前投稿で笹の尾根歩きへの憧れとともに、科学的な考察を行い、四国の1700メートルぐらいからの尾根がミヤマクマザサやスズタケに覆われていることの意味を知った。この事実を知る前と知る後では感慨も変わってくるのではと思えるが、そこに天上の楽園が存在することを心がうけとめるだけ。
西日本第二の高峰、剣山は五月以降、人々で賑わう。けれどその剣山の向いにある丸笹山はひっそりと。そこからさらに足を伸ばすと、さらに静かな山の時間がある。
夫婦池から登り始める。丸笹山へと続く道は緩やかで木漏れ日が降り注ぐ。苔の上にギンリョウソウ、フモトスミレもあった。
標高1600メートル付近で尾根に出る。いよいよ疑似森林限界(前投稿参照)を抜けて笹原がひらけた。ツツジもある。
山頂まじかの斜面ごしに剣山が見えた
振り返ると西方の塔丸(とおのまる/1713メートル)。ここも静かな笹原の名峰。
笹原の隙間からツマトリソウが顔を出す。「妻と理想」の生活を送りたい人は、夫婦で見に来るとよい。
ツマトリソウのなかには花弁の周辺が淡く桃色に染めた初々しい個体もある。
→ ツマトリソウのタグ
正面に剣山とヒュッテ。丸笹山山頂から南を眺めると、左手(東)から、一ノ森、二ノ森、剣山、次郎笈、さらには丸石、高ノ瀬、白髪山、山嶺、西熊山、天狗塚と続く四国のゴールデンルートが遠望できる
こんもりと盛り上がった一角が丸笹山(1712メートル)山頂。
東には赤帽子山が樹林帯を突き抜けて笹に覆われて白骨林が点在する様子が見える。丸笹山も人が少ないが、ここから先はさらに少なくなる。この日遭遇したのは1人だけだった。
1600メートル付近の平坦なコルをめざして降りる。
コルへ降りての分岐を左(画面手前)へ手折れば、貞光川源流域の湿潤な森を経て夫婦池へと戻る下り基調のトラバース。右(画面奥)へ手折れば、赤帽子山へ。
亜高山帯針葉樹のシコクシラベやヒメコマツ、それが立ち枯れた白骨林が笹原に立つ。
亜寒帯針葉樹林帯と笹原が共存する悠久の時間。これが形成されるまでどれだけの時間がかかったか(推定2万年)
振り返れば丸笹山
1600メートルぐらいのいくつかのコブ(森)と平原が続くこみちを歩くとき、生きている実感が迫る。ただそこにある山や植物や空がヒトを抱擁する感覚を覚えて夢見心地になる。
歩こう歩こうどんどん行こう
ここが赤帽子山の山頂かと思ったら、手前のコブだった
まもなく赤帽子山の山頂に到着
さらに東へは中尾山高原へと尾根が連なる
来た道を戻ろう。太陽が少し傾いた
丸笹山へは登り返さず、北面をトラバースする。貞光川源流域の森の湿潤な世界
夫婦池の残照
山歩きの愉しみ(続編)
ホソバシロスミレは、西日本の標高の高い高原などに自生する。笹の間から顔を出す草丈は意外に高く20センチを超えることもある。葉はスミレ(Viola mandshurica)と同じ形状で翼もある。
ササバギンラン
このへんな生きものは まだ日本にいるのです。たぶん。
この糞はなんだろう。色は黒っぽい。臭いはなく、植物質を感じる。横幅が30p程度に渡っている。粒状ではなく、5センチから10センチ程度の塊感が連なる。臭わないのでタヌキの溜め糞ではなく、粒状感はないのでニホンジカでもニホンカモシカでもない。この山系に26頭いるとされるツキノワグマの可能性もあるが、山域の登山道沿いの樹木には背こすりの痕跡はなかった。クマにしては消化不良感が少ないのでイノシシだろう(見通しの悪いところでは声を出して進んでいる。足下とともに遠景に気を配って歩いているし、獣臭には留意している)
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