海部川沿いの国道193号線を舗装していない頃から通っている。釣りではなく見るため。時期によっては水に入り、テナガエビを取ったり、カジカの声を聴きながらキャンプしたり。
あの頃は道路も狭く、道から離れて川があったので河畔林に包まれていた。星がひとつふたつと輝き始める頃、ヒグラシを聴きながら暮れゆく水辺を感じながら焚き火を起こしていた。
良い川には良い人生がある。鹿児島に住んでいた野田知佑さんが四国に移住をお考えになっているとのことで海部川を見ていただいたことがある。結局は日和佐川の支流にお住まいになるのだが。
川でキャンプするのが初めてという仲間たちを連れて行ったときもみんな感激していた。目を閉じて聞こえるせせらぎ、カジカの声、山から聞こえるフクロウや鹿の鳴き声、夜空を彩る天の川、ときおり流れる流れ星、大きな流れ星は音(残響)がする。
焚き火を見つめながら寡黙になったり饒舌になったり。ビールやウイスキーを自分のペースで飲みながら仲間を静かに過ごす川辺で夜が更けていく。
ときどきヘッドランプを付けて川へ入ると、寝ているアユ、川底を移動していくモクズガニ、オレンジ色の目が光るテナガエビが陽炎(水流)が静まった瞬間にその姿が浮かび上がる。網を伏せて捕まえる。
冷えた身体を焚き火で温めながら何かを飲みながらうなずく。そんなときを、川の時間という。ぼくがもっとも好きな時間のひとつ。
このブログのいけないところは前置きが長すぎてみんな飽きてしまって閉じられるところ。まあ、そう言わずにもう少し見て。今度は言葉でなく写真で。
海部川下流の里山。ひまわりも咲いている。


ひまわりはウクライナの象徴でもあるけれど、少年時代にもっとも好きな植物だった。ランニング、半ズボン、虫取り編みにひまわり。これ以上、何か必要?


ほら、2022年の海部川も水のいのちが流れる。海部川ミネラルヒーリングと名付けて著作にも記した。





タキユリの話、覚えていますか?
南四国の山間部の夏を彩るこのユリはカノコユリの仲間だけれど地面から自立せず、崖からぶら下げるのが特徴。
タキユリの媚態は自然界で並ぶものがない。白と桃色とオレンジをアクセントカラーにその身を投げ出す植物なんてほかにある?






タキユリではこの写真が好きだ。幽玄な媚態、しっとりとした浴衣のなまめかしさというか。







(ミネラル回廊の旅は続く)
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