仕事からの帰りだった。
海へ向かってまっすぐに伸びるみち、揺れる稲穂と入道雲。
学校からの帰り、部活動をさぼって北の脇へ行ったっけ。
これほど似合う場所が徳島県内にあるとは思えない。
夏の喧噪がしーんと張り詰めて夏真っ盛りなのに
実る田の風に過ぎゆく季節を感じる。
松林の砂地の小径の路傍には夏草
見上げた空のすきまに蝶が飛ぶ。そのとき感じたのは、楽園はそれを見ようとする心のなかにあるということ。
(この写真は10代の終わり頃にライツミノルタにMロッコール40oにフジクロームで撮影したもの。自分の写真のなかでも好きな1枚)
松林を抜けていくと渚 快晴の夏の日なら海が暗く見える
波が長く引くときに空が澄んでいると砂浜も空になる
ハマヒルガオの咲く頃、このおだやかな渚が静かに存在感を打ち出す
渚の南には自然石をご神体に見立てた神社がある
夕暮れまで渚で遊ぶ子どもももう帰る時刻
暑かった日中も一日が終わる頃はおだやかな空に戻って
(この色はフジでなければ再現できない色彩)
過ぎゆくのは季節ではなく、想いなんだ。
心のかたちを風景にしたらこうなる、と思えた高校時代の風景はいまもここにある。
(ドリームズ・カム・トゥルーではなく、海援隊が聞こえてくるのだ)
(阿南市中林町にて。フジX-T2+XF14mmF2.8 R、ミノルタMD85mmF2。鮮やかだけど単調にも見えるフジの発色と、冴えないけれど奥ゆかしさを感じるミノルタ)
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