2013年06月18日

ホタルブクロは小学生の宝物 「大きい1年生と小さな2年生」

一ノ森からの帰り路、
(旧)一宇村の斜面でホタルブクロを見つけた。
♪うれしかった♪
小さい頃から憧れていたから。

その物語は、ぼくが小学生の頃に遡る。
図書室で借りた「大きい1年生と小さな2年生」
児童文学ではいまも手に入るロングセラー。
現在入手できる版も表紙も当時のままのよう。

舞台設定は、万博の頃の都市近郊のまち。
林を切りひらいて大きな団地が造成されていたり
水が黒く濁ったどぶ川が描写されていたり。
それでも、農家や湧き水、
てんじんさま、ひかわさまといった神社が点在する。
田園と坂道の情景から想像すると
昭和40年代の武蔵野辺りの風景だろう。

高度経済成長で変わりゆく風景と
変わらない風景が混在しつつ
くらいさかみちの森を抜けて
子どもたちが学校へと駆け抜けた時代。
時代も子どもも、甘く切なくほろ苦い成長期。

・・・・・・・・・・・・・・

大きい1年生のまさやは弱虫で
小さな2年生のあきよは強い。

まさやは、通学路の崖を切りひらいた小径が怖い。
ひとりで通らなければならないときは
回れ右をしてくるりと家へ戻ってしまいたくなる。

― 思い出した。
幼稚園へ初めて通った日、
内気なぼくは途中で家へ戻ろうとした。
信号を渡る道もあれば、路地もあった。
幼稚園児には遠い道のり。
それでもなじみのない場所にはいたくなかった。

内気な幼稚園児は小学生になっても、
休み時間にはひとりでぼんやりと
校庭の景色を見ている生徒だった。
(それはそれで心が落ち着いたし)

おとなしい年少児童も高学年になった。
そんなぼくにも好きなことがあった。
それは地図を見て、川を調べること。
市内には11の川がある。
その川の源流を探しに行く。
ぼくの川好きはこの頃に遡る。
→ 四国の川と生きる

地図を描くのも楽しい。
それも現実の地形をなぞるのではない。
海、山、まち、鉄道、田畑、野原、林や道路を
自分の思うままに配置していく。
いわば、理想のまちづくり。
(シムシティの紙版といったところか)
現実の地図では国土地理院の地形図を集め出した。
これはいまも続いている。
三つ子の魂百までも、というけど。

・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、物語のもう一人の主人公あきよは
小さな女の子だけど、しっかり者。
上級生とけんかしたって泣くことはない。
そんな彼女には好きな花がある。
それがホタルブクロ。

ある日、おるすのかみさま(3人が名付けた神社)で
ホタルボクロを見つけた3人の子どもは
帰りがけに3年生たちにからまれてしまう。
あきよは、敢然と立ち向かったが
3年生たちが立ち去ったその後で
ホタルブクロが踏みつぶされていた。
花を手にとって眺めていたあきよであったが…。

まさやは、あきよの涙を初めて見た。
そして、弱虫のまさやは
ホタルブクロを取ってきてあげる、と言った。

ホタルブクロが咲くのはらは
子どもの足では遠い一本スギの森にあるという。
子どもにとって、年輪が大きくなるように
成長とともに行動範囲が拡がっていく。
今年はひかわのかみさま、来年はてんじんさま…。
はたして、弱虫まさやはひとりでたどり着けるのか。

大きい1年生と小さな2年生
続きは本でどうぞ。




見慣れない風景も見慣れてしまえばなつかしい。
恐ろしかった崖の通学路もなんてことはない。
子どもの成長とともに見える景色が違ってくる。

そして、女の子のために花を採る
男の子の気持ちも不変&普遍なのかも。
(ということで、ぼくはいまでも花を「撮る」)。

お待たせしました。
ホタルブクロの写真をどうぞ。
清楚な白と、艶っぽい桃色がある。
(桃色はひとつだけだった)。

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子どもたちの憧れであったホタルブクロ。
東京郊外でもかつてどこにでも見られたに違いない。

都市化が進んだ都心と過疎化が進んだ山間部。
失われたのはどちらも「里山」。
人の手が入ることで活かされている自然、
人が住むことで保全されてきた生態系、

里山が失われたから人々が自然に無関心になったのか、
人々が無関心になったから里山が失われたのか。

経済の指標で推し量ることのできないもの。
目に見えない「豊かさ」を
「空と海のブログ2」では追い求めていきたい。
posted by 平井 吉信 at 01:26| Comment(0) | 生きる
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