2013年01月21日

追悼 東ひとみさん

上勝町役場で、環境問題に精力的に携わってきた
東ひとみさんが突然亡くなられた。

1996年の水郷水都全国会議・徳島大会に協力をいただき、
そして、1998年の勝浦川流域ネットワークの立ち上げ。
役場の内外で
新しいアイデアを温めては精力的に探求されていた。

言うまでもなく、上勝を有名にしている「ゼロウェイスト」の立役者。
住民が34分別してゴミを持参するゴミステーションのしくみをつくり
日々、住民に啓発してまわった。
環境、ゴミに関しての見識と行動力は図抜けていた。

その後、上勝町は笠松和市町長がゼロ・ウェイスト宣言を行うなど、
環境の先進的な取り組みを行う全国屈指の自治体となっている。

未来の子どもたちにきれいな空気やおいしい水、豊かな大地を継承するため、2020年までに上勝町のごみをゼロにすることを決意し、上勝町ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)を宣言します。
1 地球を汚さない人づくりに努めます。
2 ごみの再利用・再資源化を進め、2020年までに焼却・埋め立て処分をなくす最善の努力をします。
3 地球環境をよくするため世界中に多くの仲間をつくります!
平成15年9月19日
徳島県勝浦郡上勝町


彼女にとっての仕事は、わくわくと使命感を帯びていて
その実現に向けて熱意で突破する苦行の人だった。
上勝町役場を訪問するたび、
照れたようなあの笑顔に出会うことはもうできないけれど
成人された3人の子どもたちが、
母の遺志をきっと受けつぐと信じている。

写真は、勝浦川流域ネットワーク主催で
ドイツ副総領事らをパネリストに招き、
ビオトープについてのパネル討論を行ったときのもの。
手前の制服姿の少女は当時中学生だった東さんの長女。
大学教授やビオトープの専門家に混じって
自分の思いをはきはきと伝える彼女に
コーディネータのぼくはその隣で内心エールを送っていた。
biotope.jpg

ひとみさんのご冥福をお祈りするとともに、
高い志と行動力を持つ3人の子どもたちに幸多かれと願わずにはいられない。
(撮影されるのが好きではないひとみさんはカメラを向けると顔を隠すので、ほとんど手元に残っていない。2012年に亡くなられた勝浦川流域ネットワーク代表の谷崎勝祥さんの育った「樫原の棚田」の彼岸花をひとみさんに)
higanbana.jpg

追記
 東ひとみさんのお写真はこちらのWebサイトにある
タグ:棚田 上勝町
posted by 平井 吉信 at 00:00| Comment(0) | 生きる
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