松山銀天街のぎんこい市場で
向井京子さんのキャベツを3個買ってきた。
そして、またたく間に食べてしまった。
「なぜ、こんなにおいしいのですか?」
わざわざ電話をかけて聞いてみた。

わらをすきこんでいるから、とのお答えだった。
でも、やはり作物をつくる人の気持ちが入っているんだな、と思う。
そのまま食べてもおいしいけれど、
徳島籠屋町の料理屋「味匠 濱喜久」さんがつくった
ゆこうのドレッシングで食べてみる。

このドレッシングを開発した濱喜久の大将、
濱田利弘さんに話を聞いてみたことを以下に。
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(1)ゆこうに惚れた
徳島で手に入る香酸柑橘といえば、
ゆず、すだち、ゆこう―。
どれも素敵な素材です。
ゆずは、個性が際だち、
いつだってゆずの風味を主張します。
すだちは、香りを活かせる食材には抜群の相性を示します。
でも、三姉妹の末っ子、
ゆこうはあまり知られておらず、
地味な存在です。
ゆこうは、ゆずとすだちの合いの子、
和製レモンとも言われるように
香りがよく、風味がまろやかで、どんな素材も活かします。
サラダ、酢の物、おひたし、さしみ、焼き魚、揚げ物、しゃぶしゃぶ、すし…
和菓子や洋菓子にもいい―。
ゆこうのすばらしさって、付き合うほどにわかってくるんです。
(2)三十年前の出会い
濱喜久は、料理屋です。
大将の濱田利宏が、
大阪の法善寺横丁のふぐ、てっちりの専門店で修行をしていた三十年前、
下っ端だった大将は、
まだ青いゆこうの果実を手絞りで朝から晩まで搾っていました。
ゆこうが採れる時期は限られているので
トラックで運ばれてくる膨大なゆこうを搾って
厨房の地下室に貯蔵しておくのです。
それは、ぽん酢をつくるためでした。
ぽん酢の配合は店主のみぞ知る門外不出だったそうです。
ほとんど知名度のないゆこうを、
なぜ、大阪の料理屋が知っていたのかは不明ですが、
当時から知る人ぞ知る食材であったことがわかります。
そのぽん酢の味を再現してみたかったのです。
(3)忘れてしまった…一期一会の料理屋
厨房は不思議な場所です。
その日仕入れた食材を、どのような味にするか、
大将の判断でその場で決めていくのです。
大将は不思議な人です。
レシピもなければ、お品書きも書きません。
素材や味のつまった工房(記憶)があって
それを自在に取り出しているかのよう。
頭のなかで味を描いているのでしょう。
料理はその場の素材や空気、そしてお客様とのやりとりから生まれる
一期一会なのかもしれません。
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同時発売のちり酢も絶品である。
鯛のさしみなど、これで食べたら
本来の甘さをさらに引き出しながら食欲を増進させてくれる。
価格は確か600円。
濱喜久さんの店舗で入手できるけれど、
駐車場にクルマを駐めて
夜間営業の料理屋で買うのは買いにくいかもしれない。
阿波踊り会館とか、徳島阿波おどり空港で置いてもらえると良いのだが。
(お店に電話をして確認されるのがよろしいかと)
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