もしこの地上に沖縄がなければ世界はつまらないものになる。
南の島なんて地球上に数え切れないほどあれど、
沖縄(琉球)のような国はどこにも存在しない。
排他や競争とは無縁の人々のつながり、分け隔てなく隣人と接する態度、そこにある風土と食の誇らしさ。
新婚旅行は迷うことなく八重山(やいま)を選んだ。
石垣島を拠点に西表島、竹富島を巡った。
岡本太郎があまりの美しさに腰を抜かしたといわれる川平湾だけでなく
そこらにあるサトウキビ畑、その丘陵が海に続いていく。風が違うと感じた。


海の色はやわらかな階調で淡くきらめき深く沈み込む。



やなわらばー「青い宝」(観光地でない島の日常と歌の世界観が溶け込んでいる公式映像)
https://www.youtube.com/watch?v=ppw41qGMJcc
集落を歩けば至るところに文化の凝縮された何気ない竹富島の日常。



西表の亜熱帯雨林を流れるヒナイ川の潮の干満を感じながらカヌーでピナイサーラの滝へと向かう。



食べるものはすべておいしい。共通は塩辛くなく脂っぽくもなくそれでいて淡泊ではなくコクがあるけれどあっさりしているとでもいうか。

地元の人たちが通う居酒屋や料理店を見つけて食べたものを徳島に戻って風味をそれ以上に再現できたときのうれしさ。
音楽だって、手元にあるCDを拾ってみても、やなわらばー、神谷千尋などの沖縄の色濃くも初々しい歌手だち、ネーネーズ、りんけんバンド、古謝美佐子、喜納昌吉などのベテランの音楽の恰幅の良さ、三線を聴かせる新良幸人、大島保克、大工哲弘による島唄。BEGIN、Kiroro、石嶺聡子、夏川りみなどのヒット曲を生み出した歌手勢、さらには上間綾乃。奄美まで拡げれば、朝崎郁恵、元ちとせ、里アンナ、城南海。またキングレコートから発売されている八重山の民謡集に収録されている楽曲、例えば「月ぬ美しゃ」などは酒を飲んで珍しく酔ったときに真っ先に口をついて歌ってしまう。No woman no cryはネーネーズ版(うちなーぐち)で歌ってしまう。
YouTubeを見ると、沖縄・八重山の楽曲には英語(海外)からのコメントが多いことに気付く。何か言語を超えて伝わる何かがあるのだろうね。
沖縄やアイヌの人たちにはヤマトにはない人間の本質的な存在感、誇りが感じられるよね。
でもその沖縄が復帰50周年を迎えて地元では憂いが濃いという。簡単に本土の人間には分かって欲しくないと思われるだろうが、沖縄の立場に立てば復帰を喜べないのはヤマトも同じだよ。
こんな状態が50年続いてこれからも続くようなら沖縄は日本からの独立もしくは連邦国家のような立ち位置も考えなければならないね。
沖縄の地勢と人々の気質を強みとする地域戦略を描きたいけれど、日本政府にはその能力がないのだろうね。日本、台湾、香港、ベトナム、大陸、朝鮮半島のハブとなり得る立地なのでシンガポールのような自由貿易特区、スイスのような厳格な個人保護を貫く金融センターを併せ持つ地域としてしくみをつくる。やがて各国から投資や人材が集まるようになる。幸か不幸か沖縄には米軍基地が種地としてあるから、地主にいったん返還した後に地権者として事業化に関わってもらったらいい。
本土は憲法を改正してまずは安倍内閣のように独裁が暴走しないように歯止めをかける。生態系保全や人権、考え方の多様性を明文化するための改正を行うとともに、自衛隊に代わって平和を守るための軍隊を置く(平時は災害救助などで活躍するいまの自衛隊と変わらない)。場合によっては徴兵制度が必要かもしれない。平和ぼけしている国民に平和の価値を考えてもらうきっかけとなる。
本土は沖縄を防衛する力を持って、沖縄は非軍事地域として交易拠点、金融センター、世界でも稀な風土を持つ観光を加えた三本柱で発展させていく。魅力ある移住先、投資先となった沖縄には有能な人材や資金が流入してやがて本土の所得を上回る。言語も日本語のみならず、数カ国語が併用されるようになる。それでも琉球以来の沖縄らしさはより色濃く打ち出されるようになる。
なぜなら経済力を背景に沖縄のことは沖縄で決める自治が機能するから。これまで基地と沖縄振興予算に依存してきた人たちから、独創的創造的な取り組みを行う人たちが台頭して沖縄が本来の輝きを取り戻す。
ヤマトにとってもそんな沖縄はもっと魅力的になる。もともとその風土や文化、食は本土の憧れの対象であったが、強みを活かせる沖縄が自主的な動けるようになると、どんどん沖縄がよくなり、その沖縄をゲートウェイ、ロールモデルとして本土も失われた30年から脱却を図ろう。
これは理想論ではなく現実的な考え方と思う。県土の17%が基地という状況でまともな施政などできるはずがない。沖縄から基地は全廃する代わりに本土が平和維持のための軍隊を装備して沖縄を守る構図をつくりあげること。本土からのスクランブルのみならず、基地がなくても例えば空母が沖縄に常駐することで、悪意を持った侵略者への備えはしておく。
ただし沖縄が近隣の国々と強い結びつきをつくることで相手にとってかけがえのない地域となる。外交力による解決の可能性が高まることで結果として戦争リスクを下げることにつながる(太平洋戦争での教訓は外交力を磨くこと、食糧や資源の自給率を上げることだったと思うから)。かつての琉球王国が持っていた礼節を重んじる守禮之邦(しゅれいのくに)に原点があるのだ。それはいまの世界がもっとも必要としている意思疎通でもある。
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