2023年05月28日

自然の音を部屋に流してみるなら アンビエント系なら このCDがおすすめ


環境音、アンビエント系のCDをいくつか聴いている。自然音に持続的な楽器を重ねたりギター、ピアノなどを被せたりしているのだけれど、メロディー要素が強すぎて(さも癒やして差し上げます)飽きるというより初手で視聴を停めてしまう(購入前の試し聴き)。

なかなか手持ちのものより気に入るものがないので、改めて紹介すると、まずはブライアン・イーノのこの1枚。何枚か出ているけれど、ぼくはこれだけあればよし。
Ambient 2: Plateaux of Mirror 

1曲目「First Light」」は宇宙空間を漂う飛行船から宇宙を眺めているような気分になる。音楽というより星々が共鳴しているような自然さがある(何度もいうけど、「うっとりするメロディーの弊害がない」)。それは人間社会の「癒やしいいね!」を押しつけられているような気分。名前は出さないけれど、アマゾンで人気の作曲演奏家もその傾向がある方たちが多い。
5曲目「An Arc Of Doves」では細胞がふつふつとほぐされながら湧き上がるような静かな快感がある。個々の楽曲というよりはアルバム全体が何度か繰り返し流していて違和感がない。音楽の存在を消しながら空間をつくるという意味で究極のアンビエントである。



「癒やし系の音楽」よりは自然音のほうが好きな方には、デラというレーベルが「ネイチャーサウンドギャラリー」と銘打って発売しているシリーズがある。そのなかでおすすめの2枚はこちら。

「せせらぎ」https://www.della.co.jp/collections/naturesoundgallery/products/dlns-112

軽井沢や屋久島などの渓流の録音だが、オンマイク(音源に接近しすぎた場合の直接音中心の響き=生々しさを強調)すぎないので、長時間浸れるもの。各音源が揃っていて連続して浸れる。




「高原の朝」https://www.della.co.jp/collections/naturesoundgallery/products/dlns-202
早朝に目覚めたときに、小さな音で部屋で流すと気持ちいいよ。主に野鳥の声なんだけど、音と音の間に隙間があるのが良い。波音だといつも波が音空間を満たしているけれど、これはそうではないので耳にやさしい。すがすがしさでは最右翼。



この2枚の録音とも空間が再現されるような優秀録音。ぼくは室内だけでなく車を運転するときもCDから抽出したデータを聴いている。日頃の喧噪を打ち消す別世界の波という感じ。

2022年7月に屋久島での自然音の新譜が発売された。販売形態はCDはなくデータ購入と配信のみである。
屋久島〜Deep Forest/ネイチャー・サウンド・ギャラリー(自然音)
https://www.della.co.jp/collections/naturesoundgallery/products/dlns-214

こちらは耳を澄ましてどんな場面かを想像する愉しさがある。
屋久島の森を目を閉じて疑似体験する心地がする。
「森に響く野生の声〜屋久島・西部林道」に続いて、雨の音を収録した「森に降る雨〜屋久島・安房林道」もあるが、これも意外に良い感じ。定番のせせらぎの後、「巨樹を仰いで〜屋久島・紀元杉」では風に揺れる木々の音と野鳥のさえずりが臨場感。最後の「山から大海を見下ろす〜屋久島・一湊矢筈岳」は海に面した山中から聞く潮騒だろうか。
「ただいま」のみを見つめること、それは瞑想や座禅の精神にもつながる。

購入するのなら直売サイトでも良いが、ダウンロード形式を選べるOTOTOYがおすすめ。
(Amazonの配信はMP3なので音質が落ちる)
データ形式は「wav」を選べば圧縮されていない音源となる。金額は非圧縮のwavもその他の圧縮形式も同じ(1,222円)。ただし自分の機器や端末で再生できるデータ形式かどうかを確認したうえで。
https://ototoy.jp/_/default/p/1330470

さらに音の良いハイレゾもあるが再生機器が対応しているかどうかを調べてから。
https://ototoy.jp/_/default/p/1330468

屋久島には続編「屋久島〜Water」があり、こちらも愉しめる。
https://ototoy.jp/_/default/p/1296866

なかでも2曲め「ウィルソン株の泉」では株の内部で硬質の残響が耳に残る。また、6曲めの「澄明の泉〜屋久島・大株歩道」はやさしいヤ行の響きの水音に溶けていくようだ。

「屋久島〜Deep Forest」の1曲目「森に響く野生の声」、「屋久島〜Water」の前述の2場面は印象に残る。


posted by 平井 吉信 at 17:00| Comment(0) | 音楽
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