「われは海の子」や「松原遠く消ゆるところ」などの唱歌のような浜辺は太平洋側よりも内湾に面した海浜の印象がある。
徳島市と小松島市の間にはほとんど人が訪れない渚、小神子(こみこ)、越ヶ浜、大神子(おおみこ)と続く。小神子は徳島市でありながら小松島市(小松島港元根井漁港)から山を越えて到達するひそやかなリゾート地。大神子はテニスコート、バーベキュー施設などもある江戸時代からの保養場所で、大勢の人で賑わう収容力がある。越ヶ浜はクルマではたどり着けず日峰山もしくは小神子や大神子から山を上がって森を抜けてようやくたどり着く隠れ渚のような場所。ぼくもたどり着くまでは山中を彷徨ったことがある。詳しくは本ブログの越ヶ浜の項で。
今回は日峰山から小神子へと。日峰山の駐車場へクルマを停めて東の山頂をめざす。この森へと上がる小径はこの散策でもっとも心弾む光景(この3枚はカメラで撮ったそのままだけど、微妙な色彩の移ろいを記録していて原版を見ると吸い込まれそうになる。フジフイルムの魔法だね)
やがて日峰山の山頂(192メートル)へ到着。西の日の峰神社がある山頂が頂上と思っている人が多いが、実はこちら
小松島港を中心とした小松島市街地から小松島湾を巻くように、京阪神からの海水浴客で賑わった横須松原、さらには海上自衛隊のある和田の鼻までを一望
192メートル山頂を過ぎると稜線の下りとなる。随所に展望台があり、東端の灯台まで尾根をたどると、元根井漁港へと降りる小径となる
和田の鼻を遠くに望みつつ、小神子を見下ろす丘の上の施設(かつて喫茶店があり、その後に富士ゼロックスの保養所となっていた場所)
途中で小神子方面へと北面を降りる小径があり、ほどなく小神子へ続く車道へと出る(左手へ降りていく)
桃色の実がたわわになっている。マユミの木の実か
小神子の渚は大神子と違ってクルマの置き場所が少なく、浜へ直接乗り入れる人が多い。正面へ見える海の岩は一本松と通称する。かつて松の木が目印となっていたため。現在では枯死してしまって松はない。一本松は国土地理院の地図では雉子岩と記されている
冬の澄んだ水、薄雲をほのめかすやわらかな日射しが海をたおやかに見せる。そのおだやかさが心に静かな余韻を残す。浜には焚き火をしながらまどろむ男女、渚の岩をたどる中学生、貝拾いをする家族連れなど思い思いの時間。休日の遅い時間をゆったりと過ごす
帰路は違う小径で日峰山の尾根道へと戻る。ムラサキカタバミの大きな葉に目を留め、民家のサザンカに視線を向ける。山を上がる道からは静かな環境を求める人々の住宅や別荘が見える
子どもの頃には小神子を見下ろす丘にあった喫茶店に連れて行ってもらい、いただいた紅茶が子ども心にも比類のないおいしさであったことを思い出す。オーナーの方には船で一本松まで連れて行ってもらったこともあった。昭和のできごとである。
(フジX-T5+XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR)
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