2022年04月09日

人もスミレも安息の場所 里山の森のスミレ(徳島市)


ここは里山。徳島市内とは思えない場所で上水道はなく谷の水をろ過して飲んでいる。
集落の上には在所の人々の信仰を集める神社と神社を取り囲む昼なお暗い森がある。
スタジオジブリで見るような景色が2022年にも残る。好きな人にはたまらない光景である。
集落にはシカ、イノシシ、タヌキ、ウサギが出没する。猿はいない。

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この里山はスミレの宝庫である。
集落の手前の岩場は水が滴る湿潤な場所。タチツボスミレが群生している。
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自生地は水苔のような崖である
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この形態はタチツボスミレだけれど、どこかケイリュウタチツボスミレに接近していなくもない。
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鎮守の森に入る手前に沢があり、その一帯の斜面にはタチツボスミレが群生している。ただし側弁には毛があるタイプである。ナガバノタチツボスミレと見まごうような花弁の色が濃い個体があるのは日陰だからだろう。
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西日本の森の女王、シハイスミレ。やや日当たりの良い斜面に自生している
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南向けの開けた斜面に一輪だけ。アリアケスミレと思われる。花柄や萼が茶色と土壌や環境の影響か。1個体のみで周囲に自生がなかったことからも人間が意図せず持ちこんだのだろう。
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山頂から集落を指呼の間に見ることができる。馬場のような地形となっている。実際にかつては馬を走らせていたのではないだろうか(四国の尾根で少し距離の取れる平坦な場所は実際に馬場として使われた)。
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集落で採れる野菜はおいしいのは傾斜地で水はけが良いこと、霧や雨に恵まれること、日照時間が確保されることなどである。かつてはみかんで生計を立てていた家々が多く、どの家にも貯蔵庫(納屋)がある。しかしこの集落も高齢者が亡くなると家主不在の家が増えつつある。

氏神さまの社も老朽化が著しいが地区に建て替える財力はもはやないのかもしれない。
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屋根裏に棲み着いているケモノがいるという
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里山とは人々の暮らしと一体となった自然(生態系)のこと。ヒトの営みを介して文化や経済が土や森や川と同義語であることを表す。そんな場所はスミレたちの安息の場でもある。
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集落の上部の尾根に広がる森は地域の生態系を残している。ただし鹿害のため森の下草は激減している。
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人がいなくなればスミレは増えるだろうか? いや、生きていけなくなるはずである。

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タグ:スミレ
posted by 平井 吉信 at 11:11| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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