している。
どんなに多忙でも家にいるときはなるべく台所に立って
買い出しから後片付けまですべてやる。
いま流行のハイテク家電はなくてガスと電子レンジ中心だけど
大概は半時間以内にやってしまう(洗い物も)。

うちはシンクが一つしかないので
洗い物は机の上から持っていってそのまま洗って食器置き場に置いている。
(残飯トレーのあるシンクに置いておくのは不衛生)

先般の鶏肉も50分はじっくり火を通している。
(実際に家の者は誰も当たっていない)

思い当たるとしたら発症するほぼ一日前に
人口1万人ぐらいのまちの弁当チェーンで買った鶏肉の弁当。
遅い時間だったのでコンビニで弁当を買うつもりで
宿からまちの中心へ向かっていると弁当チェーンがあったので
予定を変更してそこで鶏肉の弁当を買った。
(でも入店したときちょっと躊躇した。暗い照明の厨房で生気なく料理されている雰囲気を感じたから)

鶏肉はそれしか考えられないし時期からしても間違いないと思うけれど
実際に検査を行っていないので風評被害にならないよう地名と店名は書かない。

うちではまな板は3種類。
包丁は4種類で、肉魚専用、野菜専用、果物専用、小物用と使い分けている。
カレーは食べ終わると熱いままタッパーに入れて急速冷凍。
調理中に何かに触れればすぐ手洗いをする。
食中毒には気を付けている。

かかりつけ医がおっしゃった。
運がなかっただけ。年末は厨房が忙しいので多いのですよと。

実際に包丁やまな板、菜箸を分けているか
肉の保管時の温度管理はどうか?
調理時の中心部の温度はどうか?
手洗いの状況はどうか?などわからない。
マニュアルがあったとしてもわからない。

これでほぼ一週間体調を崩したので
(管理の様子が)目には見えない外食や惣菜の怖さを改めて知った。

仕事で食べる時間がなかったら
スーパーで山崎パンを買っている。
生産管理がしっかりしているメーカーで
震災時の活躍など企業の姿勢を評価しているので。
(アップルパイとかランチパックとか)

自宅で短時間で調理をするのは旬の食材を使えること、
手間を掛けず安く仕上げること、
健康への配慮や料理を楽しむことも目的だが
安心して食べられることが大きい。

餃子とウィンナーのポトフ(調理時間20分)
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トマト缶詰でつくった煮物(調理時間20分)
(減塩でほとんど塩は使っていない)
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カレー風味の野菜煮込み(調理時間20分)
(電子レンジとハリオのガラス容器で調理時間を短縮する。煮こみすぎないのがおいしい)
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四万十ポークの豚しゃぶサラダ(自家製たれ、調理時間15分)
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豚肉ともやしの焼きそば
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ナスのみそ炒め
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いずれも減塩で塩はほとんど使っていない。
化学調味料や出汁も使っていない。
それでも素材からにじみ出る旨味を堪能できるようにしてある。
どんどん食べられるのは風味の不要な足し算を行っていないから。
posted by 平井 吉信 at 12:53| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2019年12月22日

生姜は生姜、お菓子はお菓子と思っていたけど、生姜がお菓子に生まれ変わってもっと生姜になる


生姜とお菓子というと素朴な感じがある。
洋の東西を問わず昔からつくりつづけられている定番のお菓子。
でも食べる前から想像が付くという感じがあって
特に新鮮な驚きはないという感覚。

ところが生姜を使ったマフィンをいただく機会があって
その仕上がりに書きたくなったのだ。
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その店はこのブログでも何度か紹介している店で
金曜午後のみ営業の菓子店。
howatto(ほわっと)徳島のシフォンケーキとビスコッティ=旬の素材の焼き菓子専門店
https://www.howatto.jp/

販売と同時に売り切れることもあるらしいが
客足の落ち着く午後3時ぐらいを見計らって店主の伊豆田裕美さんに伺ってみた。

自宅の畑でお母さんが育てている生姜を使っているとのこと。
ご存知の方もいらっしゃるだろうが
一般的な生姜は大量の農薬を使って栽培されている。
家庭でつくるにはなかなかハードルが高いのだ。
ところが小さな規模で土を休ませながらつくると
農薬不使用でも立派な生姜はできる。
この生姜を使っている。

まず素材そのものの力がある。
生姜のぴりっとする感じが強い。
これを菓子にしたらどうなるだろう。

ご本人もブログでこう振り返っている。

生姜のやや刺激のある辛さを砂糖で抑えきることはめざしていません。
まずほのかな甘みがあって、これはおいしいって感じていただけると思うのですが
さらに舌の上でぴりっと感じる生姜らしさが持ち味。
素材の持つ意味を翻訳して、菓子のバランスに気を配りながら
おいしさに変えるのがhowattoの使命と感じています。
だから、ぴりっとが特徴でも甘さが目立つのでもなく
生姜という主人公をお菓子という舞台で再生させてみる―。
そんなお菓子ができました。


これらの生姜がジャムになり
紅茶とスパイスでチャイシフォンになり
今回いただいた香ばしいマフィンになる。


火を入れると生姜はその性質がおとなしくなり、
一緒に入れたバターや小麦と相まっていっそう香ばしくなる。
生姜の菓子は生姜の風味が支配してしまいがちであるが
伊豆田さんの菓子は生姜の個性が鮮鋭になっていながら
むしろ生地のおいしさを引き立てる。

地元の素材を活かす、というのはどこの菓子店でもうたい文句にしているが
一度伊豆田さんのを食べてみれば素材の真髄を活かすことの意味が見えてくる。

それは素材に覆い尽くされず
素材の良さを抽出して(良さを先鋭化して)
元の生地の良さをさらに高い次元に上げるという試み。
(これまでも栗の渋皮煮をはじめ、地元の素材に光を当てておられた)
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ここでも生姜風味に支配されずに
生姜の存在を浮かび上がらせた希有の菓子なのだ。
残念ながら2019年の販売は本日の午前で終了らしいが
来年の営業開始日に足を運んでみてはいかがだろう。


タグ:howatto
posted by 平井 吉信 at 11:01| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2019年12月13日

出張から戻ってくると地元の飲食店に立ち寄りたくなる


まずはチェーン店から。
餃子の王将小松島店では、
チョイスセット(ご飯とニラレバもしくは酢豚、スープの組み合わせ)を選ぶ。
これで600円ぐらい。
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量を食べたい人が注文しているのは小松島セット。
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厨房に活気と手際の良さがあり、いつも混み合うが足を運んでしまう。
(FCでも味が違うのはご承知のとおり。小松島店は客の入りが証明している)

松屋 常三島店(徳島市)

12月に入って「創業カレー」というのが売りに出されたので
徳島I.Cに乗る前に立ち寄ってみた。
これはいい。
限定のごろごろカレーは程良いピーク感をもたせたメリハリ型だったが
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カレーの王道を行くなめらかさ、そして後味の良い輪郭感(スパイス)。
大盛りが590円で売られている。みそ汁もついてくる。
(カレー通と普通のおいしいカレーを求める両方に受けそう)
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牛鍋膳
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創業ビーフカレギュウ
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コメダ珈琲店
居心地の良さは格別の店
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コンビニのイートインで勉強する子どもをよく見かけるようになった。
行くところがなくて地方の駅周辺でたむろしている学生が多いということを
あちこちのまちの役場で聴いた。
もしサードプレイスというコンセプトがあったら
この店がもっとも近いだろうなと思う。
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続いて地元の単独店、個人経営のお店から。
まずは、讃岐うどんしろちゃん(小松島市)

昨年創業された若い店主城田さんが開いたうどん店。
まじめでこつこつのお人柄。
ここでは店主の思いの籠もった天ぷらもしくはイカを付けるのがおすすめ(うどんとは別皿)。
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イカは日本海産でやわらかく味が濃厚。
ていねいな旨味の詰まった出汁とデンプンがアルファ化したやわらかいうどん。
(堅い麺にしょうゆをかけて食べるスタイルはおいしさを感じない。やはりうどんの真打ちはかけうどん。10分どん兵衛に通じる世界観)
注文を訊いてから茹でるので最低でも20分はかかる。そこがいい。

桃李(阿南市)
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直心庵(石井町)
コメントの要らないおいしさ。会社の食にかける熱意の賜物。
「季節のそば」
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定番の天せいろ
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街の食堂 大地

元気で快活なマスターの声が聴きたくて毎週通っているランチ。
北海道のジャガイモを使ったコロッケが売りだけど何を食べてもおいしい。
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朝昼ときどき晩ご飯Door
徳島の食材を把握して深めていているのは曽谷さおりさん。
生産者から直接調達した地元食材を使った定食がいい。
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店名の由来となったアンティークなドアをあしらった壁面
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オサンポカフェ
ドラマに出てきそうなお二人が奏でる居心地の良さ、
そして誠実でていねいな手料理にほっこりする
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みなみ食堂
日和佐の薬王寺前に開店されて2年。
以前にもご紹介してアクセス数の多いコンテンツとなっている。
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みなみ食堂さんは数日前に予約して夜のコースも楽しまれてみては?
心地よい時間を過ごすことができるはず。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ご紹介できたのは一部に過ぎないけれど
すべての飲食店さんのご繁盛をお祈りいたします。
小松島のお多福食堂さんはその後どうだろう?
山盛りのキャベツとトンカツのコク、心からの満足感を味わった地元の名店。
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ご当地のおいしいものをいただく出張もいいし
地元の飲食店もいい。
おいしい店って気取らない。
料理に見映えは要らない。盛り付けは飾らないほうがいい。
(おしゃれな店での飲食は遠慮したい。「入ってもいいんですか?」と訊ねてしまう)
だからついつい気取らない店に行ってしまう。
(清潔感がある店内とお人柄が好きで)
posted by 平井 吉信 at 12:21| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2019年11月17日

紅葉の仁淀川と安居渓谷番外編 道の駅633美の里 森の小さなお菓子屋さん


道の駅633美の里(むささびのさと)は
四国を縦と横に横断する国道(194号、439号)が交差する近くにある。
目の前には仁淀川支流の上八川川が流れている。
(仁淀川が上流のダム群で瀕死となりながらも清流たりえるのは土居川と上八川川の存在が大きい)
須崎から佐川、越知、鎌井田、池川を経由して大豊I.Cへ向かう途中で
お腹が空いたとしても
周辺にはコンビニはもちろん飲食店がほとんどない。
距離は長いが快適な運転の合間に
ふと止まりたくなる絶好の場所にある。
(四国の道の駅でもっとも好きな場所)

まずここでは山茶を探す。
地元ではほうじ茶が日常の茶のよう。
りぐり山茶もここで常時手に入る。
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次に食堂で昼を食べる(山里定食)。
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食堂の入口にある「森の小さなお菓子屋さん」ではパイを買う。
パイには、さつまいもとかぼちゃがある(ともに地元産とうたわれている)。
この手のお菓子は砂糖の含有量が多いものだが
原料は、さつまいも、かのこ豆、白あん、バター、卵、小麦粉、砂糖、マーガリン、ラム酒で、
さくっとした外皮と穀物の甘さが程良く何個でも食べられそうである。
(かぼちゃはさつまいものところが入れ替わるだけ)
運転のお伴におすすめしたい。
(1個150円)
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によどぶるぅ、というシフォンも気にはなる。
紫芋による発色だそうだ。
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道の駅633美の里は地元の方々が精一杯盛り上げている。
ますますお元気でと声をかけて徳島までの長い帰路をめざす。
(本山でおいしいコーヒー店があるが満車で入れなかった)
タグ:仁淀川
posted by 平井 吉信 at 20:37| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2019年11月10日

六花亭のマルセイバターサンド 数年ぶりの口福のとき


そごう徳島店での北海道物産展には行きたくても行けなかったが
義弟が北海道に出張しておみやげを買ってきてくれた。
それがなんと六花亭のマルセイバターサンド。
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もしこの世にこのお菓子がなかったらどんなに味気ないだろう。
スマートフォンがなくてもぼくには困らないけれど
六花亭がない世界は実に味気ない。
(世の中にはもっとおいしいお菓子があるよとささやかれても心に響かない)

5個入りで650円(税込)という価格でこれが売られているのだから
ぼくが菓子屋なら廃業したいと思うだろう。
誰が食べてもおいしいという最大公約数を
北海道の良質の材料を使いながら手頃な価格で提供している。
製品はともかく企業の世界観がさらにすばらしい。
四国には宝物のような川があるが、
北海道には六花亭がある。
みんな違ってみんないい。

数年ぶりに訪れたこの時間、
コーヒーや紅茶ではなく緑茶でいただくこととした。
銘柄は曲風園の大歩危茶。
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(もっともよく飲んでいる緑茶がこれ。霧が発生する渓谷の支流で農薬を使わずにていねいにつくられている)

時代とともに緑茶に求められる嗜好は変化しているが
渋みのない春の日射しのようなやわらかな風味が曲風園の特徴。
その感性がマルセイバターサンドの親しみやすさを引き立てると考えた。

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口の幸せという言葉はもしかして
いまの社会がもっとも求めていることかもしれない。
それと同時に社会全体の幸福をつくっていくことこそ
一人ひとりの使命ではないかと。
緒方貞子さんの志をみんなが受けついで共同体をつくっていければいい。

六花亭のマルセイバターサンドはおいしいだけではない
地域社会の幸福の実現というメッセージが込められているように思えるのだ。


追記
最後の行の意味がわからないとの質問メールをいただいたので補足を。
「地元の素材を活かして」「地域とともに」「地元密着で」などと打ち出す企業は少なくないが
それには地元の宝を掘り起こし、
受けつがれてきた意味を探るとともに
時代とともに新たな光を当てる作業が必要。

その根底には地域への愛しみ、文化や風土を尊重し尊敬する精神があるはず。
その精神が社内にあふれ地域へも浸透する企業になったとき
そこから紡がれる精神風土の豊かさが製品やサービスに込められる。

だからカタチだけを似せても追いつけない世界がある。
それは精神論ではなく現実に製品の品質の差を生み出している。
(ここでの品質とは総合的な意味を含む)。
もっともそれを感じる人がいなくなれば企業も存続しなくなる。
そのことを理解して企業も息の長い啓発を行っている。それがホンモノたる由縁。
六花亭製菓株式会社はその域に達した数少ない企業のひとつではないかと。

posted by 平井 吉信 at 16:00| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2019年11月08日

今年初めてのゆこう ほのぼのと ぬくぬくと 


ゆこうは、徳島県内で上勝町、勝浦町、徳島市南部で生産されている香酸柑橘で
すだちとだいだいの自然交配種とされている。
この「ゆこう」が優れた機能性を発揮する成分を含むことが確認された。
・優れた抗菌性(腐敗しにくい果実特性)
・腸内細菌を整える作用(善玉菌を増やす)
・口腔環境を調える(唾液中の抗菌ペプチドを増やす)
(徳島大学研究成果)
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それはともかくここ数年、
インフルエンザの流行しそうな季節になると
ゆこうを絞って毎朝飲んでいる。

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(器は多治見に行ったときにカフェ温土で求めた地元の作家さんの作品)

なぜって、身体が欲しがるから。
この風味、味わいの深さは言葉で言い表せないのだけれど
すだちの酸味は料理の引き算で引き立つけど飲みたい感じではない。
ゆずの酸味は悪くないけどどこにでもあるので…。
ところがゆこうは生の果実をかぶりついて湧き出る果汁が脳内を満たす感じ。
それは酸味のなかにおいしさが閉じ込められて
豊潤なまろやかさを醸し出し
同時に澄んだ果実感、切れ味がある。
(決してまろやか一辺倒でなくきらっと光る味覚のとんがりを包む豊かさが同居している)

これを料理に活かしているのが
徳島の料理屋の濱喜久さんであったり上勝の月ヶ谷温泉であったりする。
菓子に応用しての成功例は少ないけれど
徳島市内で金曜午後のみ営業のhowattoさんのゆこうを使ったシフォンケーキ(11月15日登場予定だとか)とビスコッティではないだろうか。
(素材があまりにおいしいと菓子に応用しにくいのだ。その点、個性が際立っているユズは楽だけど誰がつくっても同じような風味になる。ゆこうを活かすことは菓子製造にとって心弾む挑戦だろう)

実際に飲むときは手絞りの道具で絞って
メープルシロップかハチミツを入れて
湯割にする。

ほのぼのするね、
ぬくぬくするね、
でも目が覚めるね。

だから秋から早春の朝にはゆこうがいないと。
ああ ゆこう(柚香、ユコウ)。
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→ ゆこう すっぱさは微笑み http://soratoumi2.sblo.jp/article/60402479.html
→ 秋から冬へのめぐみ http://soratoumi2.sblo.jp/article/105890839.html
→ ゆこう(ユコウ、柚香)が届けてくれる身体の冬支度 http://soratoumi2.sblo.jp/article/181807058.html
→ ゆこうの季節 絞って飲んであったまって 柿と合わせれば上質の口溶け http://soratoumi2.sblo.jp/article/185115564.html
→ 食べることで身体を癒していく http://soratoumi2.sblo.jp/article/185536504.html


タグ:ゆこう howatto
posted by 平井 吉信 at 18:39| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2019年09月16日

さなみどり すだちから生まれた豊かで潤う香酸柑橘 


すだちには酸味だけでない独特のえぐみがあり
さわやかな酸味で押し切るレモン果汁などとの違いがある。
個性が強いはずなのだが
食材にかけられたとき、このすだちの風味が足し算にならずに
引き算として捉えられるところに特徴があると思う。

引き算とは、素材の余分な脂分や冗長な雑味を削ってくれる感覚。
もちろん、すだちをかけることは本来は足し算なので
特有の酸味が乗ってくる。
その相互作用が素材や料理を活かして食が進むように思う。

徳島ですだちといえば(価格面では)高級食材ではない。
各家庭でふんだんに使われている。
なにせ生まれたときから初秋の食卓に載っとうけん。

ゆこうという香酸柑橘についてはこのブログで取り上げた。
冬の風物詩としてぼくは毎日ゆこう(果実)を絞って蜂蜜の湯割で飲んでいる。
これ以上にほっとする飲み物がこの世にあるとは思えない。
http://soratoumi2.sblo.jp/article/185115564.html
http://soratoumi2.sblo.jp/article/181807058.html

そのゆこうに高い整腸作用、抗菌作用があることが徳島大学の研究で判明した。
それはユズなどの他の香酸柑橘と比較してもである。

すだち、ゆず、ゆこうが徳島の香酸柑橘の三姉妹であるが
すだちに従姉妹が現れた。
徳島県が開発したすだち徳島3X−1号という品種で
種が少なく果汁が多いのが特徴だが、繊細な性格で栽培に手間が掛かる。
県内でも佐那河内の一部の生産者しか栽培していない品種らしい。
名前を「さなみどり」という。

数年前にさなみどりに出会ったときのときめき(驚き)は忘れない。
すだちと見た目は同じ大きさだが、どこまでもエンドレスで絞り出される果汁の豊かさ、
そしてその鮮烈な酸味が天に向かってどこまでも伸びていく。
豊かな潤いとコクに酸味を重ねて濁らない絵の具としかいいようがない。
(すだちにゆこうの豊潤かつ鮮烈な酸味をブレンドしたような)。
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実際に豆腐をいただくとき、醤油とすだちをかければ
ほかに何も要らないというごちそう。ほんとうに要らない。
番茶とご飯と豆腐+さなみどりだけで食事は完結。
(北大路魯山人の満足感とでもいおうか)。

なお、ここでの豆腐はさなみどりを活かせるものが、
豆腐も活かせるものとなる。
具体的な銘柄はあえてひとつだけ。
「北海道産とよまさり美味しいとうふ絹ごし」
https://www.satonoyuki.co.jp/lineup/416/

県内はもとより県外にも豆乳系の濃厚豆腐がある。
それはそれでひとつの世界をかたちづくるけれど、
濃厚というわかりやすさでぐいぐい押してくるが
それが仇となって毎日食べると飽きてしまう。
(なぜか、さなみどりとも合わないのだ)

おいしくて毎日食べられるというと
これまで食べた豆腐では上記が抜けている。
(社内に豆腐の目利きがいるのではないか)
封を切って皿に落とし、鰹節やらさなみどりやらをそのときの気分で振りかけて
自家製梅干しも添えてご飯とともに口へ運ぶひとときが幸福感といわずして何?

さなみどりと最高の相性と思ったのが
「すだち鮎」との掛け合わせ。
天然アユの芳香をはからずしてさなみどりが補ってくれ
すだちアユの節度ある旨味にブレーキをかけることなく
相乗効果で口福につなげる黄金の組み合わせ。

さなみどりの大仲さん、すだち鮎の岩崎さん、
どちらの生産者とも面識はないが
この二つを組み合わせたら徳島の特産品として
個性が尖りながらも豊潤な徳島の食を伝えられるのではないか。


すだち鮎(この写真のすだちがさなみどりである)
http://soratoumi2.sblo.jp/article/186557302.html

タグ:すだち
posted by 平井 吉信 at 21:44| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

獺祭を愉しむ秋


ご存知、近年頭角を現した山口県の蔵元がつくる銘酒。
数日前にアルコール濃度が異なる商品が出荷されたとして自主回収を行う旨の発表がなされた。
ものづくりに失敗は許されない。
当たり前のことを当たり前に行うためにどれだけの精神の支えが必要なことか。
そんななかで社員が原酒を水で割った際に撹拌を忘れたとのこと。
これが品質にどれだけの影響があるかは不明だが、少なくとも健康被害にはつながらない。
もしこれが他社であればそのまま看過するかもしれない、などと思ったりもする。
自主回収とはいえ、それにかかる費用は5〜6億円。
それをあえて行うところにこの企業の姿勢を見る。

獺祭はフランス料理(三つ星レストラン)でも使われるほど
国の内外で愛飲されている。
この品質を手の届く価格で提供するために
完全空調のビルで科学的な醸造を行っている。
結果として量産と会社の成長につながったが
それが目的ではないと思う。

おいしい酒は誰にでも手の届く価格で飲んでもらいたい。
年間○○本の幻の酒にならないよう多くの人に味わって欲しいと社長が思ったからだろう。
ぼくはその理念に共感を覚える。
ニュースが出た翌日、たまたま切れていたので
獺祭を買いに行った。

購入先は徳島市内の特約店。
(それ以外の店で見かけても買わないよう。プレミアム価格となっているから)
もちろん冷蔵陳列である。
こちらもクーラーボックス持参でただちに自宅に戻って冷蔵庫に保管する。

購入したのは、「獺祭 純米大吟醸45」( 720ml/ 1,620円)である。
前回購入したのは、ロット番号が2019年6月製造の19.06HC。
今回は7月製造の19.07HD。およそ一月の違いがある。
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ところが味が違うのだ。
(比較は開栓直後で比べている。そんなの比べられるのかって。開栓直後でなければ比較にならないでしょう。味の記憶は数年間は有効のようで1年前に食べた同じメニューや食材の味の違いがわかります。味覚は体調にも左右されるけどそれを差し引いても違いはわかるという数少ない特技です。タバコを1本も吸っていないことが生きていると思います。それとメーカーのWebサイトに掲載されていないが、獺祭の栓は密閉度が高い良いモノが使われているように思う。だから開栓直後で比べないと公平にならないと思う)

6月製造は、透明感があってきらきらと華やいで濃密な旨味をこれでもかと漂わせる。
これがぼくの獺祭初体験で打ちのめされそうだった。
比べると7月製造は、おだやかで水に近づいている。
完全空調で味覚に影響を与えるデータはすべて制御している同社でも
材料の力やその他に人間の味覚で感知できるけれどデータに表れない要素があるのだろう。
夏の料理には7月製造が合うが、
春から初夏の花が咲き乱れているような6月製造は捨てがたい。
それでいて透明度が高いのだから6月製造は格別できが良かったのではないか。

獺祭の毎月の変化を愉しめるとしたら
名月を愛でながら秋が深まるのを日々感じられるとしたら
1か月2千円弱の酒代は高くない。
(ぼくはビールはまったく飲まない。買って飲むとしたら「龍馬1865」だけ。同じ値段でエビスや銀河高原ビールが並んでいてもこちらを買う。おまけにアルコール度数が0%というのがすばらしい。個人的な体感だがウィスキーや焼酎などと比べてビールのアルコール度数は度数の高低でなく人を不快にさせるのではないのだろうか。酒税法での分類は別にして少なくともぼくはビールにアルコール度数は余分だと思っている)

日本の秋を日本酒で味わう季節がやってきた。
唱歌を聴きたい。今宵はCDでNHK東京放送児童合唱団を。

童謡、唱歌で 夢は山野を駆けめぐる
http://soratoumi2.sblo.jp/article/177043576.html
posted by 平井 吉信 at 21:09| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2019年09月07日

見たこともないカップヌードル


量販店の店頭で見つけて3種類買ってみたカップヌードル。
あまり見たことないがエスニック風味。
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大多数の人は普通のがおいしいと思うだろうな。
日清のテストマーケティングなんだろうね。

フォークはチタン製。スプーンとともに、20数年ほぼ毎日使っている。
軽くて金属臭がなくて汚れが落ちやすくていいところだらけ。
たぶん新潟の燕三条でつくられている。

posted by 平井 吉信 at 22:55| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2019年08月03日

藤の里工房(徳島県三好市山城町) 妖怪の里から手づくり食品を届けます


藤の里工房は、吉野川大歩危峡に流れ込む支流の藤川谷で
地元の女性グループが立ち上げた生活改善グループ。
その中心メンバーの方々からお話を伺う機会があった。
その際に商品をいくつかいただいた。

1.藤の里工房の製品の紹介

よもぎ餅。よもぎがふんだんに使われながらも、何個でも食べられそう

よもぎは険しい渓谷のその支流にある集落で
霧立ち込める急傾斜の場所で育てられたもの。
さっそく工房の隣の畑から採ってきていただいた。
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よもぎの香りが立ちこめるのは
よもぎがふんだんに入っているからである。
採れたてを加工して冷凍して使われている。
餅は穴吹町産のもち米

作りたてをいただいたら、大地の恵みが押し寄せてくる。
あん入りとあんなしの2種類が選べる。
これはどちらもはずせない。
あんなしでは、米の素材感、噛むたびにじんわりと。

あん入りもいい。
塩をややきかせて甘さを抑えている。
田舎のよもぎ餅は甘いだろうという先入観があるけれど
素材の旨味だけでなく塩による輪郭の切れ味がある。

パンフレットから
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なによりたっぷり食べて欲しいという集落の女性たちの思いが感じられる。
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このよもぎ餅がつくられた土地に足を踏み入れた。
集落に向かう前に必ず通過するのが大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)。
四国の大河吉野川が四国山地を横切る深い渓谷。
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瀞場と激流が交互に現れる荘厳な風景
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三波川帯に属する変成岩が露出する独特の地形
かつては旅の難所であったことから大歩危小歩危と名付けられた
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その大歩危峡の左岸に流れ込む支流、藤川谷川沿いに点在する集落が上名(かみみょう)地区である。
この地区で生活改善グループが立ち上がった。
生活改善とは農村の女性たちが地域資源を活用して収入を得る自主的な取り組みで
行政が支援を行って自立を支えることもある。

藤川谷には妖怪がいる。あでやなか藤娘は昼間見ると美しい
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上名地区でも山の幸を活用した加工品の生産が行われてきたが、
約20年前に当時の山城町が工房を整備し
その運営母体として藤の里工房(加工組合)が生まれた。
当初から活動を行っている組合長の岡田正子さん、
副組合長の古佐小(こざこ)夏江さんにお話を伺う機会があった。
お二人はこの場所で生まれ育った方々である。

人気商品の田舎こんにゃく
21世紀は腸の健康の時代とも呼ばれ、
脳にも劣らない身体の司令塔としての腸の役割が注目されている。
それによると腸内細菌のバランスが健康や人の性格まで決定づけるという。
腸内で善玉菌が活性化するには食物繊維が欠かせない。
こんにゃくはカロリーが低い上に食物繊維が豊富で
腸の機能を健全に保つ上で理想の食材である。

こんにゃくの原料はコンニャクイモ
アクが強いため草木を焼いた灰にさらして灰汁抜きを行うが、
同時に灰はこんにゃくを固める働きも持つ。
藤の里工房のコンニャクは薬剤ではなく昔ながらの樹木の灰からつくる。
その製造工程を見せていただくために工房を見せていただいた
(工房へは衛生対策を施して入室している)。

工房は藤川谷川を見下ろす高台にある。
明るく衛生的な設備を使って
地元の女性たちがこんにゃくをはじめとする加工食品をつくっている。

ぐらぐら湯気が立ちこめる釜
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コンニャクイモが蒸し上がったところ
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機械で定量に分けて人の手でかたちを調え熱湯でゆがく
3人の息が合ってコンニャクイモに整形されていく
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熱湯に投入される
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工房の窓からは藤川谷に面した対岸の斜面が見える
藤川谷川の流れは早い
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藤川谷を見ていると水がおいしいことが連想される。
斜面の湧き水の滴が生き物のよう。
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湧き水は児泣きじじいの像のたもとにある
(妖怪の里については以下にご紹介)
http://soratoumi2.sblo.jp/article/162504391.html

良質の水を産する地区では
こんにゃくイモも集落でつくられている
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(こんにゃくイモってこんな植物だったんですね)


タカキビやコキビを入れた餅
冒頭で紹介したように
藤の里工房でもっとも売り上げが多いのは餅である。
雑穀街道とも呼ばれる祖谷地方はそばやきびの栽培が盛んである。
(大歩危小歩危と祖谷は一体の観光地)
ただし生産量が減っていて地元だけで賄うのが難しくなっているという。
トウモロコシはほぼ地元で賄えている。
白(そのまま)、タカキビ、ヨモギ、コキビなど4種類を織り交ぜた餅の詰め合わせが人気だ。
それもあん入りとあんなしがある。
通信販売では地元の方が都会に出た家族や親戚に送ることが多いのだそうだ。
催事販売で食べた人が製造元を突き止めて電話をかけてくることもあるという。

米と麦でできた濃厚な風味のみそ(商品名「手前味噌」)

ご飯とみそ汁で食事が終わるというのは手間がかからずとても便利。
いまふうの言葉で時短調理にも叶う。
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みそ汁ばかり食べていたら高血圧になるだろうって?
ところが三食みそ汁を食べていた家系が阿波市にあって
家系図を見せていただくと90歳を超える長寿者が続出していた。
その秘訣は三食みそ汁。高血圧は一人もいないとのこと。
みそという発酵食品には健康を維持する効果があるのだろうと思う。
野菜や豆腐など具だくさんのみそ汁では
野菜に含まれるカリウムがナトリウムを排出することもあるだろう。
さらに具だくさんのみそには出汁は要らない。
野菜や肉などから旨味が溶け出すので入れないほうが香りや風味が引き立つのだ。

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毎日の食卓に上がるみそとしては
・安心できる原材料でつくられていること。
・具だくさんにも負けない風味の濃さ(旨味)があること。それも食べ飽きないおいしさであること。
・毎日食べるので手頃な価格であること。

この3つを満たすのが「手前みそ」である。
みそをそのまま舐めると、風味の濃さがわかる。
素材と出会うとみそがおいしさへと引っ張り上げてくれる感じ。
風味にくせは感じないので万人向き。
加熱やアルコール添加をしない(=熟成を止めていない)生みそ。
ゆず果汁と米油を適宜混ぜると和風ドレッシングになるし
豚肉と野菜の炒め物などにも使えそうだ。
もともとは一日に4食の時代に保存性や料理をつくる手間を省くところから
それぞれの家庭でみそをつくっていた。


訪問時にも香川県内の方(初めて)からお電話があり
これまで食べたみそのなかでもっともおいしいと言って取り寄せを希望されていた。
最初は三好市内の民間の産直市(しののめ産直市=往時の池田高校の生徒が食べていたという肉料理のおいしいレストランウエノが直営)で購入されたそうだ、
一度こちらに来たいともおっしゃっているようだ。
(電話の声から会話を想像できたことだけど)

みそは、年に一度、2月の大寒につくる。
麦麹と米麹が半々で大豆は地元三好市産
少なくとも1年以上、出荷時期によっては2年近く寝かせている。
この熟成(時間)はお金で置き換えられないもの。
だから袋詰めしてからもみそは生きている。
ぼくも自宅で県内の評価の高いみそと比べてみた。
(うちには常時5〜6種類は置いている)
この価格でこれ以上の品質は得がたいと思われた(県内のみならず国内でも)。
塩分濃度は15%とやや低めながら風味は濃厚。それなのにくせがない。
味の個性と普遍性が高い次元で達成されている。
話を伺ってみると、いまや世界各国から観光客が押し寄せる大歩危祖谷の温泉郷では
藤の里工房のみそを使っているところが多いそうだ。

参考までにぼくがおすすめする県内のみその銘柄は、
西から三浦醸造所、ヤマク食品株式会社(生協仕様)、津山さんのみそ(津山商店)、みつみそ(海陽町石本アケミさん)
険しい急傾斜地の集落を食で支えたみそは
都市部の方々や健康志向のご家庭にぜひおすすめしたいものだ。

代表の岡田さんは少しはにかみながらこういわれた。
ひそかな自信作なんです」
(だから、手前みそなのだ)


2.藤の里工房と上名(かみみょう)集落
藤の里工房は、10人ほどのメンバーで運営されている。
受注が立て込んだときは別として
必要な作業があれば手の空いた人が入る場合も少なくない。

原材料もほとんど地元で調達されている。
例えば、ヨモギは買い取り価格を取り決めている。
畑でヨモギを栽培している組合員もいる。
このように材料を出荷する農家の収入と、
手の空いたときに生産を行なうパートタイマーの収入とで暮らしを支える一助となっている。

設備こそ行政の支援を受けているが、地区の女性たちによる、
地域にあるものを活かして自立と協働による独立運営が続いている。
事務室の壁面にはこれまでの取り組みに対する表彰や
知事が訪問した際の写真などが掲げられている。
藤の里工房の製品は地元のスーパーや
良質の食品を販売する事業所等からの引き合いで注文が途切れることはないという。

工房の初期のメンバーと思われる写真(立木義浩さん撮影)
2004年に公開された映画「村の写真集」と関係があると思われる
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工房から見上げる斜面は上のほうまで集落が点在している。
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川沿いからは見えない高さまで民家があるという。
藤川谷に展開する上名集落のことをもっと聞きたくなって
岡田さんに集落の状況、とりわけかつての暮らしについて伺ってみた。

尾根に近づいてなお集落が点在する かつては尾根沿いに移動するのが最短ルートだった
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薬草の栽培も行われている
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山城茶、大歩危茶などの名称で知られる茶所
愛媛県側の新宮茶とともに上品かつ味わい深い茶を産する
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雑穀街道というコンセプトできび類が植えられている。藤の里工房でも餅に欠かせない
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半鐘
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農作業や運搬に欠かせないクレーン。モノレールを使うこともある
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集落をめざしてつづら折りに道は続く
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見事な石積み
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平田美代子さんが運営する農家民宿「天空の宿」。
ここも相当高い場所にあるので星空が近い絶景が愉しめる。
平田さん夫妻のおもてなしも人気。
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3.上名集落のかつての暮らし
山へ行き着いたら夜が明ける

朝、4時に起きて炊事を行い、ご飯とみそ汁と漬物の朝食を5時にいただく。
台所は土間となっていて薪が燃料である。一人ひとり自分の茶碗を入れる蓋のついた飯台があった。

岡田さんの家では、野鹿池(のかのいけ)山の中腹にわさび田を持っていた。
山頂には鹿が水を飲む池があったことが名の由来となっている標高1,294メートルのシャクナゲの名山である。
お母さんは自宅から6km(1時間半)離れたわさび田まで弁当を背負って毎日通った。
それもみんなが起きないうちに集落を抜けていく。
夜が明けてノコノコ歩いていると集落の人と顔が合う。あそこの嫁は仕事にかかるのが遅いなどといわれたくないから早朝に家を出る。
山からの帰りはわさびを背負い、川沿いの道まで降りてくればリアカーを押して戻った。
炭焼きをしている人は薪を背負って帰った。当時の山は植林(杉)ではなく雑木であった。
いまも炭焼きしている70代の人が一人いる。

午前10時頃に2回目の食事をいただく。これを一番茶と呼んだ。
山へ行くときは弁当行李に、なすびのみそ漬けなど塩辛いものを入れていた。
この辺りは急傾斜地に家があるので水はけが良く良質の芋が採れる。茶の名産地でもある。
急傾斜地では焼き畑を行い、山を焼いたあとにミツマタを植えていた。
タバコをつくって池田の専売公社で買ってもらった時代もあった。

午後2時頃には二番茶を食べた。
一番茶とほとんど同じ食事だが、おやつにとうもろこしやいもを焼いて食べることもあった。

田んぼのない家では「はたいね」(陸稲)という畑に育つ稲を植えた。家で食べる米はそれぞれつくっていた。

おとなだけが仕事をするのでなく子どもにも役割がある。

子どもは子どもで家の仕事がある。芋を掘って洗う、大麦を研いでよますなどの役割があった。
「よます」とは麦を炊いたあと一晩中そのままにすることからよまし麦という。
これを麦ご飯として食べる。

学校では、幼い妹や弟の面倒を見るのも役割で学校に子どもを連れてくる小学生もいた。
子どもたちの遊ぶ場所は山や川で夏は藤川谷で水遊びをする(さすがに大歩危小歩危では泳げない)。
集落に子どもがたくさんいて上級生が小さい子どもの面倒を見るのが習わし。
泳げない子どもを岩から突き落として水に慣れさせる荒療治もあったが、
そんなときも注意深く見守り、年少の子どももやがて泳げるようになった。
谷の水は冷たく長くは泳いではいられない。
唇が紫色になってくると小さい子どもを上がらせる。
ときには上級生が下級生をまとめて勉強を教えることもあった。

子どもの遊びは川だけではない。
曼珠沙華の花が咲く前の葉っぱだけのときに、シュロの皮を敷いて斜面で尻すべりをする。
木馬で遊んだり、竹を焼いてソリをつくることもあった。

雑木林の里山に入ればグイミの赤い実を採って生のまま食べた。
グイミはグミの方言で渋みや酸味があった。
莓はクワイチゴ、タウエイチゴ(ナワシロイチゴのことだろうか?)、ノイチゴ、サガリマメイチゴ(キイチゴの方言であろう)などを採って食べた。

白い花が咲くヨジメ(ガマズミのことだろう)は秋になったら朱い実が成り、霜が来れば熟れて甘くなる。見かけが干しぶどうのようで梨の味がするというテンプナシ(ケンポナシ)も食べた。
山のイタドリ、スイコキに塩をつけて食べると酸っぱさが感じられる。山葡萄やアケビはいうまでもない。

子どものおやつは山にあったが、お母さんがつくってくれるおやつもあった。干したあられを煎った菓子、干し柿、いもの湯通し(サツマイモを茹でて縄につるす)なども食べた。

子どもが遊んでいる間、大人は暗くなるまで仕事をしている。そのため家に帰ってから炊事をするので夕食は午後8時頃になる。朝が早いからといって夕食が早いわけではない。
食事のあとはわらを束ねて茶碗を擦った。落ちにくいものを灰をつけて洗った。


岡田さんの人生の転機となったのが昭和38年、当時めずらしかった車の免許を取った。
旅の難所であった大歩危小歩危を通る国道32号線が拡幅されたのもその頃。
このことで移動が自由にできるようになった。
早明浦ダムができる前の渓谷は対岸まで見通せるほどの透明度であったという。

便利になった地区の生活だが岡田さんは昔を振り返って言う。
人とのつながりはいまもあるが、以前のつながりは違うと。
嫁に行くときは家へ手伝いに行く。
葬式には家へ手伝いに行く。
みんなで生きていた時代だったという。


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時代は移り変わり、岡田さんとて商品管理や会計にパソコンを使われている。
商売の経験などまったくない山間部の専業主婦が
良い商品を開発してここまでやって来られたという。
規模を大きくしようなどとは考えておられないが
地元の資源を活用して地元の女性の手で
ていねいにものづくりをされている姿が印象に残った。
ここで紹介の製品は、無条件でおすすめできるものである。
(このブログでは依頼を受けて書いているのではなく勝手に紹介している。広告記事ではないのはご存知のとおり)

実際に商品を入手しようと思ってもなかなかこの地まで来られない人もいるだろう。
その場合は電話またはfaxで問い合わせをされるといい。
クロネコヤマト便でお送りいただけるとのこと。
(インターネットでの通信販売は対応されていない。なお価格については消費増税が予定されていることからこちらには記さないが、いずれも手頃な価格である。この価格でこの品質はよそではありえないと思える商品がいくつかある)

〔主な製品〕
田舎もち あん入り
田舎もち あんなし
田舎もち 雑穀4種セット
生イモこんにゃく
わさび漬け(工房から徒歩1時間半入った野鹿池山周辺のわさび田からのわさび使用)
手前味噌
焼肉のたれ


藤の里工房
779-5452 徳島県三好市山城町上名1083-3
電話 0883-84-2737
fax 0883-84-2751

(おかけ間違いのないよう)
公式Webサイト https://www.fujinosato-kobo.com/
タグ:吉野川
posted by 平井 吉信 at 17:03| Comment(2) | 食事 食材 食品 おいしさ

2019年07月29日

四国は茶所 緑茶、番茶(乳酸発酵)、釜入り茶。太平洋高気圧で梅を干す


梅雨が明けてようやく夏空(と思えば雲と夕立ぎみ)。
ようやく漬け梅を干せるとばかりに並べてみた。
(これから4日間は天候とにらめっこで遠出はできない)

でも、梅がつやっぽくみずみずしい。
香りからもうまくいったとわかる。
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梅酒も順調に琥珀色に少しずつ抽出していく。

梅雨明けで番茶の新茶が出回った。
徳島では「番茶」の意味が違う。
徳島で「茶」(普段のみ)といえば番茶で
それも乳酸発酵させたもの。
主な産地は那賀町相生地区と上勝町。
整腸作用が高いと放映されて以後、産地は品薄で
春先には入手できなくなることがある。

それゆえ番茶は一軒一軒、いやロットごとに風味が違う。
発酵させるゆえ再現性が難しい。

棚田の学校(上勝町)の事務局を担当していた頃は
山に自生している茶を摘んで茹でてその日のうちに茶すりと漬け込みを行うイベントを実施。
この際に煮汁と入れる家と入れない家があるとか
ちょっとした手順と細部への気配りで風味が違ってくる。
それから2週間程度発酵させた後、庭先に並べて干す。
もちろんその年の天候で茶葉の強さも変わってくる。
工業製品と同じようには行かないのが個人の製茶。それでいい。

道の駅日和佐へ寄ってみると
相生番茶が出回っていた。
話を聴くと今年初という(なんという巡り合わせ)。
帰りの車内が芳香に包まれて顔がほこんでくる
(安易に使いたくないが、香りに癒されている)。
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帰宅して熱湯を注いだら(番茶は沸騰した熱い湯で抽出する)
この香り、おだやかな酸味と旨味をすする。
腸に吸い込まれていく感じ。

実は四国は茶所。
川沿いで急な斜面を駆け上がる立地が良い茶を生み出す。
標高が高く小規模なため虫が寄って来にくいこともあって
四国の山間部の茶は表示しなくても農薬を使わない家が少なくない(自家用でもあるので)。
現時点でうちにあるお茶はこれだけ。
(ときどきいただきもので八女茶、知覧茶の九州勢が入ってくる。それらも好き)

・曽我澄江さん 釜入り茶(いの町)
・西製茶所 ほうじ茶(出雲市)
・脇製茶所 わきの茶(旧新宮村)
・真茶園 玉露(藤枝市)
・国友農園 有機釜入り茶 りぐり山茶(いの町)
・川田茶園 煎茶(津野町)
・新居製茶 阿波晩茶(那賀町)
・宍喰の寒茶(寒茶製茶組合/日比光則さん)
・曲風園 大歩危茶 新茶(山城町)

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みなさん、全国的に有名なメーカーの商品ではなく
地元の市場やスーパーの地産地消コーナーに置いてある茶を一度買ってみれば
納得されると思う。

言うまでもないけど、茶の種類によって湯の温度は適切に。
うちでは塩素を嫌って浄水器を使うけど水がおいしい地区なら水道水でいい。

和菓子などとどうぞ。
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ときには抹茶(薄茶)を立ててみる。
(おいしさに流儀は要らない)
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これに中国茶の世界を加えるとさらに魅力が広がっていくが
りぐり山茶はその世界を彷彿させてくれる。
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posted by 平井 吉信 at 14:17| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ