2022年06月18日

サツキと庭園の東福寺 裏返しの景観も見事(つるぎ町端山地区その1)


つるぎ町は吉野川から貞光川を遡って剣山へ向かう土地である。貞光町、半田町、一宇村が合併してつるぎ町となったもので、新しい町名に違和感がないのは剣山にゆかりがあるから。

つるぎ町はかつて大蛇やツチノコの目撃情報がありテレビ局が入るなど話題を提供してきた。剣山にはアーク伝説やら邪馬台国の研究を行う人もいれば、鳴門秘帖や阿波狸列伝の舞台ともなった神秘の霊山でもある。
さらに旧一宇村は巨樹の里として知られており、町がモニターツアーを行ったこともある。近年では急傾斜地での農業の営みが世界農業遺産に認定された。
https://www.town.tokushima-tsurugi.lg.jp/docs/294781.html

旧半田町内でつくられる半田そうめん手延べ製法でつくられた太めの麺で小麦の風味を堪能できる。このように、おもてなしと神秘が同居するのが、つるぎ町の良いところ。

剣山へ向かって貞光川を遡る最初の入口と呼べる場所が端山(はばやま)地区。貞光川を見下ろす高台に木綿麻(ゆうま)温泉があり、川沿いには急傾斜地が広がっている。

まずは貞光川左岸に位置する東福寺を訪問。ここには樹齢250年以上といわれるサツキの古木や庭園がある。寺では精進料理を提供(要予約)している。山中の寺では車を停める場所に難儀するものだが、ここは広い駐車場が用意されており、山道が苦手な人でもアクセスが容易となっている。

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駐車場では観音像が見守る
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手水鉢で浄めようとすると、あじさいが浮かべられている。花のいのちは短いが、せめて人々の心をなごませよとのご配慮。
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左手にはギンモクセイの古木(金ではなく銀)。ギンモクセイは初めて知った。
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不動明王を本尊とする真言宗の古刹である(もちろんご本尊は本堂にある)
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枯山水の庭。背後にイチョウの巨木がある(写真には写っていないが)
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サツキの古木がある庭を垣の外から見ているとご住職が出てこられた
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あいさつと世間話の後、ご住職のご案内でサツキの庭を寺院内から拝見する幸運に恵まれた
窓枠ごしに見ていると(行ったことはないが)京都の瑠璃光院を連想
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もっと近寄ってみた。すると、どうだろう
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裏手にある泉水の庭もご案内いただいた。山野草が咲き乱れる場所のようで、いまの時期はユキノシタが群生
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親身で飾らないご住職のおもてなしに心を動かされた。貴重な文化財のご説明を伺っていると貞光川を見下ろす山深き真言宗の寺院として地区の安寧を願うとともに、忌部神社の別当として千二百年を超える歴史をまといつつ、地域の文化を気負うことなく自然体で担っておられる印象を受けた。そういえば近所のガキ大将が三日間の修行に行かされたと聞いていたが、ここの「三日坊主」であったのかと。貞光に東福寺あり!
(このあと、道がわかりにくいことで知られる蜂須神社まで先導いただいた。恐縮というかありがたいというか、ご住職の沖田憲信さまのお人柄ゆえ。ありがとうございます)

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posted by 平井 吉信 at 22:16| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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