2025年02月24日

誰かと話をすることは心の残り火を灯すこと

 
スポーツを見るのは好きじゃない。スポーツが嫌なのは、組織や勝利のために盲目的に個を従わせること(スポ根的な)。だから常識を外れた大谷翔平選手を応援したくなる。夢を追いかける感性がある。それがないと出発点にも立てない。そして成功の要素を考え抜いて行動を定義すること、あとはそれを積み重ねていく。なにより野球が好きだからその過程を愉しんでいるね。

大リーグに行って成功する人/しない人は、渡米前からわかる。しなやかな感性と仮説ー検証のループ(PDCAサイクル)があるかないか。スポ根で頭空っぽ&バット(腕)を振り回すだけのお山の大将が海を渡ってもやる前から結果は見えている。それを「挑戦して敗れたが尊い」などと美談にしたくない。その経験が人生を歪めなければよいが。

NHKのプロフェッショナル仕事の流儀で栗山英樹さんが取り上げられた。監督ではなく球団組織の立て直しを担うようになった苦悩に焦点を当てている。栗山さんがいたからWBCは勝てたと思っているが、今度は球団の運営にまわるのだ。

野球でも経営でもそうだが、特定のメソッドだけ(データ分析とか球筋の測定とか)で勝率が上がるわけではない。まずは野球をするうえでの大切な土壌(組織風土)がある。それを失えば成績は低迷する。組織文化を醸成することが実は遠いようでもっとも早道だ(それ以外の方策はないと思う)。栗山さんがめざしているのはまずは土壌づくり、その次に脱スポ根&合理的科学的な思考と手段のインストールだろう。

同じくNHKの特番で、ウクライナで女性が兵士として志願して前線で闘うドキュメンタリーを見た。兵士や兵士に付随する特定の人たちが命がけで撮影した映像である。すさまじい場面もカットされていない。ウクライナの平和を願わずにはいられないが、この戦争を引き起こしたプーチン大統領は深い業を背負うことになるだろう。それを決めるのはウクライナの人たちではあるが、例え領土を失ったとしても停戦にこぎ着けることは価値があると思う。ただ残された国を立て直すのに途方もない時間と労力と資金と思いを投入しなければならない。日本も一助となれればと。

その一方で戦争は起こりそうもなく平和ぼけしている日本、などと紋切り型の表現はできなくなっていると感じる。普段に接している中小企業の経営者と面談すると事態が深刻である。リーマンにせよコロナ下にせよ、これまでの日本はここまでではなかった。特にインボイスなどと相まって、小規模事業者や中小企業の廃業、経営破たんが相次いでいる。経営努力が足りないのではない。この国の政治がもたらした人災である。

もうこのままこの世を去っても後悔はない…とつぶやく経営者を見て胸がはりさけそうであった。お話を聞いても打つ手がないのだ。消費が低迷しているので需要がなく、その代わり原価(燃料費、材料費、人件費、光熱費など)が上がり続けている。価格転嫁はできないし、安くしても売れない。こんな国にしたのはこの30年のほとんどを仕切った政党、政治家である。


いまは会話を続けること、それに尽きる。方策はなくても未来に希望はなくても、人は人と話し合ってなにかを感じることができれば、それが原動力となる。お金がないことだけではなく、誰もが自分のことに思ってくれないと感じられることがつらいこと。それは栗山英樹さんも伝えていた。一人ひとりの選手に、信頼している、見守っている、きっとできるというメッセージを送り続けていると。

厳しい寒波が続いているが、かすかな春の芽吹きが感じられる。植物もそうだが、試練を経験してくぐり抜ける人は、前よりもっとやさしくなれる。それがまた別の誰かに伝播する。そのような社会でありたい。邪馬壹国について勉強して感じたのは決して他者を貶めない日本(特に縄文人)のすばらしさ。現代の天岩戸の向こうで消えかかった精神世界の残り火が自らを、そしてもっと遠い世界までを照らせるようになれればと。


雪にとざされてしまった
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それでも陽光を浴びて、来たるべき朝に顔を上げる
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見上げると、桃の蕾も膨らんでいる
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いまいちばん必要なこと、大切なことは、誰かと話をすること。そうですよ、話をしてください。
posted by 平井 吉信 at 15:19| Comment(0) | 生きる
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