2018年10月14日

食の話題から縄文まで 


勝浦川の伏流水で近所の北野さんが育てた特別栽培米の新米、
今年最初なので1時間水を含ませて炊いてみた。
うちはその都度精米機で玄米を精米して使っている。
(全然面倒ではないよ)
味を見るためにきょうは五分づきにしてある。
(飯炊きはぼくの重要な仕事)
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雑穀の味わい、まろやかで豊かに広がっていく。
香りよりは旨味という米に仕上がっている。
台風も多かったがよく詰まっている。

この米は無化学肥料 減農薬(苗箱処理材のほかには除草に1回使用)でつくられている。
生産者からわざわざ届けていただいているが、
80歳近いご高齢のため、時間に余裕があるときは取りに行くようにしている。
(少なくとも自宅にいれば軽トラックからの積み卸しはやっている)

自作の梅干しがぼくにはいちばんおいしいから
それで食べてみる。
http://soratoumi2.sblo.jp/article/184442636.html

キムチを載せてみる。
地元の有名店もあるけれど
買っているのはこれ。
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ご飯をおかずにご飯が食べられそうなご飯で
ご飯がすすむおかずでご飯が進んでいく。
(禅問答?)

県漁連の「ぬら」。このおいしい海苔が300円台。
本来はこの2倍以上で売れる商品だろう。
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鳴門市里浦のうずしお食品の鳴門わかめ。
ここ数年産地偽装が続出するなかで
実直に取り組んでおられる生産者。
(流通量以上の鳴門わかめが並んでいるのは他の産地も同じ。コシヒカリもそうだろう)
この会社では冷凍を工夫して生と遜色ない味わいを通年可能としている。
(この技術は外国にはないので産地偽装でない証しにもなっている)
採取地は鳴門の里浦地区で県南の海域のわかめよりも風味が豊かだ。
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実際に食べてみると、わかめが苦手な子どもも箸を運んでしまうほど。
しゃぶしゃぶがもっともおいしさがわかる食べ方で
すだちだけで食べてみた。


最後にコーヒーとデザート。
地元の著名な店もあるけど、ぼくには焙煎がきつくてなじめない。
えぐみやカフェインのとんがりが好きな人もいるけれど
ぼくはなるべく避けたい。
このところ、サントリーのクラフトボスがシェアを伸ばしているように見えるが
あれもあたためて飲んだらおいしくないだろう。
(あれが流行していることを受けて専門店が対策をしておかないと)

千葉県の小さな事業所がていねいにつくるコーヒーを飲んでいる。
95度に沸かしてV60ドリッパーを使い
1人前7グラムで蒸らさずすばやく落とす。
(温度を落とさないため。ただし落としきらない)。
「コーヒーはフルーツ」という作り手の世界観に共感するし
その味が再現できているように思う。
(厚手の器はこちらで買ったもの http://inbetweenblues.jp/
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お菓子はこのところ、howattoという催事販売の店で買うことが増えた。
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なかでもビスコッティは他に例がないおいしさ。
それはあざといおいしさではなく、素材感があふれて仕方がないという感覚。
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生アーモンドを香ばしく煎ってあるらしい。
自家製のバジルが味わいに奥行きを与えている。
食感は固いばかりではなく砕け感が絶妙で
噛むときの刺激が脳に心地よい。
味わいの妙と歯ごたえの快感の組み合わせは他のビスコッティでは味わえない。
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コーヒーや紅茶といただくほかに、菓子の範疇を超えて食事になり得る。
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(中津川まで栗きんとんを買いにいかなくていいよ。もう一度ぐらいは出してもらえるかな)
ここはシフォンケーキが得意なお店で本日も東新町で催事販売をされているはず。
https://howatto.jp/


食品をつくる仕事をしている人と雑談していたら
「家では化学調味料を使っている」とおっしゃるので
やめたほうがいいでしょうと申し上げた。
身体に悪いとか安易だとかいう理由ではない。
(無化学調味料原理主義ではない)

食をビジネスにする人は
味覚への影響を熟知して商品づくりをする必要があるので
化学調味料や添加物の効果、影響を計算して商品づくりを行う必要がある。
普段からは化学調味料を摂るのを控えないと
(多少のキャリーオーバーは仕方ないが)
依るべき味覚の指針がぶれてしまうから、と説明した。
(効能やリスクがわかったうえで使うのは商品としてあり得ると思うよ)

充実した食生活とグルメは相容れない。
グルメはある意味では堕落した食生活のように思える。
(グルメとは程遠い生活を送っている。ハヤシライスとハッシュドビーフが同じということは最近知った。名前は忘れたけどスペインでオリーブオイルをたっぷり使った炒め料理があるとことも昨日知ったばかり。タコスはタコを酢でしめたものと思っていた。カタカナの料理は一度聴いてもすぐに忘れてしまうから。パスタの食べ方も知らないのはご存知のとおり)

普段何を食べているかで人生は決まってしまう。
そして、そこには○○食主義という言葉は存在しない。
(これを食べると健康という考えは捨てる、これを食べたら害という考え方も妄信しない)

人類史上もっとも豊かな食の時代は日本の縄文時代と思っている。
持続可能な定住性狩猟生活は土やミネラルを熟知して
取り尽くさず循環する自然を感じて暮らしに取り入れていたのではないかと思う。
栗も食べれば雑穀も食べる、魚や貝も食べれば果実も食べる。
少量を万遍なく食べる食のリスクヘッジと
特定の食品に偏らない健康へのリスクヘッジ縄文人は意識していたのではないか。
あの頃の食生活に未来へのヒントがあるように思う。
(健康食品を摂るのはリスクだとぼくは思っている)

結局のところ、一杯のご飯、一杯の茶に極まるような気がする。
それが底流となって食の世界が広がっていく。
米とは大切に向き合っていきたい。

追記

米菓子ということで昨日食べたおかきに驚いた。
岡山の花田食品がつくっているどこにでもありそうなおかき(横綱一番)。
それが米が昔話をゆっくりと語り掛けてくるような味わい。
そしてしばらくは油のもたらす充実感を味わうが
数分で消えていく。
素材感とおいしさを高度に両立させているが
価格は150円程度。
袋のデザインもこれみよがしなデザインが多いなかで
いいデザインと思う。
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(パッケージデザインはプロに頼んだらダメだよ。あざといマーケティングの色が付きすぎてしまうから。ほんとうによいデザインは目立たないものだよ。山間部の商品なら素朴は田舎の人物をあしらう、あるいは洗練されたデザインにしたりするけれど、全国から集まる八重洲の地下街を見たらどれも同じに見えてしまうよ。そんななかでこの商品が置かれていたらどうだろう)
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わざとこんなふうに目立たないようにしているのかと思えた。
裏返してみると
国内産小麦粉、デンプン、なたね油(遺伝子組み換えでない)、
食塩、ベーキングパウダーとなっている。
食塩は赤穂の天塩、ベーキングパウダーはアルミニウム不使用。

瀬戸内レモン味もあるという。
これは興味がある。
http://www.hanadafoods.co.jp/category8/entry51.html

調べてみると岡山県倉敷市のメーカーだった。
http://www.hanadafoods.co.jp/
こんな商品を見つけたら応援したくなるよね。
倉敷に行ったら会社に寄ってみようかな。

追記2
グルメというと食の好奇心がお節介しているような感じがあるけれど
食がいのちをつなぐうえで大切なものであり
それゆえ食べる行為を楽しませるのが料理ではないかと。
そのような考え方では、みなみ食堂がいい。
注文を受けてからつくるので時間はかかる。
でもていねいにつくられるので席数が空いていても
お客様をお断りすることもある。
(そのときはほんとうに申し訳なさそうにお断りされる。わかるヤツだけ食べに来いという店ではないから)
高齢の母が食欲不振で体調を崩していた。そこでみなみ食堂へ連れていく。
目を輝かせて食べているうち完食してしまった。
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食べる前の表情と食後の表情が別人みたいに違う。
誰かをしあわせにすることができるのが料理の力、
食の滋味深いところだろう。
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posted by 平井 吉信 at 15:15| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2018年09月22日

秋の味覚をチョコレートにして100円少々で愉しめるもの

少しずつお見せしましょう。
具材を詰めたチョコレートのようです。
3種類あるようです。包丁で切って断面をお見せしています。

北海道のかぼちゃ
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熊本の和栗
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鹿児島の紅はるか
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(配合割合は、それぞれ紅はるかは3%、和栗は2%、かぼちゃは4%)。
平安時代なら香を焚いてうんちくを述べ合ったでしょう。
これを食べ比べるのが平成最後の秋のお遊び。
鹿児島紅はるかは容易にわかるでしょう。
熊本和栗と北海道かぼちゃの見分けが付きますか?
チョコレートが素材の味(ペースト状のクリーム)を連れて甘味処として楽しませます。

写真からおわかりでしょう。
3種のこだわり国産素材 不二家LOOK 秋のうまいもんひとりじめ
と書かれています。


コーヒー、紅茶よりも緑茶がいいでしょう。
そこで藤枝の真茶園の深むし茶を煎れてみました。
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さて、これは何でしょう?と当てっこをすると
食後のひとときが愉しくなりますよ。
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見つけたらすぐに買わないとそのうち売り切れる「限定」です。
(商品の完成度が高い)
エアコンのないわが家では冷蔵庫に入れてあるけど
これは冷やしたほうがペーストの風味がわかりやすくなる。
(味わい方のコツかも)

実はここ数年、毎日食べているチョコレートがあって。
体調を整えるのにも役立っているような気がする。
(手術直後に外科医が患者にチョコレートを勧めるのは有名な話)
それは明治のチョコレート効果72%


上等の紅茶(フレーバー紅茶でないプレーンなもの)と合わせると
目を閉じて味わっている。
苦みが甘みを呼び込みながらコクの余韻を残して
後味よく溶けていく。
こんな時間がとても大切と思える上質なチョコレートに脱帽。
脳が喜ぶようでどんどん仕事がはかどる。
でも食べるのは1日に2〜3粒だから体型には変化なし。

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  .。'*・☆、。・*:'★     .。・*:'☆
 ☆、。 ・*'★ .。 ・':....*.:'☆        .。・:'*・':'・★

秋はもう部屋のなかにまで入り込んできました。
もう長袖ですね。
posted by 平井 吉信 at 19:05| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2018年09月17日

梅干しとご飯だけでごちそう 北海道と沖縄への思い


美郷から取り寄せて毎年梅を漬けている。
まだ日は浅いけれど今年は格別の仕上がりとなった。
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塩を変えてみたのと(それまでは塩は風味に影響しないと考えていた)
梅の粒が前年よりやや小さめであったことによる。
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ひとくちほおばると
みずみずしい果肉にぎゅっと酸味が凝縮され
梅肉からほとぼりだして舌を駆け抜ける。
そのあとにご飯をかけこむと至福のひととき。
材料は塩だけ(濃度18%)。
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(市販品ではこの鮮烈にして甘やかな一瞬が再現されにくい)
ナスのみそ汁と梅干しがあればもうこれ以上のごちそうはないと思う。
(写真はなめこ)

食材に向かい合っていきることを噛みしめる(そう思っている)、
などと魯山人を気取っていると(実際に彼がそういったかどうかは知らない)。
新聞に折込の近所のスーパー(キョーエイ)のチラシが目に入った。

「全国有名弁当まつり」と称して今日だけの企画か。
(午前10時頃までに行かないと目当ての弁当にはありつけないだろう)
家族が好きな「富山のますのすし」を買うとして
あとの一品は行ってからと。

買ってきたのがサケとカニの石狩鮨(北海道の佐藤水産鮨)。
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原材料の酢飯は北海道産。ほかに、鮭、ズワイガニ、醸造酢、砂糖、食塩、魚醤のみ。
調べてみると鮭は養殖は使っていないし
ズワイガニはもちろんカニカマではない。
保存料も使っていないと空弁にしては珍しい。
http://sushi.sato-suisan.co.jp/files/catalog.pdf

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これは当たり。
味付けは決して濃くなく品があって
弁当でありながら素材を活かしている。
酢飯がきいているのも保存と味付けに有利。

それはそうと北海道の全島が停電したというのに
冷凍庫はだいじょうぶだったのだろうか?
(大切な商品を守るのに非常用自家発電機を備えていたのだろう。民間だったらそうしているよね)

北海道産の商品を買ったところで貢献などとはいえないけれど
日本(沖縄から北海道まで)への思いをかみしめている。
タグ:梅干し
posted by 平井 吉信 at 12:09| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2018年08月22日

パスタっておいしいですか?


仕事で面談をしていてパスタの話になった。
パスタ? うーん、苦手である。
昼を求めて入った店でパスタランチしかないとなると
覚悟を決めて注文するか、お断りを入れて出て行くかの二択。

「カルボナーラと○○(たくさんあるでしょう)からお選びいただけます」
横文字、わからないな(サンスクリット語のような響き)
カルボナラッて何ですかと聞く(知ったかぶりはしない)。
卵の油っぽい料理は苦手なので、それと違うほうにする。

次に食べ方に苦手意識がある。
フォークとスプーンが付いてくるが
スプーンでくるくる巻く器用な食べ方ができない。
そこでフォークで持ち上げてそばのように食べる。
汁が飛び散ると大変なので
皿から5センチ程度にして顔を近づけて
音を立てないようにすする。
ここでも静かにやらないと汁がシャツに飛んでしまう。
(いっそ片栗粉で固めてあんかけ風にしたらどうだろう?)
最後に汁が余るので、つくった人の気持ちを考えてすする。
マナーが…という意見もあるけれど、それよりは味わったほうがいいと思う。

次に味。
パスタを食べて満足感を感じたことがほとんどない。
費用対満足度の低い料理と思えて仕方がない。
(値段を付けるとすると600円までならなんとか)

パスタは麺を味わう料理ではなく具材を味わう料理と思うが
これが麺でなく米だったらいいなと思う。
具が麺とからまず遊離している感じがする。

十数年前だったが、イベントの打ち上げで川沿いの店に行った。
出てきたパスタをみんなで食べていると、
そのなかのひとりが「芯が残っている」と店にクレーム。
ぼくは食べ物で店には滅多にクレームをしないが同じ感想だった。
(これが通の食べ方、というならやせ我慢のファッションと同じで滑稽)

結局、家庭でつくるほうがおいしいものができるのでは?と何度かつくってみた。
トマトが好きなのでトマトを使う。
酸味があって食欲が進み栄養価が高いがカロリーはさほどでもない料理ができた。
パスタはみそ汁にも似て
家庭料理として家族の健康や幸せを願って振る舞われるものではないか。
いずれも具材で煮込んでやわらかくしている。
(結局、自分でつくったものが好みに合わせるのでおいしいという当たり前のこと)

トマトとナスのピリ辛風
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トマトのしあわせ酸味たっぷり
(いずれも茹でるのに塩は使わない)
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ぼくが専門店で満足感を覚えたのはこのパスタ。
高知の帯屋町筋の裏手の店にてジェノベーゼパスタ。
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(パスタファンのみなさん、ごめんなさい、グルメでないのでご勘弁を)
posted by 平井 吉信 at 21:36| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2018年07月15日

しそで梅を漬ける


もう何年になるんだろう。
梅酒と梅干しづくりは年間行事となっていて
材料の調達から始まり、作り方に思いを馳せて仕込んでいる。
数週間前に作業を終えた今年の梅酒は順調においしさが抽出できている。
これと昨年漬け込んで開封していない古酒を3か月経過すれば比べることができる。

梅干しは子どもの頃から好物である
ということは
このブログの熱心な読者ならご存知のはず。
市販品は物足りない。
減塩とか調味液とかハチミツとかを使って味を変えてしまう。
それはそれで世間には必要なのだけど
ぼくは塩としそだけの梅干しが食べたい。

塩については風味には影響しないと考えているので
もっとも安い精製塩を使っている。
(安いから使っているのではなく品質管理が信頼できると考えるから)
それよりもマイクロプラスチック対策を考えたい。
塩事業センター(旧専売公社)の設備ならろ過できると考えた。
以下の報告書に
マイクロプラスチックが製造工程で検出されていないことを示唆する記述がある。
http://www.shiojigyo.com/institute/event/ssss/pdf/ssss2017slide.pdf

しかし今年度はマイクロプラスチックから根本的に離れられる
陸地の塩湖由来の塩を使用。ミネラルも含まれている。

品質については事業所のWebサイトなどから
ものづくりの理念や品質管理のエビデンスである程度類推できる。
(あやしげな製品も多いので要注意)


梅干しは日本人の知恵の結晶のようなものだから
各家庭でつくられるようになるといいと思っている。
(そうですよ、仕事や家庭の用事があるので深夜に作業をしていますよ)

ていねいに洗浄をして(乾かす時間を除いて)ヘタ取りなどの仕込みで3時間はかかる。
(市販品ではできないでしょ)
口にするものだから1個1個ていねいに水洗いするし、
ヘタを取ったらそこに仕込みの焼酎をスプレーで吹き付けて殺菌もしておく。
(実が傷むとしたらここからでしょう)
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順調に梅酢が上がってきているので
きょうはしそ漬けとしよう。
JAの直売所で1束150円を3束買ってきた。
(良いしその見分け方は、包装をていねいにしているかどうかがまず第一。包装の仕方とはていねいな栽培をしていることの現れなので。次に葉の匂いを嗅いでみるとしその力がよくわかる。香りは重要な決め手)
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今年は3kgと少なめだからこれで足りるかなと。
屋上で1枚1枚ちぎっては洗うという作業だけど
風に吹かれながら水に触れているので気持ちいい。

今年も梅干しの仕込みが終わった。
次に取り出して天日干しが始まると
4日間はどこにも行けないけれど
それはそれで儀式。
でもその頃、剣山のキレンゲショウマが咲きそうで。
季節とともに歩んでいくといつのまにか季節を追い越していく日常。
無常であることが常であることに気付けば幸福の方程式の第一歩が始まっている。


posted by 平井 吉信 at 15:33| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2018年06月10日

死ねるまで夢を持ち続けんとね いごっそラーメン店長 田所幸衛さん


モネの庭を出たのは終園間際だった。
そのとき、ひらめいた。
昼の営業が終わっている「いごっそラーメン」が
17時に店を開ける時間ではと。

高知県東部で知らない人はいないラーメン店が
北川村にあることは数年前から知っていた。
それもラーメン一筋に生きてきたという業界物語ではなく
54歳で脱サラして奈良で始めたラーメン店が大当たり。
そして数年前に故郷へ戻られたのはおそらく60代半ば。
現在は70代の前半と推察される方。
人口1,200人の北川村で唯一のラーメン店。
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調べてみたら半径2km圏に約1,000人程度の人口しかない。
本来はこんな場所で成り立つ業種ではない。
なお、店の名前が「店長」である。

興味ある人はリンク先をどうぞ。
https://kochi.keizai.biz/headline/156/

動画で見たら、1杯のラーメンにかける気持ちが伝わってくる。
https://www.youtube.com/watch?v=gOU9Cs7xMnc

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ただ、おいしく食べてもらいたい、そして北川村へもっと足を運んでくれたら―。
そのお気持ちがこの店を唯一無二の存在にしているのだろう。
ぼくが入店した直後に京阪神のプレートを付けた車が入ってきた。
ブログでご紹介したくなったのはグルメ紹介でもグルメ体験自慢でもない。
(そもそもグルメではないし、徳島ラーメンを食べたのだって記憶にないぐらい遠い昔。それぐらい普段はラーメンと縁がない)

店内には北川村の写真がずらり。店そのものが郷土愛を語っている
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そんなぼくが滋味深い食品としてラーメンを食べたくなることがある。
ぼくがわざわざ足を運んでいただいたのは次の4店しかない。
相生町の麺屋藤、牟岐町の牟岐55ラーメン、宍喰町のChannel R55(現在は一時休止中)、室戸の両栄美人(山下のおばあちゃん、閉店されたのかも)。
それにしても四国の東南部にはどうしてこんな魅力的なラーメン店があるのだろう。

(以下、本ブログの記事)
→ Channel R55 手延べつけ麺 寒茶 http://soratoumi2.sblo.jp/article/175212301.html
→ 牟岐55ラーメン http://soratoumi2.sblo.jp/article/118378121.html
→ 麺屋藤 http://soratoumi2.sblo.jp/article/59799683.html
→ 両栄美人 http://soratoumi2.sblo.jp/article/183504308.html

店の名物は塩バターラーメン。
ネギともやしがたっぷりの外観。
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野菜の林をかきわけると
麺とチャーシュー(5枚も)が現れる。
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スープの後味が良く量が多いのに胃がもたれない。
写真を手早く撮り終えると(それが作り手への礼儀)
一心不乱に麺を口に運びスープをすする。
厨房に見え隠れする田所さんの後ろ姿から
一期一会と思って一杯のラーメンをつくる姿勢が伝わってきて胸が熱くなる。
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やさしい風味のスープに
バターが溶けてくると
濃厚な幸福感が顔を出して飽きさせない。
そして好みに応じて店主手作りの柚子胡椒を途中から入れていくと
また別の世界へ連れて行ってくれる。
(北川村、馬路村、木頭村は隣接する柚子の名産地である。柚子の香りでは意外にも上勝産がいい)
スープはできるだけ飲み干したいけれど、体調の許す範囲で。

時間の経過とともに食べる人の生理的な体験を計算して
味わいの変化を提供されている。
でも、店は気取らない、さりげない、気配りがあっても気を使わせない。
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食べ終わると身体のバイタルサインが上がったような気がして
次の一週間の元気をもらえる気がした。
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店内に貼られた切り抜き記事には
「死ねるまで夢を持ち続けんとね」との田所さんの言葉が掲載されている。
店もラーメンもInstagramに投稿しようという雰囲気ではない。
そこに田所さんのメッセージがあるよう。
見かけじゃないよ、味だけでもないよ。
わかる人にはわかるけど、大切なものがあるよね。
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それは、店と客の協同作業でつくっていく料理。
実にこの店のメニューも田所さんと常連さんとで作り上げたと聞いた。

今回は「モネの庭 マルモッタン」にやってきたのだけれど
田所さんは地域が元気になればいいと考え、
その先鞭として自分の店を位置づけておられる。
お客さんとともに盛り上げることは、
地域を盛り上げる力に変えることができるのでは?
小さな店ができうるささやかな挑戦、のような誇りさえ感じられる。
ラーメンにも田所さんの姿勢にも心打たれてしまうのだ。
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ここから自宅まで約140kmあるけれど
夕陽の土佐湾を見ながら満ち足りた気分で
(松岡直也を流しながら)
室戸を経由して帰途についた。

追記
「店長」の動画を見て何かお感じになられましたか?
一刻も早くお出ししたい、麺の良い状態で提供したい、
との思いが伝わってくる。
(だから長々と食べる前に撮影してはダメですよ)。

てきぱきとやっているのにバタバタしない。
それは動作にリズムを持って止まる前に制動をかけて
急な動作のなかにもやわらかいつなぎ(時間)を持っていること。

(これはあくまで想像だけど)
もうひとつは、相手を楽しませるパフォーマンスもあるかもしれない。
でも、ぼくが感じるのは
プロフェッショナルは、いつも結果を出さなければならないので
その状況に持って行く儀式を持っているもの。
イチローのルーティンなどスポーツ選手の決まり切った姿勢や習慣もそうである。
この動作をやっていると「無意識」の領域でスイッチが入る。
人の動作でもっとも強くかつ創造的に対応できるのは
「無意識」のときだから。

「できる人」というのは所作に現れる。
(わかる人にはわかるけど、わからない人にはまるで気付かれない)。
「花」がある人は意識してか無意識かは別にして
「所作」「立ち居振る舞い」に、きらめき、艶がある。
それで相手を瞬時に納得させ、賞賛の感情も抱かせるが
安心させたり落ち着かせたりすることもできる。

相手が見る目があると判断したら
「花」を意図的に隠して対応してみる。
そこから相手の反応を見て相手の度量を図ることもできる。
(ぼくはそう思ってときどき実践している)

所作から感情を動かし、感情から成果や共感を導き
さらに所作へ戻っていく。
人が生きていく路はいくつもあれど
路はどこまでも続いていくようだ。
posted by 平井 吉信 at 23:34| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2018年06月09日

カフェは未知のメニューをひもとく場所


料理の名前を知らない、と書いたら
ほんとうに知らないの?と聞かれた。
(知らないったら知らない。意味がない発音の羅列なので覚えられない。記憶の容量は限られているのに生きていくのに困らない情報は省きたいよ)

ブログの読者から
ラテもコーヒーの新しい飲み方の提案だよ、と教えてもらった。
(忘れないように掌にラテと書いて711に行ったら100円コーヒーにあるではないか)
おそらく2010年より前にはなかったのだろう。低温ジュースやスムージーと同じで。
(うちは10年も前に韓国製の低速回転絞り器を導入しているけど)

ネアンデルタール人は石器をつくって使ったけれど
それが数万年、いや10数万年変わらなかったらしい。

一方でホモ・サピエンスの石器や道具はどんどん進化してネアンデルタール人と共存していた時代では投擲機(飛び道具)まで使っていた。その頃ネアンデルタール人は数百世代前の祖先と同じく槍を持って大型動物に立ち向かっていたらしい。そのため返り討ちに遇って怪我をすることもあり長寿を全うするのはむずかしかったともされる。この差は保守的な性格ということもあるけれど、暮らしている集団の大きさの違いとされている)


いまだにPHSを使っていてケータイを使っていないし
(スマートフォンは実験用に導入したが、目的はレスポンシブWebの確認だけ)
そのWebサイトのデザイン(HTML+CSS)は設置して20年変えていない。
スマートフォンで何の支障もなく見ることができるから。
(デザインを変えてはいけないと思っている。地域の人がなじんだバタ臭いオリジナルパッケージを変更した途端、売上が落ちる、クレームが殺到するのはよくあること)
TVはブラウン管の15インチだし。
そうか、ネアンデルタール人のDNAなのだと気付いた。
(生活習慣は保守的と気付いた)。
そう、ぼくはネアンデルタール人の末裔だったのだ。
だから、ネアンデルタール人のことを「旧人」などと呼ぶと
「違う! ホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシス」と訂正したくなる。
(マニアックな話でごめんなさい。要は新人と言いたいだけ)
(だってホモ・サピエンスと混血しているのだから。もしホモ・サピエンスのあなたが5万年前の中東でネアンデルタール人と出会ったなら恋に落ちて小林明子の歌をうたっていたとと思うよ)

ラテ、スムージーなどと言われると
わあ、陳腐化した言葉を避けるマーケティングかと反射的に思ってしまう。
「全然いけてるちょいエスニックテイスト的ふわとろラテっきたああ♪」
と言いながら
視線はずしてカラフルな小物をあしらい
自分を中央からはずすとともに脚が長く写るよう下からあおって
撮影後に美白処理は必須、
おしゃれにネコの髭を描いて、瞳にきらきらを入れたらいいのです、たぶん。
(目を大きくするのもキモですよ、大切なことですから強調しておきます)

そんな「カフェ」ばかりだと
料理も飲み物もそこそこだけど雰囲気を楽しむ場所になってしまう。
ということで、カフェからもっとも遠い存在なのに
怖いもの見たさに行ってしまう好奇心。

このところカフェでどんな音楽がかかるか注目している。
(目の付け所が違うって? でもJASRACは誰のための組織? 作者や演奏家のためになっているのかな?)
ヘイリー・ロレンも数カ所で聞いたが
ナラ・レオンも多い。
カサンドラ・ウィルソン
メロディー・ガルトーの名を挙げる人は気がきいている。
でも聴き飽きないのはナラ・レオン
(雨の午後などに流れていると確かにいい。ぼくもCDを持っているので)

話がそれてしまった。
ここは高知の帯屋町。
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地元の食材を使ったカフェがあってよく利用する。
四万十豚と地元野菜の温野菜のこのメニューの価格はお伝えできない。
(手頃という意味。都市部の人はこの価格を当てることはできないでしょ)。
でも見るからに健康的な感じがする。
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さらに+250円でスイーツと地元高知の緑茶がつく。
高知は実は茶所(梅原さん、ごめん)。四万十川や仁淀川流域は川霧が立つ。
今回の茶は、日高村の霧山茶だった。
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さらに歩いて7分、鷹匠町の古民家でのランチ
(まちなかでこれをいただけるとは)
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はりまや橋から歩いて数分。
シャッターが空いたばかりの店で。
二階から道行く朝の雑踏を見ながら。
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土電(土佐電氣鐵道株式會社の電車で「とでん」と読む)が行きゆう。
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場所は変わって松山の大街道。
地元の人なら誰でも知っている老舗の喫茶店。
3階まであるけれど、2階にはテーブルが6席とそう広くない。
照明は暗く自然光を採り入れようとしている。
それでも女性客(1人または2人)が次々と訪れる。
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ランチメニューではパスタのセットを。
「あさひ」や「ことり」もそうだし、麦飯もそうだけど
甘めの味付け。市駅前の「でゅえっと」もそうかな。
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追加のコーヒーがいい(+200円)。
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カフェメニューではサンドイッチを。
サラダとヨーグルトが付いてくる。
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地域で長年営業してそれが親子代々受け継がれ
客も世代を引き継いで来店するという関係。
必ずしも味が尖っているとか、接客がいいとかではなくても
小さな店の良さは理屈を越えた関係性にあるような気がする。
そうは言っても、パスタに合わせる食後のコーヒーが
濃すぎずこくがありすぎないのに品質感は高い。
わざわざ季節のスイーツを予約して来店される人も多いようで
ぼくの前に座っていた二人組はブルーベリーのなんとか、を予約されていた。
(「なんとか」でごめん。ブルーベリーのフォッカッチュと言ったか、ブルーベリーのミネソタローマと言ったかは忘れた)

カフェは未知の食材に出会う闇鍋のような楽しさがあるね。
(ほんとうは料理よりもカフェに来ている人を撮りたいけれど、そうはいかないから)
posted by 平井 吉信 at 00:44| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ