2013年09月16日

胸がきゅんとなる里山 小松島田浦地区


徳島はいい。
県庁から20分もクルマを走らせると
田園風景が拡がる。
蛍の飛び交う水辺で水車がまわり
生き物の営みがあり、
人々の暮らしが横たわる。

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ここは小松島市田浦地区。
米はこの地区で
生態系に配慮した栽培法を行う生産者から購入している。
除草剤などの農薬は必要最小限にとどめているので
玄米のまま購入している。

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だから、米をとぐ前に精米を行う。
毎回、つきたての米を食べるというささやかな贅沢だが、
玄米を毎食食べる趣味はない。
ということで、精米機はいつも七分搗きである。

この状態だと、玄米と遜色なく
ビタミンやミネラル、GABAが毎日の食事で摂取できる。
食物繊維も十分に残っている。
白米よりも旨味やコクが多いので、
たまに白米を食べると味気ない。

21世紀は腸の健康の時代であり、
それを留意する人が長寿のみならず、
(中略。説明が長くなるので端折った)
人生を楽しめることになる。

生産者の方は70代後半で
そろそろ稲作の後継者を探している。
そんな時期に、
玄米の色彩選別器を導入された。
その効果は明白で、
家庭での不良米の選り分け作業は一切不要となった。

七分搗きが胚芽の栄養を十分に残しながら
おいしさと食べやすさと栄養のバランスが良いと
教えていただいたのは、
東京から県南部へ移住された日比正則さんである。
(日比さんのお店が近々リニューアルオープンのご予定)

家の近所でありながら久しぶりに田浦地区を散策。
かつての勝浦川の流路のひとつが山麓を流れ
田畑を潤している。
小川ではトンボが飛び交う。

水草のうえで休む、そして戯れる
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意外にも足は棘状。
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水路にメダカかと思って近づいて観察すると
ハエ(オイカワ)の稚魚のようだ。
カワムツやイダ(ウグイ)も混じっているかも。

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クズの花が頭に葉っぱを載せて避暑気分
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イナゴが棲むということは…。
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柿の実はまだ夏の名残の風に吹かれる
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トンボが整列するのは理由があるのか?
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複眼がこちらを見ている
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イナゴとも視線を合わせる。生き物同士が眼と眼を合わせることは大切
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稲刈り後の田の水たまり
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水路沿いの彼岸花
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近寄ると花びらは曲芸師
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誰が名付けたのか可憐な花にこの変な名前を(ヘクソカズラ)
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緑と酸素と光が満たす里山。これ以上何があるのだろう
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都市近郊で生物と仲良くやっている農業、
そこには豊かなミクロコスモスがある。

胸がきゅんとなる里山の路地
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お社の隣の坂を登れば先祖代々の五輪塔があった
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稲刈り後の田に水が溜まり、珊瑚礁の島が現れる
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秋空の下、田園を散策するとき、
耳の疾患が深刻になり始めた若き日のベートーヴェンが
自然との対話を求めて散策した渓谷で響かせた
あの音楽「田園」が去来する。
5月の渓谷に行きたいな。

手持ちのレコード、CDでは、
ベーム/ウィーン(日本ライブ)、ベーム/ウィーン(スタジオ)、
ワルター/ウィーン(戦前)、ワルター/コロンビア(ステレオ)、
フルトヴェングラー(各種)、
スイトナー、アバド、シュミット=イッセルシュテット、シューリヒト…。

鎮守の森の豊かさ
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歩きながら幸福感が泉のように湧き上がる。
心ここにあらずの夢遊病者のように歩みを進めていく。
生きる原動力をもらったら、
多くの人にお返しをしなければ。

posted by 平井 吉信 at 14:57| Comment(0) | 徳島
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