それでも、無理やり来てしまった。
(また睡眠時間が短くなってしまった)
途中の立川PAで
そば粉100%の立川そば(600円)をいただく。
これはいつも楽しみにしている。
洗練されたそば店のせいろは大好きだが、
この素朴さは、祖谷そばにも似て
そばを麺にせずに食べていた時代の趣をたたえている。
出汁とからんでいて一緒にすすると幸福感きわまる。

高知市内の蛇紋岩帯に自生するムラサキセンブリは、
全国の山野草を愛する人の憧れの地。
昨年初めて訪れて見つけた生息場所とは
別の場所を探そうと思った。
→ 発見初日(2012.11.24)
→ 二日目 (2012.11.25)
→ 未発表写真(2012.11.25)
おそらく水の便と日当たりが良くて
他の植物と適度に紛れるような場所が
居心地が良いのだろう。
昨年は、Googleマップから地形を見出し、
電子国土と照合して自生地の目星を付けた。
(それがたまたま当たった。いつものごとく、自生地の情報は持ち合わせていないので)
今年は、別の地区を探すつもりで、
またもや、見当を付けた場所に向かう。
いつもそうだが、見当を付けた場所へ向かうのも難儀だ。
その地形にどこからたどり着けるのか、
里山の場合、狭い道路が縦横無尽に走っていて
民家へ辿り着いたり、
道幅が狭くなって、バックで長い距離を引き返したり…。
里山の道(クルマは入ってこられない)を
とぼとぼと歩けども、目的地が近くに見えてこない。
谷筋尾根筋が違う可能性がある。
いったん引き返しても良いが…。
まあ、もう少しだけ。
途中の山道で見つけた。園芸種なのか野生種なのか。
そもそも何という草花なのか?

ムラサキセンブリが見つからなくて
次の行動を探しあぐねていた頃、
道が曲がって突然視界が開けた。
おっ、と思うと
足元に群生しているではないか。
こんな場所だから、地元の人もほとんど知らないに違いない。
やはり、高知の蛇紋岩帯では予想以上に拡がっている可能性がある。
最初に見つけたのは開けた崖の下で。枯れ草に埋もれて群生。




アーチのような動きが軽やか。

ひなたぼっこをしている小鳥のようでもあり。

ここまでが富士フイルムのX20での撮影。

↑ X20の紫色の再現は出色だ。
以後はニコンD7000で。
天気は曇りがちだが、
薄日が射した瞬間に次々とシャッターを切っていく。


遠めには枯れ草に紛れてまるで目立たないのに
それを見ようとすると、
これほど雄弁に語り掛けてくる山野草はない。

めしべに金粉をまとっている。太陽の輝きがそう見せるのか。

高貴な姫君が振り向いたときに
ふりまく媚びのない微笑みのように
紫の持つ気品、磨かれた表情が
野に咲くこの花から漂う。

青空を背景に背伸びをしている。凛々しさ。


つぼみはいっそう濃い色でこれから咲く花のために力をためて。


松の幼木を背景に和をあしらってみました、とでも言いたげに。

人はなぜ山野草に憧れるのか?
無意識のうちに、自らの「真善美」を投影しているのだ。

(2013.12.1撮影)
タグ:ムラサキセンブリ
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