2026年03月28日

歴代Windowsものがたり


歴代のWindowsで何が最高であったか?
― ぼくはWindows XPと思う。

Windows 95から始まったマウス操作のインターフェイスが、Windows 98でかたちになり、そこからミレニアム(Me)に進化したが、フリーズの多い不安定なOSで、ぼくは最初からMeを回避してWindows 2000 Professional搭載機を選んだ。OSが軽くてフリーズが少なく、エクセルなどが瞬時に起動する驚きと安定感。その流れを汲んで一般ユーザー向けと統合されたのがWindows XPだった。Windows XP以降はシステム管理の都合上、Professional版のみを使っている。

ぼくの日本語入力の理想郷は、今もワープロ専用機の「OASYS」にある。あの流れるような入力環境をPCでも構築したいと思い、Windows XPに秀丸エディター、そして新潟の中小企業リュウド社が作っていたRboard Pro for PCボードという親指シフトキーボードを組み合わせた。これでかなり近づけたつもりだったが、OASYSの指の動きに吸い付くようなキータッチと深いストロークながら戻り感があって、音もなく入力が進む羽毛タッチの感覚には及ばない。指がOASYSに調整されていたというのもあるが、PCのキーボードはどうしても底打ち感というか、打鍵圧が必要なのに、逆に離したあとに戻ってくれない印象。操作においても、切り取り、コピー、貼り付けに専用キーがあったワープロと比べてマウス操作やショートカットキーでは利便性に劣る。

時代がWindows 7になると、ドライバが対応せず、愛用していたリュウド社のキーボードを引退させた(チャタリングが発生したこともある)ことで、親指シフト環境もここで終わった。富士通の汎用親指シフトキーボード(FMV-KB231)に、やまぶきRなどのエミュレータを使う方策もあったが、導入してみたもののエラー(打鍵ミス)が多くて諦めた(結局、富士通はローマ字入力で使っている)。Windows7は、一般的には使いやすいOSだったし、XPの汎用性を引き継いだ点は評価できるけれど、XPと7の間にはドライバーの互換性という大きな溝があったのは事実である。

その後、Windows 8を飛ばしてWindows 10を長く使った。PC購入時にWindows 11を選べたのだが、環境の互換性を考えて10を選んだ。しかし、2025年10月にサポート終了の刻限が迫り、Windows 11への上書きアップデートを3度試みたが、ことごとく失敗した。

2025年の6月、それまで使用していたSSDにエラーが見え始めたのでSSDを新調するタイミングで行った。アップデート自体はスムーズに終わるのに、立ち上がるとキーボード入力を一切受け付けない。マウスは動くのに文字が打てない。スクリーンキーボードでログインは果たしたが、やはり物理キーボードは沈黙したまま。

古い富士通の親指シフトエミュレーション機能を持ったドライバーが、Windows 11の「コア分離」(セキュリティ機能)に弾かれていたと判明するまで時間がかかった。署名のないドライバーをカーネル領域から排除する仕様が、上書きアップデートで残存していた富士通のキーボードドライバを拒絶したのだ(22H2なら行けたのかもしれないが、現時点なら25H2の選択肢しかない)。1回目は、Windows回復環境でロールバックしてWindows 10に復帰した。

2回目か3回目はアップデートの失敗を受けての工夫を行ったのだが…。キーボードを接続しない、セキュアブートをオフにする(この程度ならすぐに戻せるのだが)などUEFI画面の設定をいじっているうちに、ブート領域を壊してしまった。コマンドプロンプトからの修復も叶わず、絶体絶命かと思われたが、幸いにもSSDのクローンを作っていたおかげで、2025年6月時点の環境まで遡って復帰することができた。あのクローンがなければ、と考えると冷や汗が出た。

もはやクリーンインストールしかない。OSは5年も使えば不具合が蓄積されるし、Windows 11と10のコア領域の違いを考えれば、それが唯一の道だった。

こうして25H2へのクリーンインストールは成功したが(ローカルアカウントでのログインにはいくつかのコマンドプロンプトを使った)、そこからの環境構築がまた大変だった。アプリを一つずつ入れ直し、設定を書き戻す。アプリ自体に設定の書き出しができるものはその機能で、そうでないものはAppDataから設定ファイルを探してデータドライブにコピーする、そうでないものは記憶を頼りに戻すなど手間が掛かった。

Windows 11(25H2)ではデータドライブにアクセスするためには管理者でもアクセス権の設定(継承)が必要である。何度かアクセス権の上書きを行っているうち、データドライブへのアクセス権が拒絶され、自分でありながら自分の所有するフォルダに入れなくなった。何度かアクセス権の更新を行ううち、アクセス権があるデータとそうでないデータがまだらに分布する状態となってWindowsが認識を拒否したのだろう。それでもコマンドプロンプトを叩き続けてようやくことなきを得た。ここまで来るのに丸一日かかっている。

ようやく落ち着いたかと思えば、今度はデータドライブのハードディスクにCrystalDiskInfoで「注意」の文字が出る。クリーンインストール時に(あるいはアクセス権限の変更時に)HDD内を走査したことで潜在的なエラーがあぶり出されたのだろう。わずかなセクタエラーであっても、その時こそが対策を打つべき時。そうして今、新たなドライブへ数時間をかけてデータのコピーを行った。

メーカー製のノートパソコンならWindows 11の上書きインストールを1〜2時間で行えるのではと思うが、周辺機器や特殊なドライバ、カスタマイズした設定を抱えた環境では、OSのアップデートは至難の作業になる。

さらに、近年のマイクロソフトやインテル、Amazonもそうだが、不具合が多くなったように感じる。それは帝国の崩壊を見ているようだ。コスト優先で、現場を支えてきたキーパーソン(実務者)を切り捨て、組織をスリム化した結果、時間が経つにつれてOSの劣化や管理の劣化を引き起こしているのではないか。それがLinuxのシェア増加にもつながっているように思う。

そうはいっても、仕事で使う限りWindowsから離れることはできない。LinuxやMacは趣味の環境ならともかく、業務の現場では(特定のアプリ依存や出力の互換性などで)Windowsに頼らざるをえないのが実情。歴代で最高と思うXPのような作り手の情熱と汎用性が両立していた時代は過ぎたけれど。

2026年3月になって、ようやくマイクロソフトはアップデート更新のたびに不具合続出で信頼感が地に堕ちたWindows 11(25H2)のてこ入れをすると発表した。ローカルアカウントでのログインが認められるようになるようだし、タスクバーからQuickLaunchの機能がなくなって、立ち上げたアプリとデータの区別が付かずに生産性が下がっていたが、せめてアプリアイコンだけでも「小」表示と、ピン留めアプリとアクセス中のデータファイルの区別が付くだけでも助かるのだが。

posted by 平井 吉信 at 10:42| Comment(0) | くらしとともにあるモノ
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