2023年04月05日

知事選に寄せて


政治家を選ぶのが選挙。その際に、政策や人柄で選ぶことが多いだろう。でも選挙の政策はあまり当てにならない。例えば「TPP断固反対 ウソつかない」と言っていた自民党が政権を取るとTPPを積極的に推進したように政策の転換は日常茶飯事。自分に関心のある政策があるとそれだけで入れてしまいがちだが、ちょっと待って。大切なのは政治理念です。

理念があって、政策の基本方針が定まり、それを実現するものが政策であるはず。このブログでも書き続けているように、ぼくはこの国を照らす理念は「国民一人ひとりの幸福」と信じている。

ところが日本が低迷し続ける30年はそれと真逆の政策方針が取られた。それは個人を犠牲にして一部の利権者が潤い、それが政治家に環流されるという構図。実際に国民の税負担率は上昇しており、収入の半分近くが税や保険に持って行かれている。消費税は3%、5%、8%、10%と上昇するも所得は減少している。税負担の増加と所得の減少で可処分所得が減れば、子どもをつくろう、育てよう、余暇を充実させよう、趣味を愉しもうなどと思わなくなる。

さらに2020年春からのコロナ禍で小規模事業者が特に疲弊している。その人たちをインボイスが直撃するといった信じられない政策が続いている。目を世界に転ずれば、コロナ下で減税を行なった国が半分以上はあると思われるのに、増税は日本だけかもしれない。

国民一人ひとりの幸福を求めていくという理念からは、生き方や多様性、多様な意見の尊重、減税を基調としたばらまきではない本質的な社会のあり方(=景気回復策)が行なわれるべきだが、政治はそんなことに目を向けない。

防衛費を突出して増やすというが、第二次世界大戦で日本が戦争で犠牲者を多く出したのは戦略なき行動とともに、兵站が抜け落ちていたからという反省が活かされていない。ミサイルを打ち込まれる前に、水や食料を止める、半導体などの供給を止めれば日本の息の根が止まる。

いまやるべきことは水や食料の自国内の安定的確保であろう。そしてミサイルを撃ち込まれない外交である(防衛費が増強されてもミサイルは撃ち落とせないし安価なドローンが多数襲来しても防ぐ術がない)。

むしろ地球に生きる私たちが本気で対策を行なうべきなのは宇宙からの隕石、小惑星の衝突回避。数kmの大きさのものでも直撃されれば衝突の衝撃波とその後に続く気候変動で人類に限らず生命は壊滅的な影響を受ける怖れがある。無差別にミサイルを撃ち込んだり他国の領海侵入を既成事実化するなどの無意味な行動を取っているようでは未来はない。

ロシアではプーチン、アメリカではトランプを一定の割合の人が支持しているというのも驚愕の事実。岸田政権も同様で、やってはいけない政策を意志を持ってやろうとしており、やらなければならない政策に無関心である。
 
国がこんな無能な状態だから、国とのパイプや人脈は何の意味もないと言いたかったのである。どんなに優れた人材がいてもそれらの知恵を集めようとせず、首長の思いつきで政策が決められるとどうなるか? 徳島市を見ているとわかると思う。井の中の蛙大海を知らず。

四国4県の他の県都を見ればわかる。高松市はサンポートを中心にこの10〜20年で丸亀町などを含めて商業機能一辺倒から福祉や医療、観光と一体感のある理想のまちにつくりかえた。理念が先行しているまちづくりである。

松山市は城下町を中心に、市駅前、JR松山駅の高架、ロープウェイ街(再開発後地価の上昇が全国有数)、道後温泉本館の改修も進んでいる。

高知市は中心部の帯筋界隈で市民が集まるハードとソフトが奏功して徳島市の商店街とは比べられない賑わいを誇っている(いずれの県都においても活性化の仕掛けで微力ながら自治体や事業主体に助言を行ったことがある)。

政策はトップの一存で決めるのではなく、在野に埋もれた知恵を活かすしくみをつくること。ある意味では意志決定のしくみづくりが最大の政策ではないだろうか。結論ありきの審議会、識者を集めた形式的な承認の場のような検討会ではなく、脱形式で本質をえぐる議論が出てきて行政がそれをサポートし尊重するやりかたが必要だろう。トップセールスという言葉は、政策ありき手柄ありきと同義語で無限に広がる潜在的な可能性を選択肢として排除するに等しい。今回の政見放送では政策を羅列した候補者もいたが、まさに理念なき政治の典型。なんでもあります、よりどりみどりは県民の幸福からもっとも遠い。

どの政策をやるかではなく、どのように政策をやるか。言い換えれば、課題を解決するのではなく、取り組む課題は何かを抽出すること。結論ありきの課題解決力ではなく、課題設定力を重視する政治や行政の運営はできないものか。そんな県政になればいいと願っているのだけれど、今回の候補者のなかには理想の政治家はいない。それでも次善の選択で投票には行こうと思う。
posted by 平井 吉信 at 21:20| Comment(0) | 徳島
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