見たいと思える花はそれほど多くない。
四国の山なら、シコクイチゲ、ミヤマダイコンソウ、オトメシャジン、トクシマコバイモ、ムラサキセンブリ、キレンゲショウマ、シコクカッコソウ、タヌキノショクダイ、オオヤマレンゲ、ナカガワノギク、それに秋のアケボノソウ。
いずれも珍しい、絶滅が危惧される種類であり、
写真撮影を行う際でも細心の注意を払う。
根こそぎ持って帰るなど、あってはならない。
未来の子孫から預かった宝物なのだから。
地球温暖化が進行中で(逆にマウンダーミニマムに突入するという説も)
足が生えて移動することができない植物は
環境に適応できなくなると滅びるしかない。
だから、野生植物の記録を残しておくことは必要と感じている。
使命感はあるのだが、現時点で道具として必要なのは、
フルサイズセンサー+マクロに強い単焦点広角レンズ。
画像の解像度と階調は生態を記録する場合、
特に大切であると思う。
例えば、街角のスナップやWeb写真なら、1インチセンサーで充分と思うけれど。
ただし、このWebに掲載しているのは、
生態写真(記録写真)というよりも
自分が見たい姿を願望化したもの。
生息場所についての情報を持ち合わせていないため、
地図をにらみながら
想像を加えて試行錯誤で探している。
きょうは、丸笹山へ行く。
剣山を望むなだらかな山で
植生に恵まれていると判断したもの。
午後からは天気が崩れそうだが、
今朝の4時まで仕事をしていたため
自宅を9時に出る。
一番の目当てはアケボノソウ。
そして、勘が的中した。
アケボノソウの花がたわわに群れている区画があった。
ただし、この日見かけたのは、
アケボノソウのほかには、リンドウ、センブリとリンドウ科ばかり。


シコクフウロの名残で立派な花を咲かせていた株を見つけた。
頂上まではゆっくりと撮影しながらでも40分。


さらに赤帽子山をめざそうとしたが、途中のコルで引き返す。
天候は持ちそうだが、夕方に戻らなければならないため。
丸笹山へは登り返さず、北面の横道をたどった。
このルートは貞光川源流(本流及び支流が横切っている)。
屋久島の森にも似ている。
キノコが至るところに生えている。

一般的な登山道を辿るのであれば、
剣山に優るとも劣らない満足度が得られる。

今回活躍したのは、ニコン Ai AF Nikkor 35mm F2D。
ロングセラーを続ける名レンズだが、価格は安い。
そして軽量で明るい。
山へ1本持っていくときはこれだけ、ということも。
フルサイズセンサーでも使えるし、
DXフォーマットなら
イメージサークルの中心に近い部分を使うので有利。
開放では光がやわらかく、
F2.8で画面が引き締まる。
被写界深度にもよるが、
F5.6〜F8では全面に均質な結像が得られる。
かなり接近できるレンズで
その際にマニュアルフォーカスで微妙なピントリングの調節が可能。
もっとも多用している。
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