控えめだけれど気配りがさりげない。
抜けるような白い肌には
ほのかに血色の紅を浮かべて
軽い会釈のあと
セーターに包みこんだふくらみが揺れ
空気に溶け込むような微笑み。
まつげが見上げながら
真綿でくるんだやわらかく澄んだ声で。
― 鈴虫なんだ。
そこに気付いたという誇らしさ。
あれは17の頃。
大雪が降った冬休み。
いつもなら雪が降っても、
午後にはぬかるみに変わってしまうのに、
今年はお昼を過ぎてもまだ残っていた。
さっきまでひばりのように話し合っていたふたりが無口になる。
「雪が降っているね」
「ええ」
時が過ぎてゆく。ふたりの気持ちがどこにも逃げ場がなくなってしまう。
真空の海で魂が遊んでいる…

人しれず咲いていた
ジンリョウユリを見たとき思い出した。
タグ:ジンリョウユリ
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