2012年11月24日

野に咲く気品 ムラサキセンブリは高知の蛇紋岩帯にひっそりと


山野草を探すことは楽しい。
まず、どこに生えているかを推測する。
湿ったところが好きな山野草、
日当たりの良いところに花開く山野草、
崖に張りつく山野草、
林地にたたずむ山野草。

今回はムラサキセンブリ。
植物にとって必ずしも生息しやすい環境ではない
蛇紋岩帯で生える。

徳島県内にも蛇紋岩帯はあるが、
希少種ゆえ自生の手がかりは得られていない。
四国内でもっとも多いと推察されるのは
高知市の北山周辺と判断した。
自生地はわからない。
例によって、
科学的なアプローチによって自生地を特定しなければならない。

そこで、Googleの航空写真から蛇紋岩帯(青っぽい)を探し
日当たりや水の便の良さそうな場所を抽出する。
それと1/25000地形図と照合して候補地を絞りこむ。
11月下旬のとある日、曇り気味の天気であったが、
高知市まで出かけることにした。

現地に着いた。
そして、カメラを忘れたことがわかった。
(おみごと!)
レンズも三脚もルーペもレリーズも食糧もノートパソコンも
すべて揃っている。
(なお、お見事!)
ないのはカメラだけ。
(笑ってしまえないけど、オミゴト!)

幸い、数年前に購入したメモ用として常時持っている
小型デジカメ(フジF31fd)があった。
小さなセンサーで600万画素の機種だけど、
気を取り直してメモ代わりとしよう。

第一の候補地は比較的まちの近く。
近所の住宅が眼下に見える。
紫色をしたノギク(ノコンギク?)を見かけると、
もしかして! 
ときめくけれど、やはりノギク。
ヤマラッキョウ、ワレモコウも咲いている。
DSCF4306.jpg

DSCF4307.jpg

第一の候補地ははずれであったかと思いつつ
クルマに帰ろうとすると
笹の間の水の通り道に生えているではないか。
DSCF4304.jpg

さらに、周辺を探索した。おっ。
DSCF4299-1a.jpg

この気品はなんだろう。一度見たら忘れらない余韻を残す。
DSCF4355-1a.jpg

今度は山奥に移動。蛇紋岩が露頭していて
道路から比較的近い山域へ突入した。
正直なところ、標高が高いのであまり期待していない。
四国ではせいぜい数百メートル程度の里山までと考えている。

しかし、ここにもあった。
背丈は短いし、花の色は濃いとは言えないけれど
蛇紋岩の環境でせいいっぱい適応して生きている。
地面から離れようとして
空をめざして背伸びをしている。
そのまっすぐなたたずまい。
しゃがんだまで、じっと見つめている。
ただ、眺めている。

DSCF4275-1a.jpg

DSCF4413-1c.jpg

追記
 全国的に稀少な絶滅が危惧される植物です。持ち帰らないように。

→ 高知市のムラセキセンブリ 二日目に続く

posted by 平井 吉信 at 00:00| Comment(2) | 山、川、海、山野草
この記事へのコメント
貴重な植物ムラサキセンプリは見たいなあですが・・見てはいません!
写真がうれしいです。ブログの友人アカリプタさんとシゲさんが画像を送ってくださり、ちごも・・少し前に紹介しました。
Posted by ちごゆり at 2013年12月17日 05:48
ちごゆりさん、こんにちは。
ご感想ありがとうございます。

ムラサキセンブリは徳島の蛇紋岩帯にも咲いているはず、と思いますが、
貴重な植生ゆえ情報がないようです。

香川県内の五色台では見られるなどの
情報もあるみたいですが…。

高知市内までは
徳島から高速を使って2時間かかりますが、おいしい食べ物や牧野植物園などと一緒にご覧になってみてはいかがでしょう(^_^)

Posted by 空と海 at 2013年12月17日 23:48
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