2013年10月26日

四国内の産直市をめぐる 西条、そして松山へ


西条祭りが終わったばかりの西条、
石鎚山のふもとのこの都市は、
伏流水が「うちぬき」と呼ばれる自噴水となって
まちの至るところで湧き出る。
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アクアトピア水系は西条市民の憩いの場
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西条のまちなかに紺屋町という商店街がある。
その一角に、みのりちゃん市場という直売所がこの夏にオープンした。
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何度か訪れたが、
いい野菜が多数並べられていて野菜好きにはこたえられない。
しかも価格が安い。
スーパーと比べて安いのはもちろん、
他の直売所と比べても安いように思う。
(都市部の人が並べられている野菜と値札を見ると信じられないだろう)
そして、食べるとなおびっくり。
野菜の旨味がぎっしりと詰まった
プロの生産者のしたり顔が見えてくるよう。

今回は、枝豆(150円)に驚いた。
こんなに中味がしっかりと詰まっていて
旨味が濃厚な枝豆には滅多に出会えるものではない。

西条は水がいい。
そして、野菜ソムリエがたくさんいるとも聞いた。
出品されている生産者のレベルは極めて高いようである。
(いままではずれを引いたことがない)

前回来たときにもたくさん買ったが、
価格設定が安くなかなか千円を超えない。
この品質なら、
都市部なら数倍の値付けでも売れるのではと思わせる。

みのりちゃん市場は、まちなかにありながら
駐車場を完備している。
紺屋町は急ピッチでまちづくりを進めているが、
一足早くオープンした施設である。
がんばっておられる商店街だから応援したい。

さて、紺屋町といえば、
鉄板焼きのスパゲティーで有名な喫茶ドリップがあった。
残念ながら閉店されたらしい。
このお店は、学生から高齢者まで3世代が通う
ユーミンの音楽のようなお店。

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カレーとスパゲティーの2酒類のメニューだったと記憶しているが、
西条の人たちの心のよりどころのようなメニューだった。
焼きスパゲティーは、ぼくも何度か注文したが、
鉄板のどちらかの端におしぼりを敷いて
大量の油を摂らないように食べるのがコツである。
(まわりを見ると、みんなそうしている)

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メロンソーダとアイスクリームが付く
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朝が来ると、まずドリップの門をくぐる常連さんも少なくない。
昼は、OLやサラリーマン、学生が同じメニューを頼む。
煉瓦の雰囲気と昭和の匂いのする名店だった。


少し離れたところにあるレストラン黒猫は西条を代表する名店。
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プロ野球選手の色紙がずらりと
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私も何度か食事にうかがったが、
残念ながら2010年末に閉店された。

武家屋敷を活用した嶢風庵は2010年夏に閉館されている。
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経営者の高齢化とともに、
いい店がなくなっていく。
経営者が変わっても
そのDNAを引き継ぐことはできないものだろうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

台風を気にしながら松山へ

翌日は、台風を気にしながら松山へ。
すでに、予讃線は止まっているが、
このことを見越してクルマで来ている。
松山道も通行止めだが、国道11号を桜三里経由で向かう。
途中、故障車が立ち止まって、それを除けるために
自主的な交互通行となり、桜三里を通り抜けるのに時間がかかった。
(ここも300oを越えると通行止めになるので早めに通過したかった)

松山の目抜き通りは、松山市駅・いよてつ高島屋から
三越松山店、さらにその先のロープウェイ街・松山城を結ぶ
銀天街、大街道である。
その銀天街の一角に、この4月にリニューアルオープンした
ぎんこい市場がある。
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ここは、意欲的な中予の生産者有志が出品している。
愛媛県中予地方局、松山市地域経済課もその動きを後押しして
愛媛CATVの協力を得て空き店舗で直売所を開いている。

ここには名物店長(向井京子さん)がいらっしゃる。
地元のケーブルテレビなどに出演されているらしい。

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店頭に良さそうなキャベツがあった。
なんと地元産(旧広田村)である。
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この時期、四国ではほとんどキャベツが採れない。
一部、夏に収穫できる「藍天」などの品種もあって
栽培している生産者もいるが、一般的ではない。

ところが、これは正真正銘の地元産である。
旧広田村は合併して砥部町になったが、標高はかなり高い。
聞けば、店長自ら、今朝台風の雨に濡れながら
自分の畑から持ってきたという。
しかも1個150円。
(ここ数日はキャベツが高騰していてスーパーでは5百円近い価格になっている)
さっそく3個購入した。

さらにナラタケ(1カゴ150円)。
崩さずに持って帰るのが大変だけれど、
よし、これも買った。
愛南町の美生柑も安く売られていたが、
涙を飲んで次回に。

それにしても、
大街道〜銀天街(松山)と高松丸亀町は
四国の双璧と呼ばれる商店街で
全国からも注目されている。
そんな商店街の一角に
小さなけれどかつての八百屋のような店があるのは珍しい。
地元のおばあちゃんや子育て世代の女性がひっきりなしに訪れて
新鮮で安い地元の野菜を買っていく。
地元産のマツタケが並んで飛ぶように売れたり
まだ珍しいコールラビが並んでいたり。
イタリアンレストラン御用達のニンジンが売られていたり。
店長やスタッフとのやりとりを楽しみながら。
かつての商店街の良いところをぎんこい市場は表現しているよう。
こんな動きが商店街に拡がっていくといいな。

近所の鍋焼きうどんの店に行った。
あさひ or ことり? どちらの店もいい。
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来週は、四万十市(中村)のいちじょこさん市場へ出かけてみよう。

四国は、野菜が安くておいしい。
四国に住んでいるほとんどの人は気付いてなくて
スーパーの野菜を買っているけど。
(出張で数日空けると、料理をしたくてたまらない)


追記

その夜遅く、高速道路通行止めで渋滞する11号線(新居浜市)を
抜けて7時間かけて徳島まで戻ってきた。
おなかが空いている。
さっそくキャベツの千切りを食べる。

無言でむしゃむしゃ食べる。
甘い、味が濃い、しゃっきりしている。
無言。
青虫だってこんなに食べないだろう。

翌日は、豚肉とキャベツでお好み焼き。
夜には、ナラタケのみそ汁、
ナラタケのホイルバター蒸し、
ナラタケで出汁を取ったそばつゆのナラタケづくし。
これもうまい。ひたすら食べるだけ。

食欲の秋ではない。
素材がおいしくなるから
食べたくなるのだ。
posted by 平井 吉信 at 23:42| Comment(1) | まちめぐり
この記事へのコメント
こんにちは!捜し物していたら、このページに出逢いましたよ(笑)
こうして、出番を作ってもらえるとキャベツもキノコも幸せなはず。
今週は、えひめ・まつやま産業まつりで、生産者さんや向井さんも大忙しです。
私たちも裏方として応援します!
P.S鍋焼きうどんは「アサヒ」です。
Posted by ehime-miki at 2013年11月20日 12:07
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