2022年04月23日

北国へ帰りそびれたスミレ これからも四国でいられるよう 四国でいて欲しい


讃岐山脈(阿讃山脈)は標高数百メートルから1,000メートルの山々が県境を東西に連なり、そこを何本かの国道、県道が山脈を横切るように香川県と徳島県を南北に連絡している。これより北に高い山がないため、冬は北西の季節風が駆け抜ける。

讃岐平野のところどころには丘陵とため池、富士山のようなこんもりとした円錐形の山を絶妙に配する自然がつくりだした里山庭園の趣がある。この地勢のなかで盆栽文化が発展してきたことも頷ける。

里山から一部はブナ林までが分布するこの地域は山野草の種類の豊富さが特徴である。3月下旬から4月下旬にかけていくつか見てきたものがある。

まずはスミレの仲間から。
日本固有種のような学名が付いているコスミレだが東アジアにもあるという。ある種の華やかさを備えている(3月下旬)。
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丸い葉と可憐な白を基調とするのはアオイスミレ。葉が葵のようなことから名付けられた。シハイスミレと同様、早春のスミレ。
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見たことのない大きな葉を持つスミレがある。以前に県南部の平地で見かけて意外に思ったオオタチツボスミレの葉と判断。雪が降る寒冷な地域のスミレだから。
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つぼみを付けた花柄を見つけた。あと2週間ぐらいで開花するかもしれない
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ユキワリイチゲ、セリバオウレンも群生している
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ふもとに下りてくるとナガバノタチツボスミレが群生
(この場所の群落は特に花弁の色調と紋様が美しい)
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ときは流れて4月中旬、明るい広葉樹の森が連なる稜線を歩く。
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フイリシハイスミレが登山道の脇に点在する
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前回この山域で見た葉はやはりオオタチツボスミレであった。葉が丸く大きい。背が高い。花の雰囲気もタチツボスミレと少し違う印象がある。
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それにしても北海道や日本海など豪雪地帯のスミレがなぜ四国の一角に咲いているのか? かつて氷河期の終焉を迎えたころ北へ帰りそびれたのだろう。剣山で見られるツマトリソウなどもそうかもしれない。

この場所(数メートルしか離れていない)にはタチツボスミレの群落もある。なかにはタチツボスミレのなかに1輪だけオオタチツボスミレがある場面も。
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それなのに両者の交雑(ムラカミタチツボスミレという)は観察されない(どちらも固有の形態を明確に保っている。もし交雑があるとすれば、背の高いオオタチツボスミレよりもさらに背が高くなるはず)。
根拠のない推論だが、交雑種のムラカミタチツボスミレが現れるためには相方のタチツボスミレが北国特有の特徴(山陰型、日本海型など)を備えている必要があるのではないか。

オオタチツボスミレ、見ていると気持ちが和む。
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おおらかで伸びやかだけど、葉の曲面やら背が高くてしなやかな造形が佳い。オオタチツボスミレは北国へ帰りそびれたけれど、ブナの森と同様にあと数百年はこの地で種をつないでほしい。温暖化を食い止めなければ生態系は壊れていく。ヒトの役割と責任は重大だ。
タグ:スミレ
posted by 平井 吉信 at 23:33| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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