豆を取り寄せて手動のミルで引いて毎日コーヒーを飲んでいる。
1日1杯飲めば満足するのでカフェイン中毒でもコーヒー通でもないけれど
飲みたいコーヒーにはなかなかめぐりあわなかった。
(カフェインは苦手で空腹時は決して飲まない)
コーヒーといえば、がっつりと濃い深煎りコーヒーを飲むのが徳島の通という感じであったが、ぼくはこの人たちが好むそれが焙煎で焦げているだけのように思えて苦手だった。
誰かに阿南市内で焙煎したコーヒー豆をもらったのだが、まさにその状況で、飲むと健康を害するのではと思えるほど(コーヒー通でもないぼくでも身体が受け付けられない)だった。
いつも飲んでいるのは千葉市の小さな焙煎所から取り寄せた豆。東京から徳島に移住してこられた方に紹介いただいたもので、金額は手頃で200グラムで1000円前後のスペシャルティにしては手頃。
その焙煎所も店主は60代になられ、後継者もできていまがもっとも良い仕事をされているのではと感じる。徳島でも若手が浅煎りのコーヒーをめざしてここ数年開店されているが、グレード感は似て非なるもの。まだまだ技術も研究も足りていないように思うが、コーヒーの価格はもしかして彼らの値付けが高いのではとも思える。
いま飲んでいるのは「木陰」と銘打たれたオリジナルブレンドで、
ここ数年で(というか今年に入って)さらに焙煎のステージが上がっているように感じられた。
コーヒーのおいしさをぎりぎりまで攻めて抽出するのではなく、まさに大吟醸のようなゆとりを持って風味をつくっている。親族が遊びに来たら出すのだが、「なにこれ。身体に吸い込まれていく」という。雑味やえぐみが抜けて純度の上がったコーヒーはとげがなく、舌をなめらかに滑っていく。一口飲んで水を喉に入れるような飲み方は必要なく、コップを置いたと思ったその手がまた伸びていく。待ち遠しさを感じるほどで、しかも飽きることのないおいしさ。
入れ方は高い温度(95度)、蒸らしなし。ペーパーによる手落としで例のV60ドリッパーを使う。手動ミルは以下がおすすめ。股の間に挟めるので力が要らず豆がひける。ひとつやるべきことがあるとしたら、余った湯をミルに流して粉が刃物に残らないようにすること。酸化した豆の残渣で風味を壊さない。
定評あるV60シリーズで使っているのはこれ。冬場でもコーヒーが冷めにくい唯一の構造
ドリップポットは新潟県燕市産。高くないけれどよくできている日本の道具。
このブログをお読みの方はご存知のことだけれど、ぼくは仕事場や自分の部屋にエアコンを置いていない。執筆中のいまの気温は夕方で32度。扇風機も使っていない。残念ながら地球温暖化が進むと1990年代に見切ってからはエアコンのない状態に身体を慣らそうと少しずつエアコンを使わないようにして10年ぐらい前に取っ払った。夏の暑さを肯定的に捉えて愉しみたいので。
32度の部屋でホットコーヒーを飲むのだけれど、これが良い。冷たいと香りが鼻腔を抜けていかず残念だから。でもこのコーヒーは冷めてもおいしい。ごくごく飲めて冷めてもおいしいとは焙煎技術の深み。
そこでテーマは木陰。
仕事で鳴門市のウチノ海総合公園の近隣を訪れた際に立ち寄ったもの。しかし海沿いとはいえコンクリートの照り返しは見ているだけで暑いという人もいる。

そこで鏡のようなウチノ海を目前に芝と樹木が織りなす空間をコーヒーのあてにしてみようかと。


鳴門市の島嶼部は四国本土と陸続きのようにアクセスできるけれど、その立地の良さは京阪神在住者の終の棲家となり得る資格がある。食材をとっても、鳴門鯛、鳴門金時、鳴門わかめ、レンコン、梨、ドイツ風のパン(日本で第九初演の地でドイツ人の俘虜が地元の人と交流して継承したもの)と全国有数の素材が揃う。鳴門の渦潮、エクシブ鳴門、大塚国際美術館、ドイツ館といったコンテンツも一流。ただし唯一ダメなのが水でこれはまるで飲めない。瀬戸内の気候で雨が降らないから川の下流の水を浄化しているのだろう。浄水器で解決するけれど。

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