2023年12月04日

初冬の勝浦川 秋の名残の雲と


季節はずれの雨のせいか心なし水量の多い勝浦川中流域。
変わらない場所で移りゆく季節を見る
DSCF7054-1.jpg

夏とは違う静謐な水面
DSCF7048-1.jpg

DSCF7051-1.jpg

河畔林の上に相似形の高積雲が出ている
DSFT4991-1.jpg

posted by 平井 吉信 at 18:57| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年11月25日

春には桜 秋にはコスモス(道の駅 ひなの里かつうら)


勝浦町の道の駅にはJAの直売所がある。ゆこうがあるかな?と思って寄ってみたけど、ゆずとみかんだけ。家人を連れて行ったので、大好きなみかんを買えて大喜び。ところが大事なものを買うのを忘れていたことをブログを書いている最中に思い出した。

それは、ゆこうを絞って湯割りにする際に入れる蜂蜜。同じ勝浦川流域の特産品である、みかんハチミツが合うのだけれど、それはここでしか手に入らないのだ。瓶が重いので最後に買おうと思っていて、そのままレジへ行ってしまった。ゆこうのハチミツ割りを飲むのは冬の朝の儀式なのだ。

ゆこうをご存知ない人はタグからどうぞ。腔内環境や腸内環境を調えるとされているけれど、何よりおいしい。香酸柑橘の果汁でもっともおいしいのは、ゆこうと思っている。ユズは癖がある、すだちは果汁そのものは飲めない(佐那河内村の「さなみどり」のように芳醇なスダチもあるけれど)。

さなみどりもそうだけど、特定の農家で突然変異で特性の違う香酸柑橘ができることがある。それを接ぎ木か挿し木で増やすのだろう。その農園固有種となる。勝浦町のみかんにもそんな品種があり、生産者は「錦みかん」と名付けている。もちろん買ってみた。初めて見たものだったから。みかんの風味を透明度を上げて濃密にした感じ。オレンジに近づいている温州みかんという感じかな。
DSCF5393.jpg

目当てのゆこうはなく、みかんハチミツも買いそびれてしまったが、道の駅の裏手には春には桜街道となる田んぼがある。そこにコスモスが植えられている。陽光を浴びて風にたなびく様子に心が動く。車には標準レンズの着いたカメラが積んであったのでそれを取りに戻る。

明るい場面を明るい画面でお届けできればと思うのでコスモスでよければ、田なかの小路を風に吹かれる気分でご覧ください。

DSCF5314-1.jpg

DSCF5308-1.jpg

DSCF5300-1.jpg

DSCF5311-1.jpg

DSCF5335-1.jpg

DSCF5340-1.jpg

DSCF5334-1.jpg

DSCF5359-1.jpg

DSCF5377-1.jpg

DSCF5381-1.jpg

DSCF5387-1.jpg

DSCF5385-1.jpg

(ここからは興味のない人は飛ばして)
中国やフィリピンで生産している富士フイルムのデジカメやレンズが高騰してしまったのは円安のためだろうが、他社と比べて値上げ幅の大きさに不満の声が聞かれる。メーカーによってはレンズを値下げしたところもあるというのに(パナソニック)。

富士フイルムのカメラは3世代の画像処理エンジンが手元にある。X-Trans CMOSと名付けられた画像処理技術は世代が異なれば画像の再現性は異なる。メーカーとしては世代が変われども色調などは揃えようとしているが、全体から受ける印象は世代によって少しずつ違う。

X-T2(画素数24MP)は写真らしい階調表現で透過光での忠実な再現というよりもプリントの再現性に重きを置いているのではないか。写真が好きな人が好む画像生成と思う。

X-T30(画素数26MP)はもっとも自然度の高い再現で動作も安定感がある。カメラ自体の完成度が高く、シャッターのストロークが適切で手ぶれしにくいので、相当遅いシャッター速度でもぶれずに止められる。新型が高騰してしまった富士フイルムのカメラでその色再現や操作性が気に入った人は、手に入るのならX-T30をお勧めする。

X-T5(画素数40MP)は最新の画像処理で画素数も4,000万画素となっている。そのため肉眼で見えている以上にセンサーに光が届く(高精細で階調が細かい)。一見して違いが出るほどだけど、それでは前2機種で不満かというとそれはない。X-Trans CMOSは、X-T30の世代で完成されたのではないかとも思っている。

X-T30に初期の代表的な標準レンズ(XF35mmF1.4 R)を付ければ、軽く小さく写りは良いという申し分のないもので、今回のコスモスでもこの機材だけで十分なほど。フラッシュも内蔵しているので絞りを選んでTTL日中シンクロができるし、電子シャッターの高速も使える。絞りを調節すれば、自由自在の画が撮れる。写真の愉しさはここにあるね。

posted by 平井 吉信 at 21:09| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年11月19日

秋の空に夏が秋の空に夏が混じった雲さまざま混じった雲さまざま


地球温暖化と異常気象の勃発で気象について気になっているので、ここ数か月勉強している。すると空を見る目が変わって、天候が悪化(回復)しそうになると空を注視している。

秋なのに雄大積雲から上部が「かなとこ雲」になって眉山の上(実際の位置関係は不明)に見える。
DSCF5083-1.jpg

かなとこ雲とは線路を断面から見たようなかたちになっているもので上昇気流で雲が成長しようとしたが、それ以上は上に行けない目には見えない境界(対流圏界面)があって雲は横になびいているように見える。そこは対流圏上層部に達しているだろうから1万メートルを超えるだろう。

10月の上旬ぐらいまではこんなぎらぎらした高積雲を見かけた
DSCF4836-1.jpg

太陽の近くの高積雲に出現した彩雲
DSCF6418-1.jpg

DSCF6412-1.jpg

夕暮れのたなびく高積雲を見ると家路を急ぐ子ども時代を思い出す
DSCF5036-1.jpg

朝の薄明の空
DSCF5111-1.jpg

夕暮れの東の空に浮かぶ高積雲 雄大雲からは成長できなかったようだ
DSCF5228-1.jpg

西の空には積層雲から尾流雲となって雨粒が伸びている 雲の下は小雨となっているのではないか
DSCF5238-1.jpg


posted by 平井 吉信 at 14:48| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年11月11日

秋が深まる面河渓谷と鉄砲石川(仁淀川水系の面河川支流) 今年は?


ジオを感じる規模感では大歩危小歩危は日本有数の場所。しかし国道32号が走るので秘境感はない。
そこで四国の渓谷でもっとも古くから知られる観光地の面河渓(おもごけい)を思い出す。

小学校の頃に祖母からもらった絵葉書を見て、こんな場所があるのかと感嘆した。そのときの絵葉書をいまも持っている。行きたいと思って地図で見るととても遠い。夢が叶ったのは二十代前半。マリンブルーのワーゲンゴルフで出かけた。ユースホステルでイギリス人と意気投合したことを思い出した。これはその絵葉書の表紙。
D7K_0952a.jpg

紅葉の季節ともなれば混み合う場所だけど、戦前からの観光地であることもあって近年は衰退感が漂う(数年前に訪問した際は面河渓の白眉ともいえる渓谷沿いの散策路が通行止め)。ここは別格と思いつつ、コロナ下やガソリン代高騰もあって再訪がなかなか難しい。以下の写真は「仁淀ブルー」をNHK高知放送局が仕掛ける前の2011年撮影のもの。こちらは仁淀ブルーというよりは大陸の水墨画を思わせる陰影が見物。四国東部からはなかなか行けない場所なのでどうぞ。
D7K_0704-1.jpg

D7K_0907-2.jpg

D7K_0861-1.jpg

DSC_2968-1.jpg

D7K_0823-1.jpg

posted by 平井 吉信 at 11:43| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年11月10日

秋が深まる安居渓谷(仁淀川水系の土居川支流) 今年はどんな感じ?


仁淀ブルーといわれる典型が秋の安居渓谷。
D7N_5630-1.jpg

紅葉もさることながら、大水が出て数日後の渓谷はいかばかりだろうと想像。
DSCF8044-1.jpg

DSCF8063-1.jpg

D7N_5557-1.jpg

写真は2019年の11月中旬のこと。
(フジX-T30+XF35mmF1.4 R)
タグ:仁淀川
posted by 平井 吉信 at 23:01| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年11月03日

名も知らぬ遠き島から室戸阿南海岸へ流れ着いた 亜熱帯のヒルガオ その名は?


南阿波サンラインでまどろんでいたところ、見慣れぬヒルガオが目にとまった。太平洋に面しているが波のおだやなか小さな湾となった砂浜に2株自生していた。季節は夏の終わりである。
DSCF3382.jpg

DSFT3944.jpg

DSCF3384.jpg

その葉が相撲の行司が持つ軍配に似ていることからグンバイヒルガオと呼ばれる。日本周辺では奄美や沖縄、さらには台湾やフィリピンに自生していると思われる。その種子が黒潮に運ばれてたどり着いた日本の砂浜で芽を出し花を咲かせるのだ。グンバイヒルガオはハマヒルガオとは明らかに異なり、大きく厚手の葉を持ち、ポリネシアの人たちを彷彿させるような大柄な植物の印象。どんな花が咲くのだろう。

続いて海部郡内で群生している渚を見つけた。このあまり知られていない渚の個体は群生していることから越冬して発芽、開花しているように見える。時期は9月上旬。
DSFT4057-1.jpg

DSFT4059-1.jpg

DSCF4294.jpg

日本のハマヒルガオの花より大きく色が濃いため群生するとつややかで見とれる
DSCF4297.jpg

DSCF4304.jpg

DSCF4305.jpg

DSCF3615.jpg

付近にはネコノシタも見られる
DSCF3617.jpg

さらに10月、もっと南の海岸でも群生を見つけた。なんだか甘酸っぱい心象風景。ここには高校の頃から自転車で来て民宿に止まっていた場所の渚だから。
DSCF6076.jpg

DSCF6082-1.jpg

DSCF6105-1.jpg

DSCF3928-1.jpg

DSCF3920-1.jpg

DSFT4667-1.jpg

DSCF6087.jpg

海水浴場がある渚でも分散的に見かけた。ハマアザミが印象的。
DSCF6449.jpg

DSCF6466.jpg

DSCF6490-1.jpg

ここの個体は開花には至っていない。
DSCF6495.jpg

DSFT4850-1.jpg

DSCF5061.jpg

今年の夏に漂着した種から発芽した幼個体ではないか。この冬を越えて定着するかどうか注目される。

四国の東南部、室戸阿南海岸のいくつかの渚では、地球温暖化でかつて見かけなかった南洋の植物が定着しようとしている。外来種であり希少種なので移動や採取は厳禁としてしばらくは見守ってみようと思う。ぼくはこの植物は好きになりそうである。

夕暮れの海岸線はやがて薄明になった。
DSCF5076-1.jpg

DSCF5081-1.jpg

DSFT4882-2.jpg

地球に生まれて地上に生きている。


posted by 平井 吉信 at 12:12| Comment(0) | 山、川、海、山野草

森のしずく 霧に包まれて たくさんの Sense of Wonder(佐那河内いきものふれあいの里 自然観察の森)


徳島市内から約40分の大川原高原に到着する道中に佐那河内いきものふれあいの里ネイチャーセンターがある。周辺は標高7百メートル前後の音羽川(園瀬川支流)源流域の森の散策路がある。

散策路といってもネイチャーセンター(人が常駐する)まで5分程度で戻れる場所を周遊するので森を逍遙するのが不安という人や、子どもの自然観察にはうってつけである。連日事故が発生しているクマについては、四国のツキノワグマの生息数は少なく(以下のURLに調査報告)遭遇する機会は皆無に近く、この山域での目撃例もないので心配無用。
→ 日本自然保護協会の調査結果 https://www.nacsj.or.jp/2019/12/18290/

クマに関してはヒグマとツキノワグマの違いよりも個体差や状況(餌を探している、強い個体に追い出されて里山へ降りてきた、人と遭遇したことがあって攻撃してこないのを知っている、シカの死体あさりで肉の味を知っている、出会い頭であった、人を襲ったことがある、興奮状態、親離れしたばかりで世慣れない若い個体、子どもを連れている母熊などの状況ごと、また斜面の上下の位置関係(上が有利)、距離、地形、個体差があって、このように対応すれば良いという法則は見い出しにくい。

例えば、山菜採りなどで不意に襲われたときは顔と頭を守りながら地面に伏せることでケガはあっても命は守る姿勢を取るといったことを優先する。背中を向けて逃げてはいけないのは原則だが(逃げても追いつかれるうえ、攻撃を誘発する)、子グマを置いている母グマの心理からは子グマから離れて深追いを避けようとするなど例外的にそれが有効な場合もあるかもしれない(ほとんどの場面では背を向けて逃げないは不可欠と思われる)。

クマとの距離があれば、ゆっくりと後ずさりをしながら木の陰に隠れる(横の動きはクマにわかりやすいので場合によっては木の前に立って静止するのもあり)。クマの姿が見えなくなってもしばらくは静止してクマが消えていった方向を注視する。相手も隠れてこちらを見ている可能性があり、後ろを向いて歩き出すと追ってくることもある。後ずさりは半身で後方を確認しながらも前を向いたままで行うなど、さまざまな留意点があるようだ。とにかく、これだけクマが出没している現状では山菜採りや生息する山域に入山(登山)しないのが原則だろう。

この場所は初心者向きで静かな散策が楽しめる場所。帰りはネイチャーセンターで見聞を深めたら良い。

下界から見る大川原高原は霧に包まれていた。層雲と呼ばれる雲である。この雲のなかに入ったら霧雨がしとしと湿らす程度だろうと考えて出かけることとした。折りたたみ傘と雨具の上着は持って行くとして、自宅から40分後には到着するのでおっくうにならない。

まずはセンターの上にある森を歩いてみる。森の入口にはタカクマヒキオコシ、シロヨメナ、オカタラコウが群生している。それぞれ紫、白、黄の花弁である。
DSCF5532.jpg

DSCF5538-1.jpg

DSCF5663.jpg

みずみずしい広葉樹の森を上がっていく
DSCF5674-1.jpg

オタカラコウにとまって蜜を吸うのはシロツバメエダシャクか?
DSCF5670-1.jpg

DSCF5656-1.jpg

白い貴公子のよう
DSCF5596-1.jpg

ホウジャクが飛び込んできたが動きが速くて暗い場所でのシャッター速度では止められない
DSCF5563-1.jpg

こちらは透き通るような羽根をしたホシベッコウカギバ
DSCF5720-1.jpg

DSCF5722-1.jpg

キノコではなく落ちてきた広葉樹の種
DSCF5687.jpg

テイショウソウ
DSCF5691-1.jpg


DSCF5692-1.jpg

DSCF5697-1.jpg

DSCF5698-1.jpg

星が瞬くようなアケボノソウ
DSCF5719-1.jpg

露に打たれた植物
DSCF5730-1.jpg

DSCF5732-1.jpg

DSCF5735-1.jpg

DSCF5742-1.jpg

蜘蛛の巣さえ水滴の花火
DSCF5748-1.jpg

オタカラコウは湿った森の番人のよう
DSCF5758-1.jpg

今度はセンターの下の散策路を行く 
(途中キイロスズメバチが集まっている樹木があった。巣があるのか樹液を吸っていたのかはわからない。たまたま黒い雨具を着ているぼくは足早に通り過ぎるしかない)
DSCF5791.jpg

DSCF5793-1.jpg

DSCF5814.jpg

沢が見えてきた。これが音羽川の源流域
DSCF5833-1.jpg

浅い水際をたどっていく
DSCF5837-1.jpg

トリカブトの仲間
DSCF5847-1.jpg

DSCF5856-1.jpg

DSCF5861-1.jpg

植物界でも毒性の強い植物で1グラムの葉で人が危うくなるという。触れるぐらいで致死量には至らないが皮膚や粘膜からも吸収されるので素手でさわらないほうが無難。しかしこれを薬にも使うのだから毒をもって毒を制すことがあるのだ。

オタカラコウがこの日の主役
DSCF5865-1.jpg

夕暮れが近づいて森が霧に深く包まれるようになった。
DSCF5867-1.jpg

DSCF5877-1.jpg

DSCF5888-1.jpg

DSCF5897-1.jpg

この時間が良い。センターの周りを歩いているのでどこからでも5分で車道に戻れる。日常のなかの非日常は身近なところにある。

タグ:大川原高原
posted by 平井 吉信 at 11:24| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年10月21日

雲を眺めて小松島港 朱と空色と 釣り人と船と


路傍を見つめるのも、水面に視線を落とすのも、空を見上げるのも、宙を眺めるのも、不思議に思って無意識に行動するところが共通項。

心が遊ぶってそんな瞬間が日常のなかでふと訪れることかも。もしくは意識してそのような時間を持つことから(かたちから入る)切り替えをすることかも。

富士山や小笠原や北海道や沖縄は非日常的な心の動きがあるけれど、港と空ってどうですか? 
どこにでもあるけれど、このときしかないという、日常のなかの切り取り。

小松島港の北に日峰山がある。そのうえに雲が何層かに連なる場面に出くわしたとしたら、どう読み解く?
DSCF5291-1.jpg

雲の種類としたら高積雲、高度は3〜4千メートルぐらいかな。レンズ雲の形状で一部は塔状雲となっている。母体となったのは雄大雲で、さらに上部は濃密巻雲となっている姿。右下の人工物は船のマスト。
DSCF5297-1.jpg

港から広場へと歩いてくると、天頂から水平線にかけて飛行機由来巻雲が長く伸びている。高度は1万メートル弱ぐらい。
DSFT4475-1.jpg

DSFT4488-1.jpg

DSFT4477-1.jpg

毛状巻雲の姿から対流圏上層部では風の流れが強いことがわかる。
DSFT4481-1.jpg

DSFT4483-1.jpg

東の空にレンズ雲が出ている。
DSCF4758-1.jpg

上ばっかり見ていると、地面に色彩感の妙ある葉が落ちていた
DSCF5318-1.jpg

おしろい花にからんでいるが、相手にされていないようだ
DSCF5329-1.jpg

少しずつ夕景に変わりつつある波止では釣り人がルアーでシーバス(スズキ)をねらっている。実際にかかってきた。
DSCF5337-1.jpg

港に停泊する船と淡い夕暮れ色を映す空。波止には釣り人が増えてきた
DSCF5340-1.jpg

上層の濃密巻雲は朱く染まっているが、中層の雲(高積雲)は碧灰色のまま
DSCF5343-1.jpg

この写真の色調がこの刻をあらわしているね
DSCF5346-1.jpg

DSCF4800-1.jpg

その後、夕暮れが訪れた
DSCF5389-1.jpg

DSFT4501-1.jpg

DSCF4807-1.jpg



posted by 平井 吉信 at 23:12| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年10月14日

いつも行っているとくしま植物園 尾根筋はどうなっているのか?


西の空の雲が気になる。並積雲が発達しかけたけれども太陽の熱量が足りず上昇気流がおさまり、上部は濃密巻雲となっている姿と解いた。
DSCF5417-1.jpg

樹間の階段小径を行く
DSFT4518-1.jpg

DSFT4519-1.jpg

この草木は何だろう。もしかしたら樹木かも。特徴ある造形をしている。
(戻ってからミモザ=ギンヨウアカシアと判明)
DSCF5428.jpg

DSCF5431-2.jpg

遊歩道を上がっていくと路肩に咲いているヒルガオの仲間が気になる。この時期だし日本の自生種ではなさそう(帰化植物)。イモネノホシアサガオかな?
DSCF5435-2.jpg

枯れかけて色が褪せていく花といまが盛りと謳歌する花もある。そのどちらの存在も大切に感じる
DSCF5442.jpg

DSCF5465.jpg

ススキにカモフラージュしているつもりのエダナナフシ。近づくと前足を伸ばして頭と触角と一体化して枝に見せようとしている。でもキミの目がぼくを見ているのをぼくは見ていて生き物と認識しているからムダだよ
DSCF5493-1.jpg

秋だね 実っているね わからないけどブルーベリーの仲間のようにも見える
DSCF5511.jpg

コムラサキって表示があるからわかった
DSCF5522-2.jpg

あれだけ頻繁に行っているのに植物園から尾根筋に続く小径は行ったことがない。暗い森へと足を踏み入れるわくわく感はあるが、愉悦感はなさそうと思っていたから。

丘に上がる頃には時刻は16時を回っていた。そろそろイノシシの出没時刻であるし、どうするかと考えたが、行けるところまで行ってみようと思った。

日が射すと心弾む森の散策路かもしれない。「市民の森林間コース」と標識がある。
DSFT4530-1.jpg

DSFT4547-1.jpg

230メートル峰まで来たところで引き返すこととした。周辺は派手に掘り返しているところだらけ。イノシシが突進してきたら木の陰に隠れるのが良いとしても、ときどき見ているのでいまさら見なくてもいい
DSFT4549.jpg

太陽の光はほとんど消えているが、わずかな光を照り返す。照葉樹とは光の宿主のようだね。
DSCF5530.jpg
posted by 平井 吉信 at 13:11| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年10月08日

我が輩はイナゴ。バッタではない。容姿には自信がある


車から降りたら車体にバッタが止まっているのが見えた。
カメラを積んでいた、近寄ることができた、シャッターを押すことができた。
結果はこれ。なめらかな曲面の金属面に自分の姿が映し出されているのを誇りに思っているコバネイナゴ。
DSCF3773-1.jpg

玄関先にいたツマジロエダシャク。人工物(コンコルド)にも見えるが、自然がなしえた進化と遺伝ゆえ
DSCF4812.jpg

別の場所(香川県)で発見したものもここに掲載。
容姿に自信がありそうなのはここにもいました。碧い宝石のようなムラサキシジミ
DSCF4133-1.jpg

こちらは、ヤブツルアズキの花弁にとまったウスイロササキリでしょうか? 触覚が画面の右上をはみ出して伸びている
DSCF4173-2.jpg

昆虫の専門家にはなれなくても、自然界に目を配っていれば、身の回りに多くの昆虫がいることに気付く。
タグ:昆虫
posted by 平井 吉信 at 00:28| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年10月07日

午後の遅い時間は山の黄金のとき 中津峰山


時計を見たら15時前。こんな時間に自宅を出て山を登るのは誰かさんぐらい。夏場であれば太陽に温められた水蒸気が午後には層雲、積雲、雄大雲、積乱雲などと成長して雷や夕立が訪れる。でも風たちぬ、いまは秋。下山にヘッドランプを灯したこともたびたびだけど、誰にも遇わず静かな山歩きができる。

登山口はまだ日が高い。ひつじ雲とも呼ばれる高積雲が空を闊歩する。
DSFT4371-1.jpg

DSFT4374-1.jpg

登山口から峠をめざす
DSFT4376-1.jpg

途中で何度も止まってしまうのは季節の贈りものが点在しているから
DSCF5176.jpg

DSCF5189-1.jpg

DSCF5193-1.jpg

DSCF5196-1.jpg

いまはシコクママコナぐらいしか目立つ花はないけれど群生しているので、そわそわと誘われて足を止める
DSCF5206-1.jpg

DSFT4387-1.jpg

DSCF4719.jpg

樹木のトンネルをくぐり抜けていくと陽光も樹間をくぐり抜けてぼくの顔を照らす。おだやかななかに弾む心の動き
DSCF4725-1.jpg

DSCF4726-1.jpg

雲を見ていると飽きないな。足下を見たり空を見上げたりと首の運動をしている
DSCF5186-1.jpg

DSCF5212.jpg

DSCF5216-1.jpg

DSFT4371-1.jpg

DSFT4374-1.jpg

DSFT4393-1.jpg

山頂を通り過ぎて南へ降りていく
DSFT4412-1.jpg

帰りは山腹を南から西へ巻きながら林道を通過する
DSFT4427-1.jpg

DSFT4431-1.jpg

やがて林道に沿うように沢が現れる。この沢は勝浦川水系として南流する
DSFT4446-1.jpg

苔の帽子、沢の表面をつたう水。
DSCF5223-1.jpg

間伐が行き届いた人工林は適度な樹間に植物が茂り、温帯モンスーンの森を形成する
DSCF5233-1.jpg

途中で「あずまや」の標識を見て、林道から西に立ち寄った森が意外に良い
DSCF4737-1.jpg

DSCF4743-1.jpg

DSCF4744-1.jpg

DSCF4748.jpg

車を停めたところまで戻ると層積雲(うね雲)の隙間から光がこぼれている。もう夕方だな。
DSCF5239-1.jpg

タグ: 中津峰山
posted by 平井 吉信 at 22:58| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年10月03日

季節はずれでもえい 雨乞の滝から未来を


このとっころブログの更新がまっこと追いついちょらん。ほんでもて気候もおかしいながよ。ついこないだまで暑い熱いといいよった人たちが、朝晩はひやいと。どーいてこんな地球になったがか。

涼しさをお届けするために、神山町の雨乞の滝に行ってきたき。ぬくい湯豆腐が食べたいぐらいになってもうたけど、ままこな。

この時季はゲンノショウコが至るところで。見ればみるほどす。
DSCF4292-1.jpg

DSCF4330-1.jpg

DSCF4246-1.jpg

湿潤な遊歩道ゆえサワガニを踏まないようせな。
DSCF4305-1.jpg

カタバミとツユクサ どっちもええけんど、焦点の合わせ方で見え方が違う。
DSCF4348-1.jpg

DSCF4366-1.jpg
ここではカタバミ主人公のほうがえいの。

遊歩道入口の彼岸花。縦位置と横位置で見え方が違う。ここでは縦位置がざまに。
DSCF4476.jpg

DSCF4371.jpg

湿った沢沿いの小径はタニジャコウソウの群生。こんなところでひっそりと饒舌に(よく使う言葉だけど)咲いちゅう。
DSCF4383.jpg

DSCF4454-1.jpg

DSCF4471-1.jpg

DSCF4357-1.jpg

滝は至るところにあってこんな具合やき。
DSFT4142-1.jpg

DSFT4128-1.jpg

DSCF4354-1.jpg

DSCF4359-1.jpg

DSCF4362-1.jpg

道中は苔むして滑りやすい 注意せんとあかん
DSFT4147-1.jpg

DSCF4428-1.jpg

DSCF4446-1.jpg

雨乞の滝の終点は二重滝となっちゅう
DSFT4166-1.jpg

DSCF4386-1.jpg

DSCF4381-NR-1.jpg

DSCF4418-強化-NR-1.jpg

DSCF4425-強化-NR-1.jpg

まだ慈眼寺までの険しい道があるながよ。行かんけど
神山温泉の看板、入りとうなるの。「まったり さっぱり してやったり」のコピーが秀逸なま。
DSCF4474-1.jpg

まるごと高専の生徒さんたちとすれちごたかもしれん。駆け足で上がっていきゆ。えい試みじゃあな。いまの学校教育にない子どもに勇気を未来をくれるような学校じゃき。

まちの商店街から歩いていけるぐらいの距離じゃけど、珍しい生き物にも出会った場所。谷川に足を浸けてノートパソコンで仕事しよる人たちがおるかどうかは知らんけんど(あれはマスコミの「絵」)。

(らんまんロスのみんなに、万太郎の言葉で語ってもろたき。まあ幡多弁もまじっちょるが堪忍)
posted by 平井 吉信 at 22:07| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年09月30日

夕方の巻雲(すじ雲)は 何もない一日を映す幸福のかたち


近所に買い物に来て車を降りたら夕焼け雲が眼に入った。幸いカメラを持っている。店に入る前に駐車場から。

まずは換算35o(X-T5+XF23mmF1.4 R=準広角)の視野で。下部の蒼灰色の雲は形成されかけている積乱雲(この日は気温が高かった)で右上の白いブーメラン状の雲はこの積乱雲の上部が上昇分離して濃密巻雲となったものかもしれない。
DSCF5150-1.jpg

標準レンズ(X-T30+XF35mmF1.4 R)の縦位置で見てみよう
DSCF4700-1.jpg

この濃密巻雲はもつれ雲の形状
DSCF4703-1.jpg

太陽に近いところでは放射状巻雲が斜めの太陽光で赤く色づいている(X-T5+XF60mmF2.4 R=準望遠)。
DSCF5160-1.jpg

雲は地球の大気の動きを痕跡として見せてくれている。気象は温暖化による異常気象が加速されているが、身近なところで平穏無事に終わった一日と相まって雲は心を映してくれる。ひとことでいうと、何もないことの幸福感。

雲を見ていると、じんわりとひたひたと幸福感で満たされる。かたちあるものの背後にある、かたちのない存在に気付いているから。
posted by 平井 吉信 at 22:22| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年09月29日

最終回のらんまんから〜スエコザサ〜


9/17にらんまん最終回の予想を書いておきました。

壽衛さんの献身的な支えがあってこその牧野である。最終週は星になる彼女とスエゴザサではないかと予想しているのだが。

世の中のあらん限りやスエコ笹
(牧野富太郎)

追記(9/17)
らんまんの終わる場面が浮かんできたので記しておく。
本編では意外にも牧野さんが各地の植物愛好家たちと採集に出かける場面が出てこないので、とっておきの場面となっているのではないかと気付いた。
それは、すえさんの死後…。80代を超えた牧野は、愛好家たちと採集に出かけた山野でついうとうとしてしまう。
そこでは幸福感あふれる回想場面が走馬灯のようにめぐり、それを見守るすえさんの笑顔が浮かび上がる。ここでエンディングテーマが流れて夫婦の生涯を祝福するように幕を下ろす。
(実際どうなるのか楽しみ)


当たらずといえども遠からずだったかなと。

まずはスエコザサ。発見地が仙台であったように四国には自生していません。
けれど四国内で見える場所は、牧野公園(佐川町)と牧野植物園(高知市)です。
DSFT8209-1.jpg

拡大したもの
DSFT8209-2.jpg

葉が巻いている
D7N_7875.jpg

これらは牧野公園で撮影したもの。すぐそばに富太郎の墓もあります。生家もここから5分ぐらい、少年がバイカオウレンを見た神社も、藩校のモデルとなった寺も、売りに出された実家の酒蔵も統合していまも現存しています。

この日は、バイカオウレン、ヒメスミレなど番組でキーワードとなった植物も見られました。
http://soratoumi2.sblo.jp/article/187327603.html

何かを成し遂げるためにそれ以外のすべてを犠牲にする。そのことの大変さを伝えてくれたドラマでした。

牧野公園の植物や佐川町のまちなみについてはリンク先からどうぞ。
posted by 平井 吉信 at 20:21| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年09月22日

今週のらんまんから〜ムラサキカタバミ〜


今週のらんまん、ムラサキカタバミですか?外来種ですよ。
雑草のごとくたくましく、どこにでも生えちゅう。関東大震災からの復興の象徴として、自身の植物学者の再出発として描かれているのだろう。

実際は牧野家はさほど震災の被害はなかったらしいが、火事の延焼を嫌って当時は農村であった(そしていまもその面影がある)練馬へと引っ越すことになったらしい。そしてこれが夫婦にとって生涯最後の引っ越しとなる。

ムラサキカタバミはどこでも咲いている。花の時季も長く年中どこかで見かける。道ばたで、野山で、土手で、公園で、海沿いの散策路などで咲いていると、ついレンズを向けてしまう。

このたくましさ、どこにでもある存在感、かれんで華もあるけれど媚びていない。野放図の強さとともに復興の象徴として充てられたんだろう。ある意味では寿衛さんのようでもある。

自宅の庭だけで撮ったものを適当に並べてみた。
DSCF9858-1.jpg

DSCF3175-1.jpg

DSCF3177-1.jpg

DSCF3180-1.jpg

DSCF4301.jpg

DSCF4276.jpg

DSCF6520-1.jpg

DSCF1173-1.jpg

タグ:らんまん
posted by 平井 吉信 at 20:55| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年09月17日

避暑地の選択 南四国なら 川


温暖化で猛暑は通常となる日本列島で暑いときに行きたい場面として、高原、山寺、海、祭りなどを見てきたが、水辺が良いとして、選択肢の最後に出てくるのは川。それも南四国ならではの当然の結論かも。ということで日和佐川。説明なしでその場にいると思って麦茶を飲みながら見ていただくのがよいかも。

DSFT3899-1.jpg

DSCF3213-1.jpg

DSCF4167.jpg

2人のお母さん(?)が4人の子どもを連れての水遊び。この流れを見ると危ないところはどこにもない。上流部は深くなっているが、複雑な流れはなく例え流されても下流では足が付く。小さいライフジャケットを着ているが、この流れなら十分。管理された安全な状況で経験を積まないと、大人になって川に入って溺れてしまう。水質は二重丸で河畔林に包まれた静寂、木陰もある。理想的な状況ですね。
DSCF3252-1.jpg

森に包まれた平坦な流れ。河畔林の影が水底を透き通らせる。
DSCF4182-1.jpg

DSCF3247.jpg

道路から離れた河畔林に包まれた静かな場所。右岸は山の裾野となって川が洗い、小さな滝が流れ込む。少々どきどきしながら飛び込める冒険用の大岩があって絵巻物のような風景(飛び込むのはここから見えない向こう側)。観光地ではないので観光パンフレットにも載っていない。南四国の川ならでは。
DSCF3244-1.jpg

上流から蛇行した流れに河畔林が影をつくる水底は静寂に見えてしずしずと水を下流に押し出す。涼感これに極まる
DSCF3274-1.jpg

DSCF3276-1.jpg

DSCF3295-1.jpg

DSCF3345-1.jpg

単に涼しい、水が汚れていないなどの理由だけでなく、南四国の川には物語がある。ナラティブを重視する人は「四国の川と生きる」をどうぞ。
タグ:日和佐川
posted by 平井 吉信 at 15:54| Comment(0) | 山、川、海、山野草

渚と読書


ヒトは暑いときは海へ行きたがる、といいつつ本人は海へ出かける。

波を眺めていると飽きない。ときおりはKindleで本を読む。
DSCF3700-2.jpg

集中が途切れたら波を眺める。また本を読む。
DSCF3701-1.jpg

その合間に茶を飲む。これで半日が過ぎていければいいのでは
DSCF3713-1.jpg

(フジX-T5+XF60mmF2.4 R)
posted by 平井 吉信 at 12:58| Comment(0) | 山、川、海、山野草

深い杉木立に包まれた第20番札所 鶴林寺


ヒトは夏に海へ行きたがるが、実は山間部の寺が涼しい。
水の流れる沢は風のとおりみち。杉木立をすり抜けるとフィトンチッドも加わって涼風清清となる。

四国巡礼第20番札所の鶴林寺は、標高5百メートル前後の尾根筋にあり、北面の勝浦川からも南面の那賀川訪問からも上がっていける。通常は巡礼の順路で勝浦川から上がって那賀川筋へ抜けていく(次は第21番太龍寺である)。歩き遍路にとって杉木立の遍路道は人生最良の場面のひとつとなるのではないか(遍路道お楽しみのため写真は掲載しない)。徳島方面から車で来られるのなら、勝浦方面からが距離は短いが、狭い山道のアプローチは長い。逆に距離はやや長くなるが、狭い山道が短めで交通量も少なく道幅も広い那賀川方面から上がるとよい。

杉木立が印象的
DSCF3466-1.jpg

DSCF3471-1.jpg

DSCF3473-1.jpg

山門を抜けての参道にも杉木立、ここも涼風清清
DSCF3477-1.jpg

苔むした庭園のような場所
DSCF3493-1.jpg

菩薩、明王、大師の姿を拝観しながら進む
DSCF3490-1.jpg

DSCF3496-1.jpg

DSCF3488.jpg

DSCF3500-1.jpg

石段を上がりきると本堂、右手に三重塔
DSFT3993-1.jpg


DSFT4002-1.jpg

DSCF4272-1.jpg

三重塔は近年再建された
DSFT4013-1.jpg

DSFT4020-1.jpg


彫刻の細部
DSCF3512-1.jpg

DSCF3513-1.jpg

苔庭の落ち葉と小さなキノコ 生きとし生けるものを象徴する
DSCF4283-1.jpg

DSCF3530-1.jpg

暑さとコロナを避けて境内に響く読経が風に乗って下界へ運ばれていくようだ
DSFT4026-1.jpg

DSFT3983-1.jpg

追記 遍路へ行かない理由

A
四国が好き
四国に住んでいる
実家は真言宗
空海のファン
禅宗の本を読む
読経が得意 親族の法要も担う
歩くのが好き
神社仏閣に興味がある
民俗学に関心が深い

それなのに、四国巡礼(八十八ヶ所)に興味がないのはどうしてだろう?

B
悩みはあっても 悩む暇はない
やらなければならないことが多い&ほかにやりたいことが多い

AとBを掛け合わせると
スローライフ志向ではなく、巡礼の動機が見当たらない。
ということで、遍路はしないということになる。

タグ:鶴林寺
posted by 平井 吉信 at 12:51| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年09月16日

大河が蕩蕩と押し流す鎮め(吉野川 川島町) 


時刻は18時5分、香川県への出張の帰りで吉野川河畔に車を停めた。
夕暮れの水辺は静けさのなかに無数の営みが埋め込まれた、ひそやかな饒舌といえるかも。
DSCF4174-1.jpg

大河のみなぎる水が太陽が沈む時刻におりものを押し流すごとく。
DSCF4175-1.jpg

太陽と反対側、川島潜水橋を見れば青に沈む
DSCF4180-1.jpg


そこには感情はないはずなのに、感傷が入り込んでくる。蕩蕩と流れる水はしずしずと隙間を広げる。それが水のいのちと。
DSCF4192-1.jpg

(フジX-T5+XF60mmF2.4、24MPセンサー、26MPセンサーなど前世代のセンサー+画像エンジンとは根源の写りが違う。比べなくてもわかるほど)
タグ:吉野川
posted by 平井 吉信 at 21:15| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年09月15日

今週のらんまんから〜ツチトリモチ〜


物語は終盤にさしかかっている。脚本は史実を踏まえながらも、誰もが悪者にならないよう、登場人物の一人ひとりに細やかな気配りがなされている。単純に白黒を付けないのに、モノサシ(伝えたいメッセージ)はぶれていない。植物を通じて訴えているのは人の生き方。好きなことに夢中になれることの幸福感。人生に敗者はいないという伝言を受け取った方も多いだろう。近年の朝ドラで出色の脚本ではないか。

劇中では神社の木を切るという明治政府の方針に主人公はなんとかならないかと神社の森の記録を通じて抗議の意志を示そうとする。そこに明治神宮外苑再開発への隠された脚本家の意図を見る。

神社には必ずこんもりとした森がある。その森は長い年月にわたって地域固有の生態系が固定された閉鎖系となっている。神社の森には開発の手が入らないからである。
徳島でも神社の森に稀少な植物が自生している(しかもその一角だけ)という事例が多く存在する。神社の森の生態系は時間を止めたかのように脈々と遺伝子資源をつなでいる場でもある。

冬になると訪れるこの神社の裏山にツチトリモチの自生地がある。足下に気を付けて丹念に斜面を探っていくと次々と見つかる。この植物は光合成を行わず樹木に寄生してそこから養分を摂取する。ツチトリモチ科 ツチトリモチ属 ツチトリモチである。
DSCF9137-1.jpg

D7K_5074_NX2.jpg

D7K_5082_NX2.jpg

DSCF8308.jpg

DSCF8296.jpg

壽衛さんの献身的な支えがあってこその牧野である。最終週は星になる彼女とスエコザサではないかと予想しているのだが。

世の中のあらん限りやスエコ笹
(牧野富太郎)

追記(9/17)
らんまんの終わる場面が浮かんできたので記しておく。
本編では意外にも牧野さんが各地の植物愛好家たちと採集に出かける場面が出てこないので、とっておきの場面となっているのではないかと気付いた。
それは、すえさんの死後…。80代を超えた牧野は、愛好家たちと採集に出かけた山野でついうとうとしてしまう。
そこでは幸福感あふれる回想場面が走馬灯のようにめぐり、それを見守るすえさんの笑顔が浮かび上がる。ここでエンディングテーマが流れて夫婦の生涯を祝福するように幕を下ろす。
(実際どうなるのか楽しみ)

タグ:らんまん
posted by 平井 吉信 at 21:57| Comment(0) | 山、川、海、山野草