2023年04月13日

150年前から変わらない仁淀川 令和の朝ドラでもロケ地に


4月13日の「らんまん」では仁淀川が映し出された。演じる俳優たちも初めて見る景色に本心で感嘆しているようだった。

ドラマ上の設定では、恩師が万太郎を連れ出して1泊2日の歩きの旅に出るというもので、現在の地名では佐川から北西に進んで越知のまちで対岸に渡る。そこからしばらく仁淀川を下ると横畠、鎌井田、浅尾の地区がある。仁淀川が幹線道から外れて蛇行するこの地区こそ、仁淀川の白眉と思う。

21世紀のいまも車がようやく通れるぐらいの川沿いの崖をたどる。初めて訪れたときの感激は忘れない。

牧野富太郎と同じ佐川の出身に森下雨村がいる。故郷に戻って執筆した「猿猴 川に死す」は川釣りをする者の憧れのような釣りエッセイである。いまはダムや開発で失われた桃源郷のような四国の山間部の川が幻灯機で浮かび上がるよう。そのあまりの情景に激しい憧れと喪失感を覚える。特に鎌井田地区での鮎釣りと吉野川上流に存在した桃源郷のような場所を特別な感慨で綴っているように見える。

仁淀川の水質と風土をNHK高知放送局が「仁淀ブルー」と名付けて売り出したのが10年以上前だったが、そのときの経験が生きたのだろう。「らんまん」のロケで現在の構築物が見えない隔絶感のある場所としたらここしかない。仁淀川でもっとも静かな場所―おそらくは明治初期もそう変わっていない(上流にダムができたのと人工林の面積が増えたことで水量は減っているはずである)―を選んだ。

なお、この地がロケ地がどうかはわからない。でも公式Webサイトの写真から同定しうる。
ロケ地はこの写真の奧だろう。
DSFT9062-1.jpg

この写真の画面の中央の河原では?
D7N_5531-1.jpg

もう少し下流の片岡あたりから、浅尾、鎌井田と遡ってみよう。
DSCF0240-1.jpg

DSC_2025-1.jpg

DSC_2063-1.jpg

DSC_2065-1.jpg

浅尾の沈下橋
DSC_2098-1.jpg

DSCF0218-1.jpg

ロケ地はこの場所のすぐ下流の大きな淀みに面した河原ではないか。
DSC_2143-1.jpg

なぜ川がこんな色をしているのか
DSC_2147-1.jpg

DSC_2153-1.jpg

DSFT9083-1.jpg

DSCF0198-1.jpg

「四国の片すみに忘れ去られた桃源郷」と形容したことがある。19世紀も20世紀も21世紀も格別の場所である。
posted by 平井 吉信 at 21:05| Comment(0) | 山、川、海、山野草
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。