2025年11月08日

なんというチーズケーキ、それも栗チーズケーキ


わかりやすいおいしさってあるよね。松屋の牛めしとかCoCo壱番屋のカレーとか。あるいは巷で売れている洋菓子(営業妨害になるので商品名は上げないけど)のなかにもある。

けれど、出会いでおいしさを出し尽くして奥行きがないことも多いよね。それはSNS全盛の世の中でインパクト重視の味と見かけを求めるからそうなる。いわば「味付け」の到達性が高いだけ。

そうではなくて、いくつかの素材が醸し出す食感、時間軸で感じる出会いと溶け込みが作用して言葉にならないいぐらい心が満たされる。食べることの歓びが極まる感じ。

本日はそんなお菓子に出会った。金曜のみ営業の素材系の焼き菓子の製造販売を行っているhowattoさん。商品は、栗チーズケーキ(650円)。
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クリームチーズの部分を口に運ぶと、甘味だけでない塩味やなめらかさがあって、これが栗チーズケーキの基調となっている。2種類のクリームチーズをブレンドしてあるそう。上質の生クリーム(高脂肪)と合わせた生地の脂分が口の体温で溶けだし、立体的なおいしさが時間軸で飛び出す。ほら、大勢が重なり合って次々と一瞬顔を出していくダンスのように。衛生的な専用工房で、基礎をつくって設置した特注の重量級オーブンで焼くそうだ。

クリームチーズに合わせたのは、徳島産の栗の渋皮煮。何度も炊き上げながら洋酒や砂糖をしみこませていくと渋みが抜けて残り香の風味が漂い(ウイスキーのエステリー香のよう)、それが栗の繊維質の甘味へと溶け込んでいく。栗は選別した大粒のものが入っていて、カットの断面となっているので食べやすい。

もっと食べたいとフォークが無言で動く。クリームチーズと栗だけでもごちそう感があるのに、さらに底に敷き詰めた全粒粉のクラッカーが佳い仕事をする。全粒粉を使うのは雑味や香ばしさが魅力だからだそうで、しっとり感だけではない、それぞれの素材が音を立てて響き合う。こうして幸福感のスイッチが押されて5分間の魔法が終わる。食べることのしあわせって、やなせたかしのアンパンマンの世界観のようだけど、ほんとうにそうだね。

残念なのは季節が限られること。よくある限定商法ではなく、佳い素材を吟味して使うと年に数週間(当店の営業日では数回)しか使えないのだそうだ。商品は半冷凍で提供されるので短時間ならそのまま持ち帰って冷蔵庫で数時間後においしくいただける。帰宅まで数時間かかるのなら保冷剤付きの保冷バッグを用意しておく。

単品は650円―この価格で至福の食の体験が味わえる。ホールは予約もできる(税込5,000円は高くないと思える)とのことだが、当面はシュトレンの製造に全力を注ぐとのことで、栗の渋皮煮の在庫を見て考えるとのこと。「もしかしたら12月に再挑戦することがあるかもしれません」とのことで、栗チーズケーキの情報はhowattoのWebサイト(https://howatto.jp/)でご確認ください。数か月かけてつくりこむ2025年のシュトレンもおたのしみに、とのこと。
posted by 平井 吉信 at 16:02| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ
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