2012年11月03日

カミかつ丼 その正体は?


月ケ谷温泉でB級グルメ風のメニューがあるということで
高丸山の帰りに寄ってみた。
要するに、山を歩いたので腹が減っていたのだ。
そしてそれを後押しする誰かの口コミを思い出した。
「カミかつ丼がボリュームたっぷり。知らずに食べたら肉だと思うよ」。

ということは、肉ではない「かつ丼」なのか。
もしかしたら、タヌキかもしれないと思いつつ。

正体を見極めるためにおそるおそる注文した。
「お待たせいたしました。カミ・かつ丼です」
(「カミ」がカタカナで「かつ」がひらがななので変換が面倒である。注文を入れるときは、「カミ」と「かつ」の間に短い間を入れるとうまく伝わるらしい。自宅で発音の練習をしてから出かけたほうが恥をかかなくていい。間違って「カメかつ丼」(カメ)とか「ナメかつ丼」(なめくじ)、「サメかつ丼」(サメ)、「ハメかつ丼」(マムシか?)などと言うと、厨房は困惑しながらも対応してくれるかもしれないから)

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先入観を防ぐため目を閉じて口に入れる。
揚げたての衣がサクサクサクサクっと軽やかに。
次の瞬間、歯を押し返す弾力感が。
そして、噛みしめると旨味がしみだしてきた。
ソースには香味が感じられ、
この料理をぴりっと引き締めている。
かつの下には、千切りのキャベツ、海苔など野菜が敷きつめられている。
ごはんに醤油がこぼれて米の甘みが倍増される。

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なるほど、これはわかりやすい。
津山ホルモンうどんや
ひるぜん焼きそばのように「ぐぐっ」と伝わってくる。
育ち盛りや体育会系の人にも受ける味である。

さて、カツの正体は?

(また来週 つづく)






と言いたいところだけれど、サービス、サービス!

耳を貸してください。
(こっそり)
し・い・た・けっっ。
(わかった?)

タメになる勉強をもう少し。
徳島県は全国一の菌床シイタケの産地である。
町内には、第三セクターのシイタケを生産する工場がある。
だから、採れたてのシイタケをふんだんに使えるというわけか。

さて、シイタケはすごいキノコである。
まず、旨味成分が濃い(グアニル酸、グルタミン酸)。

私の知人の会社でシイタケの抽出エキスを試供品としていただいたことがある。
それを飲むと、花粉症にききめがあるという人が続出した。
原料はシイタケのエキスで文字通り何も加えていない。
8時間程度はアレルギー性鼻炎がぴたりと収まるという。
これを朝飲んで学校や仕事に行くと、なかなかいい感じということになる。

シイタケは食品なので薬効についてはうたえないが、
個人的な仮説として
シイタケには免疫系に働きかける成分が
含まれているのではないかと考えるのだが、
専門家の方いかがでしょう。

というわけで、
徳島に住んでいる特権でもあるので、
なるべくシイタケを食べるようにしている。

ところが…。
スーパーで販売しているシイタケと
ここ上勝で手に入るものとでは味がまったく違うことに気付いた。
香り、味、歯ごたえ、まったく別物である。

考えられるのは流通経路である。
その日や前日の夕方に採れたものを
町内で提供できる上勝と、
棚に並ぶ前に冷蔵庫などで数日貯蔵された流通品が
同じ風味のわけがない。

シイタケなんてどこでも手に入る、
と思われる方もいらっしゃるだろうけど
騙されたと思って、
月ケ谷温泉でシイタケ料理を食べてみたらいかが?
(それで味の違いがわからなければ何を食べても同じ。ある意味では幸せな人生(^^;))

メニューは、カミかつ丼(800円)のほか
「森定食」では天ぷらが味わえる(1000円)。
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追記

町内でシイタケを買い求めたので
家でも食べることにした。

[見よ、この見事な産毛。生まれたてのシイタケはこんなにもウブなのだ]
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遠赤外線のトースターであぶる。
このときあぶりすぎないこと。
シイタケが汗をかいてくるともう食べられる。
(鮮度が高いので)
上勝のぽん酢をかけてじゅっといただく。
至福の時である。
食べてみなければこの感動はわからない。

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このシイタケはこんな土地でつくられている。
棚田が広がる旭川沿いで
写真の左下が上勝バイオの会社。
DSC_8519-1.jpg


追追記

上勝のぽん酢とは、JA東とくしまが販売しているぽん酢である。
商品名やデザインは2種類あるが、中味は同じである。
「上勝町の味付けポン酢」、「いろどりポン酢」の2種類のパッケージがあって、
デザインが良いのは、(株)いろどりの女性社員がデザインした前者である。
町内ではほとんどの家庭がこれを使っている。
焼き魚、冷や奴など
醤油の代わりになんでも使う万能調味料となっている。
その秘密は、香酸柑橘を3種類ブレンドしているから。
「すだち」「ゆず」「ゆこう」の三姉妹。
(三姉妹の末っ子はまだほとんど知られていないので、「近いうちに」ご紹介を)
月ケ谷温泉へ行ったときは、これも忘れずに。



posted by 平井 吉信 at 00:00| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ
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