2024年06月14日

梅酒とは、いのちの湧き出す泉 


梅酒、梅干しづくりを始めて20年余りになる。梅酒と梅干しは6月の風物詩ともいえるところが、2024年は梅の歴史的な不作。県内では神山町、旧美郷村が産地であるが、徳島新聞の記事では「梅の開花時期の2月中下旬に気温が乱高下した影響で受粉がうまくいかず、実がなりにくかったのが要因」とのことで、「収穫量が例年の1、2割程度にとどまる農家も」とのこと。農家によれば過去半世紀で例がないほどの不作で自家生産用にも事欠く状況とのこと。

美郷地区は梅酒の特区ともなっており、標高の高い生産地でもあるので生産者によっては農薬を使っていない。使っている生産者も安全安心が担保されている。いつもは生産者のお宅に伺って、収穫を終えて戻られる頃を見計らって直接わけていただくことが多かった。電話で伺ったところでは、どなたさまもお断りせざるを得ない状況であるとのこと。

梅の鮮度が香りと味の濃密さに影響していることがわかってしまうと、流通ものでは理想の状況にはならない(生産者が当日出荷している直売所などは例外である)。鮮度の高さは、水に浸して灰汁を取る時間を少なくするねらいがあって、採れたての芳香と相まって酸味が際立ち、雑味がなく透明感が高いのにいくらでも飲めそうな心地よさ。お金を出せば買えるだろうと思われるかもしれないが、やはり自家用と販売用では一粒一粒の手間のかけ方が違う。数万円の梅酒でもこれだけのことはできていないのではないか。誤解を怖れずに(誤解されても構わないが)、すべての飲み物のなかで自作の梅酒がもっともおいしいと思っている。

ぼくは酸味がとても好きで、もしかしてすべての味覚のなかでもっとも惹かれる。トマトやイチゴなども酸味が基本にあって、そこに甘味や旨味が後を付いてくる感じをよしとしている。後味まで濃厚なのに、いつのまにかさっと消えているはかなさ。誤解を怖れずに(誤解されても構わないが)、梅酒のない人生なんて考えられない。

6月になってから直売所を覗き込む。スーパーの地産地消コーナーも見てみるが、価格に驚いてしまう(今年は稀少なので理解はしているのだけれど)。そんなとき、前日に道の駅神山で見たという情報が寄せられた。次の日は日曜なので朝の開店に合わせて来店したところ、潤沢とまではいかないが、かなり並べられていた。数少ない生産量を出品していただけることに感謝しかない。

品種は鶯宿を3袋(約3kg)求めたが、価格は例年と同じぐらいであった。できれば価格はもう少し上げていただいたらと思うのだが。
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袋から出したところ。ありがたさにじんと来る。梅の程度は優秀である(ハネたのは2個のみである)。
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水に浸したところ。水の存在を透明にしているのは梅のつややかな光沢
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4リットル瓶を3つ漬け込んだ。これを1年寝かして1年かけて飲みきるつもり。
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地球温暖化の影響はじんわりとさまざまな影響が出てくるだろう。高齢化が進む生産者が梅の手入れや摘果ができなくなれば梅の木も元気ではいられない。温暖化と農業が直面する問題は食糧自給率が低い日本の最重要課題。ミサイルや戦闘機を増やすカネがあったら真剣に暮らしを考えよ! 消費が増える政策をただちに真剣に実行せよ!
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posted by 平井 吉信 at 23:32| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ
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