2012年08月09日

夏の剣山、キレンゲショウマ、そして次郎笈


存在しているだけで、空気があでやかか。
風に揺れていても気品がある。

「天涯の花」(宮尾登美子)の主人公、珠子が
自身の姿に重ねて慕う剣山のキレンゲショウマ。
7月28日の時点ではまだつぼみであった。
12日後の8月9日は見頃となっていた。

花が落ちる前、つぼみと花が混じる頃がいい。
てのひらのような葉の上で
いっせいに同じ方向を向いて開いている。
花びらは厚みがあって、ひらひらとなびくことはなく、
楚々として媚びていない。

キレンゲショウマ・パルマータ(てのひら)と呼ばれる学名は
葉っぱの姿から。

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群生はしていて調和しているけれど、
一つひとつの花の姿態は思うがまま。

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短い夏に急かされている虫たち。

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意外なことだけれど、
これだけ知名度の高いキレンゲショウマだけれど、
植物図鑑はほとんど載っていない。

植物図鑑についてのおすすめはこちら

このたたずまいがいい。
ソバナ。

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同じ山でも場所が違えば、花の色とたたずまいが違う。
だから、見分けがむずかしい。

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剣山の北斜面のトラバース。
穴吹川の源流をいくつも横切る。
木陰が小径を涼しくする。
楽しくてしようがない。

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ツルギハナウドの上を虫が飛んでいる。
よく見ると、その後をついて行く小さな虫が2匹。
花をめがけて短い剣山の夏に、虫が花に押し寄せる。

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この日見かけたなかで、もっともかれんな花。
うす紫だった。イワアカバナ。

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カニの甲羅のような葉に、コウモリのような花。
だから、カニコウモリ?

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穴吹川源流の谷で見つけた。
直径数ミリの白い花びら。
名前は知らない。→ ミヤマムグラまたはクルマムグラではないか?

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ヒメフウロ。
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シコクフウロ。
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太陽が好きなのだろう。
たくさんのハチや蝶を従えたナンゴククガイソウ。
陽光にきらめく姿態で陽の時間を究める。

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シコクフウロの群落を従えたナンゴククガイソウ。
翳りを持たない直截的な造形は夏をうたう。

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穴吹川源流の岩場に咲いたタカネオトギリ。
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穴吹川源流のトラバース道から、
大剣神社をめざすトラバースへ。
主要登山道は人であふれていたが、
樹木のトンネルをたどるこの道は誰も会わなかった。

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大剣神社は巨大な石灰岩を背景に持つ。
巨岩の下から水が湧き出ている。
腐らない名水といわれている。

剣山には数々の伝説と神秘がある。
この巨岩もそのネタを提供している。

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大剣神社の名水で咽を潤し、
祖谷川源流の水源で水筒を満たす。
さらに山腹を水平に進むと次郎笈が見えてくる。

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剣山からの尾根道と合流し、さらに西をめざす。
次郎級は急峻な地形を折り重ねる。
神のデザインとすれば、良い部類ではないか。

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振り返ると、太郎笈(剣山)に雲の影が走る。
のどかな太郎(剣山)と急峻な次郎(次郎笈)である。

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もう次郎笈に手が届く。
この数秒後に頂上は雲に入り、以後、出てこなかった。

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同じ道を下る。
霧が出てきた。白骨林を過ぎる。

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重力に逆らって天をめざす。

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2012年8月、剣山の短い夏を駆け抜けた。

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→ キレンゲショウマ 2013年 6月16日

→ キレンゲショウマ 2013年8月4日

→ キレンゲショウマ 2014年8月14日
posted by 平井 吉信 at 00:00| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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