おっしゃることはわかります。もう夏休み終わっているので。ごめんなさい、それでは始めます(やることが多くてブログが後回しになってしまって。1〜2か月の時差があることも)。
昆虫採集セットって覚えていますか? 21世紀になって見かけなくなりました。「夏休みの友」の読書感想文やら卵の殻を割って絵の具を塗って画用紙に貼り付ける工作、植物や昆虫を採集して標本にしたり…。
いま冷静に考えると市販されていたことが不思議だったものが昆虫に注射針を刺して防腐剤(だったと思う)を注入して針で固定した標本をつくるもの。残酷だし子どもが(故意か誤ってか)本来の目的外で注射しかねない。
標本にはナフタリンを付けていたけど時間の経過とともに朽ち果てて最後は捨ててしまう成果物(標本)だったかも。昭和のノスタルジーのなかには危ないものも当然ある。テレビは現在では放映できないような場面すら放映していたし。
標本とか昭和の話は置いといて、採ってきた虫たちを観察して放すか、寿命を全うするよう飼育するかのいずれかだよね。まずは近所の森に出かけよう。
自宅から40分ほどの高原(またしても高原)の一角にやってきた。その近傍にある森に入るには池の畔を半周回る。この池は山の沢が流れ込む透明度の高い池で湖畔には水生植物などが自生する。池には休憩できる場所があって、それが写真に撮影すると良い感じ(実物は写真以上に良いかも)。




湖畔の途中から森へ入る小径があって、まさに夏休みの入口という感じ。森では複数のセミの声が聞き分けられる。森にはいくつかの沢(谷筋)を横切る。沢はサワガニやヤゴなどの水生生物を育むけど、沢のない森は森ではない感じがしませんか?

森を歩くと夏休みの宿題をしている気分。蚊に刺されてぼりぼりと掻きむしって血が出ている子ども(仲間)、麦わら帽子に水筒をたすき掛けにしてランニングシャツに汗のしみをつくっていた子ども、虫かごに入れた玉虫を誇らしげに歩いている子ども、幼い妹や弟の手を引いてセミを捕ってやるお兄ちゃん。ああ、昭和だね。



この日も森で虫取りをしている親子とすれ違って、声を掛けた。ぼくは虫取りに来ているわけではないけれど、なんだかうれしかったね。これはミンミンゼミ。

それにしても高原の一角にある池と森、人の群れとは無縁の静かな湖畔に半日だっていられそうなここも県庁から40分の場所。

植物の観察もお忘れなく。ただし現在は希少種が増えているので持ち帰るよりは写真記録にとどめたほうが次の世代のためになるから。
ヤブハギ?

コガンピ?

移住を考えている人は必ずしも郡部に住む必要はないかも。田舎特有の濃い人間関係が煩わしいだろうし。
さて、質問です。県外からやってきて徳島を選ぶ理由は何でしょうか?
(これはとても簡単。ほとんどの人は正解するはず)
・365日の食材の豊富さ、鮮度、手に入れやすさ(野菜、香酸柑橘、淡水魚、海水魚=瀬戸内&紀伊水道&太平洋)
・川(川遊びのみならず全国有数の多雨の森からダムのない川が運ぶミネラル=生命の基本中の基本でしょう)
この2つだけで生きて行ける大切な要素だよね、そのことが腹に落ちる人が移住されていると思う。
あとひとつ加えるとしたら、
・混まないのに水の美しい海水浴場(いつだったか、環境省の水のきれいな海水浴場のベスト10に2つ入っていた。大砂、北の脇ね、田井ノ浜もほぼ同等。これらの海岸はこのブログにも頻出している)
魅力度ランキングが最下位かそのあたりということで、(他県でもやっているありきたりの)観光振興に力を入れようとしているけれど、それは必要でしょうか?
そのために格安航空や直行便、クーポン旅行券、再開発やシティプロモーション、イベント、SNSや動画マーケティングに注力しても、47位が46位か45位になるだけで変化は起こらない。そもそも魅力度とはハレのマーケティングの概念でしょ。東京と比較してのライバル意識やら他県並に背伸びする施策ではなく、堂々と価値観のモノサシを定義して発信できれば最下位は最上位となることに気付いてほしい。ぼくはそのつもりでここ二十年ぶれずに発信を続けている。
阿波踊りに高額な桟敷席を設ける前に郡上踊りでも見てみなよ。踊り手と観客、主催者と招待者、地元と観光客などの境を取っ払っていることがどれだけ思い出に残るか、それがどれだけ強い来訪(リピート)理由になるか。県都の首長の意識もティール組織のように多くの知恵を結集させようとせず心理的安全性やマインドフルネスなどとはほど遠い時代遅れ。よさこいも阿波踊りもショー化を突き詰めていく方向はどんどん衰退する。コロナだってまったく収束しない(それはある意味では当然なのだけど)。危機感を持たないと。
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