2022年08月01日

林間ノ怖イ夜道 遠キ夏ノ一里塚


夏休みに親戚の家へ連れて行ってもらった。大人たちは鮎釣りから戻ったあと、酒盛りを始めた。
いつも遊ぶ従兄弟は学校で行事があるとかでいなかったため、ひとりで虫捕りに出かけた。

小さな小川のほとりのクヌギの木でコクワガタ1匹、カブトムシ1匹(♂)を捕まえた。
さらに目を凝らすと甲虫の気配が感じられた。
蚊に食われたところを無意識に掻いていると血だらけになっていた。
気が付くと夕闇が迫り来る。
河童が遊ぶ刻(逢魔が時)、ランニングシャツに血が付かぬよう気を付けながら家路に付く。

小川は瀬の煌めきを残して深沈と闇に沈みつつあった。
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遠くに親戚の家らしき方向に灯火がちらほら。
DSFT4247-1.jpg

林の脇をすり抜けるところで、あの草むらから手が出てくるのではないか。
青白いキツネ火が待ち構えているのではないか。
意を決してこぶしを握りしめて足音を立てて通り抜ける。
DSCF3896-1.jpg

それから幾年月、夏の宵を深く沈めた林の小径は高速道路に変わった。
posted by 平井 吉信 at 23:18| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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