2023年05月28日

徳島県最南端の竹ヶ島 巨岩が点在し竹林がその名の由来となった島を歩く


竹ヶ島については、語れるほど多くは訪問していないが見るべきものは多い島と思っている。港のすぐ傍らは環境省指定の海中公園となっていて海中観光船(ブルーマリン)で見たことがある。水深3メートルぐらいの浅い海域で陸からも近い海底を船底から見られる。そこには20種類の珊瑚、そこに生息するグレ、アイゴ、イサキに加えて熱帯魚が見られる。

島は遠洋漁業(マグロ)の基地でもある。そのため、島の飲食店で提供されるまぐろ丼を愉しみに来島される人もいる(水揚げがあったときのみ営業らしい)。島といっても橋でつながっているので徒歩でも車でも渡ることができる。

島と宍喰を結ぶ水道の北側ではサーフィンをする人もいる。シーカヤックやシュノーケリングなどマリンスポーツならなんでもという印象である。ウィキペディア(Wikipedia)に島の航空写真がある。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f1/Port_of_Kannoura_and_Takegashima_Island_Aerial_photograph.1975.jpg

Google地図で見たい人はこちら
https://www.google.com/maps/@33.5482336,134.3142405,3388m/data=!3m1!1e3?entry=ttu

これで見ても風光明媚なたたずまいがわかる。観光施設もあるのに観光地ずれしていないのが魅力である。

竹ヶ島の港から裏手に反対側の渚に出られる。かつてここにブランコがあったと記憶している。渚を見ながら波のゆりかごに揺られる心地がして気持ち良い時間の過ごし方である。
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ここから島の北半分を1周する遊歩道がある。時計回りに廻るとしてところどころに分岐があるが、どこを行っても迷うようなことはない。大きな島ではないし、97メートルの最高点を過ぎて南端にある灯台へと向かう踏み跡がある(時計の文字盤になぞらえると6時の方向)。

時計回りに進んで7時の方向で海(ビシャゴ磯)へと下りる小径がある。足下に気を付けていけば危ないことはない。渚から再び戻ると9時を過ぎて再び集落のある港へと戻ってくる。この港の最深部には竹ヶ島神社がある。

分岐するみちはショートカットするコースと思われる。また、外縁部の海沿いをたどる分岐が3時ぐらいにある。

竹ヶ島は地形的にもめずらしいようで、竹ヶ島を解説しているサイトがある。これを見ると、大岩や竹林の魅力について触れられている。地元ご出身の方がつくられたのかもしれないが、理念を持って非営利で運営されており、室戸阿南海岸の地勢について触れたコンテンツでもっとも価値あるもののひとつではないか。
竹ヶ島公式サイト https://www.takegashima.com/

集落の手前に車を停められそうな場所があるのでそこから漁港を見ながら歩く。
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まずは港の奥にある竹ヶ島神社へ
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階段も植生と相まって趣がある 
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神社からいったん下りて集落を抜けて裏の渚へと向かう。ここから時計回りに島をめぐる散策路(四国のみち)がある。
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道中で初めてムサシアブミを見る人はその異様さに驚くだろう
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シハイスミレが咲く頃はかれんな道草を
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四国のみちから分岐があるので竹ヶ島公式サイトの地図をご参考に
(竹ヶ島の散策図はこれが唯一の貴重な資料。関係者の熱意に頭が下がります)

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ほどなく97.6メートルの展望台へ。ここが竹ヶ島の最高点。休憩所が設けられており、宍喰本土からは見えない島の東側の海崖が望める
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足下のかれんなシハイスミレ。同じ目線で語り掛ける
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展望台を過ぎると、灯台方面へ向かう下る(のちに上り)南下ルートが見えてくる。右手には名前の由来となった島で唯一の竹林が見える
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このルートは途中から草木(シダ類)が繁茂しており、マダニの洗礼を受けることが確実である。灯台まで行くのならビニールやポリエステル系の滑る素材の上下とマダニの侵入を防ぐ工夫、ティート系の忌避剤は必須の装備(四国のみちだけなら不要。ただし腰を下ろしたときにマダニが近寄ってくる可能性はある)
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さらに遊歩道を進む。自然林と海からの風を感じる心地よい回廊
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島の東側の渚(ビシャゴ磯)へ下りる散策路がある。四国のみちと違って野性的。足下に注意しながら下る。
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竹林の向こうに竹ヶ島の西南の小島(二子島、葛島)が見える
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磯へ下りる小径は竹林の下部を横切る。ここに棚田状の階段地形がある。ここに段々畑/棚田をつくったとは考えにくいが、島に3つぐらいしかない沢筋(集水域)であるので何らかの利水治水目的があったのかもしれない
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竹林に近寄って撮影
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照葉樹林をくぐり抜けてビシャゴ磯にたどりつく
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渚の突端に人の顔のような岩がある。その先遠くに見えるのは甲浦大橋
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四国のみちに戻ってほどなく港に帰着。竹ヶ島神社に拝礼して島をあとにする
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追記
なぜ、離れ小島の竹ヶ島に竹が自生しているかについて、公式サイトでも問題提起を行っている。また、竹林の上部が裸地化している原因もわかった(竹林保護ために杉の植林を伐採)。

運営者が「竹ヶ島の七不思議」で触れられている七段のテラスの存在について、当ブログでも県南部の人里離れた渚に存在する事例(徳島市越ヶ浜、美波町木岐地区)を紹介した。いずれも沢が想定される地形から一見して利水もしくは治水施設のように見えるが、それにしてもその存在理由が説明が付かないため、集落から離れた段々畑ではないかと考えている。

posted by 平井 吉信 at 13:21| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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