2013年11月17日

ナカガワノギク 落日のきらめき いのち果てる最期の光の突き抜けた輝き


急流を瀬に浮かび上がるナカガワノギク。
落日を目前に、なお輝こうとするのは
生きることへの切なる憧れか。

生きることに満足しきって突き抜ける数日が
人には来るという。
えもいわれぬ幸福感に包まれるとか。

死の二日前、
父は、それまで見たことのないような
満面の笑顔で歌をうたいはじめた。

♪ むかしむかしのそのむかし
  しいのきばやしのすぐそばに
  ちいさなおやまがあったとさ…
  これこれすぎのこおきなさい♪

幼い頃のお気に入りの歌だったのだろうか。

生命の衰えが痛々しい身体から
軽やかに声が響き
赤ちゃんのような無垢の表情で
天井に目を向けていた。
(ああ、突き抜けたのだと思った)

やがて
言葉を発することができなくなった頃、
家族が握る手のなかで、
閉じた眼から涙が伝うのを見た。

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誰もが等しくそのときを迎える。

posted by 平井 吉信 at 12:04| Comment(0) | 生きる
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