井上望もそうだった。アイドル歌手に括られるのかもしれないけれど、歌唱力が際立った新人、という印象。
1980年前半はアイドルが百花繚乱。
百恵と交替するかのように裸足の季節で彗星のごとくデビューした松田聖子は2作目の青い珊瑚礁で一気に疾走。いや、デビュー曲ですでに大輪の器を見せていた。
この楽曲は音程の跳躍や部分的な半音など技術的にも難曲で
アイドルのデビューに向けられた無難な楽曲ではない。
作家陣、編曲とも総力を尽くして新人には背伸びした楽曲を提供したところ、
それを乗りこなしたばかりかステップアップの踏み台にしてしまった。
(「夜のヒットスタジオ」初出演で緊張する舞台で伸びやかにうたう動画がYouTubeに残されている)
松田聖子でもっとも好きな楽曲は「小麦色のマーメイド」。シングルレコードB面の「マドラスチェックの恋人」も同じぐらい好き。

中森明菜の「スローモーション」も抜きんでていたし、河合奈保子、小泉今日子、三田寛子、堀ちえみ、菊池桃子といったアイドルもそれぞれに個性を発揮していた。
そんななかで井上望はいつのまにか見かけなくなったようだけど、
4枚目のシングル「メイク・アップ・ミー」は良かった。
(「裸足の季節」とはリリース日が10日ぐらいしか違わないのだ)
またまた個人的な話で恐縮だけど、
北国から転向してきた同級生のことが気になっていた(南ではなく今度は北)。
「メイク・アップ・ミー」を聴く度に片思いだった彼女のことを思い出す。
垢抜けない雰囲気が魅力でその横顔とはにかむ笑顔に惹かれたのだ。
(声をかければよかったのかも、などと思うこともあったけど)
それがどこか井上望に似ていた。
井上望の動画も奇跡的に残されている。やはりこの曲を余裕で歌っている。
また聴きたくなってきた。配信サイトに載らないかな。
理想をいえば音源の再CD化だけど。
追記
実はいまの井上望の生歌がYouTubeで聴けることを発見した。
ご主人のエド山口さんのチャンネル「エド&望 歌謡曲バンザイ♪」で
夫婦でうたう動画が多数掲載されている。
歌声は相変わらず艶やかで佳き人生を重ねて来られたのだなと推察。
見ていると愉快な気分に♪
https://www.youtube.com/watch?v=4GYRcL8xW-A
https://www.youtube.com/watch?v=FW_XsBS-KGI
(いまの井上望さんでカバー曲集でもつくってもらえないかな)
追記2
今回の投稿とは関係ないけど心地よいカバーバンドを見つけたのでメモに。
「君は天然色」(ナレロ)
https://www.youtube.com/watch?v=yx46JLR38r8
「夢先案内人」(ナレロ)
https://www.youtube.com/watch?v=kmkAycEgxwM
(個人的な意見です)
ナレロのめざす音楽は仲間で愉しみながら演奏していることが伝わるところ。
選曲も琴線に触れるとぼくを含めて多くの人が感じている。
限られた楽器編成で忠実に再現をめざしながらも、そこから先はオリジナリティが発揮されている。
ツインヴォーカルの良さが最大限に発揮されていてレイドバックしてとても心地よい音楽となっています。
声が器楽的にうたっている箇所があるようで、詩の意味を踏まえるとさらにすばらしくなるように思います(音程も探しに行かずに決めるとさらに)。
応援しています。
人は音楽がなければ生きてけない、音楽は究極の愉しさということが伝わってくるね。
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