2014年03月16日

阿讃国境のユキワリイチゲ 雪の谷間から陽射しを浴びてほんのり開いた 春の気配そこまで


何かが動く予感のある春。
それは決して良いことばかりではないかもしれない。
数日前には、
夜中の地震に耳を澄ませた。
(とはいえ、仕事で起きている時間帯であったが)

こんなときだから、太陽の温もりを感じたい。
ぬくもりがありがたく感じられるのは
それが顕れるきざしとともにあるから。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昨年に偶然発見したユキワリイチゲの谷へと
昼前に家を出た。
この山域の個体は紫を帯びて美しい。

前日に雨(雪)があったのだろうか。
谷は増水している。
機材を背負っているだけに
数カ所での渡渉は気を遣う。

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花を待つ雪を、写真にするとこうなる。
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こんな人工的な青さの植物の実がある。
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両側の山肌が切り立っていて太陽はまだ現れない。
イチゲちゃんはまだ雪の隣でたたずんでいる。
いくつかの個体はつぼみを持ち上げようとしているけれど
開花をうながす十分な光はまだ届いていない。

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冬にしばられたユキワリイチゲの葉。
例年より遅い光のぬくもりを待ちわびている。
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谷を遡行するにつれて
雪の面積が広くなっていく。
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とはいえ、太陽が近く感じられるようになってきた。
光が降り注ぐ谷間は、冬と春が隣り合わせに明滅するようで。
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雪があるから、木漏れ日がまばゆい。
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誰が置いたのではない。自然が展示するミニチュア博物館。
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小枝の先の沢が少しずつ瀬音が高くなっている。
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ほら、枝に宿るのは春の光。万華鏡のよう。
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この谷のイチゲたちにも少しずつ春がやってきた。
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ようこそ、ユキワリイチゲの里へ。
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午後も数時間を経過してようやく谷間に光が射すと、
花を開こうとするユキワリイチゲが点在する。
山肌に埋もれてしまいそうな花たちだけど
近寄ってみると、生命の気を発散している。

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いま目覚めたよ、といわんばかりの。
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まだ顔を人に見せられないから。
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一足はやく大胆に。
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すました横顔をじっと見つめる。
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一人静の舞のように。
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話すことに夢中になって。太陽が飛び込んできたら饒舌になる。
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葉裏が赤いのが特徴。
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鳥のようにも見える。
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「よろこび」などと書くと気取っているようだけど
はしゃいでいるようにも見えて
見守るヒトも幸福感に包まれる。

5000ケルビンのスポットライトを受けて。
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花弁を透かして春が見えたようで(この写真はこれが適正露出)
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伝えたいことがあります。
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まだ寝ぼけている個体がありました。ここからが富士フイルムのX20
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ほぼ満開だ。フジならではのやわらかく繊細な色で。
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斜面で日を浴びるユキワリイチゲ。
近いのに背景が写るこの広角マクロの世界は
一眼レフではもちろん、X20以外では望めないかもしれない。
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人生で何度目かの春に歩く。
騒ぐことはないけれど
ふつふつと湧いてくる歓び。

春ときどき冬、冬のち春の森林予報。
ここで引き返そう。
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森にも意思がある。
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下山口が近づく頃、
落ち葉の隙間から
フキノトウが顔を出していた。

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ユキワリイチゲ四重奏団の弦楽はロンドで。
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これから1〜2週間が見頃、遅咲きならあと一ヶ月ぐらいまで。
また来年、ユキワリイチゲの春を聴きに行こう。

追記

この界隈で人気のパン店で買ったものを
翌朝の食卓へ並べてみた。
みんなで少しずつ分け合うからおいしいのだ。

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posted by 平井 吉信 at 10:45| Comment(2) | 山、川、海、山野草
この記事へのコメント
5000ケルビンのスポットライトを受けて・・
眠りからまぶしそうに目覚めた春の踊り子たちが舞い始めましたのね!
良かったですねえ・・
平井さんのカメラの中におさまり・・見事に舞台挨拶がはじまりました!
見せて頂き有難うございました *^:^。
Posted by ちごゆり嘉子 at 2014年03月17日 14:06
春を感じる谷でした。
山野草は太陽に同化して
やわらかくたたずんでいます。
これから数週間、年度末に睡眠時間を削ってどれだけ野山へ出かけられるかです。
なるほど、花粉と大気の汚染物質で鼻がむずむずしますが、花は季節をあっという間に駆け抜けるので追いかけてみたいところ!
Posted by 空と海 at 2014年03月17日 22:45
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