「母川流域が希少野生種のバラ「ツクシイバラ」の
全国指折りの群生地であることが、
専門家によって確認された」とあった。
母川は湧き水を集めて流れる海部川の支流であり
蛍とオオウナギで知られる。
あいにくの小雨であったが、ようやく現地を訪れた。
いまはほたる祭りの真っ最中。
水車のある水辺には高瀬舟が待機している。
母川の白眉といえる樹木のトンネル。
光と影、水と森と空を映した天然色の墨絵のよう。

ここをくぐり抜ければ川幅は拡がり
オオウナギの生息するというセリワリ岩がある。
湿地でみごとなカタバミを発見。
雑草と思われがちな野草だけど
こんなにも凛々しく存在している。


これはなんだろう。ねじれの回転が見えるのでネジバナか。

しかし…。
探せどもツクシイバラは見当たらない。
全国有数の群生地とのことであったが、
調査は5月ぐらいに行われていて
いまとなっては花の季節は終わってしまったか。
(虫除けスプレーで防御して河川敷の藪を探したが見つからず)
代わりに、野生のバラを。
どこにでも咲いている花で
どちらかといえば、山歩き(藪漕ぎ)では
登山者に嫌われる存在だけれど
あまり人に見つめられることが少ないのか
少し照れているようだ。



深紅の宝石が雨に打たれている。

お目当てのツクシイバラは日数を数えて
来年の5月まで楽しみに生きていこう。
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定点観測をしていると、勢力を拡大したり弱まったりすることに気付きます。里山は人が手を入れてやることで維持されてきたので人口が減少して高齢化してくると、身近な生態系が失われる怖れがあります。
それにしても海部川水系はいずれも個性があって居心地の良い場所です。国道193号線が未舗装だった頃から自転車で通っていました。
旧母川のたたずまいもいいし、新母川の光景も広々としています。浪切不動尊から杉尾神社に至るまでの河畔にはおだやかな心象風景が広がっていますね。
酷暑の折、谷さまもお身体をご自愛くださいませ。