2022年05月21日

生きていて愉しいと思える時間を湿原で過ごす 


いつも初夏に訪れるのは池田町の黒沢湿原。
五月の薫風に浸る場所としては、コミヤマスミレの咲く県南部の渓流とともに好きな場所。
晴れの予報が出ていないが、さりとて雨の予報でもない、ということで来てみた。
(曇りの日は花にコントラストが付かず艶っぽく見える利点がある)

まずは道ばたの草花に目を留めながら。
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ヒメハギは至るところに、ウツボグサ、ハンカイソウはまだ。
花が華麗なこともあってもっとも目立ったのはノアザミ。
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スミレ類ではニョイスミレのみ。遅い時期まで残るスミレでこの場所が標高の高い湿原というのもあるだろう。タチツボスミレ、シハイスミレはすべて終了。
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ツツジも一部には残っていたが、ほぼ花後となっていた。散ったあとの散策もまた愉し
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食虫植物(これはイシモチソウだね)が生息するのも湿原の魅力。ガガンボが捕らわれていた。
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柏餅でおなじみの葉(サルトリイバラ)
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ソクシンラン
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初夏から夏にかけてランの仲間が独特の造形を咲かせるだろう
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この湿原に自生するものはすべて大切だが、ヒツジグサもそう。県外から来た親子連れがオタマジャクシを採っていたようだが、ヒツジグサは持って帰っていないと信じたい。貴重な生態系なので規制や罰則の有無に関わらず保全に協力して欲しい。
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近年になって山の保水力が衰えたのか湿原は乾燥傾向があるのが気掛かり。
展望台から見下ろす湿原(これでも一部)
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(あと2週間早ければツツジが湿原に深紅の色彩を落としていただろう)

いまの時期の湿原の主役はノアザミだ。
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そこにクマバチがやって来て夢中で仕事をしている。厳つく見えるがおだやかな性質
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花期には早いと思ったが、トキソウがちらほらと咲いていた
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その湿原に水が集まる場所があり水路のように澪筋(小川)をつくる
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この湿原の大きな魅力は湿原を流れる小川の存在。シダ類の緑を縫うように音を立てるせせらぎを聴いているだけで、新緑を映す流れを見ているだけで来てよかったと思える。
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黒沢湿原にはこの湿原のみの植物を集めた図鑑がある。地元でゴルフ場建設の話が持ち上がったとき地元有志がトラスト運動など開発を止める活動を行った。図鑑の著書の頭師先生もそのおひとりである。そしてこの図鑑をいただいたのは町内の工藤政幸さんからで、いまも大切に活用している。
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シダの仲間の造形はアートのよう(片方はムカデに見える)
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ツツジは数えるばかりだったがまだこの木では盛り
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湿原の南には前回までにはなかった茅葺きの民家が造成されていた。
(あとでわかったがこの民家はある特殊な用途のために建造されたもの)
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来年はツツジの盛りの頃に来てみよう。
同じ場所で同じものを見てもめぐる季節はまた別の心の動きを与えてくれる。それこそが生きる歓びではと。
(NHKプラスに登録すると「ちゅらさん」の総集編3話を見ることができる。おそらくはその最終回で、「楽しいさあ 生きてるって。楽しいさあ」と恵里の言葉が繰り返されて終わる。歴代のテレビ小説のなかで高い人気を獲得したのは国仲涼子の素のままの演技とキロロの主題歌のぴったり感、物語につくりもの感がなく身近に感じられた人間関係もあるのだろう。人生は楽しいと思えない人に政治や行政の寄り添う行動を見せて欲しい。ぼくの場合はベートーヴェンの音楽、空海の行動や道元の言葉が支えとなって今日まで来られた。あなたが人生を決して諦めなければ人生があなたになにかを届けてくれるはず)
タグ:黒沢湿原
posted by 平井 吉信 at 22:12| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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