2018年02月11日

手抜きだけど (ぼくにとって)世界一おいしいカレー


理由は簡単。
自分で描いた味にするから。
食べたいカレーは、もこもこと濁った味ではなく
野菜の甘みと肉汁の適度な豊潤さがあるけれど
食べた瞬間においしいと思えるすっきりとしたカレー。

たっぷりのニンニクをオリーブオイルで炒めて焦げ目が付いた頃
大量の細かく刻んだたまねぎを投入してフライパンで炒める。
(たまねぎの甘みがカレーの基本になるので)
蓋をして蒸し焼きふうに。その間に別のことをできる手抜き。

同時並行で湯を沸かしながら
このところの寒波に対抗するため
身体を温める効果の高い刻み生姜を入れておく。
ニンジンの断片をハリオの電子レンジ調理容器で600W5分程度加熱して下ごしらえ。
そしてわきかけた鍋にニンジンを投入。
(さらに同時並行であらかじめ水に40分ほど浸しておいた米を。研ぐ際には最初に浄水器の水を吸わせていったん水を出して数回かき混ぜる。ぬかの汁を米に吸わせない。米を研ぐのは全工程で30秒という手抜き)

ほどなく炒めた玉ねぎが鍋に合流。
フライパンが空くので、塩を振った肉の表面を中火でさっと焦がす。
あとは鍋に入れて鍋のなかで肉は煮える。

鍋には赤唐辛子を2本入れて味のとんがりをつくる。
それを尖らせすぎないために、メイプルシロップを鍋にたらす。
(隠し味というより素材の強さを調整するという意味で)
阿波尾鶏の胸肉を使うときはバターをほんの少し鍋に入れることもあるけれど
この日の肉は余り物の豚バラの塊と阿波尾鶏のモモ肉の塊で
肉の脂の旨味があるので。

ぐつぐつ煮えてくる直前でトマトを1個半分に切って入れる。
この酸味と旨味は欠かせない。

たぶん酸味と旨味を辛みに加えることで豊潤さが出るのだろう。
そこに脂の旨味は欠かせないが、すっきり感が基調なので。

鍋はテルモスの保温鍋。
ぐつぐつ煮えたら火から降ろして保温する。
この間、約半時間。火を使わず煮える間にほかの用事ができる(手抜き)。

半時間後、再び弱火にかけて
ゴールデンカレーのルーを規定の7割程度入れて
3分かきまぜて火を止めてできあがり。

ルーは煮込まない。味見をしても追加のスパイスは不要と判断。
(これも常識)
ルーを7割程度に抑えるのは
カレーの味を支配しないよう
ルーはあくまで味覚の入口の導入役だけど
あとは素材のおいしさが主役となるよう。
(昔と違っていまのゴールデンカレーはひとつの完成形で何を足しても余分になる。だからルーを控えめに素材の風味を活かしつつ味の加減ができるようにしている。とろみが不足すると感じるときはレンコンパウダーや玄米パウダーを入れる。この作用でまろやかさ、コク、おいしさの持続性が向上する)

こうして1時間弱で(材料の下ごしらえに時間がかかる)
炊飯とご飯とさらに同時並行でつくっていたサラダができる。
(包丁とまな板を複数用意するのは生肉と野菜を分けて調理するため。先にニンニクや玉ねぎを切り、それから肉を切る。別のまな板でサラダをつくる)

料理をするのは気分転換。
(実は時間短縮のために台所を走り回っている。優雅にやっていられない。同時に調理をするとそうなる)
人間は手を動かすとなにかひらめくようになっているから
普段料理をしない人はわくわくしながら料理をしてみるといいかも。

味は?
もちろん掛け値なくおいしい。
小学校の頃から試行錯誤しながらつくってきたので無意識で身体が動く。
いまある材料で、そのときの体調や気候を考えて味を決める。
それに向かって短時間で仕上げる。

カレーは食べ終わるとすぐに冷凍するけれど
翌朝あたためるときは食べる直前にガラムマサラ系を少々加えて香りづけする。

見かけはともかくカレー専門店のカレーは
酸味や旨味が足りないのに味がぼけている。
きっと煮込みすぎているかスパイスを入れすぎているんだろうね。
(風味の引き算が必要なのでは?)
手抜きは料理を愉しむ方便であるとともに
おいしさに近づく手段でもある。
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おかわりのあとに思い出して撮ったので見映えはしないけど
おいしさは食べている本人が心から満足しているので。

posted by 平井 吉信 at 23:51| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2018年01月21日

冬の短編集 野菜が足りない時季にあぐり窪川で


高知県西部へ泊まりがけの出張へ出かける途中で
あぐり窪川の日替わりの弁当(800円)
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JAが運営しているため
地元窪川の野菜と肉、さらに仁井田米ときた。
四万十ポークの下にもキャベツが。
レストラン風土には、感じのいい女の子がいて
彼女の笑顔を見るのが楽しみ。
(人生もがんばってね)

産直コーナーでは
期間中農薬不使用という金時生姜と新生姜を買ってみた。
(生姜といえば窪川だよね)
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ともに200円。ふとうてえい生姜ながよ。
(アイスや豚まんもようできちょる)
posted by 平井 吉信 at 00:02| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2018年01月09日

料理はお客様と料理人との心の共演 気取らないみなみ食堂の和食(日和佐)


ここは日和佐の薬王寺門前、
みなみ食堂は、平成29年12月1日に開店したばかりの飲食店。
のれんには漢数字で三七三と縦に書いてある。
もちろん美波町(日和佐地区)のみなみ。
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2017/11/2017_15120048236585.html
(このところ食べ物の話題が続いているが、ぼくはグルメではない。ただ、食を大切に、それを届ける人のことを伝えたいと思っている)
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昼は、みなみ御膳(1,500円)と週替わりの定食(900円)の2品だけ。
夜は、予約対応で3,000円、4,000円のコース料理のほか、2,000円前後の食事メニューもある。
開店早々に盛況で12時過ぎにランチが売り切れる!という日もあったらしい(地元の目撃情報)。
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開店したのは、東京で和食の経験が豊富な児玉幸司さん、芙優子さんご夫妻。
(昨年末にご結婚されたそう。おめでとうございます)

料理は昆布を中心に出汁をしっかりと取りながら
地元の魚、鶏肉などを素材として用いる和食。
気取った店にしたくないと「食堂」と名付けている。
出される料理は手を抜かないが、
気軽に立ち寄れる場所でありたいとの願いを込めている。
デザートに胡麻のブラマンジェが用意されているのも珍しい。
(みなみ御膳に付いてくる。定食も別途200円で提供)
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ぼくはまだ定食しかいただいたことがないが
ていねいに料理され、美しく盛りつけられている。
お皿にわずかな痕跡すら残さず完食してしまう。

きょうの定食はぶり唐揚げ甘酢あんがメイン。
レモンやピーマンが乗っているのが冒険心。
子ども連れで3世代のお客様が来られたとき、
「ピーマンはだいじょうぶですか?」と声を掛けたそう。
親としては子どもが残したら自分が食べるつもりだっただろう、
「大丈夫です」と答えられたとか。
ところが、子どもは完食してしまった。
「おいしい!」
家ではピーマンを食べたことがなかったという。
これには親が驚いてお礼を言われたとのこと。
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思い起こせば、このような店は海部郡内になかったのだ。
(皿鉢料理、濃い味付けで量は満足できるという店は多いのだろうけど)。
繊細ななかに食材の豊かな海をつくりだす創作料理、
しかもメニューは絞りこんでいる。
(木曜定休だが食材の調達が難しいときは不定休で休むこともある。お電話でご確認くださいとのこと)

飲食店に来られたお客様には3つの表情がある。
来店して注文したあとの待っている顔、
食べているときの顔、
そしてお金を払うときの顔。
それがだんだんとほぐれていくのがわかる。
それが料理の力であり、お迎えする人の気持ち。

お客さま一人ひとりに目配りをしながら笑顔で声かけをするという
気配りやおもいやりが込められている。

飲食店は、神様であるお客様を店がおもてなしをする場ではない。
(ぼくはそう思っている)
料理をされる人が気持ち良く料理できるようお客として気配りをして期待する。
その気持ちを察して料理人が誠心誠意応える。
そこにうんちくも能書きもSNSも要らない。

もし、あなたがそんなお店に行ってみたいと思うのだったらおすすめです。
ただし、注文を聞いてから作り始めるので少々時間はかかります。
この写真の定食も鶏肉をオーブンに入れたのは注文後。
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そして、作りたてが音を立てて運ばれてくる。
料理とは、提供する人といただく人の共演だと思う人は
きっと何かを感じるでしょう。
(もしこれが東京なら行列ができる店になっていたでしょうに、あえて日和佐で開店されたこと。移住コーディネータの小林陽子さん、やりましたね)

おふたりの門出を心から祝福いたします。
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みなみ食堂
電話:0884-70-1497
所在地:海部郡美波町奥河内字寺前79-1
営業時間:11:30〜14:30(注文締め切り14時)、夜は予約対応
定休日:木曜日

みなみ食堂に限らず、町内の飲食店がともに繁盛して欲しいと願っています。
(ほかのお店様も折に触れて紹介するつもり)
posted by 平井 吉信 at 22:26| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2018年01月08日

howatto(伊豆田裕美さん)の焼き菓子の話題を続けて

前頁からの続き
翌日、「ココナツのサブレ」と「ビスコッティ」(チーズ)をいただいた。
今回はおろしたてのさかもとこーひーの豆で挽いた深煎りのコーヒーで。

食べ物を評価するとき、素材の風味を活かしたと表現されるけれど
素材を活かすとはどういうことだろう。
小麦粉をそのまま焼いておいしいかどうかはわからない。
ところが、素材を混ぜてそこに温度の変化を加え
水分が抜けて香ばしさがつくと(すなわち焼くということ)
元の素材のエッセンスが顔を出してくる。

ということは、
素材を選ぶこと、
そのブレンドを代えること、
熟成の度合いをはかること、
熱を加えることで無限の変化が現れる。

素材の味を活かすとは
砂糖を控えるとか、プレーンに近づけるといったことではなく、
数限りなく試行してつくりこんでいくもの。
強いていえば、素材風味をそのまま使うことではなく
雑味さえもブレンドの妙(旨味)に昇華しつつ
元の素材の個性を再構築すること。

例えば、酸味のない甘いだけのトマトはおいしくない。
酸味と甘みと旨味が高度にそそりたっていないと。
おいしいトマトはまず甘みが舌を滑り出し
口いっぱいに立ちこめて酸味が咽を通り抜け
旨味の後味が余韻を残すが、それもいつのまにか消えていく―。
(ぼくがいつも買っているK農園のトマトはそう)

ブレンドによる引き算がうまく働き、
ブレンドによる足し算でピークを動かしながらも
個性と調和が見えたとき、おいしさにつながるのではないか。
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一口運んだとき、ふいにこみ上げるものがあった。
自分が納得いくまでやってみたかったのです―。
作り手の言葉にならないメッセージが届けられた気がした。
posted by 平井 吉信 at 15:58| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2018年01月07日

プレーンなシフォンケーキが描く世界観 「howatto」(ほわっと)の焼き菓子


前頁から続く
ナガヤの母屋には、吉田絵美さんが運営するカフェと雑貨店がある。
この空間の心地よさは場の力というかおだやかな吉田さんの醸し出すもの。
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そのせいか、次々とやって来られるお客さん(女性が多い)が
やわらかい雰囲気をまとった方が多いように思う。

吉田さんのカフェで
毎月第1土曜日に手作りの焼き菓子を出品される女性がいらっしゃるとのこと。
きょうはその定期販売の第1回目。
作り手の伊豆田裕美さんにお話を伺ってみた。
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― ブランド名のhowatto(ほわっと)とはどんな由来ですか?
食べると心がほわっとするような焼き菓子を提供したいと思って付けました、とのこと。

いただいた名刺に書かれていた言葉は、
「おいしい」を大切に、丁寧に。

傍らで素敵なお母様もサポートされていた。
気取らないけれど気品のある方でお話をするのが愉しい。

この日、出品されていたのは以下のWebを参照いただくとして
https://www.howatto.jp/
https://www.facebook.com/howatto/

実は伊豆田さんのシフォンケーキは
おいしい(それもかなり)との評判をさまざまな人から聞いていた。
https://setouchifinder.com/ja/detail/21070
そこでシフォンケーキと焼き菓子をいくつか買って自宅で食べてみた。

まずは、定番のシフォンケーキから。

(ぼくが20代の女性だったら)
とにかく、めっちゃおいしいんです。
もう最初の一口でノックアウト。
とても上品な味でした。などと書くか書かないかは別にして
このシフォンケーキ、別世界に連れて行かれる感じ。
(紅茶は、トワイニングのクオリティ・ビンテージ・ダージリンを3分の香り重視の浅めの抽出で)
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しっとりとした歯ごたえ、
そして口溶けのあと、天国的な余韻を残して消えていく。
甘みは控えめだが、えも言われぬ幸福感。
プレーンなシフォンケーキがここまで人の心を動かせるのかと。
(おおげさと思う人はぜひ自分の舌で確かめて欲しい)。

それはつくっている伊豆田さんが揺るぎない思いで
(関西の菓子メーカーにも勤務されていたらしい)
科学的な根拠と、こうすればおいしくなるという信念でつくられているからだろう。
「おいしい」を大切に、丁寧に、というのは、彼女の世界観と気付いた。

ブログでは伊豆田さんの世界観が身近に感じられる。
https://howatto.wordpress.com/

翌日、冷蔵庫に入れていた「マロンとエスプレッソのシフォン」も。
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(直前に電子レンジ200Wの30秒〜60秒で冷たさも熱も感じない微温に戻している)

コーヒーは千葉県から取り寄せている浅煎り豆をハリオV60ドリッパーで薄めに手煎れ。
こちらは栗とコーヒーが積極的にお迎えに来るというわかりやすさ。
休みの日の朝にコクのある贅沢感が漂う。
(基本のトーンはプレーンと同じだが、舌の肥えている人はプレーンの突き抜けた世界観により驚くだろう)。

地元の素材をていねいに仕上げることから生まれる焼き菓子。
でも、量産することはできない。
ほんとうにおいしさを求めて、ていねいにつくる人にはわかる切なさ。

続く

追記
howattoさんの次回の焼き菓子の販売は、以下の場所です。

■3/3(土)nagaya. (毎月第一土曜日)
徳島市沖浜町大木247
(ナガヤプロジェクト内)
12:00〜18:00
焼き菓子の販売と、喫茶スペースではケーキプレートも。

■2/3(土)nagaya. (毎月第一土曜日)
徳島市沖浜町大木247(ナガヤプロジェクト内)
12:00〜18:00
焼き菓子の販売と、喫茶スペースではケーキプレートも。

■1/14(日)ねこねこフェスティバル2018 in ボートレース鳴門 会場
鳴門市撫養町大桑島字濘岩浜48-1
9:45〜16:30

posted by 平井 吉信 at 13:37| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ