2025年12月14日

熱帯魚を見るなら海中観光船ブルーマリンで 徳島県最南端の宍喰町にて


前投稿で、熱帯魚(死滅回遊魚)の話題になったので、やはり徳島ならここへ行かねばならぬ。
宍喰町の海洋自然博物館マリンジャム/海中観光船ブルーマリンしかないでしょう。(町名が合併前? まあ、そんな些細なことで目くじら立てんと)
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宍喰といえば、ホテルリビエラししくい。全室オーシャンビューで、おすすめは満月の夜。部屋の電気を消す。その姿をたゆたいながら昇ってくる満月と、部屋に差し込んでくる月光が印象的。
→ ホテルリビエラししくいの夜景や室内はこちらの投稿

県内でもっとも海がときめくまち。那佐湾、大手海岸、水床湾、竹ヶ島と続く。鈴ヶ峰から見下ろすまちの景観は、魔女の宅急便のキキが空から眺めたまちなみのよう。宍喰町本土から橋でつながれた竹ヶ島は以前のブログで島内の散策を取り上げた。
→ 徳島県最南端の竹ヶ島 巨岩が点在し竹林がその名の由来となった島を歩く

竹ヶ島へ渡るには、徳島県側からは宍喰漁港からプライベートビーチを持つペンションししくい、化石漣痕、水床湾を経由する(四角形の三辺をなぞる行程だが距離が短いので北から南下する場合はこのルートで)。高知県側から北上する場合、トンネルの手前で右折して途中で徳島県側からの道と合流して最短距離で竹ヶ島へと到着する(四角形の1辺を行く)。その竹ヶ島に渡ったところに広い駐車場を備えたマリンスポーツの基地でもある海洋博物館マリンジャムがある。

徳島市内から初めてここを訪れる人は、南国の情緒を濃厚に感じるはず。光と風が違うって。遠いようだが(徳島県庁から83km、1時間50分)、ぼくのように毎週末にこの地域を訪れていると庭のように感じる(高校時代から自転車で来ていた)。

マリンジャムは、地元の魚やエビ、熱帯魚の泳ぐ水族館。海中観光船の切符もここで買えるし、ブルーマリンの乗客は無料で館内を見られる。ブルーマリンの船底へ降りていくとガラス窓があって、水底が見られる。

ブルーマリンに乗るのなら海の透明度が高い時期が良い。季節でいえば、秋から冬だが、魚種は夏場のほうが多い。一日では午前中が適している。船は竹ヶ島漁港から出航して約40分の船旅だが、宍喰本土と竹ヶ島の間の内湾のおだやかな海を行くので船酔いの心配はない(竹ヶ島が目の前にある近距離)。

ここからは写真を交えて。
竹ヶ島漁港で停泊中の2隻は、マグロの延縄漁の船。地区には3隻あるが、遠洋に出かけるので2隻停泊しているのは珍しいと船内のガイドの女性。竹ヶ島は遠洋マグロで生計を立ててきた島。
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出港を待つ桟橋のブルーマリン。右が宍喰本土、左が竹ヶ島。船は沖合には出ないで泳いで渡れるぐらいの場所を巡航する
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船には屋根はあるが、素通しなので見通しはよい。まずは竹ヶ島周辺を船上から眺める。冬は防寒対策も(ほどなく船底に潜り込むのでそれほど寒くはない)
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天気が良ければ船からも白砂と岩礁(珊瑚礁)の海底がわかる。南のリゾートへ来たような気分が徳島市内から2時間弱で味わえる
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ポイントに差し掛かると案内に従って船底の展望室へと降りていく。定員が決まっているのでそれぞれが自分の場所に陣取ったまま眺められる。大人も子どもも夢中になって海底を見ている。
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水深は浅い場所なので陽光が射し込める
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船はときどき海底すれすれを航行するので船長は潮位を見極める。
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クルージングを終えてマリンジャムに戻ると、館内の水族館では光線で演色されて近接して見られる。
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館内ではエンドレスで海底紹介の動画が上映されていて、見る前の予習、見た後の復習ということで見ると感銘が深くなる(ぜひ、見てね)。

竹ヶ島周辺は、四国のみち(散策路)が縦横無尽にあり、海を眺めたり海岸照葉樹の森を感じたりすることができる。海の底を眺められるっていいな。


最後に宍喰町と南天の星について

徳島県最南端の宍喰町は合併して海陽町となったが、本項は宍喰町で通しながら、さらに深掘りする。
竹ヶ島の北方には多島海の水床湾があり、水床湾を見下ろす高台に国民宿舎みとこ荘が2007年頃まで営業されたので、一時期の宍喰町内には、ホテルリビエラししくい、宍喰温泉と合わせて3つの公共の宿/温泉があったことになる。これに評判の良いペンションししくいなどの周辺の民宿を加えるとあらゆる宿泊ニーズ(記念日旅行、家族旅行、団体旅行、慰安旅行、お遍路、釣り客、サーフィン客…)に応えられる状態であった。

みとこ荘には、口径15センチの屈折赤道儀を備えたカノープス天文台が併設されていた。カノープスとはりゅうこつ座にある全天第二の明るさの恒星で、中国ではこの星を見ると長生きするということで南極老人星とも呼ばれる。四国では、南がひらけた場所ではカノープスを見るのは難しくないが、南中するのが2月11日頃で、そのときの高度が4度ぐらいしかない(北緯33.5度の場所から赤緯52.7度の恒星を見ると、90-33.5-52.7=3.8(度)。大気差を加えると4度ぐらいで、大気の減光を加味してもカノープスは余裕で見られる。ただし南が開けた場所が求められるので島嶼部を除いて香川県と東予からは見えないかもしれない。みとこ荘のあった場所は海を見下ろす高台にあり、南に灯火がほぼ皆無(室戸岬方面)なので条件が良い。そんな理由でカノープス天文台と名付けられたのかもしれない。

ところで、この場所から南十字星のもっとも北の星は見えないだろうか? というのも、高知県の天狗高原で南十字のもっとも北にあるガクルックス(赤緯-57.1度)が見えたというのだ。
朝日新聞記事から写真 https://www.asahi.com/articles/photo/AS20220522002049.html?iref=sp_photo_gallery_2

調べてみると、天狗高原(星ふるヴィレッジTENGU)は北緯 33.48度と、みとこ荘(33.5度)とほぼ同緯度にある。しかし、みとこ荘の標高(55メートル、国土地理院地形図から直読)と比べて、星ふるヴィレッジTENGUは同じく標高1356メートルにある。計算上では、みとこ荘と同様にガクルックスは-0.6度と地平線の下にあるが、高台効果と大気の浮き上がり効果で地平線下1.08度まで見える可能性がある(1.77×√1356)。さらに大気差補正(+0.5度)を加味すれば、ガクルックスは+1度となって地平線すれすれに一瞬顔を出す可能性が証明できた。


宍喰町は海ばかりではない。山に入れば野根川上流の船津のキャンプ場、おそらく全国のキャンプ場でも有数の水質の良い、そして鄙びた雰囲気があるところ。

このキャンプ場を仲間と何度か利用させてもらううち、そこの管理人をされていた地区の女性(石本アケミさん)と知り合った。あれから数十年、石本さんはいまもこの山里で寒茶をつくられている。そして2005年頃に宍喰町に移住された日比光則さん裕子さんご夫婦がカフェを運営する傍ら、寒茶の画期的な活用法を編み出された。

宍喰は5世紀頃に大和朝廷から派遣された豪族が治めたとされる。明治時代には宍喰村、大正時代には宍喰町となっている。三大祇園社のひとつ、宍喰八坂神社がある。三大祇園祭のひとつがこの辺境の地で営まれるのが歴史的にも興味深いところ。海洋民族の拠点であったかもしれない。干物のおいしい製造直売の店が数店舗、刺身では県内一とも思えるスーパーもあり。

宍喰町は徳島市から2時間かからず、そこには別世界がある。宍喰を知らないで人生を送るなんて。
posted by 平井 吉信 at 12:45| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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