2012年11月29日

ゆこう すっぱさは微笑み


徳島で手に入る香酸柑橘といえば、
ゆず、すだち、ゆこう―。

どれも素敵な素材。
ゆずは、個性が際だち、
いつだってゆずの風味で素材を奮い立たせる。
すだちは、香りを活かせる食材には抜群の相性を示す。
(徳島県人はほとんど何にでもすだちをかける)

でも、三姉妹の末っ子、
ゆこうはあまり知られておらず、地味な存在。

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ゆこうは、ゆずとだいだいの合いの子、
和製レモンとも言われるように
香りがよく、風味がまろやかで、どんな素材も活かす。

料理に使えば、
サラダ、酢の物、おひたし、さしみ、焼き魚、揚げ物、しゃぶしゃぶ、すし…

菓子の材料として、
チーズケーキ、クッキー、マカロン、それに和菓子にも。

調味料に使えば、
ぽん酢、ちり酢などの万能調味料になる。
徳島県南では鍋には欠かせないのだ。
(汎用性では、塩糀に似ている)

ゆこうの果実が出回る秋から初冬にかけては
ゆこうを半分に切って、ぎゅっと絞り、
蜂蜜(ニュージーランド産を使う)を入れてかきまぜ、湯で割る。
仕事で疲れて戻ったとき、
はーっと息をついて咽に吸い込まれていく。
(心も身体も満ち足りて♪)
似たような香酸柑橘を使った飲料はあまたあれど
たっぷりの濃さの絞りたては格別だ。
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ゆこうのすっぱさは、
レモンに似ているが、
それよりもふくよか。
この酸味は晴れた秋の空に似て
まろやかに、そして透明に香り立つ。
(やさしい、透明、さわやか、奥ゆかしいという言葉を足して4で割ったような)

ゆこうのすばらしさって、付き合うほどにわかってくる。
味覚の鋭い人はそのことに気付いている。

この洋菓子、「ゆこうチーズ」は、
上勝本舗で販売しているもの。
スティックサイズで、酸味がさわやかで。
(パッケージデザインも良い)
1本食べるとまた欲しくなる。
ゆこうの酸味の余韻が脳のすみずみまで行き渡り、
はかなく消えていく。
また食べたいな(でも、食べない。余韻を楽しみたいから)。

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徳島の料理屋 濱喜久(はまぎく)では
ゆこうのドレッシング、ちり酢、チーズケーキをつくっている。
ゆこうを使ったドレッシングとしては最高の風味だ。
ちり酢は、聞き慣れない調味料だが、これまた万能。
鯛のさしみを食べるなら、醤油よりも鯛の甘みが生きてくる。
口のなかで鯛が踊る感じがする。
チーズケーキは、「ああ、ゆこう」というまろやかな酸味がうれしい。

でも、文章では伝わらないな。
ぜひ、味わってみて。

「ゆこうチーズ」→ 月ケ谷温泉などで購入できる。
濱喜久の商品は、徳島市内の同店で購入できる。
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残念なのは、ゆこうの価格。
この日、地元のスーパーで手に入れたのは100円。
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ふんだんに使えるのはうれしいのだけれど、
このままでは生産農家がなくなってしまう。
ゆこうファンが増えて、
多くの人に好きになってもらえたら。


ゆこうは、柚香とも書く。
ゆこうは徳島の上勝町を中心に、
県南部で栽培されている。
全国でほとんど徳島にしかない香酸柑橘。
ゆずとゆこうはおしりで見分ける。
ゆずは盛り上がっているけれど、
写真のゆこうはご覧のとおり。

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posted by 平井 吉信 at 23:11| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ
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