徳島県南部の里山では比較的見かけるタキユリ(カノコユリ)。崖や傾斜面から下へ向けて首を垂れるように咲くのが特徴。民家の庭先でも咲いているが、その際は直立する。
徳島でタキユリが咲くのは7月中旬以降である。夏の風物詩という感じがする。タキユリが雨中に霧を帯びて咲いている姿を見ると妖艶かつ神秘的である。





タキユリが咲く近隣の民家の庭では直立していることから(近所でタキユリが咲いているのに園芸店からカノコユリを買うことはないでしょう)、屋久杉とスギのように(外観の違いは自生地が異なるだけ)、タキユリとカノコユリを区別(変種扱い)する必要はないと個人的に考えている。
ところで数年前から庭に白いユリが自生するようになった。近くにタカサゴユリが咲いていることからそれが流れてきたのだろうと思っていた。深く追求せずに今年も咲いたその花を見ると、タカサゴユリではないことに気付いた。

はて? 家人を問い詰めると慶弔の花としてもらったカサブランカを挿し木したら増えたというのだ。ヤブをかき分けてみると数株がヒイラギの隙間を縫って伸びており、ろくろ首のようでもある。垂直に伸ばせば背丈よりも高いだろう。
しかし画像検索で見るカサブランカとは少し違うようにも感じる。似ているのはシロバナのカノコユリである。もっともカサブランカの原種のひとつがカノコユリのようで似るのも当然かもしれない。




ヒグラシの鳴く河畔のタキユリは蒸し暑い空気をしずしずと切り分けてぽぉっと咲きおろす。



タグ:タキユリ
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