2017年12月10日

冬の南阿波サンライン 日だまり物語


コートの隙間から突き刺す風を避けて
南へ出かけたいと思うのが人情。
徳島県民なら、めざせ海部郡ということになる。

徳島市内から1時間程度で日和佐町に着く。
ここではそれぞれ個性的な飲食店があるのでお好きな店へ。
(いずれご紹介するとして)


さて、食後に昼寝がしたくなったのでサンラインへ牟岐側から入る。

第4展望台で日だまりに停めていたら
いつのまにかうとうと。
窓を開けたままで寒くない。
だってここは冬の日だまり、太陽が空から降りてきて戯れている。
目の前は牟岐大島
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こちらは出羽島 人が住んでいるなつかしい島
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日だまりの展望台はただいま空きがございます
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冬の空に思いがけず季節にない色を見つける
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座席に寝っ転がって窓の外へ足を出して雲を眺める
次々とやって来ては去って行く。飽きることがない
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居心地の良い第4展望台に次々と訪れる。
長い人は数時間ぼんやりといる。
その気持ち、わかる。


次に第3展望台に移動。
ここは遠く室戸岬を臨む南へと延びる海岸線を楽しむところ。
正面に太陽を見ているとまぶしい、と思っていたら、
太陽が傾いている。
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明丸海岸と第2展望台を飛ばして外ノ牟井浜へと急ぐ。
釣り人が通う岩場にシオギクが咲いているはずだから。

崖の上から渚を見下ろすシオギクはいまが盛り。
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そして第1展望台で沈む夕陽を眺める。
ここに居着いた猫。
誰かが餌をやっていることが毛並みからわかる。
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いよいよ、太陽が沈む時刻を迎える。
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良い一日を味わったら振り返ることなく
もう視点は明日に向かっている。
季節が人の目を未来に向けさせる。
posted by 平井 吉信 at 19:23| Comment(0) | 山、川、海、山野草

ゆこう(ユコウ、柚香)が届けてくれる身体の冬支度


風邪が流行しているけれど
咽は痛くならないし(ときに酷使もしているけれど)
寒気もしない。
(インフルエンザの注射はする時間がなくて)

冬の体調管理は、ゆこうに限る。
ゆこうは、徳島県上勝町に産する香酸柑橘で
ユズとダイダイの自然交雑種とされている。
(ユコウ、ゆこう、柚香とも表記する。勝浦町、徳島市南部、那賀郡、阿南市南部、海部郡でも少量採れる)
香りはユズ、酸味はすだち、味はゆこうといわれるように
果汁そのものが美味。
(ぼくはそのまま絞った果汁をウイスキーのように舐めることがある)

ゆこうは、まろやかでありながらレモンのような透明感のある酸味を持っている。
徳島では、ユズ、スダチ、ユコウの果汁をブレンドして料理に用いることが多い。
でも、ぼくがゆこうを好きなのは果汁そのもの。

今年は裏年で実が小さくみかんぐらいだが、
それでも多くの人がぼくのゆこう好きを知っていて
持ってきていただいている。
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これを洗って絞り器にかけて
湯とはちみつで割って飲む。
このおいしさは究極の飲むスイーツという感じ。
ユズやスダチは飲もうとは思わないけれど
ユコウは香酸柑橘の天国のような魅惑を凝縮した風味で
舌も咽も歓ぶ。
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これを飲み続けていて気付いたことだが
風邪を引かない、冷えを感じない。
(実はエアコンもストーブも仕事部屋では使っていない。日の当たらない鉄筋コンクリートなのに)

ぼくは胃酸が多いほうだと思うけれど
(コーヒーを空腹時には飲めない)
ユコウは胃を刺激しない。
(おそらく酸性度が他の柑橘類より低いのではないか)。
他の香酸柑橘にはない抗菌作用や体調を調える機能があるのではないか。

絞り器は、しぼりーなというのを使っている。

果汁をこのまま舐めてもおいしいけれど
身体をあたためたいのではちみつ湯割で。
はちみつは勝浦町産の松平養蜂場のみかん蜜のを使っている。
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食後のコーヒーに代えて
ユコウはちみつ割を飲むひとときこそ
冬の至福といえるのでは。


追記
絞ったあとは清掃に使ったり
風呂に入れたりとまだまだ大活躍のゆこうに拍手。
冬の寒空の下、収穫されている高齢の生産者の方を応援したい。
posted by 平井 吉信 at 13:10| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2017年12月09日

宍喰町から海部町への海沿いの四国のみち 愛宕山遊歩道


もうだいぶ前にここを通ったことがある(ような気がする)。
まだ遊遊NASAという宿泊交流施設ができる前の話。
久しぶりだから行ってみようと。

途中の牟岐55ラーメンで昼食を。
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出発は国道55号線沿いの遊遊NASAの入口に駐車場がある。
ここに数十台停められるが、ほとんど車は停まっていない。
遊歩道の入口を探したが見つからないので
遊遊NASAへの路を上がっていくと
右手に並行して走る遊歩道が見えてきた。
(国道から上がる登り口を見落としたようだ)

椿を見ながら上がっていく
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那佐湾の入口への眺望が開けて最初の展望台
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大河のように見えるが、細長い湾である。
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那佐湾の先端へはどうやって行くのだろう
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と思っていると、すぐ近くに遊遊NASAの施設が見えてきた
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さらに進むと、くじら岩とある。目が付いている
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本格的な展望台が現れた
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海岸性照葉樹の一部が紅葉している
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那佐湾に向かって下る手前で大里松原が見える
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那佐湾に向かって降りていくと思いきや
つづれおりに下りつつ
ついには池のある平坦地に降りる。
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ここはふしぎな地形である。
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山のなかを歩いていたら、いきなり平地に降りてきたような感覚。
海部川が南下しようとして
いつか隆起にあって流れを東流させたのが鞆奥漁港のようにも見える。

滅多に来ない人間に驚いたジョロウグモが巣を移動する
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降りたものの、また高度を上げていく。
途中に私有地があるのだろう。
生活の匂いが感じられる場所がある。
遊歩道と思って歩くと
踏み跡もわかりにくいかもしれない。
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手倉漁港と手倉展望台の分岐がある
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まずは展望台へと行ってみるが
展望のない展望台であった。
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そこから生活の匂い(ゴミ)のある路を通って海沿いの車道に降りた。

しばらく歩くと手倉漁港である。
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港は自然度の高い構造で外洋の水が新鮮に入れ替わる
愛宕山への遊歩道は小屋の手前からあるようだ。

こんな自然度が高い港があれば大勢の人が押し寄せるだろう。
実際にどこを見ても家族連れなどが釣りをしている。
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眼前に島がある。
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ここが港内とは思えない。
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日蓮聖人が沖を見守る
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帰りはまたあの路をたどる気がしないので
漁港から鞆奥のまちなみを経由して戻る。
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係留された漁船が南仏のようだ?
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独特の家のつくりは狭い港町での意思疎通のため
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途中でヤッコソウが見られた
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民家の軒先でぼうとたたずむ
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大砂海岸まで戻ってくると月がまぶしい。
(そうか、スーパームーンだったのか)
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愛宕山遊歩道は観光地といえる場所ではなく
地元にとって、この場所をどうしたいかが見えない。
しかし周辺まで含めて散策すればまた違った日常が見えてくる。
一見ぱっとしない場所に見えても
有償のガイドがあれば訪れる人はきっといる。
観光政策の課題が見えた気がする。
posted by 平井 吉信 at 22:16| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2017年12月02日

黄花亜麻を見に抹茶ぜんざいに至る冬の大滝山


冬の風物詩といえば、和田乃屋の庭に咲く黄花亜麻。
モラエスが愛した花として知られている。
眉山の一角、
大滝山は江戸時代から徳島お城下のリゾートのような華やぎを持つ空間。
その山裾に面した庭に滝が落ちている。
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カエデの紅葉はまさに終わらんとするとき
黄花亜麻が満開に近づいた。
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この奇跡の庭を愛でながら
滝のやき餅をいただく、というのがそもそも。

でも、きょうはこれ。
抹茶に焼いた餅を浮かべたぜんざい(抹茶ぜんざい=810円)。
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脳が食べたくなるスイーツって言い過ぎですか?
抹茶があれっと思うほど、しずしずと。
(和田乃屋さんは茶を目利きして扱っている)
焼いた餅の香ばしさ、
北海道十勝産の小豆と和三盆糖、つぶつぶと舌に踊る。
甘くないけど、このとろける感じ。
冬のキメスイーツとして、ひそかにおすすめ。

タグ:和田乃屋
posted by 平井 吉信 at 23:59| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2017年11月06日

秋の高丸山 ブナの森に霧がかり 音のない世界がしんと


春の桜は生きる糧となっているけれど
秋の紅葉は、しみ入るものがある。
子どもの頃、唱歌の「紅葉」が好きで
秋が来ると近所の山中を駆け巡っては口ずさんでいた。
そこには山から下りてくる小さな沢があって
色づいた落ち葉を集めていたのだ。

この曲の歌詞は日本語を磨いて言の葉の玉が透きとおるようだ。
このような端正で耽美な世界が唱歌にはときどきある。

「紅葉」を感じたくて山へ出かけることにした。
秋の山の天候は安定している。
昼過ぎに家を出て高丸山へと向かった。

勝浦川最大の支流、旭川は光が差し込めて水が踊る
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駐車場は満杯だが、ほとんどがまもなく降りてくるだろう。
その人達をやり過ごしたら
秋の残照を浴びてブナの森の静かな逍遥が待っている。
それこそ秋に浸ることができる。
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高丸山は、千年の森として県が保全と活用を図ろうと
指定管理制度によって地元の有志や団体でつくる組織がその役割を受託している。
高丸山はその中腹にある神社周辺のブナ林が白眉。
けれど、増えすぎた鹿のため
ブナの森のススタケが消えようとしている。
そこで、この団体が柵で囲って保全活動を数年前から始めた。
(県からの要請ではなく自主的に行っている)
また、枯れ枝が宙にぶら下がっている箇所の下を立ち入り禁止にしたり
迷いやすい東側の尾根ではロープを張って踏み跡をはずさないように配慮している。
駐車場から下には植樹を行い、幼木とはいえ森の様相が感じられるようになった。

とはいえ、南限に近いブナの森であるため
今後の温暖化の進展でブナが生きていけない環境に変わるかもしれない。
鹿が増えすぎた最大の要因も温暖化で冬を越しやすくなったからだろう。
生態系をめぐる危機的な状況を理解し
森を守る思いを感じつつ散策するのも良いかと。

登山道が沢から離れるところで尾根を登るのと
神社のあるブナの森へと分岐がある。
その平坦な森で植生の回復を図ろうとしている。
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曇りがこの日の基調。ときどき薄日が射すと登山道に秋のぬくもりが宿る
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秋は単調な色彩に無限の階調を見せる
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樹木のトンネルの光の明暗を新鮮に感じる
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山頂へ着いて遅い昼を食べる。
手作りのそば米雑炊、おにぎり、柿とともに煮込んだ根菜がおかず。そして、バナナ。
(こんなところで味の濃いコンビニ弁当は食べたくない)。
行動食にはチョコレートも。
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雲早山が左端に見えるが、やがて雲に隠れた。
難路といわれた高丸山からの縦走路もだいぶ踏まれるようになったが
高低差が大きく距離が長い。しかしそこを一日で往復する強者もいる。
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食事のあと尾根を東へ下っていく。
登りとは異なって低木の自然林のゆるやかな尾根が横たわる。
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スズタケかクマザサかはわからないけれど、存在に安堵する。
山の表土を守ってくれるはずだから。
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背の低い天然林を降りていくと人工林の森に出て
西へと向きを変えて戻っていく。
人工林は沢を渡ったところで天然林に変わる。
神社のある一体が高丸山のブナ林である。
しばらくは森のオブジェを探しに森を歩く。
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いよいよ核心に入って頃、
霧が立ちこめるようになった。
もはや高丸山の山域に誰もいない。
物音ひとつしない、風の音すらしない、葉ずれの音も聞こえない。
無音の森が一日の終わりを迎えようとしている。
いい、こんな時間がたまらなくいい。
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曇りのやわらかい光が全体にまわることで紅葉は鮮やかさとともに
幽玄の照り返しを見せる
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霧が出てくると森は深沈と沈み、湿度が音のない世界をさらに包み込む
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相方がフジフイルムの小型のデジカメ(X20)で写したもの。
いつのまにか無意識にレンズの目を持つようになったよう。
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上勝町の中心部まで戻ってきたら夜の闇に包まれた。
秋なのに桜が咲いていたので写真を撮ろうとしたが、
夜の帳に花びらは溶暗し
月ヶ谷温泉は湯屋の光をまとって川向こうで瞬く。
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タグ:高丸山
posted by 平井 吉信 at 21:59| Comment(0) | 山、川、海、山野草