(前投稿からの続き)
島田島から小鳴門海峡を渡って四国本土(鳴門市瀬戸町)に入ってもまだ独特の景観は続く。観光地でなくても瀬戸町堂浦地区(船でしか行かれない阿波井神社がある)や北泊地区には散策してみたい。
それは別の機会に譲るとして、日出湾(国土地理院では日出が「ひゅうで」と標記されているので「ひょうでわん」か)の湾奧に深く細い入り江がある。この地形も興味深い。国土地理院の電子国土(Googleマップでは地形はわからない)を見ると川があって海面が上がって成立した(溺れ谷)と考えられる。なぜ海面が上がったか? それは縄文海進だろう。
鳴門の地形を整理してみる。
(1)淡路島と鳴門の間には鳴門海峡(瀬戸内海と紀伊水道をつなぐ大きな地形)
(2)鳴門海峡の形成と周辺地域の形成に影響を与えた中央構造線
(3)淡路島南部では隆起している諭鶴羽山地(今度実地で確認する予定)
(4)島田島と大毛島のウチノ海と堀越海峡(溺れ谷)
(5)小鳴門海峡の成立と古撫養川の流路との関係
参照先は以下のとおり。
(1)については、「鳴門海峡の渦潮 自然編」から(兵庫・徳島「鳴門の渦潮」世界遺産登録推進協議会 )
https://naruto-uzushio.jp/wp-content/uploads/2023/02/torimatome_hyogo.pdf
https://map04.ecom-plat.jp/map/map/?cid=9&gid=0&mid=2093
(2)(3)については、「鳴門海峡の海底地形・地質構造」(海上保安庁水路部)
https://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/report/kaihou21/05_03.pdf?utm
(4)については、「平成23年度「教育研究支援プロジェクト経費」成果報告書」(鳴門教育大学)
https://www.naruto-u.ac.jp/_files/00039741/23-08-pro.pdf?utm
(5)については、電子国土から平井の考察
(4)からわかったのは、「堀越海峡の最峡部は幅約20m,水深は約2mで東側半分はやや浅い。海峡のウチノ海側は水深5〜10m程度,瀬戸内海側は水深5m以内の浅い海域が100m程度続いている」とされている。海峡では最大50センチの落差で10ノット以上の海流が発生するともある。
(5)については、小鳴門海峡がどのように成立したのかを考察するとき、縄文海進前の古撫養川が果たした役割があると考える(考察というほどのものではないが)。ただし古撫養川がどこまで流れていたのかわからない。小鳴門海峡の一部は間違いないとして、鳴門市岡崎方面か、北泊方面か、ウチノ海方面か、もしくはデルタ形成で3方向かだが、島田島に高い山地があったことから三角州は却下する。少なくともウチノ海もしくは岡崎方面への流路はあったのではないか。
まとめると、島田島・大毛島・ウチノ海・小鳴門海峡・堀越水道という複雑なピースを散りばめた鳴門の海岸は、以下の4つの要素が複合的にからみあってできたものではないかと。
1.縄文海進による溺れ谷(ウチノ海と小鳴門海峡)の成立
2.淡路島を反時計回りに回る海流による鳴門海峡の瀬戸内海側と紀伊水道側に現われる潮位差(渦潮)
3.小鳴門海峡の少なくとも東半分の形成に寄与した古撫養川
4.そこに影響を与える中央構造線による長期的隆起と沈降
鳴門には、鳴門鯛(マダイ)、鳴門わかめ、鳴門金時、レンコン、梨などと、全国的に知られる特産品がずらりと並ぶ。雨も少なく、たったひとつの重要な生活要素を除いては生活しやすい土地である。
歴史小説などにも鳴門は剣山への入口として登場する。鳴門秘帖(吉川英治)もそうだし、阿波狸列伝(三田華子)、仮面の忍者赤影(卍等編)もそう。歴史的には国生みの淡路島から上陸して霊峰剣山をめざす伝説にも遡及するかもしれない。
タグ:鳴門
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