2013年06月16日

愛妻家の憧れ、ツマトリソウ 一ノ森で

世の中には妻をこよなく愛する人は少なくない。
そんな人たちの気持ちを代弁する山野草が
ツマトリソウである。

これから妻をめとろう、
「妻と理想」の生活を送ろう、
そんな願望を抱く人は一度は
出雲大社とともに
ツマトリソウを見に行くといい。

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その花は、小さな純白である。
背丈も小さくうっかりすると見落としそう。
梅雨の頃、短い期間に咲くけれど
雨の水滴を受けて花がしおれやすい。

ツマトリソウは5枚〜7枚程度の純白の花びら。
そしてその花びらの隅っこが
まれに、うっすらと紅を差すことがあるらしい。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
 
一日の終わり、
あんどんの発する灯りがやわらかく障子に回り込む
たおやかな光に背を向けて
新妻が化粧直しに薄紅を差し、
しとやかに夫を迎える夜のよう。
(モウソウが膨らんでしまったが)
いずれにしてもツマトリソウに一目会えたなら、
(年齢に関係なく)妻が愛おしい夫が、
(あるいはかつてそのような思いや幻想を抱いていた夫も含む)
しみじみと妻を思い出す、奥ゆかしい登山になるだろう。

ツマトリソウを見ようと思えば、
一ノ森から次郎笈までの尾根筋の登山道を
丹念に見ていくと良いのではないか。
(かよわい花なので摘んで帰ることのないように)

ということで、ツマトリソウを探しに一ノ森へ。
雨が降りそうな曇りの天気であるが、
幻想的な霧ともあいまって
ツマトリソウに出逢うのには最高の条件と考えた。

剣山に向かって貞光川に河畔の風景が映る
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いそいそと剣山麓の樹木のトンネルをくぐっていく。
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ギンリョウソウがお出迎え
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森の時間
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天気予報と違うようで、剣山も次郎笈も見通せる。

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この眺めはいつ見ても心ときめく
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穴吹川の源流の谷
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北斜面の谷を横切る登山道では
シコクハタザオが迎えてくれた。
しばらくは水と光に戯れる山野草を。

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この日もっとも多かったのはミヤマハコベ
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ランの仲間もひっそりと。
ギンラン
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草に埋もれそうな場所で
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べべを着せた赤ちゃんが連なっているような
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霧が出てきた。森を歩くうれしさも高まる
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森が好きな人にはたまらない尾根筋
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一ノ森が見えてくる
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あった、5枚の花びらのツマトリソウ
6枚、7枚もあれば、尖った花びら、丸っこい花びらもある

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この日、ツマをとったツマトリソウは見つからなかったが、
イメージとしてはこんな感じだろうか

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ツマトリソウの名の由来は
(ピンクの)褄取りがあることから名付けられたもので、
このブログが書いている「妻」をとることとは関係がない。
けれど、名前の由来について
それぞれが想像力をめぐらすと楽しいという趣旨で書いたもの。
(学術論文などに引用されないよう)
posted by 平井 吉信 at 02:28| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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