2024年07月19日

苔の名所 山犬嶽 迷いやすい迷所ゆえにガイド付で


山犬嶽(やまいぬだけ)は上勝町に位置する標高997メートルの山。その南斜面が苔むした庭園の様相で人気となっている。

屋久島の森を連想させるといわれているが、西部林道、花之江河、宮之浦岳、縄文杉、小杉谷、白谷雲水峡など屋久島の森を縦断して圧倒的な渓流の水量と濁らない水、どこまでも続く森の大きさ、新月の夜の森の自分の腕さえ見えない闇を体験した経験からは、屋久島とは比べられない。四国では、三嶺南斜面の上韮生川からフスベヨリ谷を経由するルートが屋久島の森と同等の深みを持っていると思う。

それはさておき、標高が高くなく登山口から1時間もかからず苔の森に到着する山犬嶽はお手軽な登山かといわれれば違うと答えたい。

それは道迷いが起こるから。道標が整備された3千メートル級の山々と違って、分岐が至るところにあるのが里山。山犬嶽とて例外ではなくどれが登山の本道なのかわからない。現在位置がわからなければ闇雲に動いて遭難ということになりかねない。それでも登山者は地図とコンパスを持っているだろうから、地形的に南へ下らず北へ向かう(上がる)ことで山犬嶽登山道に遭遇することはわかる。

はじめて山犬嶽に入山する人は、月ケ谷温泉のツアーを申し込むのが一般的。入浴と食事が付いており、車の難路も地元道に慣れた運転手が登山口近くまで送迎してもらえる(登山口までの道路も隘路で都会でRVを運転している人は難儀するだろう)。自家用車で行くと車をどこに停めてよいかわかりにくい(登山口から約2km、40分離れた樫原の棚田の手前に数台分ある)。登山口周辺の適当な空き地においたらダメ。そこは私有地であったり離合のために使われているから。

月ケ谷温泉 山犬嶽ウォーキング
https://yamainudake.com/

駐車場に停めたらここからの里山が散策の愉しみ。全国棚田百選の樫原の棚田。
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棚田保全の初期から尽力された谷崎勝祥さんはすでに他界されている。

樫原地区から登山口に向かう道筋は里山好きにはたまらない半鐘のある風景
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このあたりの坂をシニアカーで行進する場面が映画「人生、いろどり」のロケで使われた
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小さな棚田が続いている
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冷たい山の湧き水を田んぼに直接入れず少し回してあたためる仕掛け
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民家を開放して情報発信をされている
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登山口は私道を通過するので付近の民家のプライバシーにご配慮を(駐車も厳禁)
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正面には「三体の月」で有名な秋葉神社の森。南東の橘湾方面から月が3つに分かれて昇ってくるという言い伝えがある。その伝説を実証しようと、三体の月を見る集まりがあり、その第1回めに参加したことがある。地元の女性が伝説の綾姫さまに扮して芝居をするなど、真夜中すぎの月が昇るまで愉しく過ごした。秋葉神社には帰りに立ち寄ろう。
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山犬嶽の登山口は里へケモノが降りてこないよう開閉式の柵を設置しているので、開けて閉めて通過する。
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やがて道は二手にわかれる。左側は山犬嶽山頂への本道、右側は大きな岩を迂回するコース。どちらからも苔の名所は経由できるが、本道経由が近道。しばらくは人工林の薄暗い森があるが、ほどなく広葉樹林帯が見えてくる。
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季節によるが、山野草には事欠かない
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広葉樹の森に出る
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やがて大きな岩の下に社が見えてくる
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岩の割れ目はあちら側に通じているかも
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この大岩はご神体ではないかと怖れながらも大岩の上に立つことができる。先客のお二人にお声をかけて後ろ姿を撮影
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眼下に広葉樹の森が広がり、右手には通過してきた針葉樹帯が見える
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苔の名所は平坦な場所とピークと谷の地形が入り交じる立体地形で、似たような景色のなかを縦横無尽にある小径をたどるうち、元の場所に戻れなくなるかもしれない。目印となる遠景がなく、小規模で複雑な地形なので現在位置の同定が困難な地図読み泣かせの地形。
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苔の名所で満足したら北へ上がって山犬嶽本道をたどって山頂へ行くか、そのまま降りるかだが、ぼくは山頂へ行かずに苔の森を時間をかけて逍遙するのが好き

登山口まで降りてきて向かいの秋葉神社へと向かう(ここでも柵の開け閉めが必要)。たまたま在所の方が野良仕事をされていて、あいさつと神社へ向かう旨のお声がけをする
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山犬嶽はガイドさえいれば誰でも登れる山。一度来れば一生の思い出になるかも。
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posted by 平井 吉信 at 23:47| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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