8月12日の深夜から13日の未明にかけてが2022年のペルセウス座流星群の極大となっている。翌日が土曜日ということで流星群を見ようとしたが、薄曇りと金曜日の仕事疲れで部屋から網戸越しに灯りを消して見ることにした。
窓からは東南の空が見える。窓の中央に木星の輝きがある。木星は射手座の守護星。しばしその瞬きに浸ろうと寝っ転がってほんの数分のできごと。
2022年8月12日、25時25分(8月13日、1時25分)、うお座を横切り木星の近くを薄雲をものともせずつんざくように大流星が流れた。北(天頂)から南(地平)へと流れたので輻射点から散在流星ではなく群流星は明らか。木星の光度から遙かに明るく、マイナス6等以上ではないかと見積もった。音はせず流星痕も認められなかったが、天の裂け目から鋭いマグマのような閃光だった。残念ながら写真は撮っていない。
薄雲と満月の光芒のせいか周囲に2等級以上の輝星は認められなかったため、星座早見で星座を確認したところ、うお座と判断。
四国東南部でほかに目撃された方はいますか?
日本天文学会編による星座早見。大流星が流れた時刻の星夜を再現

いま欲しいのは渡辺教具製作所によるこの星座早見。主な星雲星団や恒星のスペクトル型まで記載されている。この早見盤が平面ではなく湾曲したものだったらさらに良かった。
お椀型はこちら。南天の歪みが少なくなる。天空を平面に展開するとどうしても南天で星座が横に広がってしまう。お椀型でも歪みは残るが平面よりは少ない。学校で見ていた懐かしさを覚える人もいらっしゃるのでは?
天球儀では空間の歪みは解消されるが、地上(特定の緯度経度)から眺めた星空が想像しにくい。プラネタリウムは半球に投影するのでとても優れた再現方法だときどき眺めてみたくなる。
徳島ではあすたむらんどと阿南市科学センターにあるね。
あすたむらんど徳島のプラネタリウム
https://asutamuland.jp/instits/planetarium/
阿南市科学センターのプラネタリウム
https://www.ananscience.jp/science/planetarium/planetarium.html
追記(小咄)
若い頃、友人知人を誘って(知らない人もたくさん来てくれた)流星群を見る集いをやっていた。ブルーシートに寝っ転がって、夜食も食べたりしながら寡黙に、ときには星そっちのけでおしゃべりをしながらも空を眺めたもの。
流星群なので流れるときは1時間に数十個はみられる。せいぜい1秒未満の刹那に誰もがねがいごとをかける。
ある流れ星の瞬間、若い女性の声で「カネオトコケンコウ」とのつぶやきが聞こえた。誰かが「いまつぶやいたのは誰?」と叫んだ。たいがいは小さな声か口のかたちの願いなのだろうけど、ふいに流れた明るい流星に思わず声(本音)が漏れたのだろうと推察。
富と異性運は理解できる。けれど女性も30歳前後になると健康が願い事に入ってくる(少しずつ調子の悪いところが出てくるんだろうね、肩こりとか腰痛とか)3番目だけれど。庶民のささやかな、いや、実利を追求した現実的なねがいごとに「そうなのか」と頷いた。
でもそんなのどかな時代からすると、いまは自分のことよりももっと大きな枠組みやら社会のあり方を変えていく必要がある。その一方で一人ひとりの生活を尊重する公助の充実が前提。
国は要らないこと(布マスクの配布や補助金やら国葬やら)はするけれど、切羽詰まった人は救わない。貧しい家に生まれた子どもは一生かけてもスタート地点の遅れは挽回できない。少なくとも教育だけは同じ機会を提供するのが国家の役割。そのことが国の経済力を高めたり社会的費用を低減したりすることにつながるのに。つまらんものにカネを使って必要なものに使わない政府を選挙以外にも見つめて声を挙げていかないと。
タグ:流星
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