2013年05月26日

四国の軽井沢「深淵」、そして落合峠。豊かな時間は流れ続ける

日々を生ききること。
その日にできる最善を尽くすこと。
それを繰り返す365日。
そして一生。

積極的に動くのも立派な一日なら、
耐えることも立派な一日。

固いことは言わない。
オンとオフの切り替えの一日には
四国の海、山、川はいいところ。

だったら、「四国の軽井沢」へ行こう。
三加茂から桟敷峠を越えて深淵(みぶち)へ。

※「四国の軽井沢」…涼しい立地にある四国の自治体が地区を売り出すためにキャッチフレーズとしたもの。

ここは四方を山に囲まれた盆地上の地形に
吉野川の支流祖谷川のそのまた支流松尾川の源流があるところ。

深淵には軽井沢のようなカフェや宿泊施設、美術館はない。
(従って、四国の軽井沢は静かだ)

ぐるりを見渡すと、烏帽子岳(1669.9m)、
前烏帽子(1600m)、矢筈山(1848.7m)、
サガリハゲ山(1722m)、石堂山(1636m)、
さらに阿波のマッターホルンと呼ばれる黒笠山(1703m)へと.
足を伸ばす挑戦者や
西の尾根を踏み越えて福寿草で知られる
祖谷の寒峰(1,604.6m)といった蒼々たる山々に囲まれている。

深淵から落合峠(1520m)を越えると
東祖谷の落合集落(美しい集落)へと抜ける。
かつて落合林道は凹凸の激しい未舗装路で、
普通車は通行できなかった。

別の機会に東祖谷の落合集落を祖谷川の南岸から眺めたのが下の写真。
アレックス・カーがプロデュースする
古民家の宿泊体験施設もここにある。

落合峠は正面の山の向こう。
右奥の遠くに見える山頂が矢筈山か。
落合峠を境に「軽井沢」から
「平家の落人集落・秘境」へと景色が変わる。
そして、人々の営みも。
D7K_2965a_NX2.jpg

→ 日本の原風景 東祖谷落合集落

深淵へ話を戻そう。
すばらしいのは、
これらの山々をめざすために落合峠に至る沢沿いの森だ。
ブナなどの広葉樹の明るい森を散策すると
適度な肉体の充実感とともに
森に抱かれているような感覚はこの森が持つ懐のしなやかさ。。

この日、下界の気温は朝で24度。
ところが、ここは涼しい。
(涼しいどころかひんやりと寒さを感じるほど)。

今回は落合峠までクルマで上がってみる。
かつて舗装路がなかった頃しか知らないので
落合峠がどのように変わったのかを見たい。
(いまは深淵というよりも落合峠が登山の拠点になっている)。
その落合峠から矢筈山をめざす。

登山口から短い笹と岩が点在する地形に
ツツジが点在する桃源郷のような登り道。
矢筈山は右上に山頂が見えている。

D7K_7922-1.jpg

DSCF2290.jpg

DSCF2296.jpg

振り返ると落合峠の高原地形と前烏帽子山。

DSCF2292.jpg

やがて森のトンネルへ。ツキノワグマが好みそうな。

DSCF2298.jpg

ワチガイソウの白の世界。紅を浮かべた白い小さな花びらは妖艶。

D7K_7971_NX2.jpg

D7K_7946-1a.jpg

D7K_7965a_NX2.jpg

コルの手前で辺りが開けて山野草の楽園(花畑)が出現した。

D7K_8032a_NX2.jpg

D7K_8035a_NX2.jpg

D7K_8065a_NX2.jpg

ニリンソウと空色の花の二重奏。
D7K_8011a_NX2.jpg

D7K_8123a_NX2.jpg


ミヤマカタバミの仲間は楚々としたたたずまい。
(コミヤマカタバミか)
下界のカタバミとは趣が違う。

D7K_8051a_NX2.jpg

D7K_8058_NX2.jpg

D7K_8070_NX2.jpg

山頂へ到着したのは14時過ぎ。
10時20分から登り始めたので約4時間弱。
コルの手前の花畑で昼食にしたのと、
サガリハゲ分岐でワチガイソウに見とれていたので。

祖谷山系の尾根を見下ろしつつ。
D7K_8073_NX2.jpg

D7K_8106_NX2.jpg

帰りの登山道で見つけた知らない花。

DSCF2427a.jpg

草原を従えた落合峠が見えてきた。

D7K_8134_NX2.jpg

D7K_8096s.jpg

 きょうの空は星が見えそうなほど暗く澄んでいる。
 森のはずれから真っ白な雲が全速力で南から北へ流れた。
 雲は自由だと男の子は考えた。
 あんな帽子が欲しいと女の子は思った。
 こんな日は遊びの手をとめて雲を眺めた。
 線路の枕木の上から跳び上がっても追いつけはしない。
 雲は子どもが好きで、子どもは雲に憧れていた。
 だから綿菓子に人気が集まるのは当然だったが、
 大きな口を開けてほうばれば、瞬く間になくなってしまうのだ。
(「空と海」より)

 大人の分別はつまらない―。
 時間は豊かに流れ、豊かな時間は確かにある。
 雲を追いかける、背の高い子どももここに。
 
 ある年の夏、
 四国の軽井沢「深淵」の河原で
 昼食を楽しむ二人の女性は
 つつがなく過ごしているだろうか?
D7K_7896-1.jpg 

posted by 平井 吉信 at 00:00| Comment(0) | 山、川、海、山野草
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: