2023年04月21日

海辺のまちのどこにでもありそうでなさそうなスミレ(アツバスミレ)

そのスミレは、県南部の海辺のまちの道沿いや港で見かけた。

おまん、だれじゃ?
スミレににいちょるのう
見たことないがやけん、牧野先生、教えてくれんろうか

(先生いわく、それは…)

アツバスミレ(Viola mandshurica var. triangularis)いうんですか?(ヴィオラ=スミレ属のマンジュリカ=種小名。これが和名=日本での呼び名の「スミレ」)を表す。この和名でタチツボスミレとかキスミレなどと表すのだが、スミレの種類全般の呼称である属名のスミレと和名のスミレが同一で混乱を招きやすい。そういえば「モミジ」という樹木はないことはご存知ですか?)

スミレ(Viola mandshurica)の変種で太平洋岸の海岸型ですね。
どこで見つけましたか?

いずれも海部郡内の南のほう(下灘)です。
特に漁港の近くで見かけた個体は花弁が大きく見応えがありました。すぐ近くを車や人が歩いているというのに、こんな場所が好きなんですね。
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そうなんです。おそらく他の植物は環境圧(自生する条件が悪い)で生えにくい場所。でもそれが競争が少なく日照時間を独占できるということでしょう。色が白っぽい花弁の二色もありますね。

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すぐ近くには紫一色もあり、町内の他の場所にも自生地があり、植生の状況から園芸種とは考えにくいのでアツバスミレの範疇でしょう。

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続いて那賀川町でも見かけました。海岸から5kmぐらいは入っていますが、これもアツバスミレでしょう。
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たくましい。でもかわいいスミレですね。

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追記
アツバスミレはスミレの変種だが、仲間を表す近さでは「品種」がもっとも近く、次に「変種」、そして「亜種」となる。ラテン語の「var.」はヴァリエーションから連想しやすい。
タグ:スミレ
posted by 平井 吉信 at 18:45| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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